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『かまいたちの夜2』“惨殺篇”は超絶スプラッター。美しさすら感じるラストに心を掴まされた!【メモリの無駄づかい】

文:カワチ

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 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は、PS2に登場した『かまいたちの夜2』について紹介します。

[IMAGE]※この記事には『かまいたちの夜2』のネタバレが含まれています。

スプラッターすぎる!


 PS2本体といっしょに購入したこともあり、とても心に残っている『かまいたちの夜2』。前作『かまいたちの夜』を手がけた我孫子武丸さんのほか、牧野修さんと田中啓文さんが参加しており、作家性の強いシナリオが多かったです。

 前作『かまいたちの夜』とは少し毛色が違う作品になっていますが、「ゲームでここまで表現していいのか」と尖りまくった内容に驚かされましたし、今も心に残っているシーンがたくさんあります。

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 PS2の性能を活かしたグラフィックや演出もすごかったですね。“底蟲村篇”のラストなどいろいろインパクトのあるシーンはありましたが、筆者がいちばん最初に思い浮かぶのは“官能篇”のみどりさんのやらしいお尻のモーション。なお、のちのインタビューであのお尻のモーションのモデルが男性スタッフだったと知り、ガッカリした記憶も(笑)。

 前回の記事でも触れましたが、筆者がとくに印象に残っているのは“黒のしおり”を手に入れてからルートに入れるようになる“妄想篇”と“惨殺篇”。妄想篇については前回の記事で紹介したので、今回は惨殺篇について振り返りましょう。

 この惨殺篇はその名のとおり、キャラクターたちが次々に殺されていくスプラッターの内容。『かまいたちの夜』はミステリーなので人が死ぬシーンも多いのですが、惨殺篇はとても猟奇的。呪いを題材にした“陰陽篇”もかなりグロかったのですが、この惨殺篇は行きつくところまで行きついたようなイメージでした。『かまいたちの夜2』はPSP版も発売されていますが、このPSP版は『惨殺篇』のショッキングな描写がかなり削られているのでそれだけ攻めていた内容であったことがわかります。文字だけでも生首の描写はダメだったのでしょうね。

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 この惨殺篇は人に寄生する虫が原因で、その虫に寄生されると人を殺すことが快楽になるというもの。首から上が切り取られた死体やドバドバと吹き出す血もグロいのですが、そんな死体を見て「見つめているうちにだんだん可笑しくなってきた。声こそ出さなかったがにたにたと笑っていた。」と書かれた地の文も気持ち悪かったですね。気持ち悪すぎて最高でした。

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 グロ! グロ! グロ! といった感じでとにかくスプラッターな惨殺篇ですが、いちばん衝撃的なのはクライマックス。これまでの被害者たちの首が吊るされた樹木は忘れられないトラウマになりました。PS2のゲームでこんな表現、大丈夫なのか!?

 ただ、惨殺篇は最後にどんでん返しがあり、犯人を倒したあとも終わりません。選択によって2つの結末に分かれますが、やはりトゥルーエンドである“欲望の果てに”が素晴らしい。主人公・透の生首を掴んでゆっくり歩くヒロイン・真理の姿は美しくもあり、ゲーム史に残るエンディングの1つになっていると思います。

 誰にでもオススメできるものではありませんが、“やりきった”という意味で拍手を送りたいストーリー。前述のとおり、PSP版は表現が変わっているので、できればオリジナル版のPS2版でプレイしてもらいたいところ!

カワチRPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。

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