電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、集英社ゲームズが2024年内に配信予定のNintendo Switch/PC(Steam)用ソフト『都市伝説解体センター』の開発者インタビューをお届けします。
本作は、クリエイターチームの“墓場文庫”が開発を担当し、集英社ゲームズより配信予定となっています。
本記事では、集英社ゲームズ開発プロデュース本部 開発2部 林チーム シニアプロデューサーの林真理氏と、クリエイターチーム“墓場文庫”のグラフィッカー/デザイナーであるハフハフ・おでーん氏にお話を伺いました。
誰もが楽しくクリアできるゲームを目指したミステリーアドベンチャー! 漫画編集者の協力など、集英社ならではの開発方法にも注目【都市伝説解体センター】
――まずは、本作が開発されたきっかけについてお聞きします。集英社ゲームズとクリエイターチームの“墓場文庫”が組むことになった経緯についてもお聞かせください。
林真理氏(以下、敬称略)
組むことになったきっかけは、“Google Play | Indie Games Festival 2021”で、“墓場文庫”さんが集英社ゲームクリエイターズCAMP賞を受賞されたことでした。
そのときに「ぜひ一緒に何かやりたいですよね」というお話になり、「なにか企画を考えてみようか」というところからはじまったのが、本作です。
そのときに「ぜひ一緒に何かやりたいですよね」というお話になり、「なにか企画を考えてみようか」というところからはじまったのが、本作です。
――本作は、都市伝説がテーマのミステリーアドベンチャーということですが、このテーマやジャンルは最初の段階から決まっていたのでしょうか。
林
墓場文庫さんはミステリーにこだわってらっしゃるし、面白いものも書かれてたので、ミステリーをやろうということは決まっていました。
そして、墓場文庫さんの前作(『和階堂真の事件簿』)が刑事モノだったので、それとはまた違ったミステリーがやれたらいいよね、っていうところからスタートしたんです。
そして、墓場文庫さんの前作(『和階堂真の事件簿』)が刑事モノだったので、それとはまた違ったミステリーがやれたらいいよね、っていうところからスタートしたんです。
アイディアを出していくうちに“都市伝説”というキーワードが出てきて、これはいいね、と。そこから『都市伝説解体センター』って名前が決まるまでは、あっという間でした。
――テーマに関連して、お二人の好きな都市伝説はどんなものでしょうか。
ハフハフ・おでーん氏(以下、敬称略)
僕はネット怪談の“コトリバコ”というのが大好きで。
その箱に近づくと呪われてしまう、というお話なんですけど、そのバックボーンとか設定とかがものすごくよくできてて、考察しがいのあるものなんです。考察していくと「これって本当にあるものなんじゃないか?」って思えるような。
そのリアリティの出し方というか「これって本当なの? 本当じゃないの?」って考えられるようなところが好きです。ネット怪談で創作だとは思うんですが、そこの曖昧なところが僕はたまらなく好きです。
その箱に近づくと呪われてしまう、というお話なんですけど、そのバックボーンとか設定とかがものすごくよくできてて、考察しがいのあるものなんです。考察していくと「これって本当にあるものなんじゃないか?」って思えるような。
そのリアリティの出し方というか「これって本当なの? 本当じゃないの?」って考えられるようなところが好きです。ネット怪談で創作だとは思うんですが、そこの曖昧なところが僕はたまらなく好きです。
林
いるかいないのか分からない都市伝説というのが好きで、例えば“ビッグフット”とか。子供の頃にそういう番組がよく放送されていたので、好きですね。他にも“雪男”や“エリア 51”とか、こういう都市伝説はすごい好きです。
――さまざまな都市伝説がありますが、本作に登場するものについては、どのような基準で選んでいったのでしょうか。
――さまざまな都市伝説がありますが、本作に登場するものについては、どのような基準で選んでいったのでしょうか。
林
本作については、世界で販売していくという考えがあったので、都市伝説を選定するときには、世界中で分かりやすいものを基準に選びました。
と同時に、日本にはこういう都市伝説があるんだよ、ということを海外の人に知ってもらいたいという気持ちもあったので、両方を織り交ぜているという感じですね。
と同時に、日本にはこういう都市伝説があるんだよ、ということを海外の人に知ってもらいたいという気持ちもあったので、両方を織り交ぜているという感じですね。
――都市伝説がテーマということもあり、ホラーゲームのような印象を受ける方もいらっしゃるかと思いますが、これについてはどうお考えでしょうか。
林
開発側としては「ミステリーをやろう」というところからスタートしたので、実はホラーとはあんまり考えてないですね。
脅かして「キャー」っていうようなホラーというのは、意識していません。あくまでもミステリーなので、自分で考えて謎を解いていく感じです。
都市伝説なので「謎が解けたんだけど、なんかちょっとモヤっとするな……」みたいな、少し謎を残すようなミステリーっていうのを考えて作ってきたので、そういうところを楽しんでもらえるといいですね。
脅かして「キャー」っていうようなホラーというのは、意識していません。あくまでもミステリーなので、自分で考えて謎を解いていく感じです。
都市伝説なので「謎が解けたんだけど、なんかちょっとモヤっとするな……」みたいな、少し謎を残すようなミステリーっていうのを考えて作ってきたので、そういうところを楽しんでもらえるといいですね。
おでーん
メインのキャラクターが3人いるので、その3人のチームものと思っていただくのが一番いいのかなと思ってます。
主人公の“福来あざみ(ふくらいあざみ)”というキャラクターは、まさにユーザーの分身です。そして、チームの頭脳を担当するのが“廻屋渉(めぐりやあゆむ)”という、都市伝説解体センターのセンター長。
さらに“ジャスミン”という、あざみのサポート役&ちょっと肉体派的な立ち位置のキャラクターがいて、この3人が協力して都市伝説を調査していく、という話になるかなと思ってます。
林
バランスが取れてる3人ですが、実は二面性なんかもあって、ストーリーが進んでくるとだんだん別の側面が見えてきたりとか。連続ドラマのような感じで、1話ずつ進んでいくと人間関係も進んでいく、みたいなところも考えて作っています。
おでーん
モチーフとして幽霊などは出てきますが、それらを調査していく過程で、ミステリーのような雰囲気を感じ取っていただければと思います。
――本作を開発するにあたって、年齢などのターゲット層については意識していましたか?
――本作を開発するにあたって、年齢などのターゲット層については意識していましたか?
林
年齢については、あんまり考えていなかったですね。ただ、ふだんゲームをやらない人でも遊べる、ということは意識していました。
あんまりゲームやらないんだけど、っていう人でも手にとって最後までクリアしてもらいたいな、という気持ちはあります。
あんまりゲームやらないんだけど、っていう人でも手にとって最後までクリアしてもらいたいな、という気持ちはあります。
おでーん
ストーリー重視のゲームになっているので、どのプレイヤーでもクリアできてストーリーを楽しめる、というところを大事にしたいなと思っています。
――本作では、ゲームシステムとしてSNSを活用する場面が印象的でした。こちらはどんなところを意識して作られたのでしょうか。
――本作では、ゲームシステムとしてSNSを活用する場面が印象的でした。こちらはどんなところを意識して作られたのでしょうか。
林
本作では、現実の話の延長としての都市伝説、みたいなことをテーマとして考えていました。今の時代、都市伝説のウワサがどこで流れるのかといえば、やっぱりSNSなんじゃないかと思います。
自分の生活と地続きで「自分には起きてないけど、友達にはもしかしたら起きてるかもしれない」と思えるような。そういった身近さみたいなものを感じてもらえたらいいな、と思って作っています。
自分の生活と地続きで「自分には起きてないけど、友達にはもしかしたら起きてるかもしれない」と思えるような。そういった身近さみたいなものを感じてもらえたらいいな、と思って作っています。
実は、追いかけている事件とはまったく関係のない都市伝説の話がSNSで流れていることもあるので、そこも注目です。
――本作のグラフィックについて、こだわっている部分はありますか。
林
ドット絵というよりは、あえて色数を絞ったグラフィックデザインみたいなところがありますね。表情の付け方は、かなりアニメーション風だなと。
想像の余地を残す、ということは意識しています。全部を書き込んでしまうのではなく、都市伝説ならではの怪しさだったり、ミステリーの想像力をかき立てるように色を絞ったり、というのは最初から計画してますね。
想像の余地を残す、ということは意識しています。全部を書き込んでしまうのではなく、都市伝説ならではの怪しさだったり、ミステリーの想像力をかき立てるように色を絞ったり、というのは最初から計画してますね。
おでーん
あえて色数を絞ることによってインパクトを与えれば、みんなの記憶にも残るんじゃないかなと。
林
実は、本作の開発にあたって、漫画の編集さんにも協力してもらってるんです。映像を見てもらって、コメントをもらったりとか。なかには、がっつりプレイレポートを書いてくれた方もいました。
おでーん
ただインディーゲーム開発をやっているだけでは得られない、集英社ならではのフィードバックをもらっています。
林
例えば、チュートリアルでは、漫画の“最初の1話の立ち上げ方”を参考にしていたりとか。ゲーム業界だけでは得られない、なかなか他にはない経験をさせてもらっています。
――最後に、ユーザーへのメッセージをお願いします。
――最後に、ユーザーへのメッセージをお願いします。
林
開発は佳境に入ってきていて、最後の追い込みをかけているところです。基本的には4人のチームですので、無理のないペースで制作を進めています。
おでーん
幅広いユーザーに遊んでいただきたい、今はもうあまりゲームを遊んでいないという方にもプレイしてもらいたい、そんな気持ちで作っているゲームです。
みなさんが気持ちよくクリアできて、ストーリーを楽しめるゲームを目指して作っていますので、ぜひ遊んでいただければと思います。
みなさんが気持ちよくクリアできて、ストーリーを楽しめるゲームを目指して作っていますので、ぜひ遊んでいただければと思います。