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NCSOFT新作『護縁』先行プレイレビュー。高度に発展した科学技術は魔術と区別がつかないように、高度に発達したネットRPGは1人用RPGと区別がつかない

文:電撃オンライン

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 NCSOFT CorporationがiOS/Android/PCで配信予定の『護縁(ごえん)』。PCオンラインゲーム『ブレイドアンドソウル』の3年前の世界を舞台にしたMMORPGをベースに開発されたタイトルとなっています。

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 そんな『護縁』のメディア向け体験会が実施され、冒頭部分をプレイできたので、本記事では、バトルやシステムについてレビューします。

 なお、『護縁』は世界観やキャラクターも秀逸(特にキャラ同士の関係性を掘り下げる要素が白眉)で、1人でじっくり遊べるストーリー&キャラゲーとしてもよくできた神ゲーです。

 その一方、MMORPGをベースに開発されているので、ネットゲームとしても完成度が高いのですが……いろいろなシステムが積み込まれた結果、1人で遊ぶゲームとしての完成度も非常に高くなっていました。序盤の数時間を遊んだだけではありますが、そこで感じた魅力をレポートしていきます!

『護縁』のアクションバトルは操作は簡単。ただし、技の発動やダッシュのタイミングが重要に


 MMORPGにとって戦闘は切っても切れない関係。本作の戦闘は、攻撃や武功(スキル)を組み合わせて戦うオーソドックスなものがベースです。戦闘では、5人でパーティを編成し、リーダーにしたキャラクターを操作。それ以外の4人はフィールド戦闘時には現れず、奥義武功を使用するときに戦闘に参加するようになっています。

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 敵をターゲットして画面右下の攻撃ボタンをタップすれば自動で攻撃を行ってくれます。あとは武功の発動タイミングやダッシュ(回避)に集中すればいい感じです。

 敵の攻撃範囲は色で明示されるので、攻撃と回避のメリハリがしっかりとついており、アクションゲーム的に遊べるところがポイントです。後述しますが、戦況を見て“適切な操作”が必要となる=プレイスキルの上達が実感できるバトルシステムとなっているのが楽しいんです!

 また、パーティに編成したキャラクターが使用できる奥義武功の奥深くなっています。キャラクターは、火、水、毒、雷、闇、無のいずれかの属性を持っています。

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▲基本の属性に毒っていうのは珍しい気がします。

 敵には弱点属性が設定されています。弱点属性で攻撃すると弱点ゲージが増えるので、積極的に狙っていきたいところ。弱点ゲージが最大まで溜まると、弱化状態となりダメージを増加させられます。

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▲弱化状態は時間経過で解除。解除後は一定時間、弱化状態にできませんがこれだけ強力なら少しくらいのデメリットは許容できます。というか、ただのクールタイムのようなものでこれはデメリットですらないのでは?

 弱化状態にすると敵の能力が減少するのですが、その影響が大きく、一例ですが、敵が与えるダメージ量が80%減少と受けるダメージ量60%増加という効果を与えます。

 弱化状態の場合、通常時の攻撃で100ダメージ与える敵なら20ダメージに。プレイヤーの攻撃で100ダメージ与えられる敵なら160ダメージ与えられるという計算になります。数値に表すといかに弱化状態の影響がすさまじいのかがわかります。

 弱点を突けば弱化状態。さらにスキルを連続で発動すれば、協力技が使用できるようになります。弱化状態と同じように協力技も重要です。当たり前と言えばそうですが、味方が武功を使用するように敵も武功を使用してきます。その武功の発動を中断して遮断できるのが協力技です。

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 敵が武功を使用するときには、名前やHPのうえにゲージが表示され、ゲージが最大まで溜まったときに発動します。このゲージが溜まりきるまでに協力技をヒットさせることで、武功の発動を遮断。さらに大ダメージも与えられる攻防が揃った万能なシステムです。

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▲協力技で遮断できない武功も。その場合は、遮断不可という文字とゲージが赤色で表示されます。

 協力技は通常時は表示されませんが、使用できるようになるとアイコンが表示されます。ただし、使用できるのも一定時間なので、いつでも使用できるわけではありません。使いどころは考える必要がありそうです。

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 奥義武功に関わる弱化状態と協力技はどちらも便利で強力なので、積極的に使っていきたいところ。ですが、弱化状態にするために奥義武功を使っていると肝心の場面で協力技での遮断ができなかったり、協力技のために温存していると弱化状態にしにくかったり、両立しにくくなっています。

 どうしても両立が難しいという場合は弱化状態を優先した方がよさそうです。

 というのも、協力技での遮断はダッシュで代用ができるから。さらに敵の武功にあわせてダッシュを使用すれば、ダメージ減少と状態異常への抵抗がアップする“受け流し”が発動します。


 遮断とダッシュという防御面の要素が充実しているので、強敵相手にも納得感がいく戦いができますし、プレイスキルの上達が強敵撃破に直結していくところが楽しいゲームになっているんです。

 なお、技の使用のオンオフなどを設定してオートバトル的な運用もできますが、基本的には装備素材を集める際などに利用するのがよさそうです。『護縁』は“ちゃんと画面を見て、キャラを操作して遊ぶ”ことが楽しいゲームとして作られていると感じました。

『護縁』のジャンル“スイッチングRPG”の“スイッチングって?


 本作のジャンルは、“ドラマティック縁バトルRPG”ですが、発表時にはスイッチングRPGとも紹介されていました。

 このスイッチングという言葉が何を意味しているのかと言うと、アクションバトルだけでなく、コマンドバトルも用意されているから。

 フィールドなど戦闘の多くは、アクションバトルとなっています。ですが、ストーリー中の一部のバトルや“心象修練”などのコンテンツではコマンドバトルでの戦闘が行われます。

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 コマンドバトルは、タイムラインに表示されている順番で敵味方が行動するようになっており、キャラクターは通常攻撃と2つの武功、究極技を使用して戦います。

 基本的にアクションバトルである弱化状態などのシステムは残っているので、戦い方が変わるくらいの感覚でプレイできます。

 そして、このコマンドバトルとアクションバトルは、いつでもどこでも任意に切り替えられます。さらにコマンドバトルには放置ゲー的な要素があるのもポイント。

 ストーリーを進めながらアクションバトルを行っている裏でコマンドバトルを実行可能。もちろん、アイテムなど入手できるものはどちらからも入手できるので、ただただ効率が良くなります。

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▲武功の性能などはアクションバトルのときと異なる性能になっています。ある意味、ゲームが2本分入っている!

 ほかにも、遊べるコンテンツは豊富に用意されています。今回は時間の関係であまりプレイできなかったので、プレイできた範囲で紹介していきます。

 まずは、“依頼”。依頼を受注したうえで条件を達成するとさまざまなアイテムがもらえるというもの。キャラクターの入手手段は主にガチャになるのですが、報酬の中には集めることで確実にキャラクターを入手できる“好感度”も。簡単なものも多いので、できるだけ依頼を受注しておくと無駄がないです。

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▲依頼をする依頼人もただのNPCというわけではなく、友好度というステータスが設定されていてストーリーも用意されているようです。

 “指名手配”は、絆を結ぶために必要なアイテムを獲得できるバトルコンテンツ。敵はランダムで表示されますが、初期状態では影で表示されてどんな敵かわかりません。
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▲コンテンツの名前だったり、初犯と書かれていたり、こいつらはどんな悪いことをしてきたのでしょうか。

 敵を選ぶとどんな敵と戦うのかがわかるので、選ぶときには緊張感がありますね。戦闘はコマンドバトルになっています。

 “ネームド”は、敵を選んで戦うという点は“指名手配”と似たような感じですが、戦闘はアクションバトルになっているのが特徴。敵も固有のグラフィックがあるキャラクターということもあってか、“指名手配”より強力。主に装備品を集められます。

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 戦うという点では同じですが、“比武行”は少し変わっています。特筆すべきは属性の柄を揃えるビンゴになっていること。

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▲敵は属性と戦闘力が表示されています。欲しい属性の敵が倒せなさそうな場合は、どの列を狙うか、軌道を修正するのも作戦。
 “指名手配”同様に敵を選んでコマンドバトルで戦闘が行われますが、敵にはそれぞれ属性のマークが設定されています。勝利するとビンゴシートの属性が埋まっていき、ビンゴ達成でアイテムがプレゼントされます。

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 ビンゴシートの属性と敵の属性を見比べて、どの列でビンゴを目指すかある程度考えなければなりません。また、ビンゴという特性上、欲しい属性の敵が必ずしも現れるとは限らないので運も重要なコンテンツです。

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 さらにPvPも用意。それが“比武対戦”です。こちらは、2対2と4対4の2種類が楽しめるようで、ほかのプレイヤーと協力しながら対戦できます。事前に属性の組み合わせなどの相性を考えた編成で挑みたいですね。4対4だとそれが特に顕著で、回復役は1人で残りは全員攻撃役だったり、耐久と回復が2人ずつの長期戦を見据えた編成など1人でのプレイとは違う楽しみが生まれそうです。

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 これだけでもたくさんのコンテンツがありますが、まだまだ用意されています。それが“挑戦ダンジョン”と“公開ダンジョン”。いわゆるダンジョンに挑戦するコンテンツですね。

 “挑戦ダンジョン”は、ダンジョンを攻略していくコンテンツです。挑戦時にシーズンバフとランダムバフを設定し、制限時間内に攻略を目指すものになっています。

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 “公開ダンジョン”は、育成用のコンテンツ。ダンジョン内でリポップし続ける敵を相手に戦い、装備品のアイテムなどを入手できます。敵がある程度密集しているので、オート戦闘にすれば途切れることはほぼなく自動で戦い続けられます。ちょっとした時間や何かほかの作業をしているときなどうまく活用したいですね。

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育成の共有で入手したばかりのキャラクターも即戦力に【護縁】


 60人以上のキャラクターが登場し、さまざまなコンテンツがあるということは、コンテンツにあわせてパーティを編成すること多いです。そうなると、育成のリソースが足りないなんてことも往々にしてあると思います。

 せっかく、好きなキャラクターを入手したのに育成できなくて、すぐにパーティに編成できないとなると悲しくもなりますよね。そんな状況にならないようなシステムも用意されており、育成に関してはかなり手軽です。

 まずは、キャラクターのレベル。強さに直結するのでできるだけ上げたいですが、戦闘で経験値などは得られず、アイテムでしかレベルは上げられません。そこで、“修練場”を活用するとかなり効率が良くなります。

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 “修練場”では、所持しているキャラクターの中からレベルが高い5人が師範として設定され、任意で弟子を設定できます。弟子に設定すると師範の中で5番目にレベルが高いキャラクターと同レベルまで強化されます。つまり、キャラクターを5人強化していればその恩恵を他のキャラクターにも適用できるというわけです。

 弟子に設定できる人数は決まっているので、育成はあまりできていないけれどよく編成するキャラクターを吟味して設定すると効果を最大限発揮できます。ただし、弟子から外すと元のレベルに戻ってしまうので、「あくまでレベルを借りている」という感覚。

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 さらに“装備共有”では、ほかのキャラクターが装備している装備品の能力をそのまま借り受けられます。どのようなゲームでも、強力な装備品は入手できる数が少なかったり、そもそも入手するのが難しかったりします。そんな中で誰に装備させようか迷ったことがある人もいるはず。そんな悩みがこの“装備共有”のおかげで解消されます。

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 ただ、こちらも“修練場”と同じく人数に制限があるので全員に共有できるわけではありません。それでもこの2つはかなり便利で、範囲を絞って効率よく育成できます。

 ほかにも、戦闘中にプレイヤーのまわりを飛び回っている守護霊は、キャラクターの能力上昇や特別な武功を持っていて戦闘をサポートしてくれます。もちろん、能力で選ぶのもいいですが、見た目がかわいいので癒しを求めて選ぶのも良さそう。性能と見た目……どちらを優先するかで非常に迷いそうです。

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 1つのゲームにアクションバトルとコマンドバトルの2種類を楽しめるうえに、スイッチングRPGの言葉通り、簡単に切り替えられます。どちらもできるからと言って、中途半端になっているのではなく、どちらもしっかりと作りこまれていました。コンテンツが豊富で遊び方の幅も広く、コンテンツによってはバトルシステムが違うのもおもしろいです。

 キャラクター数が多いのはありがたいですが、その代わりとして大変になりがちな育成も簡単になるようなシステムも導入されていて、ただ単にキャラクターを多くしただけではありませんでした。バトルや育成など遊びやすく楽しめるようなアイディアがつまった作品として楽しめそうです。

高度に発展した科学技術は魔術と区別がつかないように、高度に発達したネットRPGは1人用RPGと区別がつかない【護縁】


 SF作家であるアーサー・C・クラークの三法則のなかに「高度に発展した科学技術は魔術と区別がつかない」というものがあります。

 やや強引ですが、『護縁』を遊んで感じたのは「高度に発展した科学技術は魔術と区別がつかないように、高度に発達したネットRPGは1人用RPGと区別がつかない」ということ。

 ネットRPG(MMORPG)と言えば、ネット世界に無数のプレイヤーが存在し、レイドバトルやギルドでの交流など、他のプレイヤーと一緒に遊ぶことがメインとなる印象ですが……『護縁』は、そういったコンテンツも備えつつ、プレイしている感覚は1人用の大作RPGに近かったです。

 その理由は、別の記事でも書いているようにキャラクターやストーリー性が高いからという部分もありますが、ゲームシステム的に多くのコンテンツを1人でじっくり&没入して遊べるからだと感じています。

 もちろん、他のネットゲームだって1人でゲームを進められるのですが、『護縁』の場合は、いい意味で“操作が忙しい”⇒“ゲームを遊んでいる実感が強い”⇒“プレイに没入できる”という流れで、1人で遊んでいて楽しいんですよね。

 特にバトルシステムにおいて、前述したように回避と遮断という、プレイヤーの操作&アクション行動をともなう防御行動に重きをおいたゲームデザインにしていることは、プレイヤーの介入感を強め、“ゲームを遊んでいる実感”をものすごく高めてくれます。そして、楽しい!


 オートバトルやオート移動が悪いわけではありませんが、『護縁』はあえてそういった部分の多くを手動・プレイヤー操作で楽しむように作られているからこそ、コンソールの1人用ゲームをプレイしている感覚に近かったです。このへんは個人差や趣味嗜好も大きいと思いますけど。

 そんなわけで、ネットゲームでありながら、1人用ゲームとしてもしっかりと楽しめると感じた『護縁』。NCSOFTということでネットゲーム好きはすでに注目していると思いますが、1人用ゲームが好きな方もぜひ遊んでみてほしいです!

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