『サイレントヒル 2』リメイク版を最速試遊。あのラジオのノイズ、不気味な霧、暗闇がひたすら怖い…独特な雰囲気にシリーズ初心者でも惹かれる

文：シュー

公開日時：2024年08月19日(月) 16:00

最終更新：2024年08月20日(火) 17:25

　KONAMIが10月8日に発売予定のPS5/PC（Steam）用サイコロジカルホラーゲーム『SILENT HILL 2（サイレントヒル 2）』の世界最速試遊体験会が東京で行われました。

　本記事では、メディア限定で行われた約4時間に及ぶ試遊の感想をレポート。なお、筆者はシリーズ初プレイとなります。

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得体の知れないものへの恐怖。そこに纏わりつく謎が心を支配していく

　3年前に死亡したはずの妻からの手紙が物語のはじまりでした。霧に包まれた異様な雰囲気の森を見下ろす主人公のジェイムス・サンダーランド……このどこか物憂げで少々頼りない雰囲気のある（実はとても頼れる逞しい人だったら申し訳ない）男性を操作し、妻との思い出の地であるサイレントヒルを目指して歩みを進めます。

　オリジナル版がPS2というのもあり、PS5で表現力が増した霧の不気味さや、寂れた街並みには圧倒されました。心の底からじわじわと怖さがくる感じです。

　森の中ではぬかるみに応じて嫌な感触の振動がコントローラーから伝わってきたり、奇怪な声や音が方角がはっきりと分かるように聞こえたりするほど。音へのこだわりも随所に感じられます。

　オリジナル版は見下ろし視点だったのに対して、リメイク版では肩越し視点に変更。よりジェイムスの視線に近く、臨場感や緊迫感が強まったように思います。

　ある意味、ただの一般男性であるジェイムスの背中を見続けながら不気味なサイレントヒルの街並みを探索していると、「本当に大丈夫かな、襲われたら勝てるのかな」という気持ちに。

　その感情が見事にフラグだったのか、探索していると奇怪な存在との戦いが始まりました。

　リメイク版では回避動作が追加されたほか、射撃時にエイムが可能になり正確な一撃を与えられるように。腕の見せ所です。

　4時間ほどのプレイではハンドガンのみ銃器が拾えましたが、回避が追加されたとはいえ、近接戦闘のみではさすがに被弾が増えてしまいます。ここぞと言うときの切り札的なハンドガンには感謝しかありませんでした。君なしでは生きられない（おそらく）。

　そして『サイレントヒル 2』といえばラジオ、という人もいらっしゃるのでは。

　クリーチャーが近くにいるとノイズが強まっていく特性を利用した索敵こそ、本作の醍醐味であり、恐怖の象徴とも言える点です。明らかに何もいないはずなのに、聞こえてくるノイズへの警戒心と信頼感……恐怖を形にした点は魅力の一つですね。より没入感を引き上げたい方は、ぜひヘッドホンをしてみてください。

　恐怖が引き立てられて進む足を止めそうになりますが、何がいるのかちょっと見てみたい……次第にそんな気分にもさせられます。

　物語が進むとノイズを消してくるクリーチャーも登場するため、より探索が難しく危険なものに変容していきます。か、賢い……。

　そのほか、今作では窓枠や段差の乗り越え、隙間の通過が可能となり探索エリアが格段に広がりました。また近接武器で窓ガラスを割ることができるため、それによって車の中のアイテムが回収できるほか、施錠されている店の中に入れることも。

　各所で謎解きとも遭遇しました。しっかり探索しないと見つけられないものや観察眼を試されるものなど、さまざまな種類があります。

　破損したアイテムをくっつけたり、アイテムを調査して新しい証拠を見付けたりと、よりジェイムスの目線で謎に挑めます。少しは息抜きになるでしょうか。本当に、常に気を張りながら探索していると精神的に疲れてしまうので……（笑）。移入できている証拠でもあるとは思いつつ。

　また、本作の物語の謎を強める個性的なキャラクターとのカットシーンも見られました。僅かな表情の変化を感じ取れるほどの表現力の向上により、各シーンの緊迫感もよりリアルに。中でも、表情は伺えませんでしたが、三角頭ことレッドピラミッドシングとの邂逅には手に汗握りました。

　気づけば4時間の試遊会もあっという間に終わり、妻の手紙の真相やサイレントヒルの謎だけが心残りに。あまりのクオリティに満足感もありましたが、謎を追求したい気持ちも高まっていました。

　リメイク版ではエンディングも追加しているとのことで、新たな視点での『サイレントヒル 2』の物語が見届けられるかもしれません。

　試遊会では主要制作陣も登壇し、さまざまなアンサーをいただけました。そちらは別記事にてまとめているで、ぜひそちらもチェックお願いいたします！

◆インタビュー記事はこちら
・『サイレントヒル 2』リメイク版の開発裏話。岡本基Pが明かす、このリメイクの意義とは？【インタビュー】

◆動画でもチェック！