三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。
何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。
そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回はプレイステーションで発売された、モンスター育成シミュレーションゲーム『モンスターファーム』について紹介します。
何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。
そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回はプレイステーションで発売された、モンスター育成シミュレーションゲーム『モンスターファーム』について紹介します。
『モンスターファーム』とは?
テクモ(現在はコーエーテクモゲームス)から1997年7月24日に、PlayStation用ソフトとして発売されたモンスター育成シミュレーションゲーム『モンスターファーム』。
プレイヤーは新米ブリーダーとなり、助手のホリィと共に多種多様のモンスター円盤からの再生や合体を繰り返し、個性豊かなモンスターを育てられるのが本作の醍醐味。育てたモンスターを大会に出場し、四大大会を制覇して“名人”という称号を手にするのが本作の目標となります。
モンスターバトルの面でも、行動力を使用し技を繰り出すというシンプルなシステムですが、モンスターごとに行動力重視、ダメージ重視、命中重視、回避重視など、かなりの個性が存在し、高い戦略性が問われるのが面白いところ。CPU戦はもちろんアツい対人戦も体感できるので、モンスター甲子園という全国大会も行われるぐらいの大人気作品でした。
楽しさだけではなく、悲しみすら体感できる作品
小学生の頃から『ダービースタリオン(ダビスタ)』、『実況パワフルプロ野球(パワプロ)』のサクセスモード、『シムシティ』、『子育てクイズ マイエンジェル』といったさまざまなジャンルの育成ゲームが好きな少年でした。といっても育成ゲームジャンルはそこまで本数が多くなく、基本的には『ダビスタ』と『パワプロ』を永遠にプレイしていました。
そんな時に発売されたのがモンスターを育成して、戦わせる『モンスターファーム』という育成ゲーム。モンスターの入手方法はCDを読み込ませて誕生させるという画期的すぎるゲーム。当時1997年頃は、毎年CD売上200万枚以上のヒット作が出るぐらい売上絶頂期で、どの家庭にもかなりの量のCDがある時代でした。しかも読み込めるCDは音楽用だけではなく、PlayStationやセガサターンのソフトも読み込めるというのだから、今でいうところの家の中に大量にガチャチケットがあるような状態でした。
絶対楽しいじゃん! と思い、本作を即購入。いざCDを読ませたら……モンスターが再生されない……気を取り直してほかのCDを読み込ませたら可愛い狼の“ライガー”が誕生。ほかにも読み込ませたら恐竜のような“ディノ”が誕生したりと、育成していなくてもCDを読み込ませるだけで楽しいのです!
ただいろいろなCDを読み込ませてみたけど、最初に再生した相川七瀬さんの『Red』というアルバムだけは再生ができない……。少しだけモヤモヤするものの、最初に誕生させたライガーを使用してプレイ開始。
育成方法は上記の通りシンプルかつ明快、モンスターごとの個性を見極めて育てる楽しさ、大会を勝ち進んでいく楽しさ、モンスターはいつしか相棒となり一心同体となっていきます。本作には寿命という概念が存在し、ここまで一緒に戦ってきた相棒との死の別れもあるなど、楽しさだけではなく、モンスターと人との関係を超えた悲しみが味わえる作品になっています。
我が家のCDは付箋だらけになった
ある時、『モンスターファーム』の記事を読んでいるとドラゴンモンスターのことが紹介されており、貴重なモンスターゆえにCDからはなかなか再生されない。という内容でした。「おぉー! さすがドラゴン! ライガーみたいにCDからポンポン出てきてしまったらドラゴン感ないよなぁ」と思いながら読んでいると、その貴重なドラゴンが再生できるCDが紹介されており読んでみると……まさかの相川七瀬さんの『Red』の名前が! 「お前……めちゃくちゃ貴重なCDだったのか……」
しかも記事にはドラゴンのCDを再生するにはドラゴンをゲーム内で誕生させる必要があると書いてあり、しかもその手順が笑っちゃうぐらいかなり大変なものでした。これまではモンスター育成というよりもCDから何が出てくるんだろ!? という方をメインに楽しんでいましたが、ここからはドラゴンを入手するため、ガチ育成を開始しました。
ガチ育成といってもゴーレムなどの強くて怖いキャラは好みじゃないので、寿命が長くて見た目が可愛い“ベニヒメソウ”というプラント種で育成をスタート。何度も何度も挑戦し、そのたびに育成で何を伸ばすのか? 命中か? かしこさか? 技は何がいいんだ? などと試行錯誤しながら、泣きながらドラゴンを誕生させるために必要なアイテムを入手しました。(ここまで来るのに本当に大変なので、ゲームが好きな方にはぜひ初代モンスターファームで挑戦してもらいたいです)
「よし! これでドラゴンが誕生して『Red』を再生できるぞ!」と思っていたのですが、ドラゴン誕生のアイテムを使用するのに“ナーガ”という種族が必要!? え? ナーガ!? あのなんか蛇の化け物みたいなナーガ種?? 筆者はかわいいモンスターが好きなのでたまに育成するときも妖精みたいな“ピクシー”やウサギみたいな“ハム”を育てていたので、それらが出てくるCDを覚えていましたが、ナーガはまったくのノーマークでした。
そこからは家にあるCDを片っ端から再生&忘れないようにCDケースに付箋を貼るという作業。ノートにまとめるという方法も考えたのですが、歌手名とCD名をいちいち書くより、誕生するモンスター種を書いた付箋をCDケースに貼ったほうが早いじゃん! という理由で、この手法になりました。
そのため、我が家のCDにはすべて謎のカタカナが書かれた付箋が貼っているという、ちょっと不気味な状態になっていました(笑)。
レンタルCD屋に通ったり、古本屋にある1枚100円のCDを買ってきたりするなどして、ついに念願のナーガ種をゲットすることでき、ドラゴンを誕生させることに成功! 無事に相川七瀬さんの『Red』のCDも再生でき、ウキウキで読み込ませた最初に読み込ませたCDがまさかに最後に読み込ませるCDになるとは思いもしませんでした。
余談ですけど、このナーガ種ゲットへの道のおかげで我が家には未だに大量のCDが保管されており、現在趣味でやっているDJに大いに生かされております。