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『ロシデレ』8話感想。有希に対する綾乃の鋭すぎるツッコミに爆笑。ラストのアーリャがロシア語で口にしたのは…(ネタバレあり)

文:米澤崇史

公開日時:

 TVアニメ『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん(ロシデレ)』第8話“学生議会”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』第8話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

能力は高いがメンタルに不安ありなアーリャ【ロシデレ 8話感想】

 角川スニーカー文庫で刊行中のライトノベル『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』(以下、ロシデレ)。

 シリーズの累計発行部数が、角川スニーカー文庫のラブコメとしては歴代1位となる500万部を越え、放送中のTVアニメも毎回トレンド入りを果たすなど、大きな話題を集めている今期屈指の注目作品です。

 放送としては折り返しを過ぎ、今回放送されたのは第8話。

 第7話では、主人公の久世政近と妹の周防有希が中学時代に生徒会選挙を戦った相手である谷山沙也加が登場。有希ではなくアーリャを生徒会選挙のパートナーに選んだことが許せない谷山は、政近を生徒会から追い出そうと学生議会を開いて勝負を挑んでくる……という流れでした。


 議題となるのは「生徒会加入の条件に教師の査定を加える」というもの。政近が本来かなり優秀なことは生徒会のメンバーはほぼ知っていますが(これはおそらく谷山自身も)、そこに教師の査定が入ってくると事情が変わってくるという話で、谷山が政近に生徒会を辞めさせるためにこの議題を選んでいることが分かります。

 新キャラクターとして、谷山の幼馴染で理解者でもある宮前乃々亜も登場。谷山は長谷川育美さん、宮前は青山吉能さんという、某有名バンドアニメで縁の深いコンビが演じていることに気づいたときは、ちょっとニヤリとしていました。

 宮前は、スクールカースト最上位の陽キャ中の陽キャ……みたいな雰囲気で、青山さんが演じられることの多いタイプとは結構イメージが違うようにも見えますが、実は宮前にはまだ見えていない一面もあって、個人的にはかなり納得感のある配役でした。


 一方、自分と政近を侮辱した言葉を撤回させるために学生議会に挑んだアーリャでしたが、あやうく会場の雰囲気に呑まれるところでした。

 アーリャって本来政近に負けず劣らず優秀なのは間違いないんですが、気が強そうな普段の態度と対象的に、メンタルが結構豆腐なんですよね。普段めちゃくちゃ勉強できて、模試の結果もバッチリなのに、受験本番になると緊張でダメになりそうなタイプというか……。

 そこに、あえて道化役を演じ、アーリャが持つ本来の実力を発揮させられる政近というコンビは、改めて相性バッチリの組み合わせだなと感じられます。

ラストの政近は、ロシア語が分からないフリができなくなっていた?【ロシデレ 8話感想】


 議論は途中まで互角、むしろアーリャ有利に進んでいるかに思えたものの、宮前が用意していたサクラによって雰囲気は一変。彼ら彼女ら自身はサクラなので投票の結果にはさほど影響しなさそうなんですが、ほかの生徒の考えを改めさせる危険性がありましたし、なにより先も触れた通りメンタルがあまり強くないアーリャにとってはこの一手はかなり効果的でしたね。


 そこに「いざとなったらなんとかする」という、事前の言葉通りに登場した政近。

 政近は現会長を引き合いに出して反論しましたが、谷山が問題視していたのは今後の生徒会役員の質の低下で、前回の選挙の結果は関係ないはずなので、政近の主張はいわゆる論点ずらし的なやり方ではあるんですよね(それもディベートの立派なテクニックですが)。

 なのでまだ谷山側にも反論の余地は残っていたと思うのですが、それでも逃げ出してしまったのは、おそらく政近とアーリャが確固たる信頼関係で結ばれていることを察知したからではないかなと。

 中学時代の谷山が抱いた、政近と有希以上の関係性の深さを、今回のアーリャと政近から感じとったのだとすると、二人の妨害をする理由は完全になくなります。

 動機だけを見ると、谷山の行動は(悪くいえば)過激派カプ厨の迷惑行動みたいなものではありますが、宮前から「あとで謝りに行こうね」と言われて無言で頷くシーンは、本当は悪い子じゃないというのが伝わってきていいシーンでした(アーリャを前にして涙を流す谷山の表情の作画も素晴らしいの一言)。


 そして今回一番爆笑したのが、その様子を眺めていた有希と綾乃のシーン。有希の強キャラロールプレイも、アニメあるあるすぎて非常によく伝わりましたし、その強キャラ演出は敗北フラグだと指摘する綾乃のツッコミも鋭すぎます。

 ちょっと天然ボケも入りつつ、有希に的確なツッコミを入れられる綾乃が加わったことで、有希もさらに面白いキャラクターとして輝いていますね。


 最後は、「もうほとんど告りあってるじゃねぇか!」と思わず突っ込みたくなるほどの、アーリャと政近のイチャイチャシーンにニヤニヤさせてもらいました。

 唯一日本語字幕がなかった、アーリャが政近を選んだ理由のロシア語のシーンは、どうやら「あなただから」という意味のロシア語を口にしているようです(さすがにロシア語は分からないので、インターネットの集合知を活用させてもらいました)。

 最初に見たときはロシア語の意味が分からなかったので、「なんだそれ!?」という政近の返しに違和感があったんですが、上記の内容を踏まえると、動揺でロシア語を知らないフリが飛んでしまい、つい「あなただから」という言葉に素のリアクションをしてしまったんじゃないかなと。

 幸いにも(?)アーリャはそれには気づいていないようでしたが、政近にとっては、そのくらいあの時のアーリャの言葉と雰囲気にドキッとさせれたのでしょう。

 もうとっとと付き合っちゃえよ! あと最後のアーリャのジト目がかわいすぎる!


 着々と信頼関係を築いていく政近とアーリャ。既に十分すぎるほど親密になっている気はするんですが、クライマックスに向けて、この先さらに仲が深まっていくのかと考えると、なんだかすごいことになっていきそうです。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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