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『ゴーヘルゴー つきおとしてこ』レビュー。亡者を酷使して日銭を稼ぐ、まさに地獄の“つきおとしていく”鬼畜系RPGを評価

文:ライターM

公開日時:

最終更新:

 本日8月29日、エンターグラムからPS4/Switch/Windows PC対応ソフト『ゴーヘルゴー つきおとしてこ』が発売されました。

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 ライトノベルの表紙イラストなどでもおなじみの人気イラストレーター・てつぶたさんが魅力的なキャラクターを描く本作。もみあげルパンRさん(メインシナリオ)や、いってんちろくさん(プロデューサー)といった、かつてアリスソフトの名作を手がけた精鋭も制作に携わるなど、ゲームファンの間でも注目を集めています。

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▲『ゴーヘルゴー』は至って健全な内容です!
 この記事ではゲームの見どころを中心に、プレイインプレッションと軽めの攻略を交えて紹介していきます。
※記事中ではPS4版のスクリーンショットを使用しています。

『ゴーヘルゴー つきおとしてこ』ってどんなゲーム?


 まずは簡単なストーリーから。

 舞台となるのは比喩とかではなく文字通りの“地獄”。

 物語は、弱小企業の社長として亡者を導く鬼・8246(ヤツシロ)の視点をメインに紡がれていきます。

 ある日、大量のモンスターに追われていた少女・灯(トモリ)と出会った8246は、彼女を従業員としてこき使うという奇策を思いつきます。

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 薄給に悲鳴をあげる灯をはじめ、合縁奇縁に導かれて集ったクセのあるスタッフをまとめ上げていく8246。ところが、彼の行動はやがて地獄の根幹に触れる事態に発展して……。

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 という感じで、プレイヤーは8246やスタッフたちを操作して、地獄の各所に現れるモンスターをお掃除(討伐)しては道中で亡者を回収。

 清掃業務の後は事務所に戻り、亡者たちを地獄に送って責め苦を味わわせることで報酬を手に入れます。

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▲会話がコミカルな一方で、責め苦自体の描写はなかなかエグイものが……。

ゲームシステム:思いのほかサクサク理解が進む!?


 進行具合によって多少展開に差異はありますが、ゲームの基本的なルーチンは以下のとおり(解説のため、記事中では便宜的にフェイズと呼称しています)。

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①地獄マップフェイズ

  • メインイベントストーリーの進行
  • 亡者を選んで地獄送り&回収
  • マップ上に徘徊するスタッフと交流
  • 売店で各種地獄の使用許可証や備品を購入
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▲交流したスタッフはLLV(リットレベル:親密度)が加算され、レベルが上がるとヘルスキル(必殺技)を習得します。
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▲亡者に責め苦を味わわせる地獄はまさかの利用許可制。それなりに値が張る許可証を購入することで、マップ上に新たな地獄が出現します。
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②清掃業務フェイズ

  • 任意のスポットを選んで清掃を実行(いわゆるダンジョン攻略)
  • 各種イベントの発生
  • バトルに勝利して亡者を確保
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▲バトル終了時、確保した亡者が画面左上に表示されます。

 ①と②を繰り返して資金を稼ぎつつメインストーリーを進めていきます。ゲーム画面は一見複雑な印象を受けるものの、いざプレイしてみると段階的かつ感覚的に把握できる絶妙なバランスでした。

 ここからは、それぞれの要素についてもう少し突っ込んだ解説をします。

清掃業務:モンスターをブチ転がして快適な地獄ライフをお届け


 清掃業務はダンジョン攻略となっていて、日ごとに1カ所を選んで実行します。ちなみに清掃を行わずに日付を進めたり、途中で早退(リタイア)してもこれといったペナルティは確認できません。

 ストーリー消化とダンジョン攻略のバランスがいいので行き詰まることは少ないとは思いますが、強敵に返り討ちに遭ったらとにかくレベリング!

 また見逃しがちですが、売店にある夜食カテゴリの食べ物の使用も効果的です。

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▲清掃業務の開始画面で「福利厚生・夜食補助」から食べ物をセットしておくと、ダンジョン攻略時に各種バフ効果を得られます。特にボス戦などで行き詰まった際にはATK補助の夜食がオススメ。
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▲清掃を行うパーティは最大8名まで編成可能で、モンスターとの戦闘は5名で実行。残り3名は交代要員として控えに回ります。

 ダンジョンは複雑に枝分かれしていて、1マスずつルートを選んで進みます(いずれも一方通行で後戻りは不可)。

 ドクロマークが刻まれているマスではモンスターとのバトルが発生して、コマンド選択式のターン制バトルへと突入します。

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▲マップは手前3マス程度しか見渡せないため、ルート選択は慎重に!

 キャラクターのステータスについてはザックリとですが、左から赤がHP(体力)、青がMP(精神力)、紫がVP(必殺技ゲージ)と覚えておくとわかりやすいでしょう。

 正式名称やその他の細かなステータスについては、一度ゲーム内マニュアルに目を通しておくことをオススメします。

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 バトルはとてもスピーディーで、ターン毎に全員分のコマンドを入力し終えると、敵味方入り乱れて一斉に処理されます。

 その様子はさながら格闘ゲームのような派手さで、それぞれのアクションや表情などは目を凝らさないと見逃してしまうレベル。

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▲敵味方入り乱れてのバトルのさなか、一瞬しか見られない表情&演出にも注目!
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▲ヘルスキル使用時は、固有アクションをクローズアップして見せてくれます。

 なお、亡者が表示されているマスでは、条件を満たして勝利すれば亡者確保となります。

 誰かが戦闘不能に陥ったり、よほど戦いを長引かせない限り確保条件を満たせるでしょう。

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▲宝箱などもありますが、優先度は圧倒的に亡者が上。特に黄色い亡者のマスでは上質な亡者(!?)が手に入るため見逃せません。

地獄送り:地獄の沙汰は金次第、されど亡者は使い捨て


 清掃業務で確保した亡者は一時的に8246の管理下に置かれて、マップ上の各種地獄に送り込んで責め苦を与えることで報酬が手に入ります。

 亡者と地獄には各種ステータスが細かく設定されていますが、注目すべきはLKS(魅力)、CON(体力)、MNT(心力)の3つ。

 地獄送りを行うと、地獄毎に設定されたLKS、CON、MNTがダメージとなって亡者のステータスが減少します。

 ステータスは売店で専用アイテムを購入&消費することで回復可能で、お気に入りの亡者は生かさず殺さず(すでに死んでいますが)末永く酷使することも可能。

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▲テキストでは表示されませんが、地獄に送り込む際の亡者達の恨めしいボイスも聞き逃せません!!

 地獄送りでは亡者の各種ステータスに応じて報酬が増減します。

 亡者が所持している干支や色のステータスに適合する地獄へ送り込むとボーナス効果で収入アップ。逆に、LKS、CON、MNTが低すぎると報酬も減額されてしまいます。

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 また、地獄の責め苦によっていずれか1つでもステータスが尽きると亡者は壊れてしまいます。アイテムでも回復できないので早めに破棄して、所持枠を空けておきましょう。

 文字にするとなんとも鬼のような所業ですが、まあ主人公達は鬼ですから。亡者は基本的に消耗品と考えて差し支えないでしょう(すでに人権も無いので……)。

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▲責め苦を受けて壊れてしまった亡者は特殊な施設に送られて即復活。とはいえ現世に生き返るのではなく、再び亡者として地獄をさまようことになるようです。

 清掃業務解説でも触れたとおり、亡者の中にはレア物が存在します。レアな亡者は責め苦の際に収入が上がるステータスを複数持っていたり、固有のイベントストーリーが発生することもあります。

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 LKS、CON、MNTの値は回復アイテムでどうとでもなるものの、干支や色のステータスだけは付与できません。

 管理できる亡者の人数には上限があるため、性能を確かめながら慎重に運用したいところ。

 また、条件を満たせば事務所のスタッフを一時的に亡者にして地獄に送り込むことも可能です。

 ただし、スタッフが一人でも地獄送りとなっている場合は清掃業務そのものが実行不可能となります(専用イベントも用意されているはずなのですが、タイミングを逸したのか筆者は未確認でした)。

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 発売に先駆けて2~3日間プレイさせていただいた感想としては、ギャルゲーと呼べるほど軟派ではなく、ガチガチのRPG作品と比べると幾分カジュアルな印象。

 ダークになりがちな地獄という舞台で繰り広げられる、笑いアリお色気アリでノリの良いストーリーにも引き込まれました。フルボイス仕様というのも好感触。

 やや気になった点としては、スポットが増えるにつれて地獄のマップが煩雑に感じられるため、不定期に出現するスタッフや移動先をリスト化したショートカット機能があれば便利だったのになというところです。

 開発スタッフを鑑みても、濃密なゲーム性はまさに往年のアリスソフトを彷彿とさせます。ダンジョンには未知のポイントも数多く用意されていて、個人的には1000階の裏ダンジョンといったとんでもないやり込み要素を期待してしまいます。

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