スクウェア・エニックスが配信する、iOS/Android/PC(Steam)用アプリ『FINAL FANTASY VII EVER CRISIS(ファイナルファンタジーVII エバークライシス)』。その開発者インタビューをお届けします。
本作は、『FFVII』の世界観をスマホやPCで満喫できるシリーズ最新作。オリジナル版『FFVII』から『CRISIS CORE -FFVII-』を始めとするストーリーと、完全新作オリジナルストーリーが楽しめます。
インタビューのお相手はプロデューサーの市川翔一氏、ディレクターの鳥山求氏、クリエイティブ・ディレクターの野村哲也氏の3名。本日9月7日に1周年を迎えたことを記念し、『FFVII エバークライシス』のこれまでとこれからについてお聞きします!
“意外性”を狙って大きなインパクトを残した『FFIX』コラボ
――『FFVII エバークライシス』1周年おめでとうございます! 大きな節目を迎えた今のお気持ちを教えてください。
市川翔一氏
(以下、敬称略) あっという間の一年ではありましたが、無事にこの日を迎えられてうれしいです。これもひとえに遊んでくださるユーザーさんのおかげですね。
これからもみなさんに楽しんでいただけるようなイベントを全力で考えつつ、みなさんと一緒に運営して『FFVII エバークライシス』をよりよいものにしていきたいと思います!
これからもみなさんに楽しんでいただけるようなイベントを全力で考えつつ、みなさんと一緒に運営して『FFVII エバークライシス』をよりよいものにしていきたいと思います!
鳥山求氏
(以下、敬称略) 運営型タイトルはやはり苦労が多いですが、ひとまず1周年を迎えてホッとしています。今回の1周年イベントのストーリーは1年前ぐらいから準備していたのですが、かと思えば直近のイベント施策のROMは数日前に手元に届きまして……。
これらを同時にチェックしていると自分でも何がなんだかわからなくなるときがありますが、これからもめげずに奮闘していきたいです。
これらを同時にチェックしていると自分でも何がなんだかわからなくなるときがありますが、これからもめげずに奮闘していきたいです。
野村哲也氏
(以下、敬称略) まだ時間経過を実感できないほど、濃い一年だったなと思います。鳥山も言いましたが、ユーザーの方々が目にしているゲーム内のものは、僕らにとってかなり前から進めているものです。
そういう意味では実装されているもの以上にチェックする量がありましたから、一年以上の制作の重みがのしかかっている感じです。
そういう意味では実装されているもの以上にチェックする量がありましたから、一年以上の制作の重みがのしかかっている感じです。
――この一年を振り返って、印象的な出来事やユーザーの反応などはありますか?
野村
『FFVII エバークライシス』は昨年リリースしてすぐに1回目の夏のシーズンイベントをやっていて、今年の夏が2回目になります。個人的に今年のイベントを見たときに、「ああ、一年たったんだな……」とすごく感慨深かったです。
鳥山
ハーフアニバーサリーのタイミングで機能開発にも新しい試みを入れていまして、たとえば放置プレイに比重を置いたハイウィンドなどが実装されています。最近だとギルド機能も追加されて初期から遊び方も変わってきていますが、こういった変化を見ると成長型のアプリであることを実感しますね。
市川
しいて挙げるならコラボ関連でしょうか。直近の『モンスターハンター』コラボももちろんですが、最初に行った『FFIX』コラボも大きな挑戦でした。とくに『FFIX』のほうは、『FFVII』の世界に本来交わらないものをコラボするという部分で、開発的な整合性のとり方が印象に残っています。
あと、初めて『FFIX』とコラボします、と発表したときにユーザーさんが見せてくれた反応や期待感は今でもいい思い出です。
――『FFIX』コラボはたしかに話題性がありましたね。ちなみに、なぜ『FFIX』とコラボしようと思ったのでしょうか?
あと、初めて『FFIX』とコラボします、と発表したときにユーザーさんが見せてくれた反応や期待感は今でもいい思い出です。
――『FFIX』コラボはたしかに話題性がありましたね。ちなみに、なぜ『FFIX』とコラボしようと思ったのでしょうか?
野村
あれを提案したのは僕なのですが、理由をひと言で言うなら“意外性”のためです。ほかにも候補はいくつかあったのですが、自分が担当しているタイトルを選ぶのもどうかと思い、あえて関わりが少ない『FFIX』にしました。『FFVII』と世界観がまったく違う作品なので、そういう意味でも意外性を狙えるかなと。
実際、市川にコラボの話をしたときも意外だったようでかなり驚いていたので、サプライズ的な役割は果たせたんじゃないかと思っています。
市川
『FFIX』は一発目のコラボで我々としても手探りだったこともあり、ストーリーはだいぶ簡潔なものに収まりました。このときのユーザーさんの意見はきちんと受け止めていますし、僕らの間でもさまざまな改善点が見つかっています。
それらをへて『モンスターハンター』コラボの際はより深いストーリーを描けたと感じているので、これからもみなさんのフィードバックを受けつつ、コラボならではのトライをしていきたいと思います。今後のコラボ作品に関してはまだ何もお伝えできませんが、もしやるときはご期待ください。
――リメイクプロジェクトの作品を制作しつつ『FFVII エバークライシス』のストーリーも描くのは、物量はもちろん整合性や伏線などの面でも苦労されたと思いますが、いかがでしたか?
それらをへて『モンスターハンター』コラボの際はより深いストーリーを描けたと感じているので、これからもみなさんのフィードバックを受けつつ、コラボならではのトライをしていきたいと思います。今後のコラボ作品に関してはまだ何もお伝えできませんが、もしやるときはご期待ください。
――リメイクプロジェクトの作品を制作しつつ『FFVII エバークライシス』のストーリーも描くのは、物量はもちろん整合性や伏線などの面でも苦労されたと思いますが、いかがでしたか?
鳥山
大変ではありますが、楽しくストーリーを書けています。
『FFVII エバークライシス』のシナリオ作業で一番楽しいのは、『FFVII』本編では描ききれない、ちょっとした日常やキャラクターの心情を描けるところですね。冬のホリデーや夏休みをどう過ごしていたりとか、ハロウィンのエピソードでセフィロスの意外な一面を見せたりとか、『FFVII』では描かれない部分の補完にこだわっています。
――今年2月に発売された『FFVII REBIRTH』にグレンが登場したのは驚きでしたが、今後発売されるリメイク3作目と『FFVII エバークライシス』にも何かしらつながりがあるのでしょうか?
鳥山
リメイク3作目については何も言うなと厳命されているので……(笑)。ただ、『FFVII REBIRTH』にグレンが登場した以上、次回作にも彼は出てくるとは思います。『FFVII エバークライシス』をプレイしていればグレンというキャラクターを深く知れるので、リメイク3作目を遊ぶ際により楽しめるかと。
野村
一応補足しておきますと、シナリオに関しては“なんでもあり”で進めているわけではありません。いろいろと小さいルールがあって、それに従いながら整合性をとっています。
1周年のバハムートウェアは『FFVII』らしくないデザインを目指した
――1周年にはバハムートを題材としたストーリーイベント“セトラ開拓物語~破壊神誕生”が登場しますが、こちらの見どころは?
鳥山
『FFVII』に古代種という設定はありますが、実際にセトラの人々がどのような生活をしていたかは不明でした。今回の1周年イベントではその古代種の物語に焦点を当て、セトラの開拓団の1つが旅をしながら星をめぐる様子をお届けします。
その開拓団はバハムートを守護獣のように扱っているので、ストーリーやバトルでバハムートが深く絡む内容となります。
――バハムートをテーマにしたウェアも登場しますね。
その開拓団はバハムートを守護獣のように扱っているので、ストーリーやバトルでバハムートが深く絡む内容となります。
――バハムートをテーマにしたウェアも登場しますね。
市川
はい。こちらはバハムートとサイバー感をかけ合わせたうえで、意図的に“『FFVII』らしくない”デザインを目指しました。今風の衣装と言いますか。
バハムートウェアが勢ぞろいの1周年記念キービジュアルも公開していますが、これは開発を手掛けるアプリボットさんのデザイナーの方に描いていただきました。
バハムートウェアが勢ぞろいの1周年記念キービジュアルも公開していますが、これは開発を手掛けるアプリボットさんのデザイナーの方に描いていただきました。
野村
今までのウェアは大胆なデザインにしつつも『FFVII』らしさを残すようにしていましたが、バハムートウェアはその考えを取っ払っています。1周年キービジュアルも、まるで新作のゲームがリリースされたかのようなイメージを狙っています。
――新要素として“アルティメット武器”も登場しますが、これはどのようなシステムでしょうか?
――新要素として“アルティメット武器”も登場しますが、これはどのようなシステムでしょうか?
市川
アルティメット武器はこれまでの通常武器とは別カテゴリの武器で、大きく2つの特徴があります。1つは装備効果のR(ライズ)アビリティで、武器固有のユニークな効果が多いです。たとえば特定のタイミングで強い効果を発揮するなど、より『FF』らしい要素を感じるRアビリティがそろっています。
もう1つはUC(アルティメットコマンド)アビリティで、これはATBを消費せず回数制で使用できるアビリティとなっています。既存の枠とは異なる6枠目のアビリティとなるほか、追加効果が多彩なので、UCアビリティとほかのコマンドアビリティの組み合わせで今までにない戦術ができると思います。
アルティメット武器はこれまでの武器の上位互換というわけではなく、通常武器と一緒に使うものとして想定しています。あくまで戦術の枠を広げる要素、という位置づけですね。
――アルティメット武器をゲットできれば、戦い方もかなり変わりそうですね。
もう1つはUC(アルティメットコマンド)アビリティで、これはATBを消費せず回数制で使用できるアビリティとなっています。既存の枠とは異なる6枠目のアビリティとなるほか、追加効果が多彩なので、UCアビリティとほかのコマンドアビリティの組み合わせで今までにない戦術ができると思います。
アルティメット武器はこれまでの武器の上位互換というわけではなく、通常武器と一緒に使うものとして想定しています。あくまで戦術の枠を広げる要素、という位置づけですね。
――アルティメット武器をゲットできれば、戦い方もかなり変わりそうですね。
市川
それまでクリアできなかったコンテンツにも、手が届くようになる方がいると思います。ただ、アルティメット武器の実装で戦力差が広がるのは我々も願っていないことなので、今回に関しては周年イベントを遊ぶことで専用のアルティメット武器を交換できるようにしています。
全キャラクターのアルティメット武器を周年イベントで交換できるわけではありませんが、とりあえずメインで使っているキャラクターのぶんをゲットすることはできます。これでまずアルティメット武器の感触を試していただきたいです。
全キャラクターのアルティメット武器を周年イベントで交換できるわけではありませんが、とりあえずメインで使っているキャラクターのぶんをゲットすることはできます。これでまずアルティメット武器の感触を試していただきたいです。
ほかにも“刻印”という新機能もありまして、こちらは武器にパラメータアップなどの効果を追加できます。アルティメット武器も刻印もより戦力を増やせるシステムなので、これを機に今まで詰まっていた箇所に再挑戦していただけたらうれしいです。
鳥山
1周年に合わせた機能改善のなかには、オススメ編成とバトルのオートAIの向上もあります。これまで選ばれることがなかったウェアや武器なども編成されるようになったことで、戦略の広がりやバトルのヴィジュアルの新鮮味なども上がり、遊び心地が変わっています。これからプレイする人も快適に楽しめると思いますので、ぜひ確かめてみてください。
市川
あと、新しいコンテンツとして特別なバトルタワーが出現します。こちらは最初の低い階はカンタンにクリアできて報酬もおいしいので、初心者の方も挑んで損なしです。階層は日を追って順に開放されていって、全踏破はかなりの高難易度となっていますので、腕試しの場としても楽しんでいただければと!
すでに1.5周年や2周年に向けて着々と準備中!
――『FFVII エバークライシス』といえば豊富なウェアが魅力ですが、これまで実装されたウェアでお気に入りのものはありますか?
鳥山
私はマット君の“エイドホワイトコート”ですね。キャラクターが増えてくるにつれて、アタッカーやサポーターなどのロールが明確になるようにバランス調整しているのですが、マット君は最近の高難易度コンテンツでお世話になっているサポーターですね。
私はどちらかというとウェアの好みは性能重視なので、エイドホワイトコートのようにそのキャラクターのロールと性能がマッチしているものが気に入っています。
私はどちらかというとウェアの好みは性能重視なので、エイドホワイトコートのようにそのキャラクターのロールと性能がマッチしているものが気に入っています。
市川
思い入れという意味では、僕はクラウドの“村雨の戦装束”かな。『FFVII エバークライシス』でクラウドたちにウェアを着せるならどんなデザインがふさわしいか、野村とキャッチボールを重ねて完成したウェアです。いまだに雷属性だったら十分活躍しますし。
あと、エアリスの“ガーネットドレス”も思い出深いです。ガーネットの衣装をただそのまま着せるわけではなく、エアリスに似合うようアレンジする必要があって、その方向性にかなり苦労した記憶があります。
あと、エアリスの“ガーネットドレス”も思い出深いです。ガーネットの衣装をただそのまま着せるわけではなく、エアリスに似合うようアレンジする必要があって、その方向性にかなり苦労した記憶があります。
野村
やっぱりクラウドのウェアは気に入っていますが、それ以外だとティファの“ライフガードスタイル”も印象に残っています。というのも、あのウェアは最初のビーチイベントに出したもので、どこまでやっていいのかかなり悩んだ末のデザインだったので。
――それは……露出的な意味でですか?
――それは……露出的な意味でですか?
野村
はい。自分たちの間では、「ここまでだったら大丈夫じゃないか?」とすごくおっかなびっくりに進めていました。まあ、今年のサマーイベントの水着を見たら、あの頃の悩みはなんだったんだという露出ぶりですが(笑)。
『FFVII REBIRTH』にも衣装はありますが、あちらは本編なのであまりぶっ飛んだデザインにはしないよう気をつけています。一方で『FFVII エバークライシス』は日々移り変わるタイトルなので、来年また同じモチーフで違うウェアを作る必要があるかと。
求められるデザインのハードルが違うので、『FFVII エバークライシス』ではむしろ『FFVII』っぽくない衣装をどんどん出したいです。1周年のバハムートウェアのように、チャレンジ精神あふれる衣装をお見せしていきたいです。
――予告されている『FFVII THE FIRST SOLDIER』編第2部ではアンジールも登場するようで、今後はこちらも楽しみです。
鳥山
第2部は第1部の流れをくんで引き続き展開しますが、そのなかでアンジールとの出会い、そしてセフィロスの代名詞ともいえる“正宗”の秘密が明かされるストーリーとなっています。
野村
第2部は少年セフィロス中心のお話になりますが、イベントストーリーなどでは変わらずグレンたちも活躍します。グレン、マット、ルティアの初期キャラを育てていた人も、安心して進めてください。
市川
『FFVII THE FIRST SOLDIER』編第2部の配信時期はまだ発表していませんが、1周年イベントを遊び尽くした頃に、次なるコンテンツとしてお届けできればと思っています。
――運営2年目の抱負や、ユーザーに向けたメッセージお願いします。
市川
1周年記念のまっただ中ではありますが、我々はすでに1.5周年や2周年のために動き出しています。ストーリーの更新はもちろん、『FF』ナンバリングや他作品とのコラボにも期待がかかっていることを承知していますので、いずれも実現できるよう努力していきます。
鳥山
1周年に限らず、まだまだ披露していないストーリーが今後も展開していきます。『FFVII』リメイクプロジェクトと並行して『FFVII エバークライシス』も全力で制作しますので、今後ともよろしくお願いします。
野村
『FFVII エバークライシス』に関わってからハーフアニバーサリー(0.5周年や1.5周年のこと)というイベントを体験したので、一年のなかでもいろいろやってきたなとしみじみしています。
市川が言うようにすでに2周年やその先についても話し合っている段階ですし、僕が企画当初から入れてくれと頼んでいる要素がいまだに実装されていないので、『FFVII エバークライシス』はまだまだ続いていくことと思います。
市川が言うようにすでに2周年やその先についても話し合っている段階ですし、僕が企画当初から入れてくれと頼んでいる要素がいまだに実装されていないので、『FFVII エバークライシス』はまだまだ続いていくことと思います。
『FFVII エバークライシス』1周年記念ギフトコードプレゼント
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■ギフトコード
1stAnniversaryON
■コード使用有効期限
2024/09/07 11:00 ~ 2024/10/08 23:59
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スズタク:RPGとアクションをこよなく愛するライター。近年、シミュレーションRPGのおもしろさに気づき始める。