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『ロシデレ』10話感想。とうとう日本語でデレ始めたアーリャが過去一でかわいい。一瞬の出番でも唯一無二の存在感を発揮する有希のすごさを改めて実感(ネタバレあり)

文:米澤崇史

公開日時:

 TVアニメ『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん(ロシデレ)』第10話“遅ればせながら、誕生会”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』第10話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。 [IMAGE]

実質もう付き合ってるだろ! と突っ込みたくなる濃厚なイチャイチャシーン【ロシデレ】


 第10話は、一人で勉強する政近のシーンからスタート。

 ここ数話の政近は、かなり有能なキャラクターとして描かれてきたので、"目立ちたくなくてわざと手を抜いている”というパターンではなく、"努力しようと思ってもできない”ことが強調されたのは結構ギャップがありました。勉強していてアニメの誘惑に負けそうになるのは、なかなか親近感が湧きます。

 そんな政近を心配して(本当はホラー映画を見て怖くなっていただけでしたが)、電話をかけてきたアーリャ。アーリャは努力が一切苦にならないタイプのようで、このあたりは天才だけど努力ができない政近とは対照的な存在として描かれているのでしょう。


 誕生日の話になり、一度聞いただけのアーリャの誕生日をしっかり覚えていた政近の記憶力に驚かされましたが、注目はその後。政近の誕生日がとっくに過ぎていたことを知って拗ねるアーリャがかわいすぎでした。

 誕生日を祝いたかったという理由がまずかわいいですし、上坂さんの演技も相まってこれまでのアーリャの中でも1、2に入るくらいのかわいさが溢れたシーンだったんじゃないかなと。

 しかもそこから追い打ちをかけるように描かれる二人でのデートシーンでニヤニヤが止まらないことに。一応、名目上は終業式の打ち合わせ+政近の誕生日を遅れて祝うパーティでしたが、休日に二人で出かけていい感じの店で食事するってデート以外の何者でもないですよね……。


 ただ、いつもは政近がアーリャをドキっとさせることが多いですが、今回はついにロシア語じゃないデレがあったり、アーリャが政近をドギマギさせたりするのは普段と攻守が逆転していて新鮮でした。この二人、たぶんもうお互いに異性として好意があるのはうっすら察しているけど、付き合うところにまでは踏み込みきれない関係性に甘酸っぱさを感じます。

 しかし、終業式でまで今後に控える生徒会選挙の挨拶をするというのも改めてすごい。それだけ学校における生徒会の存在が大きいということでしょうけど、もし自分が生徒なら一学期の終業式なんてこの後の夏休みのことしか頭にないので、どんないい話をされようとも間違いなく上の空で聞き流してそうな気がします。

生徒会選挙と並行して動き始めた、政近側のドラマにも注目【ロシデレ】


 後半の生徒会室のシーンでは、第9話の催眠のあとから微妙に気まずくなっていたマーシャと政近の関係性が個人的な注目ポイント。

 既にまったく気にしていなさそうだったアーリャに対して、その辺は無頓着そうなマーシャの方が引きずっていたというのは、ちょっとキャラクターとしての意外性もあって面白いです。1ミリも迫力がない怒った表情も披露してくれて、じわじわとボディブローのようにマーシャの魅力が伝わってきている感があります。

 ただ、マーシャが催眠が掛かった時に政近に何かしなかったか確認したのは、政近に対して隠している何かしらの感情を、つい漏らしてしまっていなかったか心配しているようにも見えました。この二人の関係については、まだ何か爆弾が残されているような雰囲気がありますよね。


 そして今回出番は少なかったものの、相変わらずの存在感を発揮しまくりの有希。生徒会室に政近と残った時の「やっと二人っきりになれたね」のイケボから、「待てよぅ!」と一瞬で幼児退行する落差は最高すぎました。

 子どものように拗ねたあとのドヤ顔での「甘やかせ!」のジェットコースター的な情緒も面白すぎて、有希が本性を出しているシーンは、別の作品かと思うくらい空気感がガラッと変わるのがすごいなと。せっかく政近がノッてくれたのに堪えきれずに爆笑してしまうなど、アーリャとはまた違う方向の距離の近さを感じさせる関係性(本当の家族なので当然は当然ですが)が本当に良いと思います。


 ラストでは、政近の父方の祖父・知久、アーリャの母の暁海、政近と有希の母である優美と、主要キャラクターたちの親(知久は祖父ですが)が一挙に登場。

 現在政近の父の恭太郎と優美は離婚しているという気まずさ以外にも、政近の回想を見る限り、神童だった政近が現在のようになった原因の一つを作ったのが優美である可能性は高そう。

 今のところヤバい一面みたいなのはまだ見えていないですが、有希の方も優美に対してはかなり距離をとっていそうだったので、なかなか母親としては問題がある人物なのかもしれません。


 残す話数もあと僅かとなり、着々とクライマックスに入りつつある『ロシデレ』。ついアーリャや有希、マーシャといったキャラクターのかわいさに目が行きがちですが、冒頭での勉強シーンなど、政近自身にも明確な変化が生まれ始めており、政近側のドラマにも注目して行きたいですね。

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米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。


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