ロゴジャック
電撃オンライン

『ロシデレ』9話感想。催眠術の本発見からの展開が薄い本の導入すぎる…! マーシャのガチ照れ顔は今後ももっと見てみたい(ネタバレあり)

文:米澤崇史

公開日時:

 TVアニメ『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん(ロシデレ)』第9話“ラブコメのち催眠術”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』第9話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

綾乃の胸に顔を埋めてメンタルを回復する有希のインパクト【ロシデレ 9話感想】


 第9話は、祖父・知久との会話で、政近に勝つことを厳命される有希のシーンからスタート。政近のことを下げるような発言をしながらも、有希本人の前ではっきりと、政近の方が才能があったことを改めて口にする知久がいろいろ無神経すぎてすごい(有希は気にしてなさそうではありますが)。

 一緒にいたのは、政近と有希にとっての母である周防優美なのですが、こちらも親子とは思えない距離感がありました。有希は完全に余所行きお嬢様モードですし、優美も有希をさん付けしていて、聞きたいことを聞けずに遠慮しているような気まずい雰囲気。部屋に戻った直後の有希が、綾乃の胸に顔を埋めて回復を図るシーンとはかなりのギャップがありました。


 前回の学生議会の結果、アーリャの評判こそ上がったものの、谷山は生徒たちからの非難に晒されることに。アーリャたちが谷山の名誉を回復するメリットはまったくないですが、アーリャとしては8話で谷山の涙を見てしまっているだけに、やはりこのままにしてしまうのは気分がよくないのは理解できます。感情に任せて言い返さず、一度政近と相談するアーリャはちゃんとしているなと感心。

 その話が進んでいる傍らで、こっそりとラブコメの定番イベントを展開している剣崎と更科のコンビには笑いました。この生徒会、(まだ付き合っているわけではないですが)カップルが多すぎる。


 8話でサクラを仕込んでいた宮前も再登場しましたが、やはり前回のいかにも陽キャな性格とは本性が大分違いました。谷山を勝たせるために手段を選ばなかったとはいえ、政近たちに対して宮前が友好的なのは、政近とアーリャの関係に自分と谷山と重ねて見ているからでもあるのでしょう。

 しかし自分がサクラを仕込んでいたことを明かしてしまったことで、今度は宮前が同じ目に合わないか心配になります。

催眠にかかった二人を前に、困惑しつつもテンションが明らかに上がっている政近【ロシデレ 9話感想】


 一時は勘違いで機嫌を損ねていたアーリャですが、埋め合わせとばかりに政近に勉強に誘われるとすぐに機嫌を直すあたり、なかなかのチョロさです。一緒に勉強しようという有希の提案に対して、日本語とロシア語で言っていることがあまりにも正反対すぎてかわいい。とくに「二人がいい」なんて言われたら、そりゃ好きになってしまいます。

 一方で、有希や綾乃、政近ら三人の距離感にアーリャが違和感を覚え始める一幕も。綾乃なんて二人をずっと様付けしてしますし、有希もアーリャの前では完全に猫を被ったモードですから、無理もありません。


 そして今回のエピソードタイトルにもなっている、催眠術がようやく登場。対象となったのはアーリャとマーシャで、素人の政近がやったにも関わらず、二人共めちゃくちゃ簡単に掛かっていました。催眠術の本を見つけてからの一連のくだりは、もう完全に薄い本の導入シーンです。

 開放的な性格になる、という催眠で、てっきり普段素直になれてない政近への本当の感情をさらけ出してしまうなど言動が変化する展開かと思いきや、まさか物理的な面で自分を開放しようとするとは……さすが有希、本人も予期していなかったようですが、いい仕事をしてくれます。

 一方の政近は、必死に事態を収めようとしつつも、服を脱ぎ始める二人を見ていつもよりテンションが上がっている気配。しっかり男の子なんだな、ということが改めて伝わってきて好感度が上がりました。

 ここ最近、お色気シーンが少なかったのでどこか物足りなさを感じていた方もいたかもしれませんが、今回の展開はまさにやってくれたという感じ。肌の露出だけではなく、目のハイライトが消えて焦点があっていない感じとか、催眠フェチの方にもぶっ刺さりそうです。

 ただ、二人共シャツの胸ボタンを外すのにいくらなんでも時間掛かりすぎだろう……というところはツッコミたくなりました(あのボタンの存在のおかげでテレビ放送できているのはそうなんですが)。


 9話を通して印象的だったのが、有希の切り替えの速さ。冒頭の綾乃とのやりとりに始まり、政近といるところをアーリャに見つかった時や、催眠中に更科が入ってきた緊急事態でも即座にお嬢様モードに切り替えて対応していて、2つの顔の使い分けが見事すぎます。

 また個人的に、催眠が解けた時のマーシャの本気の慌てっぷりが、いつものマイペースで余裕のある様子とのギャップがあってかわいかった。こういうマーシャのガチ照れ顔、今後もっと見れるといいなと期待しています。

関連記事



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。


    本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります