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アニメ『ザ・ファブル』22話感想。“見てから余裕”を平然とやってのけるアキラにシビれた!(ネタバレあり)

文:カワチ

公開日時:

 TVアニメ『ザ・ファブル』の第22話“ドア前の男……。”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『ザ・ファブル』第22話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

ついにアキラと宇津帆の戦いがはじまる。アニメ『ザ・ファブル』22話感想


 “ファブル”と呼ばれる伝説の殺し屋が、1年間、誰も殺さずに一般人として大阪で暮らす姿を描く『ザ・ファブル』。アニメ版は『装甲騎兵ボトムズ』で知られる髙橋良輔さんが監督を務めます。

 第2クールからは過保護に育てられた資産家の子供を狙って大金をせしめる宇津帆がメインのストーリーが展開。アキラと宇津帆の過去が描かれるほか、宇津帆と手を組んでいる殺し屋の鈴木と、アキラのパートナーである洋子の因縁が生まれるなど、このふた組が戦う理由が丁寧に説明されてきました。これまでも接触はありましたが、この22話でついに本格的な闘争がスタート。一気に盛り上がってきました。

 今回の22話は原作の118話“蛇の道の男…”に該当する部分からスタートということで、久しぶりに海老原が登場。洋子の部屋の隠しカメラの映像を消して欲しいとアキラが電話でお願いするシーンでしたが、アキラの近況を聞いたり、「いろいろ楽しめ」と声をかけたり、すっかり親戚のおじさんみたいな立ち位置になっていて和みましたね。

 一方、そのころ、殺し屋の鈴木は便利屋のマツからハッシュパピーのサプレッサーを受け取りつつ、彼に海外への逃亡ルートを用意してもらうように頼んでいました。マツは鈴木にファブルから手を引くようにアドバイスしますが、彼は「そう言われると俺の人生すべてから手を引けって言われてるみたいだわ」と返します。

 殺し屋としてのプライドが見え隠れするセリフですが、演じているのが子安武人さんなのでめちゃくちゃ格好いいシーンになっていましたね。鈴木は洋子に負けて、そのプライドを傷付けられているので、どのような報復を企んでいるのか今後のストーリーに注目です。


 宇津帆の事務所ではヒナコが宇津帆にアキラやオクトパスの人たちに危害を加えないように所望。その願いに対して宇津帆はヒナコが自分に付いてきているのは両親を殺した人物を見つけたいからであったことを思い出させ、すでに自分たちは仲間であることを伝えて彼女の心の懐に入っていきます。

 ヒナコの両親を殺したのは宇津帆ですが、こんなことを言ってのけるのは本当に卑劣です。しかし、驚くのはここから。宇津帆はヒナコに両親の首を残酷に刺し切ったのはアキラだったとウソを伝え、彼女の怒りがアキラのほうへ向くように細工します。


 その後、ヒナコはあるネットニュースを確認して……。このときの表情を無くして、目に光がなくなったヒナコの顏は怖かったですね。アキラのことを信頼していただけにツラかったのか、それとも別の思いを抱いたのか。ともあれ、ヒナコは宇津帆の思惑通り、作戦にみずから加わることを決意します。

 『ザ・ファブル』は最強のアキラが軽々と襲い掛かる困難を潜り抜けていく姿がおもしろい作品ですが、この宇津穂の罠とヒナコの行動は今までになかったパターン。アキラがどのようにこのピンチを乗り切るのか予想できないのでドキドキします。

 部屋に帰ってきたアキラがペットのカシラに「怖くない――俺がついてる――」と語りかける姿はヒナコに伝えているようでもあり、うまかったですね。


 緊迫感のあるシーンが続くなか、今回はクロの出番も。海老原に消去するように頼まれた映像を観て、鈴木を倒す格好いい洋子の姿だけDVDに焼いて残そうか葛藤する彼がかわいかったです(笑)。


 終盤は宇津帆がアキラに直接電話をして、彼を事務所に誘い込む展開。鈴木が細工し、ドアを開けると手榴弾が爆発する仕掛けを用意していました。鈴木自身、手榴弾でアキラを仕留められるとは思っていませんでしたし、視聴者もこれでやられるわけがないと分かっていましたが、それでもアキラの超人的な能力には惚れ惚れする展開。

 具体的にはアキラがドアを開けて手榴弾に気付き、ビルの下の階に飛び降りて危機を免れるというもの。事前の鈴木の解説で、2秒で現状を把握し、2秒で退避しなければ爆発でズタボロになると説明されていましたが、なんなくやってのけてしまうアキラが格好良かったですね。事前に罠を解除してから進むのではなく、罠が発動してから退避できる判断能力と身体能力に驚かされました。

 また、手榴弾の爆発シーンはコミックでも見開きで描かれて迫力がありましたが、アニメの映像でもド派手に描かれました。『ザ・ファブル』は静かな作品なので、こういう派手なアクションシーンは、いっそう引き立ちますね。原作で内容を知っている人もぜひアニメも観てみてくださいね!

カワチRPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。

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