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ゲーム『フェアリーテイル2』開発者インタビュー。一新されたバトルシステムやアルバレス帝国編を舞台にした理由、『2』発売までに4年の月日が必要だったわけが明らかに

文:電撃オンライン

公開日時:

 コーエーテクモゲームスが12月12日に発売を予定しているPS5/PS4/Nintendo Switch/Steam『FAIRY TAIL2(フェアリーテイル2)』。ここでは、本作のプロデューサー・片岡宏氏へのインタビューをお届けします。

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 本作は真島ヒロ氏が描く魔法バトルファンタジー作品『FAIRY TAIL(フェアリーテイル)』をもとにしたRPGの第2弾。物語のクライマックスとなる“アルバレス帝国編”をゲームで追体験できる内容となっています。

 ナツ・ドラグニル(CV:柿原徹也)やルーシィ・ハートフィリア(CV:平野綾)といったおなじみの仲間たちはもちろん、新たに登場するキャラクターも。アルバレス帝国の12人の精鋭である“スプリガン12(トゥエルブ)”との激闘も描かれます。

 また、前作の一新されたバトルシステムや本作でしか見られないオリジナルストーリーなど、見どころはたっぷり用意されています。

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▲『フェアリーテイル2』プロデューサー、片岡宏氏。

プロデューサー片岡宏氏にインタビューを実施。原作や制作への熱い思いがあふれ出る!?【フェアリーテイル2インタビュー】

『2』の発売までに4年の歳月を費やしたわけ、そしてアルバレス編を題材に決めた理由とは――


――まずは自己紹介をお願いします。

 『FAIRY TAIL2』プロデューサーの片岡宏です。1994年に株式会社コーエーに入社し、「戦国無双」シリーズでメインプログラマ、ディレクター、『真・北斗無双』ディレクターを担当しました。その後2016年からガストブランドに所属し、『FAIRY TAIL』『よるのないくに2 〜新月の花嫁〜』『ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~』ディレクター、『マリーのアトリエ Remake ~ザールブルグの錬金術士~』開発プロデューサーを担当しています。

――あらためてゲーム「FAIRY TAIL」シリーズについてご紹介ください。

 漫画・アニメともに世界中で愛されている、真島ヒロ氏原作の魔法バトルファンタジー『FAIRY TAIL』をRPGとしてゲーム化した作品で、本作はコンシューマタイトルとしては初めてワールドワイドでの発売となった前作に続く2作目となります。前作では「天狼島編」のラスト~「大魔闘演武編」~「冥府の門編」を取り上げ、本作はその続きとなる原作のクライマックス「アルバレス帝国編」をベースとしております。そして、今回はRPGですがターン性ではなくリアルタイムバトルとなっています。

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――『FAIRY TAIL2』発表後の国内および海外ユーザーの反応を見てどうでしたか?

 世界各地でXのトレンドに入ったり、喜びや期待のコメントなどをいただいたりと思っていた以上の反響で大変うれしかったとともに、たいへん励みになりました。

――『FAIRY TAIL2』の制作が決まったのはいつごろでしょうか?

 前作発売後、続編の要望やゲームに対してのご意見を多くいただいていたとともに、おかげさまで長い期間好調に推移したことで、前作では描き切れなかった本編最終章のゲーム化を講談社様に相談したところ、原作の正当続編として展開されていた「100 YEARS QUEST」のアニメ放映の時期などが近づいており、そのIPが再度盛り上がるタイミングでぜひファンのみなさまにお届けしようとなりました。

――『1』の発売から4年以上が経過していますが、『FAIRY TAIL2』の制作はかなり手の込んだものになったため、発表まで時間がかかったということでしょうか?

 ストーリーのベースをどうするかや、バトルを始めとしたゲームとしての要素をどうするかなど、最終章をゲーム化するための全体感を固める部分など構想を練るのにかなり時間を掛けました。方針が決まってからはまっすぐに走り続けてきましたが、より良い形での実現や完成時期がある程度しっかり見えてからお伝えしたく、今年6月の発表となりました。

――前作『FAIRY TAIL』発売から4年経ち、前作の課題から改善した点を教えてください。

 最終章をゲーム化する上でまず最初に決めたのは「妖精の尻尾vsアルバレス帝国」を中心として「「スプリガン12」全員と戦う!」ことでした。前作では強敵全員と戦うような流れを描き切れませんでしたので、ここはぜひとも実現したいポイントでした。また、原作では1対1のバトルも多いですが、ゲームでは基本的に「妖精の尻尾」としてのチームで戦う形にしたいと考え、これらを実現すべく真島先生、講談社さんにもご監修をいただきながら原作の展開をゲーム向けに調整しています。

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――今作で「アルバレス帝国編」を選んだ理由を教えてください。

 やはり前作は最終章の手前まででしたので、本作ではクライマックスであり最高潮に盛り上がる「アルバレス帝国編」をきっちりと作り上げ、ファンのみなさまにも楽しんでいただきたいというのが最大の理由です。

――片岡プロデューサーが「アルバレス帝国編」で好きなところや、物語の最終章を再現するうえで、大切にしたところを教えてください。

 とにかく展開が熱いところです。強力な「スプリガン12」とともにゼレフが全軍で攻めてきて、アクノロギアはとんでもなく強く、その中でユニバースワンからの怒涛の展開や謎が明らかになっていく過程など、本当に「楽しい」と「驚き」とが次から次にジェットコースターのようにやってくる感じがたまらないです。ゲームでもそういう部分をしっかりと感じていただけるよう、また名シーンの数々を漏らさないよう取り組みました。

――自分の手で原作の世界を歩いているような体験について、「フィオーレ王国」を再現するうえで大切にした点や、とくに注目いただきたい部分などあれば教えてください。

 アルバレス帝国が四方から攻めてくるという原作アニメのシチュエーションを再現するために、マグノリアを中心としたシームレスにフィオーレ王国を駆け巡るフィールドを採用しました。フィオーレ王国も広いですので「FAIRY TAIL」の世界観に合うような景色やランドマークになるものをゲームで追加しています。また、移動中が間延びしないよう、メンバーたちのゲームでしか聞けない「妖精の尻尾」感溢れる会話が流れたり、ちょっとした遊び要素を用意しています。本編中は基本的にストーリーに沿った移動となりますが、ゲームオリジナルストーリーでは本編では行けなかったエリアを含め、王国全体を駆け巡りますのでぜひ楽しんでください。

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ゲームのオリジナルストーリーが生まれたきっかけや込められた想いとは?


――本作のゲームオリジナルストーリーを描くことになったきっかけを教えてください。

 前作は大きな話のまとまりがあったため、その合間にオリジナルの依頼などをこなすフリーな時間を用意していましたが、本作では最終章の流れや盛り上がっていく雰囲気を途中で切るのは避けたいと考え、差し込み的に発生する会話やキャラクター別のイベントなどは除き、ゲームオリジナルストーリーは本編後に楽しめるような形としました。

――ゲームオリジナルストーリーの中で印象的なものがあれば教えてください。

 「妖精の尻尾(フェアリーテイル)」ってこんな感じだよね! 楽しいよね!

――そのほかゲームオリジナル要素で特におすすめしたいものがあれば教えてください。

 キャラクターごとのストーリーも多数用意していたり、エリアを使った遊びなどもありますので、ぜひ「FAIRY TAIL」の世界を楽しんでください 。

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――本作で注目してほしい魔法バトルや、前作から一新したバトルシステムについて教えてください。

 リアルタイム制を採用しています。実際にプレイしてみても今回のストーリーにはこの形がよかったと実感しています。

 プレイとしては大きくは2軸となっています。1つめは操作するパーティーキャラの攻撃サイクルです。本作はMPがありません。連続で繰り出せる通常攻撃でSP(スキルポイント)をため、それを利用してスキルを発動していくことで「FAIRY RANK」という戦闘のランクが上がり、SPを溜められる数とスピードがアップ、さらに強いスキルやスキルの連続発動に繋がるという、攻撃が攻撃を呼び「妖精の尻尾(フェアリーテイル)」のキャラクター達が戦闘中にヒートアップし強くなっていく様を演出しています。

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 2つめは敵との攻防です、敵にはHPとは別に「BREAKゲージ」があり、ゲージを削ると仲間との共闘である「リンクアタック」が発動し、すべての「BREAKゲージ」を削ることでBREAK状態となりすべての攻撃がクリティカルになります。特定の強敵ではBREAK時に「リンクアタック」が「ユニゾンレイド」へと変わり、より強力な攻撃を発動できます。また、敵が大技を放つ際には前兆として「リスキーゲージ」が表示されます、この「リスキーゲージ」に対しては各キャラクターのスキルに相性があり、そのスキルでしか削ることができませんが、前兆中に削り切れば「リンクアタック」が発動できます。戦闘に参戦するチームは前衛3人で残りは控えとなり、操作PCの切り替えは前衛3人の間ではもちろん、控えのキャラクターとも可能ですので、相性も考慮しながらチームとして対応していきます。その他、「属性」「覚醒」「モードチェンジ」などの戦闘をさらに盛り上げる要素ももちろんありますのでご期待ください。

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 ターン制からリアルタイム制で操作感は変わりますし、難しそうな印象を持たれる方もいると思いますが、範囲や属性があったり、チャンスには仲間との共闘が得られたりなど、前作と根本の考え方は変わっていませんので、前作をプレイした方はスムーズに入れますし、シンプルなものなのでゲーム慣れしていない方もすぐに馴染めると思います。

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――『FAIRY TAIL2』制作にあたり一番力を入れたところはどこでしょうか。

 「FAIRY TAIL」のファンに喜んでもらえることです。開発はもちろん、その他のすべての要素でそれを念頭にメンバー全員が取り組んでいます。

――『FAIRY TAIL2』制作にあたり苦労した点があれば教えてください。

 ゲームとしてはどうしても完全にすべてを実現するというのは難しいのですが、どこまでをどう実現しファンのみなさまが納得のいくものに仕上げるのか、がやはり1番の考えどころですし苦労するところです。ただ2作目となり「FAIRY TAIL」としての表現や考え方など、根本のところは前作でしっかりとできていたため、そのぶん最終章をどう実現するかにより力を注げています。

――『FAIRY TAIL2』を作っていく過程で、大切にしている部分があれば教えてください。

 「「FAIRY TAIL」ファンの方に喜んでもらえるもの」、「ゲームとして純粋に面白いもの」、「ストーリーを知らない人でも楽しめるもの」であることです。

――『FAIRY TAIL2』開発中の印象的なエピソードなどがあれば教えてください。

 本作ではメインメニューの背景などでスチルも多数用意しているのですが、真島先生に「すごくかっこいい!」とコメントをいただき現場のテンションが上がりました。その他でもしばしば良いコメントをいただくことがあり、開発一同非常にありがたかったです。

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――『FAIRY TAIL』が本編完結後も全世界のファンに長く愛される理由や、魅力はどこにあると感じていますか?

 私感ですが、ファンタジーの世界観やキャラクターたちが魅力的なことはもちろんですが、ギルドという家族を思う強さや、すべてのことに対し諦めず熱く一生懸命に立ち向かう様が胸を打ちますし、また触れてみたいもっと観たいと感じさせるのだと思っています。劇中に数々の名言もありますが、「燃えてきたぁ!」は世界中のファンに響くシンプルでかつ最高の名言と思います!

――このインタビューを読んでいるユーザーさんにメッセージをお願いいたします。

 本作『FAIRY TAIL2』の舞台は「FAIRY TAIL」本編のクライマックスです。クライマックスに相応しい熱い戦いを用意しましたので、ぜひ妖精の尻尾のメンバーたちと一体となり強敵たちとの攻防を楽しんでください! 本編後にはゲームでのみ楽しめるオリジナルストーリーもあります、最後にはとてつもなく強い敵がいますのでご期待ください。

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