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アニメ『ダンダダン』1話感想。妖怪、宇宙人、バトル、オタクに優しいギャル。すべてがてんこ盛りの作品はビジュアル表現のレベルも圧倒的! これはマジで期待しかない!!(ネタバレあり)

文:カワチ

公開日時:

 TVアニメ『ダンダダン』の第1話“それって恋のはじまりじゃんよ”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『ダンダダン』第1話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

素晴らしい映像表現!【アニメ『ダンダダン』1話感想】


 少年ジャンプ+で連載中の同名漫画をアニメ化した『ダンダダン』。制作はサイエンスSARUで、監督は山代風我さん、音楽は牛尾憲輔さんが担当しています。

 ついにアニメ化された『ダンダダン』ですが、原作からのファンである筆者としては期待半分、不安半分で見始めました。しかし、物語の序盤でギャルの主人公・綾瀬桃がクズ男にフラれるシーンのアニメーションですぐに「これは期待できる!」と一気に興奮。


 今回のアニメで監督を務める山代風我さんは『きみと、波にのれたら』『映像研には手を出すな!』『犬王』などの湯浅政明さんの作品で演出を担当してきた方なので、『ダンダダン』も湯浅政明さんの作品っぽさも感じられる作品に。山代風我さん自体は制作進行でキャリアをスタートし、その後に演出へ。『映像研には手を出すな!』で副監督を務め、本作がアニメシリーズ初監督作品になります。まだ31歳とお若いので、今後の活躍も楽しみですね。

 話は少し前後しますが、オープニングも素晴らしい! 白黒のシルエット映像をテンポよく切り替える演出や、墨絵のようなキャラクターが走り回る動きなど、前衛的で見応えがありましたね。映像に合わせて流れるCreepy Nutsの『オトノケ』も最高。“ダンダダン”でひたすら韻を踏んでいるR指定さんの歌がクセになり、永遠にリピートしたくなる魅力を持っています。


 『ダンダダン』は幽霊を信じる女子高生の綾瀬桃(モモ)とUFOを信じるオカルトマニアの高倉健(オカルン)が、怪奇な存在とバトルを繰り広げる作品。第1話はモモとオカルンが出会い、ふたりがそれぞれ特殊な力を手に入れるところまでが描かれました。

 サブタイトルそのままに原作の第1話をアニメに落とし込んだ形で、ツカミとしては完璧でしたね。流れとしては学校でのふたりの出会い、オカルンが妖怪のターボババアに追いかけられる、モモが宇宙人のセルポ星人に捕まる、そしてラストはターボババアとセルポ星人との迫力のバトルが展開するというものでした。

 さまざまな魅力を綯い交ぜにした『ダンダダン』らしい展開で引き込まれますが、アニメ版は牛尾憲輔さんの多彩な音楽のおかげもあり、それぞれの異なる雰囲気がより強調されているなと感じました。ターボババアのシーンはホラーとして怖かったですし、セルポ星人の登場シーンは怪しく不思議な雰囲気がありました。学校のシーンは学校のシーンでモモとオカルンがコミカルでしたし、同じ作品でありながら多彩な演出や音楽で楽しませてくれましたね。

 モモが病院、オカルンがトンネルへ向かう場面では、病院で何者かがモモに付いてきているシーンも。その後に登場するセルポ星人だと思いますが、動きのあるアニメならではの演出でした。「あれ? もしかしてなにか動いた?」とじっくり見ていないと見逃す可能性もあるような描かれ方だったので、ぜひ配信サイトなどでチェックしてみてください。

 別々の視点で進んだからこそ、すべてのパートがつながる最後のバトルもとても盛り上がりました。オカルンが孤独だった自分を救ってくれたモモへの感謝を語るシーンや、同じくモモが自分の過去を振り返り、念力に目覚めるシーンもアツく、まるで劇場アニメを観ているような気分に。原作を知らない人も今回の第1話を観ればハマることができるので、ぜひ観てみて欲しいです。

原作との違いも必見! 声優陣の演技も完璧すぎた【アニメ『ダンダダン』1話感想】


 原作とアニメの違いについては、最初にオカルンが読んでいる雑誌が元ネタのムーに近いポーというタイトルだったり、紹介していた“ペガサス計画”のページの大統領のデザインが変わっていたりと、いろいろありましたね。

 個人的には覚醒したモモが「これならクズ男をブッ飛ばせるわい!!」とセルポ星人を蹴り上げるシーンが、原作には無かった冒頭のクズ男と重なる演出になっており、爽快感が増していてよかったです。

 そういったこまかい違いも楽しめますが、やはりアニメになって変わったところは声優陣の芝居が加わったことですね。オカルンはもともと花江夏樹さんが演じたら似合いそうなキャラクターでしたが、予想以上にマッチしていて完璧。

 モモを演じるのは若山詩音さんで、クール系のキャラクターを演じることが多いですが、オタクに優しいギャルであるモモも見事に演じていましたね。アニメでは原作以上にコロコロと表情を変えるモモですが、若山さんの芝居のおかげで2話以降も楽しみになりました。

 また、役を固める役者も豪華。高速で走る妖怪のターボババアは田中真弓さん、進化が出来ず、感情も無くなった宇宙人のセルポ星人を中井和哉さんが演じています。国民的アニメにも出演されているおふたりですが、第一線で活躍し続けているだけあり、その言葉は迫力が違いました。

 ターボババアの「イチモツしゃぶらせろ」やセルポ星人の「今からセックスします」といった原作に登場したインパクトのあるセリフはアニメでもそのまま使われており、ある意味とても怖かったですね。おふたりのこういった芝居はあまり聞けないので新鮮でした。


 また、エコーがかかっているようなセルポ星人の言葉や、ターボババアに乗っ取られてしまったときのオカルンの異質な声など、文字では伝わらなかった演出も多くて、より引き込まれましたね。

 ということで、原作を尊重しながらもアニメオリジナルの素晴らしい演出で視聴者を楽しませてくれた第1話。とてもクオリティが高く、多くの人にオススメできる作品になっていたので、原作ファンもそうでない人もぜひ!

カワチRPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。

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