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アニメ『MFゴースト』2nd Season(2期)1話感想:ハチロクが“芦ノ湖GT”タイムトライアルに出撃! 片桐カナタと藤原拓海の絆がエモすぎた(ネタバレあり)

文:電撃オンライン

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 2023年秋に放送され、大きな話題を呼んだTVアニメ『MFゴースト』。その待望の続編となる2nd Seasonが現在絶賛放送中です。今回は2nd Seasonの第1回目である第13話“舞いおちる白い死神”が放送されましたので、視聴してみての感想をお届けします。

【注意】ここからは記事の構成上『MFゴースト』の物語に関する記述が多々含まれます。ネタバレが気になる方は本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。[IMAGE]

TVアニメ『MFゴースト』2nd Season 第1回“舞いおちる白い死神”感想(通算13話)

 10月6日深夜24時、TVの前に正座してました。待ってたぜ、この“瞬間(とき)”をよぉ……って、こう書いちゃうと少しお話が変わってきちゃいますが(笑)。とにかく、それくらいのテンションで待ちわびていました、TVアニメ『MFゴースト』2nd Season。いよいよスタートフラッグが振られましたね!

 1st Seasonに引き続き今回も感想記事を任せていただいております、ライターのタダツグと申します。さっそく第1回(通算第13話)“舞いおちる白い死神”について語らせてください。

 片桐カナタのトヨタ86GT(ハチロク)が、湖畔をフルスロットルで爆走していくアバンから始まった2nd Season。“MFG”の第2戦“芦ノ湖GT”のタイムトライアルが行われているところです。
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▲TVアニメ『MFゴースト』2nd Season公式サイトより。
 正直なところ、1st Seasonは回を重ねるごとに映像や演出、サウンド面などが尻上がりにクオリティアップしていった、僕のなかでは神アニメ。それだけに、2nd Seasonのスタートには一抹の不安も覚えていました。はたして、あのクオリティは健在なのだろうか……。

 結論から言うとそんな心配は杞憂でしたね。むしろ、さらにパワーアップして帰ってきてくれたと言っても過言ではない。ユーロビートサウンドをBGMに疾走するハチロクの雄姿、本当にカッコよくて、一気にアドレナリンがどっぱどぱですよ!

 現在のところ、ポールポジション(首位)はアルピーヌ・A110を駆る沢渡光輝。タイムトライアルで15位までに入れば、本戦への出場が決まるこのタイムトライアル。前節“小田原パイクスピーク”では、深い霧がけぶる通称“デスエリア”が存在しましたが、“芦ノ湖GT”にはまたひと味異なる“デスエリア”が存在していました。

 それが今回のサブタイトルである“舞いおちる白い死神(別名:スリッピートラップ)”。ずっと以前に噴火した富士山の火山灰が、何度路面を清掃したところですぐに降り積もり、タイヤのグリップを大幅に奪うとんでもセクションです。こんなの、雨でも降った日にはズルッズルになるやろなぁ……(フラグ 笑)。
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▲TVアニメ『MFゴースト』2nd Season公式サイトより。
 さておき、テキストにしただけでヤバい路面状態なわけですが、カナタのハチロクはむしろここで加速! ウソだろ!? 得意のドリフトを駆使してペースを上げ、順位を一気に上げていく描写にマジで戦慄しました。

 自分は『頭文字D』のファンでもあるのですが。カナタがここで魅せてくれた走行は、まさに『頭文字D』の主人公・藤原拓海が得意としていた“ゼロカウンタードリフト”そのものなんですよね。こんなの涙腺が緩むに決まっている。拓海が英才教育を施したカナタの走りには、本当に華があります。

 アニメーションの絵コンテも素晴らしく、コーナーでグッとハチロクに近づいたと思ったら、次のコーナーで引き絵に変わってコースの全景を見せたり、次の瞬間にはタイヤのアップになってグリップの使い方を見せてくれたりと、予選からして至れり尽くせり。2nd Season開幕ということで、スタッフが演出に相当チカラを入れてくれているのが最高です。
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▲TVアニメ『MFゴースト』2nd Season公式サイトより。
 後半にあるヒルクライムの長いパワーセクションで順位こそ下げてしまいましたが、第2戦のタイムトライアルでも大きなインパクトを残したカナタ。予選突破を決めた彼が、本戦出場でどんな走りを見せてくれるかに注目といえますね。

 ちなみに原作コミックを全巻所持している自分としては、この“芦ノ湖GT”におけるカナタのタイヤの使い方に、思わず見入ってしまいました。アドバイザーとしてカナタのコクピットブースに入っているニッサンGT-R使いの相葉 瞬いわく、カナタのドリフト走行はその他のドライバーに比べて“横Gを受ける時間が長い”とのことで。つまり、タイヤの使い方が他のドライバーと全然違うってわけです。

 ここらへん、コミックス20巻や最新の21巻でその狙いや効果が語られる部分だったりしまして……。ちゃんと“芦ノ湖GT”の時から伏線としてタイヤの使い方が違うという描写が、丁寧に仕込まれていることに好印象を受けた次第。丁寧な演出が光りますよね! “芦ノ湖GT”の本戦も心から楽しみです。

TVアニメ『MFゴースト』2nd Season第1回(通算第13話)で印象に残ったセリフはこれ!

 さて、ここからは1st Seasonでも書かせていただいていた企画コーナー。担当ライターがイチファン目線で心にグッと来た名ゼリフたちをいくつかピックアップしたいと思います。

「おい、緒方。ハチロクのトラクションコントロールどうなってる。ヤバいぜ、壊れてんじゃねえか?(相葉 瞬)」

 路面コンディションが最悪な“デスエリア”を、タイヤを滑らせるドリフト走行を駆使して突き進むカナタのハチロク。その異次元の挙動に、“神15(フィフティーン)”の先輩ドライバーである相葉センパイですら、思わず「この挙動は故障じゃねーのか!」と判断してしまうシーンです。その後、緒方によりハチロクのトラクションコントロールシステム(TCS)は、カナタの希望によって意図的に排除されていることを聞き、戦慄する相羽センパイのリアクション、マジで最高でしたよ。「なん……だとッ?」って、そりゃあそうも言いたくなりますわ……。
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▲TVアニメ『MFゴースト』2nd Season公式サイトより。
 つまるところ、同じドライバーからしてもあり得ないような技術ってこと。それだけカナタの走りが異次元ってことです。グリップ走行全盛のMFGにおいて、まさかのドリフト走行。おまけに、MFGのAIがそんなカナタのハチロクに“注目フラグ(=こいつの走りヤバいぜ、ってお墨付き)”を立てるんですから。そりゃあ相葉センパイもビビり散らかしますよね……。

 ちなみにここで、『頭文字D』での高橋啓介と高橋涼介の会話を思い出した方も少なくないのでは? ハチロクに高性能なABS(アンチロック・ブレーキシステム)が積まれていると、啓介が勘違いしたあのシーンです(笑)。

「グッバイ、沢渡。先に行く(ミハイル・ベッケンバウアー)」

 前節“小田原パイクスピーク”の覇者として、タイムトライアルのラストランに登場したベッケンバウアー。その時点のポールポジション(首位)であるライバル・沢渡のレコードタイムをトレースし、さながらナビ扱いして「ラクをする」と豪語したこの天才にも驚かされました。

 上記のセリフはラストのヒルクライムでギアを上げ、ここまでナビ役にしてきた沢渡のアルピーヌ(の幻影)をあっという間に置き去りにしてしまうときのもの。まだ底が知れないこの男……やはりかなりのバケモノであることは間違いなさそうです。

 アルピーヌの幻影をぶっちぎっていくとき、ケイマンのテールに刻まれた“PORSCHE”の文字が印象的に画面に映り込む演出には思わず息をのみましたよ。カッコよすぎじゃあねーか!? ここに限ったことではないのですが、本エピソードは絵コンテが本当に素晴らしかったので、次回以降にも期待してしまうというものです。
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▲TVアニメ『MFゴースト』2nd Season公式サイトより。
「僕には父親がいないので……先生のことをファーザーみたいに感じてしまう時もありました(片桐カナタ)」

 最後は主人公・カナタのこのセリフ。僕は一瞬で涙腺崩壊でした……。ここでいう“先生”とは、もちろん藤原拓海その人のこと。つまり2人の絆は師弟であると同時に、夢に向かって走る息子と、そんな息子に己の技術を託していく父親のような間柄でもあるってことなんです。あらためて、本作が“新たなる公道最速伝説”と銘打たれたことに納得してしまう名シーン。

 僕も泣いてしまいましたが、話を聞いていた緒方や相葉センパイも泣いていたので、今度はその泣き顔に吹き出してしまうというね。なんとも心がホッコリしました(笑)。

 このシーンには、“名ドライバーは本人1人で作り上げられるものではない”という、原作者・しげの秀一先生のアツき“イズム”が垣間見える気がするんですよ。『頭文字D』のときからそうなんですが、文太や高橋涼介がいなければ、藤原拓海の覚醒はあり得なかったわけであり。その系譜から、今度は拓海がカナタに技術と想いを継承するというこの流れ……最高にエモいと思います!  

 ということで、ぶっちゃけ期待以上のクオリティで仕上げられていた今回ですが、ご覧になった皆さんの印象はいかがでしたか? 2nd Seasonのバトルも見逃せないってことだけは確信できる……そんな第1回になっていたように思えます。次回も楽しみです。それでは、今回はこのへんで!
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▲TVアニメ『MFゴースト』2nd Season公式サイトより。

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