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アニメ『MFゴースト』2nd Season(2期)3話感想。“芦ノ湖GT”スプラッシュ! 降りしきる雨の表現は原作を超えた…!?(ネタバレあり)

文:タダツグ

公開日時:

 現在放送中のTVアニメ『MFゴースト 2nd Season』。その第15話(2nd Season第3話)“駅伝ストレートの明と暗”が放送されましたので、視聴してみての感想をお届けします。

【注意】ここからは記事の構成上『MFゴースト』の物語に関する記述が多々含まれます。ネタバレが気になる方は本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。[IMAGE]

TVアニメ『MFゴースト』2nd Season 第3回“駅伝ストレートの明と暗”感想(通算15話)

 “アニメの第3話は勝負回”というのをよく耳にします。視聴者の多くが3話までの出来栄えで視聴継続の可否を決める……そんな通説があるとのことで、当然、スタッフとしてもチカラの入れどころなのでしょう。今回、めちゃくちゃシビれる演出と、感情が揺さぶられるエモいシーンのオンパレードでした!

 降りしきる雨の中を激走する15台のマシーン。全3周から成る“芦ノ湖GT”の戦いは、この3話が1周目のクライマックスとなりました。タイトルにあるように、“駅伝ストレート”における各車の攻防は大きな目玉でしたが、他にも見どころは満載! せっかくなのでいくつか紹介させてください。
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▲TVアニメ『MFゴースト』2nd Season公式サイトより。
 まずは何より僕が感動した、素晴らしすぎる雨の描写。そのクオリティの高さが、今回のバトルの緊張感を最高に盛り上げてくれています。これまで、数多くのアニメを鑑賞してきた自分ですが、ここまで雨の表現にこだわったTVアニメ作品というのはなかなか思いつかない……それほどの高水準だと思います。

 色々な意味で震えたのは、コーナーやストレートにおける水しぶき描写! 実況の田中さんは「激しいウォータースプラッシュ! 肉眼では後列のマシンが識別できない」と口にしていましたが……これ、CGの表現がめちゃくちゃ凝っているため、ちっともオーバーな表現になっていないんですよね。

 タイヤが跳ね上げる水しぶきの描写は大胆にして緻密! 窓を叩く雨粒やせわしなく動くワイパーの挙動なども相まって、現実とフィクションがいい具合にブレンドされた極上の仕上がりにハートをグッとつかまれました。このこだわりの演出には素直に脱帽どころか、こればかりは静止画となるコミック版をも超えたのではないか……そう思えてしまったほどでしたね。

 スタッフのカロリーはめちゃくちゃ高そうなのですが。ここまでのものを見せつけられてしまうと、今後もこのクオリティを期待してしまうんだよなぁ……。
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▲TVアニメ『MFゴースト』2nd Season公式サイトより。
 そんな雨の中で躍動するカナタのハチロクには、思わずゾッとしました。信じられないスピードでコーナーに突入し、神ワザ挙動でテイラーのポルシェ・911カレラGTSに勝負を仕掛けるシーンとか、戦慄を覚えたほど。雨の描写もぶっ飛んでますが、そんななかでオーバーテイクを狙うカナタのメンタルも相当イカれていると思いませんか……。

 アウトから攻め込んで相手のラインを窮屈にしつつ、しっかり旋回してそのテクニックを見せつけるカナタ。悔しさをにじませつつ、カナタへの敬意をも感じさせるテイラーの表情が心憎い! 第1戦“小田原パイクスピーク”のクライマックスでもやり合ったこの2人。テイラーがカナタを一流と認めていることがしっかり伝わってくるこのドッグファイトは、見終えて心がスカッとしました!
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▲TVアニメ『MFゴースト』2nd Season公式サイトより。
 他のドライバーたちの個性もしっかり表現されており、見ているだけでアツくなれましたね。4WDであるニッサンGT-Rの良さを引き出し、素晴らしいアタックを見せる相葉 瞬。“罵り合いの一歩手前”くらいのテンションで、お互いを鼓舞し合うヤジキタ兄妹(余談ですが、僕は回を追うごとに北原 望に惹かれています 笑)。雨のなかで安全マージンを取りながらも、後続を突き放していくバケモノ級の天才・ベッケンバウアー。そして、そんな彼の堅実な走りを“ダセえ!”と切り捨て、後ろで虎視眈々と牙を研ぐアルピーヌ A110を駆る沢渡光輝……。誰もがひとクセあって魅入られちゃいます。
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▲TVアニメ『MFゴースト』2nd Season公式サイトより。
 なんといっても、ハチロクのステアリングを握っているときは常にクールなあのカナタが、思わず「MFGがこんなに楽しいなんて……体験してみるまでは想像もできなかった」と興奮を口にするくらいですからね。見ている我々がブチ上がらないわけがない!

 最高のテンションで進んで行く『MFゴースト』2nd Seasonは勝負の3話を超え、次回以降も俄然期待感が膨らんでいくばかり。次回も引き続き雨のなか、沢渡が何やら仕掛けていきそうな雰囲気ビンビンな点には要注目ですね。

TVアニメ『MFゴースト』2nd Season第3回(通算第15話)で印象に残ったセリフはこれ!

 本エピソードにもたくさんの印象に残るセリフが登場しましたが、ここではとくに自分が気になった2つを紹介させていただきましょう。

「86号車の挙動は安定しています。これは、ドライビングの技術だけでなくクルマのウェットセッティングがうまく決まっているということでもあります。優秀なメカニックがついたのかもしれません(池田竜次)」

 雨の中を軽快に飛ばしていくカナタのハチロクを見て感嘆している、解説役の池田竜次。ドライバーはもちろん、このウェットコンディションに最適な足回りを仕上げたメカニックのこともホメている……そんなシーン。この実況を聞き、“芦ノ湖GT”からハチロクのセッティングに関わっている奥山広也が少しだけ頬を緩めたその表情がエモ過ぎて、『頭文字D』からのファンである自分は思わず声が出ました。
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▲TVアニメ『MFゴースト』2nd Season公式サイトより。
 念のために補足しておくと、メカニックの奥山は、かつて池田がリーダーを務めていた“チーム・スパイラル”のメンバー。今なおその出自に誇りを持っていることは、彼の経営するオートショップの名前が“スパイラルゼロ”であることからも明らかだと思います。今回のハチロクのセッティングに奥山が絡んでいるなんて知らないはずの池田が、その足回りを褒める……そしてその言葉に奥山が少しだけニヤリとする。これに萌えない『イニD』ファンはおらんやろー、と思わず声が出てしまったわけです。

 現在の池田は“ゼロ・アカデミー”でドライバーを養成しており、カミカゼヤンキー・相葉の師匠ともいえる存在。相葉のオーバーテイクに満足げな言葉を口にするなど、色々とエモさ爆発でした。“芦ノ湖GT”の解説者として、彼以上に適任はいなかったかもしれませんね。正直、第1戦の解説者である小柏カイに比べてシブいチョイスだなぁ……なんて思っていたことを謝りたいです(苦笑)。

「アタシは、男ってのはバカなほうがいいと思う(栗原京子)」

 MFGエンジェルスのなかでも屈指のキップの良さで、僕の秘かなお気に入りキャラでもある京子姐さんが、理想の男性像を聞かれたときの言葉。このあと、小利口な男は器が小さく見えること、そして底抜けに優しくて愚直な男こそが女を幸せにしてくれると思っていることを告げ、少しだけ頬を赤らめる姐さんのかわいさときたら……。なんとも意味深というか、ナンバーセブン(レン)のピュアでキュートな魅力とはひと味異なる“オトナの女性”な雰囲気にやられました。

 こんな素敵な女性に想いを寄せられる男性ってめちゃくちゃ幸福ですよね。底抜けに優しくて、愚直で、バカな男か……うーん、そんな人物っていったい? と、妄想がふくらみます(笑)。
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▲TVアニメ『MFゴースト』2nd Season公式サイトより。
 ナンバーセブンをはじめ、“はみけつの真美”こと佐藤真美、そしてこの京子姐さんと、かなりの“イイ女”がそろい踏みしている今期のMFGエンジェルス。こちらの人気争いもここから熾烈になっていくのかもしれません。レースと同様にご注目!

 ということで、次回は“芦ノ湖GT”の2周目へと突入していく『MFゴースト 2nd Season』。降りやまぬ雨のなかでどのようなバトルが展開されるのか、今からワクワクが止まりませんし、来週も絶対に見逃せませんね。それでは、今回はこのへんで!

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