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『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』で感じた“シャドウ・ザ・ヘッジホッグ”の魅力。クールで頼りになるけど、どこか危うさもある二面性やソニックとのエモい関係性、ダークヒーロー感満載のアクションも気持ちいい

文:米澤崇史

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 セガが10月25日に発売した『ソニック』シリーズ最新作、PS5/PS4/Switch/Xbox Series X|S/Xbox One/PC用ハイスピードアクションアドベンチャー『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』。

 PS3とXbox360で発売されたオリジナル版をベースに、ドロップダッシュなど追加要素を実装した『ソニック ジェネレーションズ』と、シャドウが主人公となる完全新作『シャドウ ジェネレーションズ』の2本が収録されています。

 文字通り1本で2タイトル分が楽しめる、めちゃくちゃコスパのいい作品ですが、今回はその中でも完全新作『シャドウ ジェネレーションズ』をピックアップ。主に筆者がプレイして感じた『シャドウ ジェネレーションズ』や、キャラクターとしてのシャドウの魅力を紹介していきます。

[IMAGE]※本記事はセガの提供でお送りします。

悲しき過去を背負った『ソニック』シリーズのもう一人のヒーロー。クールだけど実は優しい一面も【ソニック × シャドウ ジェネレーションズ】


 『シャドウ ジェネレーションズ』の主人公を務めるのは、ソニックのライバルであるシリーズの大人気キャラクター“シャドウ・ザ・ヘッジホッグ”。

 シリーズとしては約7年ぶりのプレイアブル化となり、2024月12月27日(金)劇場公開となる映画『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』にも登場が決定しています。4月の時点で“Fearless:Year of Shadow”を打ち出し、シャドウに光を当てた年になっているのです。

 シャドウが初登場したのは、ドリームキャストで発売された『ソニックアドベンチャー2』から。明るくノリが軽いソニックに対して、クールで重くシリアスな過去を持つ、対象的な存在として描かれています。

 そのシャドウにとって重要な存在となっているのが、自らの生みの親でもある天才科学者プロフェッサー・ジェラルドの娘であるマリア・ロボトニックとの出会い。不老不死の研究のための究極生命体として生み出されたシャドウでしたが、マリアに対しては心を開いており、穏やかな日々を過ごしていました。

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 しかし、シャドウの研究を危険視した軍隊・GUNにより、マリアは帰らぬ人に。シャドウはマリアの遺言に従って、一度は復讐を果たそうとするも、マリアの真意を知り、人々を救うために生きるようになる……というのがこれまでのいきさつ。

 本作は、上記のこれまでのシリーズの流れを引き継いだ状態から始まる形となりますが、過去作を知らないプレイヤー向けに、シャドウの物語を短くまとめたダイジェストムービーが収録されているので安心です。

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 また、『ソニック』シリーズ公式のYouTubeチャンネルでは、本作の前日譚にあたるシャドウの物語をアニメーション作品化した『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ  闇の序章』が公開されていて、この出来が本当に素晴らしい。

 全部で15分くらいの映像ではありますが、マリアとシャドウの関係性や、シャドウが「ブラックドゥーム」と呼ばれる謎の生命体のDNAから作り出されたことなど、シャドウの物語を理解する上で重要なポイントがグッと詰め込まれています。

 しかも、アニメーションとしての完成度もめちゃくちゃ高くて、アニメの中で描かれるシャドウたちの戦闘シーンはまさに"神作画”といっていいほどのクオリティ。『ソニック』シリーズのハイスピードアクションをアニメという媒体の中で完璧に表現していて、度肝を抜かれました。


 『シャドウ ジェネレーションズ』で描かれるストーリーは、既に故人となっているマリアとジェラルドがとある形で再登場したり、一度倒されたはずのブラックドゥームが復活を遂げるなど、これまでシャドウの物語との繋がりが密接なものになっています。

 もちろんゲームをプレイしているのがベストではありますが、ムービーやアニメで過去を抑えておくだけでも、グッとシャドウへの感情移入度が上がって楽しめると思います。

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 またシャドウって、クールな性格も相まっていわゆる“ダークヒーロー”という括りに入れられることが多いので、結構冷酷なイメージを抱いている人もいるんじゃないかと思うんですが、本作ではたくさんの経験を経て成長したあとということもあってか、結構情に厚いし優しいと感じるシーンが多いですね。

 そのあたりもアニメの『闇の序章』から感じ取れるようになっていて、敵対していたパイロットの脱出装置が動作しなくなっていることを察して、コクピットの装甲を剥いで強制脱出させる描写も印象的で、ミサイルを素手で掴んで叩きつけたりする容赦のない戦闘スタイルとのギャップにキュンとします。

ライバルとして互いを認め合う、ソニックとの関係性がエモい【ソニック × シャドウ ジェネレーションズ】


 シャドウの魅力を語る上で欠かせないのが、シリーズの主人公であるソニック・ザ・ヘッジホッグとの関係性です。

 シャドウが復讐を目的としていた頃こそ敵対していたのですが、現在は味方でも敵でもないライバル的な存在へと変化していて、この「仲良くするつもりは一切なく、こいつにだけは負けたくないと思っているけど、互いの実力は認め合っている」という関係性がめちゃくちゃエモいんです。

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 『シャドウ ジェネレーションズ』のストーリーは、オリジナル版の『ソニック ジェネレーションズ』のストーリーの裏側的な位置付けになっていて、オリジナル版で描かれたシャドウとソニックの対決の裏には、実はこんな真実が隠されていた……ということが分かる作りになっています。『シャドウ』でプレイした後『ソニック』視点を見ると、思わずニヤリとしてしまうこと間違いなしです。

 またネタバレになるので詳しくは書きませんが、ここで描かれるソニックとシャドウの対決シーンで垣間見えるシャドウの感情が、ソニックへのリスペクトのようなものが感じられて、またいいんです。

 本作のシャドウは、元々使えるカオスコントロールに加えて、ドゥームパワーという異能の力を使えるようになっているのですが、なぜその力を使わなかったのかという理由が納得いくものになっていたり、理想的なヒーローとライバルの関係性が構築されているなと感じられました。

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 あとこれは個人的な好みでもあるんですが、シャドウは一人称が“僕”なのも好きなんですよね。クールで無愛想なライバルといえば普通は“俺”になることが多いと思うんですが、シャドウの”僕”からはまだ未成熟な感じや危うさみたいな雰囲気も感じ取れて、その点もヒーローとして完成されているソニックと対象的です。

 クールで頼りになる普段の立ち振舞いとのギャップにもなっていて、なかなか素直になれない性格もあわせて、結構母性本能をくすぐってくるタイプなんですよね。内心「シャドウのお世話をしてあげたい」と思っているファンも多いんじゃないかと思います。

ドゥームパワーを使った新アクションがひたすらにカッコよくて気持ちいい【ソニック × シャドウ ジェネレーションズ】


 スピード感抜群の爽快なアクションがウリの『ソニック』シリーズですが、もちろんその点は『シャドウ ジェネレーションズ』でも健在。

 ソニックに負けず劣らずのハイスピードアクションができるのに加えて、シャドウは様々な特殊な能力を使用できるのが特徴で、とにかく操作して楽しいキャラクターになっているのも魅力の一つです。

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 その中の一つが、シャドウを代表する力でもある“カオスコントロール”で、一度発動すると一定時間、止まった時間の中で行動できます。

 敵の動きを止めたり、動く足場を止めて簡単に飛び乗ったり、飛んでくるミサイルを停止させて一気に駆け抜けてかわしたりといった、いろんなアニメや映画の中でありそうなワンシーンの演出を、ゲーム内のアクションとして体験できるのが楽しいところ。

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 一方の、槍状のエネルギーを出現させて攻撃する“カオススピア”は、ソニックにはないシャドウならではの色が強いアクションで、本作ではゲームを進めてドゥームパワーを開放していくと、複数の敵を同時にロックしての一斉攻撃が可能になる“ドゥームスピア”に進化もします。

 本作に登場する一部の敵はホーミングアタックを防いだりするのですが、事前にカオススピアをあててよろけさせることで倒せるようになったり、ジャンプや空中飛行、レールでの移動中などあらゆるタイミングでも使えるので使い勝手も良好で、何より見た目もカッコいいのが気持ちいい。

 やっぱり手からビーム(ではなく槍ですが)的なものをして攻撃するのは、いくつになってもロマンを感じます。

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 シャドウが悪魔のような翼を生やすビジュアルも印象的な(まずこの姿自体がまさにダークヒーロー然として超カッコいいのでテンションがあがります)、“ドゥームウィング”も動かしていて超楽しいアクションです。

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 ドゥームウィングは発動にリングが50個必要になるのですが、一度発動すればブーストゲージを消費して空中を滑空し、地上にいる敵やギミックを無視してステージを駆け抜けられるという、「これやっちゃっていいのか?」と心配になるレベルのハチャメチャなプレイができるようになります(そのためか、各ステージのクリアタイムのレコードはドゥームウィングを解禁する時としない時で区別されているほど)。

 あまりにもスピードが早すぎて、制御しきれず落下してしまったり、発動中は常にリングを消費し続けるというリスクもあるのですが、できるだけ多くのリングを残しながらステージを進めていこうという気にもさせてくれますし、ゲームとしてもいいアクセントになっています。

 一度クリアしたステージも、ドゥームウィングが開放されてから再度プレイすると、全然違うステージとして楽しめます。

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 カオスコントロールやドゥームウィングは、たまにステージのギミックを突破するのに必須になることもありますが、そういったギミックの近くでは必ずゲージやリングを補充できるように配慮されているので、積極的に活用しても問題ない作りになっています。

 ホーミングアタックやブーストなど、シャドウの基本的なアクションはモダンソニックにかなり近くはあるのですが、ステージのギミックがカオスコントロールやドゥームパワーを活用する前提のものになっているので、プレイ感覚はかなり違っているという印象。

 限られたリソースをステージのどこで切るのか、頭を悩ませながら攻略するのも、シャドウを操作している時の楽しみになっていました。

 ステージに時折挟まれるカットシーンも尋常ではないクオリティで、ここは明確に『ソニック ジェネレーションズ』からの進化を感じられるポイント。

 とくにボス戦は、カオスコントロールやドゥームパワーを活用し、荒々しい戦闘スタイルで敵を倒していく、ダークヒーローとしてのシャドウのカッコよさがこれでもかというほど詰まっている映像になっていて、脳汁が出まくりました。

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 ストーリーからアクションまで、シャドウの魅力をあますことなく味わえる作品となっている『シャドウ ジェネレーションズ』。シャドウ好きはもちろん、今までシャドウについてあまり知識がないという方にも、ぜひ遊んでいただきたい作品となっています。

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