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『ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー』レビュー&感想。マックスが新たな一歩を歩み出す。日常の尊さと人に寄り添うことの難しさを実感する物語

文:長雨

公開日時:

 スクウェア・エニックスの大人気アドベンチャー『ライフ イズ ストレンジ』シリーズ最新作、『ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー』(PS5、Switch、XBox Series X|S、Steam、Windows)が、2024年10月30日に発売されました(※Switch版の発売日は後日公開予定)!

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 本作は成長したシリーズ第1作目の主人公・マックスが、友人を救うために奔走する物語になっています。

 ここでは、1度目のエンディングまでプレイしたシリーズファンライターのプレイレポートをお届けします。なお、ボーナスコンテンツやアパレルパックがつくアルティメットエディション版をプレイしました。

 真相や謎解きに関するネタバレには注意していますが、物語の記述やチャプター4までの画像を含みます。まっさらな気持ちでマックスの物語に向き合いたいと言う方は、ぜひプレイ後に読んでいただけたら嬉しいです。

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穏やかな日常の終わりと、マックスの新たな始まり


 主人公のマックスは、バーモント州北部にある名門カレドン大学で写真の講師をしています。物語はクリスマスシーズンの出来事で、美しい雪景色や装飾の施された大学内の様子もステキです。

 またヘッドフォン装着でプレイしたのですが、BGMはもちろん、鳥の鳴き声など環境音の作り込みの素晴らしかったです。

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 物語中で何度かマックスが着替えるシーンがあり、生活感があって個人的にいいなと思いました。アパレルパック:「ファイナルファンタジーVII」があれば、人気キャラクターの衣装を着ることも可能。とっても、かわいかったです。

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 新しい環境にいるマックスですが、高校時代を過ごしたオレゴン州の田舎街アルカディア・ベイ、そして親友・クロエとのことが心に影を落としており、友人のサフィやモーゼスにも過去を話せずにいます。

 高校時代のマックスには時間を巻き戻す力、そして写真が撮影された時点にタイムリープできる能力がありました。便利に思える能力ですが、ある問題もあって……。

 序盤の選択肢で、マックスが『ライフ イズ ストレンジ』(過去)でどんな行動を取った(エンディングを迎えた)のか、プレイヤーが決めることが可能です。

 また作中では、これまでのマックスの思い出を日記として確認することが出来ます。そこには、クロエとのこともたくさん書かれていました。いかにクロエのことが、大事かがわかります。

 イラストがかわいく見応えのある内容ですが、文章を読むとマックスの葛藤がよくわかって、切なくなることも……。

 日記が物語の進行に合わせて、内容が更新されていくので、まめにチェックして欲しいです。

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 そんな悩みを抱えながらも、穏やかな生活をしているマックス。サフィと廃墟探索をしたり、モーゼスの誘いで3人で天体観測をしたり、のんびりと友情を育んでいる姿を見て「幸せそうで、よかったね」という気持ちになります。

 しかし、サフィに悲劇が起きてしまいます。それが原因で、マックスはサフィが生きている世界、サフィが死んでいる世界の2つの世界を行き来する能力に目覚めるのでした。マックス、波乱万丈な人生を過ごしすぎですよ。

 マックスはその能力を使って、事件の真相を調べ、サフィを救おうとするのですが……。

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 プレイ序盤は、サスペンス要素が強めな印象を受けました。能力者のいる世界だからこその事件展開があり、「こうくるか」と何度も驚かされることに。

 中盤にある秘密がわかってからは、能力を持っていることの重さ、誰もが抱えている闇など、『ライフ イズ ストレンジ』シリーズらしい人間ドラマになり、物語も一気に加速していきます。

 事件を機に、マックスは過去とも向き合うことに……。精神的にも成長し、頼もしくなっていく彼女を、見守ってあげてください。

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寄り道要素もお見逃しなく!


 ポイント&クリック形式のアドベンチャーで、周囲を調べ、必要なタスクをこなすと、物語が進んでいきます。捜索時の時間や能力の使用回数制限はないため、謎解きの難易度は優し目で、じっくり探すことができます。

 行動範囲はカレドン大学周辺やマックスの家など、やや狭めです。ただマップなどはないので、どこに何があるのか覚えるまでは、ちょっと移動に苦労しましたがすぐに慣れました。

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 本作の新しい要素が、サフィの生きている世界と、サフィの死んでいる世界を行き来できるというところ。2つの世界では、サフィの事件を機に、まったく異なる出来事が起こっています。そのため、それぞれで集められる情報が違っていて、それを組み合わせることで調査を進めていきます。

 マックスの能力を使えば、異なる世界にいる人間の居場所や、声も聴くことができます。セリフもカギになっている場面もあったので、見逃し、聞き逃しに注意してください。

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 メインタスクのほかにも、記念品である写真の収集やフィールド内にある情報を見るなど、寄り道要素も用意されています。私はストーリーを優先して駆け足でプレイしてしまったので、大量の見落としが……。2周目は、じっくり探し回りたいです。

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信頼されるのは難しい、それでも……


 マックスの選択によって、未来が大きく変化します。シリーズおなじみの要素なのですが、今回も悩ましい選択肢がたくさん用意されていました。チャプター終了後に、他のプレイヤーがどんな選択をしたのか見られるのも面白いです。

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 本作には、思想、民族、ジェンダーなど、多様性のある人物が登場します。選択によっては、敵対したくない人を傷つけてしまったことも……。最善と思った行動がよい展開につながるとは限らないシリーズらしさを、実感しました。

 また第一印象がよくなくても、家族愛や事情など、それぞれ理解できるポイントがあって、最終的には好きになった人物が多かったです。もちろん、最後まで最悪な人物もいましたけどね。

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 メニューの携帯で見られるメモで、彼らの情報を知ることができます。またメッセージやクロストークで、人柄がわかるメッセージが見られることも。確認しなくても物語進行に影響はありませんが、面白い内容が多いので更新されるたびに見てしまいます。

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 そんな裏も表もある人間とは異なり、純粋に可愛いだけの猫も登場します! 毛色や名前は選択でき、写真も撮れます。シリアスな物語の最高の癒しになりました。ちなみにこちらはアルティメットエディションのボーナスコンテンツでのみの登場となります。

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 また、マックスにロマンスの気配も……。特別な関係になってもいいし、ならなくてもいいし。1つ1つの行動が、マックスの未来に繋がっていきますので、悔いのない選択をしてくださいね。

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 私は心のままに選択し、1周目では個人的に納得のいくエンディングを迎えることができました。それでも、やはり「こうしておけば……」という後悔は尽きなかったです。あと、考察し足りない部分もありました。

 すべてを知ったうえでプレイすると、物語も登場人物の見え方も、大きく変わります。2周目はいろいろな人物の声と行動にもっと注目して、マックスの物語を堪能しようと思います。

 皆さんも誰が犯人であるのか、そして何故事件は起きてしまったのか……その真実を見届けてくださいね。

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