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『創神のアルスマグナ』Switch版レビュー。厨二心をくすぐる世界観とフルスロットルな物語に即没入。クレスト集めなどじっくりやり込めるRPG要素も豊富で非常に高い完成度

文:sexy隊長

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 賈船が贈る、11月7日に発売予定のNintendo Switch向け錬金術学園RPG『創神のアルスマグナ The Alchemist of Ars Magna』。

 本作は、ナインテイル制作の同名PCゲームを一般向けに再構成し、Nintendo Switch向けに移植された錬金術学園RPGとなります。

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 今回は本作に初めて触れるプレイヤー視点で、世界観やキャラクター、システムなど『創神のアルスマグナ』が持つ魅力をレポートしていきます。

厨二心をくすぐる世界観


 本作のストーリーは、世界は“創神(そうしん)”と呼ばれる数多の人造神によって管理され、滅びを呼ぶ“塵灰(ダスト)”は、すべてを塵に変えるだけでなく、神をも汚染して“禍神(かしん)”へと変えてしまいます。

 錬金術を学ぶ学園・カリオストロ魔導学院を舞台に、世界を滅ぼす天災・塵界侵食(オブリビオン)に対抗するため、学園で仲間たちと切磋琢磨することになる……といった感じで厨二病心をくすぐる設定やワードがどんどん出てくる世界観が本作の特徴です!

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 本作は、仲間たちと交流を深め、絆を作っていく“アドベンチャーパート”と世界の守護者である創神たちに力を借りることができる創神契約や、素材を集め錬金する事で得られる装備でパーティーを強化しながら冒険を進める“RPGダンジョンパート”の2つシステムで構成されています。

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 特にアドベンチャーパートは、かなり濃厚に作られており、物語に深みを与えてくれる大事な要素になっています。戦闘前はもちろん、戦闘中にも登場人物との会話や主人公の心情が挟まれたり、ボス戦なら最後倒れるところまでをアドベンチャーモードで表現するので、ボス撃破の感動が普通のRPG以上に得られました。

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 他にも学園生活を通して、プレイヤーである主人公“シン”が家族のように育った姉弟子“アリア”や、錬金術師志望の王女“セレス”、自分の生み出された意味を求める従魔“エンリ”といったヒロインや仲間たちとの絆を深め、それぞれの人物が抱える悩みなどを解決していくと、能力もアップしていくというシステムなっています。

 登場人物と共に成長を体験できるので、より物語に没入感が得られるのが◎。また選択によってストーリーが変化していくので周回プレイも楽しめるシステムになっています。

 ちなみに筆者の推しは、王女セレスこと“セレスティアーナ・メギストス”。個人的にお嬢様キャラが好みというのもあって見た目や性格などが好きなんですが、注目して欲しいのがセレスの戦闘スタイルです!

 セレスは元々騎士に憧れていたということもあり、錬金術師でありながら剣術が得意という設定で、本作では珍しい戦士のタンクキャラになっています。比較的戦闘難易度が高い本作で、ガードが使用できて仲間を守れるというのは、全滅を避けられる唯一の性能と言っても過言ではありません。

 しかも、セレスの“民を守る騎士道”という信念に当てはまる戦闘スタイルになっているのも最高のポイント。あと女性のタンクキャラというのもツボでして……。魅力的なキャラが多い作品ですが、ぜひプレイする際は彼女にもご注目ください!

主な登場人物


●真理を求める錬金術師“シン・バルト”

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 本編の主人公。

 少年の頃、家族が塵界侵食の犠牲になった経験から、滅びの塵灰を退け、その謎を解き明かすために錬金術師を志した。

 育ての親である三賢人アルベルトスの下での修行を経て、カリオストロ魔導学院に入学。頼りになる学友やライバルとの出会いを経て、成長していく。

 探求心に溢れ、錬金術師としては理論より感覚で動くタイプで、独創性の高さを持つ。物腰は柔らかく、一見穏やかに見えるが、内に秘める情熱と使命感は誰にも負けない。

エーテルギア:エーテルガントレット

●頼れる姉弟子“アリア・マグヌス”

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 カリオストロ魔導学院・ハルモニア派に所属する錬金術師。

 三賢人の一人、霧笛のアルベルトスの娘であり、入学から僅かな間に頭角を現した才媛。シンにとっては幼馴染で、姉弟子でもある。

 責任感がある一方で茶目っ気を忘れず、場を和ませたり、相手をリラックスさせる気配りがある。その一方で、意外と負けん気が強く凝り性なところがある。

 料理が好きなのだが、味付けがとんでもなく辛く、食べる時は胃薬必須らしい。

エーテルギア:螺旋盤(スパイラル・サーキット)

●使命を追う少女“エンリ”

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 シンと一緒にハルモニア派に加入する、カリオストロ王国の王女。

 子供の頃は物語の中の騎士に憧れていたが、とある事件で錬金術も民を守る騎士道に通じると知り、錬金術師を志すきっかけになった。

 公明正大で曲がったことが嫌い。試練や逆境に進んで身を置き、自らを磨くことを好む。

 錬金術師としてはまだ駆け出しで、どちらかというと剣術の方に天稟があるようだ。

エーテルギア:輝く鍔(シャイニー・ヒルト)

●信念抱く騎士姫“セレスティアーナ・メギストス”

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 灰魔に襲われていたところをシンに助けられた少女。

 古の創神が生み出した眷神ではないかと推測されているが、人間社会で暮らすため、便宜上シンの“従魔”と名乗る。

 記憶の一部を失っており、何か与えられた役目があったはずだが思い出せずにいる。自分の存在意義を見つけるため、シンと共に塵灰の脅威に立ち向かっていく。

 少し理屈っぽく、自分を大人びて見せようとするところがあるが、基本的には素直で、感受性豊かな性格。

エーテルギア:クローピック

●調和の導き手“ソニア・ガーベラ”

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 カリオストロ魔導学院ハルモニア派の代表教授。

 実力はあるが、押しが弱くおっとりした性格が災いして、ライバル学派のマルドゥック派には押され気味。しかし、日々権勢を高めるライバルの圧力にも負けず、シン達と真理探究に邁進する芯の強さを持つ。

 互いを尊重し、調和を心に描いて創神と接するというハルモニア派の理念を忘れない、メンバー皆から慕われる心優しい女性。

エーテルギア:クロスボウとエレメントブリット

クレストを集めることが大事だし楽しい!


 この世界は“創神”と呼ばれる数多の人造神によって、管理されています。その創神と契約を結ぶことで、創神の力の結晶である“クレスト”を入手できます。

 入手したクレストは、“エーテルギア”と呼ばれる固有の武器に装備するとステータスが強化されたり、様々なスキルが得られたりと、本作で最も大事なシステムになっています!

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 しかも、契約した神々はそれぞれ異なる属性を持っており、戦闘スタイルに合わせた戦略が常に変更できるので、とにかくクレストを数多く、色々な種類を持っている方が戦略の幅が広がります。もし本作が難しい……と感じたなら、レベル上げも大事ですがこのクレスト集めもかなり重要になってきます。

 クレストにも被ダメージを下げる“堅守特性”や戦闘開始時にダメージを与える“先制打撃”など色々個性があるのが特徴。筆者はプレイ中ずっとクレスト探しが楽しくて、そればっかり行っていました(笑)。

 PC版では約290種類ほどあったクレストですが、Switch版では新たに多数追加されているので、更にクレスト探しが捗りそうです!

RPGダンジョンパートと戦略性が試されるターン制バトル


 ダンジョン内では、マス同士が線でつながれており、プレイヤーは次に進むマスを選んで移動していきます。マスには“錬金素材”、“クレスト”、“敵”、“罠”、“回復”、“何も無し”といった種類があります。先のマップでマス内容を確認できますが、一方通行の場所や中間地点まで行くと次のマップが表示される場所があるなど、どのルートで進んでいくか悩んでしまいます。

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 このダンジョンパートでは、アイテム錬金に必要な素材やクレスト、エーテルギアなど……本作に必要なものはほぼ全てダンジョンパートにて集めることができ、武器や装備を強化できます。PC版にはなかった新しい錬金レシピや難易度の高いダンジョンも用意されており、やり込み要素が充実しています。

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 ダンジョン内では戦闘が発生します。最大5人のパーティー編成で行うターン制バトルで、キャラクターにはそれぞれ異なるスキルや特性を持っており、敵に合わせてスキルやクレストを活用し、戦略的に戦う必要があります。パーティー編成や装備構成、状況に応じた判断力を試され、戦略性の高い戦闘が楽しめます。

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 オートバトルシステムも搭載されているので素材集めの周回プレイなどは楽に行えるのはもちろん、スキルを使うタイミングとか分からない、苦手という方もオートバトルで戦うのもありだと思います。筆者はボス戦で一度失敗しましたが、オートバトルにしたら勝ててしまい「私の戦略性とは!?」と落ち込みました(笑)。

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 各キャラクターのパラメーターはHPとMPの他は、物理攻撃力のATK、物理防御力のDEF、素早さなどのTEC、魔法攻撃力・魔法防御力のMNDの6つ。シンプルなパラメーターになっているので、パラメーターに頼らずスキルやクレストの重要性や戦闘の戦略性が際立つようになっています。

 加えて、戦闘中に気軽に敵と味方の情報が見られるようになっているので戦いながら戦闘スタイルの方向性を考えたり、もし負けたとして次の戦闘の軌道修正がストレスなく行えました。

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 キャラクターたちの強化をしっかり行わないとあっさり負けたりもしますが、難易度を変えることができるのでご安心を。ゲーム開始時に加えてオプション画面からも気軽に変更できるので、「クレスト集まらない!」とか「敵が強すぎ!」ってことになった際は、オプション画面をご確認ください!

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視覚的な美しさと神秘的な世界観


 神々が崇拝される美しい大陸と、塵灰の浸食による崩壊が進む世界が対照的に描かれているビジュアルも注目して欲しいです!

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 特に神々のデザインは個性的で背景デザインやキャラクターアートと同じように緻密に描かれ、幻想的な雰囲気がゲーム全体に漂います。このビジュアル面での美しさが物語に深みを加え、ストーリーへの没入感を高める要素になっていると感じました。

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ファンタジーRPGやADVゲームが好きならオススメです!


 『創神のアルスマグナ』は、深い世界観、リスクとリターンのバランスが取れた汚染システム、戦略的なバトル、そして錬金術を活かしたアイテム生成など、非常に高い完成度を誇るゲームです。

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 特にダークファンタジーの雰囲気とストーリー性がPC版から高く評価されており、序盤からフルスロットルで展開していく重厚なストーリーやターン制RPG好きやファンタジー愛好者に強くおすすめできる作品だと思います!

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 PC版からの追加要素として、文中でも触れたクレスト、隠しアイテムの錬金レシピ、クリア後の隠しマップの追加に加え、予約特典だったレヴィアの初期収録なども行われているので、かつて遊んだことがあるという方もぜひ改めてSwitch版をプレイしてみてください。

■錬金術学園RPG『創神のアルスマグナ』アダルト(PC)版とNintendo Switch™版の違い&ゲーム内容を解説

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