電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、11月21日にSteamで配信開始される、喜多山浪漫氏が贈るPC(Steam)用新感覚リバーシ『DevilReversi(デビルリバーシ)』をレビューします。
なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
【DevilReversi(デビルリバーシ)】今までの常識が覆る新時代のリバーシルール
本作は、誰もがよく知るテーブルゲームの大定番『リバーシ』を大胆にアレンジした作品。常識を覆すルールやデジタルならではの決着になるなど、定番ゲームが新作ゲームへと生まれ変わっています。
『リバーシ』は盤面中央に白と黒ふたつずつ石を置いた状態からスタートしますが、『デビルリバーシ』では白と黒の石でXを描くように石を配置してスタートします。通常のリバーシなら“いかに四隅の角を取るか”というところが戦術の定石になりますが、最初から角が埋まっている本作ではその定石が通用しないのが面白いところ。
また、最大のルールの違いは、相手の石を挟むことができれば、盤面にすでに石があってもその上に“重ねて置くことができる”という点。このルールのおかげで、四隅の角を容易に取り返すことができるなど盤面がスピーディーに目まぐるしく展開していくところも特徴のひとつです。
また石を挟んでひっくり返した際にポイントを入手できます。本作の勝敗は、取ったマスの数で決着がつくのではなく、試合中に獲得したポイントの多さで決着がつくという、デジタルならではの決着方法になっています。
重ねた石は“タワー”と呼ばれるようになり、タワーを引っくり返すとボーナスのようなポイントがもらえ、重なった枚数に応じてポイントがどんどん増えていきます。
さらにタワーをひっくり返した際に、その場所で挟む形ができていると“連鎖”が発生し、大量のポイントを獲得できる「リバーシなのに連鎖!?」といった驚きのシステムも搭載されています! そのため、試合の終盤になると大量に積み重なった“タワー”と“連鎖”によって驚くようなポイントを入手できたり、取られたりと最後の一手まで勝敗がわからないという緊張感があってとても面白かったです。
試合は、指定された手持ちの石をすべて使い切るか、お互いに石を置く場所がなくなったら試合終了となります。その決められた手数でいかにポイントを取り合うのかと思いきや、タワーになっていない石を生贄に捧げることで、“トーテム”という引っくり返せない石を召喚できるシステムも実装されており、攻めの要素、守りの要素も兼ね備えた新時代のリバーシルールになっています!
ちょっと複雑なルールに思えますが、本作ではストーリーモードという名のチュートリアルがあり、実践を交えてかなり丁寧に教えてくれるところもいい感じ。
チュートリアルでルールやシステムは理解できているのに、実際にプレイしてみると、「あれ!? 連鎖が繋がらない」「えぇぇ! ここでそんなに連鎖するの!?」「作ったトーテムがなんか邪魔……」といった感じで、何度プレイしても上手くいかず、本作の奥深さを味わいました。
最終的には、一通りクリアしたはずのチュートリアルを再度プレイしたら、失敗に終わるということもあり、とてもこのゲームの奥深さを体感しました。
スピーディーに展開する試合、終盤になるとインフレ化するポイント、最後の一手までわからない勝負の決着、見つけ出せない勝利への定石など、どれだけプレイしても飽きさせないシステムになっています。CPU戦でも対人戦でも通常のリバーシみたく、長く楽しめる作品になりそうだなと感じました!
驚くぐらい豪華なスタッフ陣
本作は、元ゲーム会社の社長で謎の小説家・喜多山浪漫氏が手掛ける作品になりますが、キャラクターデザインなどをヴァニラウェアの神谷盛治氏、音楽にはベイシスケイプの崎元仁氏が起用されているという驚くぐらい豪華なスタッフ陣で構成されています。
インディーゲームでこんな豪華なスタッフが開発にかかわっていると思うと、ワクワクせざるを得ない!
本作は、“定番ゲームの常識破壊シリーズ第一弾”と銘打たれており、今後シリーズ化されることが発表されています。大定番ボードゲームのリバーシの常識を破壊し、しかも面白くアレンジされた本作の完成度を体験すると、今後どんな作品で出てくるのか今から楽しみです!
個人的には将棋や麻雀、囲碁といったテーブルゲームといったものだけでなく、ポーカー、ブラックジャック、7並べといったトランプゲームの常識破壊作品を見てみたいです!