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神戸の秋の風物詩、第18回三国志祭のオフィシャルレポートが到着。まさかの台風直撃で、関羽が攻めてきたかのような荒天に見舞われた祭りの結末は…!?

文:電撃オンライン

公開日時:

 11月2日に神戸で開催された“第18回三国志祭”。中心となって祭りを運営された“KOBE鉄人三国志ギャラリー”館長・岡本伸也氏よりオフィシャルレポートが届きましたので、紹介していきます。

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 なお、岡本伸也氏は電撃オンラインで三国志の民間伝承に関するコラムも執筆していただので、そちらも合わせてご覧ください!

三国志祭2024レポート


 第18回目(18年目)の三国志祭(さんごくしまつり)を11/2に開催いたしました。KOBE三国志ギャラリー館長(英傑群像)岡本が主催者側から三国志祭のご報告いたします。

 今年は台風の影響(途中で低気圧に変化)で朝から雨、14時頃には見た事がないぐらいの豪雨に見舞われました。

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 そんな天気の中、ご来訪いただいた多くの皆さま本当にありがとうございました。来場数はいつもの半分以下ではありましたが、遠路から来ていただいた方も多数おられたようで、たいへん感謝いたします。

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 今年の実施内容の詳細はこちらの
公式サイトをご覧ください。

 このレポート以外の写真など、当日の様子も最後にまとめています。「百聞は一見にしかず(漢時代の逸話からのことわざ)」。写真を見てもらえれば雰囲気はわかるかと思います!

三国志祭について概略ご説明

 
 漫画「三国志」「鉄人28号」「バビル2世」「サリーちゃん」「赤影」「ジャイアントロボ」等でお馴染み漫画家横山光輝氏の故郷である神戸で街おこしとして代表作「三国志」「鉄人28号」を使わせて頂いています。その活動の一貫として始まったのがこのお祭りです。
(より詳細は去年の
三国志祭2023レポートの概要をご覧ください。今年も去年と変わりません。)

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泣いて馬謖を斬る


 三国志祭は、半分屋外イベントのため、天候に影響されます。18年もやっていますと台風にも数回、雨にも数回あっています。

 過去、大規模でお祭りをやっていた頃に台風がきて1日中止になった事もあります。それまでは「雨天決行」というスタッフTシャツを皆で着ていた頃もありました(笑)。

 実は三国志祭は台風の影響を避けるため、7月開催から毎年どんどん日程をずらしてきて今の11月に落ち着いた経緯がありました。

 全国への台風の接近数という観点からいうと11月は皆無だったのですが……。前日に当日は大雨という予報が出たこともあり、完全屋外の「中国武術大会」は中止としました。

 人気の中国武術大会は100名ほどの参加者がおり、この日のために皆さん練習してきてくれていただけに「泣いて馬謖を斬る」決断でした。(またリベンジの場を設けたいと思います。)

 当日、朝の準備の間は小雨。これなら「中国武術大会」以外は、室内および商店街のアーケード下での実施で影響はないだろうと思っていました。しかし、途中からの雨の降り方の凄さに現場で立ち尽くしてしまいました。

上方谷に司馬難を受け……


 諸葛孔明が上方谷(葫蘆谷)で司馬懿を焼き殺そうとした瞬間、大雨が降って作戦は失敗する逸話があります。この大雨で私は思わず孔明のこの時の気分が解り「事を謀るは人にあり。事は成すは天にあり」と呟く絶望の時間が流れました。

 雨が激し過ぎて、普段は雨は吹き込まないアーケードの下に、屋根を越えて雨が降りそそぐ事態が発生。

 皆が濡れ始めたばかりか、さらに突風も発生し、しっかりと重しがしてあったパネルをなぎ倒す事件も発生。

 らくがき壁面の用紙は吹き飛び、アンケート用紙は濡れて使い物にならなくなりました。

 私が作った御当地キャラの「孔明わん」も問題発生して、「関うーたん」だけしか登場できない回もありました。

 異常な気圧変化もあり体調不良になる人も。屋外は真っ暗になり展示もまともに見れず、しかしアーケードの電灯も付けれないという始末。

樊城を捨てて……


 関羽の水攻めを受けた樊城の曹仁は城を捨てて逃げ出そうとする。しかし満寵がしばし耐えよと進言し、曹仁は逃げ出すのを思いとどまった逸話があります。

 「もはや雨が入り込んで暗いしイベントになりません。片付けましょう」というスタッフ。この時、私は曹仁の気持ちになり了承しかけました。

 しかしあるスタッフが「もう少し耐えれば雨雲が過ぎます」と雨雲レーダーを見て言ってくれる。そこですぐに片付けさせるのを思いとどまり、雨がましになった時に備えて雑巾を多数用意させました。

 結果、15時過ぎに雨が嘘のように止み始めあたりは明るくなりイベントが再開できるレベルに戻りました。濡れてしまった色んなところを拭いてイベントは普通にできる状態に回復。

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 お客様も戻ってきてくださいました。こんなに関羽が攻めてくると怖いのか。身を持って体験妄想した時間でした。

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魏延の長安攻め提案


 北伐で魏延が長安へ奇襲作戦を提案するが、孔明は危険すぎると拒否する逸話があります。今回、三国志祭の日程に関して次の日の開催が良いという提案を受けていました。

 しかしそれをすると会場が2箇所も押さえられないのでその案を却下しました。条件無視でその案に乗るべきだったのか?! 孔明も魏延の案に乗るべきだったか?! とあとで今年の祭りを思い返す事もあるかもしれませんね。

英傑群像 民間伝承の世界


 さて、天候も回復しまして改めて。私はこの電撃オンラインで先日まで3年間「三国志民間伝承」の紹介を続けさせていただきました。その集大成的なまとめがしたくて、今回「三国志民間伝承」講座を実施しました。

 他の三国志祭の準備を優先していたので、自分の講座の準備時間は後回し。前日の夜中に当日見せるスライドがなんとか完成。

 電撃では150話程度紹介しましたが烏合無象で集めたのは約1500話程度。その中から主要な書籍から、逸話を拾い出し約900話ぐらいの逸話の主要登場人物を分析しました。

逸話の主要登場人物(重複有)
第1位 諸葛亮342回
第2位 関羽254回
第3位 曹操232回
第4位 張飛168回
第5位 劉備152回

 やはり蜀武将が多めでした! その他、いろいろな角度から民間伝承を分析させてもらいました。

 そして最後に逸話のジャンル分けとして、三国志人物が出てこないというのがあります。この電撃オンラインでは紹介にくく、執筆には至っていなかった「三国迷」という逸話を紹介し終わりました。聞きに来てくれた方ありがとうございました。

 「三国迷」要約すると、以下のようなお話です。

●三国迷
 三国志を読みふけったある三国志好きの男が、奥さんの話を上の空で聞きつづけます。三国志のシーンと現実が混ざってしまい、返事も三国志世界の中と混ざったまま。
 いろいろあって奥さんは怒って実家に帰り親族が駆け付けて男は殴られます。男はちょうど「劉備と孫夫人の結婚式で呉から脱出する」逸話を読んでいました。
 男は劉備気分で妻に助けを求めると、可哀想になった妻が親族をなだめ騒動は落ち着きます。親族が元凶の三国志は捨てるように言うも、窮地を救ったこんな素晴らしい本を捨てるわけはないと男は拒否するという物語。

 私ももはや三国志祭で、三国志と現実が混同しつつあり、私は彼であり彼は私です。私も「三国迷」になってしまっていました。

横山光輝先生 生誕90周年記念


 今年は横山光輝先生がご存命なら「生誕90周年記念」という事でさまざまなイベントが実施されており三国志祭もそれを謳い文句の一つとさせて頂きました。

 90周年記念グッズをジュンク堂さんと販売させていただいたり、潮出版社さんと購入者特典で呂布の格好をした横山先生のシールやバッジを配布。

 当夜祭では横山クイズ、本祭では、横山三国志(孔明100問テスト)を新規で制作し実施しました。

当夜祭

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 当夜祭、今年はいろんな仲間の専門家に少しずつジャンルの異なる三国志クイズを考えて欲しいと頼み込み、皆で持ち寄った三国志クイズ大会となりました。

 考えてくれた人たちには無茶振りだと言われ続けましたが、一人で考えれる範囲などたかがしれています。有能ないろんなジャンルに秀でた仲間が考えてくれたクイズ。やはりすごく面白かったです。

 その中でも。横山光輝先生の編集担当者でもう20年近いお付き合いの岡谷さんが考えてくれた、横山三国志と横山先生のクイズは特に素晴らしく皆さんと楽しみました。
(その岡谷さんのクイズ映像は動画を整理しなおして今度KOBE鉄人ギャラリー内で公開し予定です。)

最後に


 今年はいつも以上にいろんな事があった「三国志祭」。なんだかんだとバタバタしましたが終わってしまえばたいへん楽しめました。来場者の方も楽しんでもらえていたら幸いです。

 それよりも「KOBE鉄人三国志ギャラリー」は土日祝だけの営業になり先行きも不透明。私の企画する「三国志祭」は来年実施できるのだろうか? それもわかりません。

 「三国迷」になってしまった私。さて、色々どうすればいいのでしょう? 迷うばかり……。来年も「三国志祭」実施の吉報を耳にしましたら、ぜひ神戸・新長田までお越しくださいね!

新作カードゲーム『トリプル三国志』ルール紹介動画を公開中!

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 コラムでも紹介させていただいた、新作カードゲーム『トリプル三国志』のルール紹介動画を新たに公開しました。

 また、11月17日には、ゲームマーケットに出展もしますので、幕張メッセにご来訪の際はぜひお立ち寄りください。

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