コンポーザーのyopi(ヨピ)氏、ボーカルのSorte(ソルテ)氏による“リアルを浸食するVR発音楽ユニットYSS”が、2024年7月に4thアルバム『BLUE』を世に送り出した。
2020年末に『VRChat』での音楽活動を通して出会い、これまで精力的に活動を続けてきたYSSが決意表明の1枚と銘打った4枚目のアルバムは、聴き手にどのような印象を与えてくれるのか。
4thアルバム『BLUE』を聴いて
全16曲で構成された『BLUE』は『Wednesday』から始まる。
心地よい疾走感を生み出しているのは、刻まれるバッキングギターやリズム隊によるビートだけでなく、トラックにのせて響くSorte氏の伸びのある歌声の影響もあるように感じる。
歌詞にはいくつもの印象的なフレーズが飛び出してくるが、耳に焼きついたのは「Today is a very good day to die」(今日は死ぬのにもってこいの日だ)だ。
ネイティブ・アメリカンの死生観を表す言葉として有名な一文でもあり、同名の書籍も過去に出版されている。“死”という言葉が含まれるため、ネガティブなイメージを与えそうだが、この言葉はポジティブな意味を持つ。
あるところでネイティブ・アメリカンには「肉体でなく、魂が肉体を持っている」という考え方があることを知った。
それが連鎖的に思い浮かんだのは、YSSがVR発音楽ユニットだったことも関係あるかもしれない。肉体やアバターではなく、「YSSの魂こそが肉体を持っている」。そんな彼らの決意表明が1曲目から沸々と感じられる。
毎週水曜22時からライブをする彼らの象徴的な楽曲でもある『Wednesday』。思い描いたら醒めない夢、突き進み続ける意志を見事に表現したオープニング・トラックだ。
【オリジナル曲MV】YSS -Wednesday (Official MV)【Vtuber / VRChat】[#YSS_VRC]
続く『Straight and True』は力強い。悲観的な思いのなかにも、希望を決して忘れさせない歌詞。秘めたる胸裏を音でも表すような骨太のベースラインも聴きごたえ抜群だ。
アルバム中盤近くの『Lift-off』に引き込まれる。前曲の『Blue(YSS Speed Remix)』とのテンポ差も相まって、耳心地のよい緩急が聴き手にもたらされる。このあたりは普段のようにYSSのYouTubeで聴いているときには味わえない、アルバムとしてこそのおもしろさだろう。
ダブステップよりは重くなく、プログレッシブ・ハウスのような趣きを感じさせながら、突き抜けるようなSorte氏の高音がどこまでも響いていくような印象を受ける。まさに“Lift-off”の文字通り、どこまでもどこまでも遠い場所へ飛びだっていけるような気持ちにさせてくれる。
【オリジナル曲MV】YSS - Lift-off(Official MV)【Vtuber / VRChat】[#YSS_VRC]
そこからは、打って変わって歌声に色気を感じさせる『SIDEAWAYS』をはじめ、ビートスイッチを用いた『Division』『Virtual Phobia』ではyopi氏の深いこだわりを感じる。
【オリジナル曲MV】YSS - Division/Virtual Phobia(Official MV)【Vtuber / VRChat】
アルバム表題曲『BLUE』はYSSを象徴するような楽曲だ。つべこべと述べるよりもMVを見ながら、YSSにとって青がどういうものなのかを認識していただくのがいいだろう。心地よさそうにBlue flagを振るオーディエンスと、それに対して思いがこもったトラックと歌詞。きっと心に響くはずだ。
トリを飾る『WE ARE YSS(Extended Mix)』を聴くと、予想外の充実感に満たされる。16曲、約1時間5分の短い旅路のあいだにはいろいろなことがあった。
強烈なメッセージで聴き手を考えさせる曲と出会うこともあれば、こだわった楽曲構成で聴き入ることもあり、歌詞の韻の踏み方でふとニヤリとしてしまうような場面もある。
音楽は自由に楽しんでいいものだと、改めて教えてもらったような気分だった。
【オリジナル曲MV】YSS -WE ARE YSS (Official MV)【Vtuber / VRChat】[#YSS_VRC]
4thアルバム『BLUE』楽曲リスト
- 『Wednesday』
- 『Straight and True』
- 『let me know』
- 『FANTA-IZM(Extended Mix)』
- 『Blue(YSS Speed Remix)』
- 『Lift-off』
- 『ALPK』
- 『SIDEAWAYS』
- 『KEHARASE』
- 『Division』
- 『Virtual phobia』
- 『keep in eyes on』
- 『we can be free』
- 『BLUE』
- 『Shooting star』
- 『WE ARE YSS(Extended Mix)』
2025年2月9日(日)より開催“Sanrio Virtual Festival 2025”にYSSが出演決定!
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— Sanrio Virtual Festival 2025 (@SANRIO_Vfes) December 11, 2024
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