『不思議のダンジョン　風来のシレン６　とぐろ島探検録』レビュー。いつやっても何度やっても楽しい『シレン』の魅力が詰まった最新作！【冬のレビュー祭】

文：滑川けいと

公開日時：2024年12月30日(月) 12:00

　スパイク・チュンソフトから発売中のSwitch/Steam用ダンジョン探索RPG『不思議のダンジョン　風来のシレン６　とぐろ島探検録（シレン6）』のレビューをお届けします。

　電撃オンラインでは、この冬に遊びたい発売済みの名作や発売前の新作を対象とした特別企画“電撃冬のレビュー祭”を展開中です。

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　『シレン6』は、2024年1月25日にSwitch版が発売され、その後は無料アップデートの実装や有料追加コンテンツの発売を経て、12月12日にSteam版がリリースされました。

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低層階でも容赦なくやられる『風来のシレン』、でもそれがいい！【シレン6】

　『シレン6』は、ローグライクゲームの金字塔ともいえる『風来のシレン』シリーズの最新作。前作から実に14年ぶりに主人公の風来人“シレン”の新たな物語が描かれます。

　シリーズ最初の『風来のシレン』を筆者がプレイしたのは小学生の頃。友人宅で「やられたら交代ね！」といいながら、ああでもないこうでもないと相談しながら攻略していました。

　入るたびに変わるダンジョン、やられたらレベルも道具もなくなるというハラハラドキドキの仕様にすっかりのめり込んでいた筆者。それはその前にプレイしていた『トルネコの大冒険　不思議のダンジョン』からわかっていたのですが、いざプレイしてみると三度笠をかぶった主人公がカタナをふるという和テイストな“シレン”というキャラクターの魅力に、すっかりハマっていったのです。そんなシリーズの最新作を、まさか今年遊べるようになるなんて夢のようでした。

　本作の舞台は、“とぐろ島”。旅の途中で怪物のお腹に囚われた少女の夢を見たシレンと相棒の“コッパ”は、少女を助けるために上陸することにします。

　とぐろ島内部は“不思議のダンジョン”になっており、入るたびに構造を変える特性を持っています。また、ダンジョン内でモンスターにやられてしまえば拾った道具はなくなり、レベルも1に戻ってスタート地点からやり直し。つまり、基本的な仕様はそのままで『シレン』の過去作をプレイしている方ならスッと入っていけます。

　ダンジョンには武器や防具などの道具が落ちているほか、モンスターも徘徊しています。本作はターン制で、シレンが行動するとフロア全体のモンスターも同様に動くのです。何も考えずに行動しているといつの間にかモンスターに囲まれてしまった……なんてことも。やられたら最初からやり直しなので、緊張感のある探索を楽しめるのです。

　ダンジョンを徘徊するモンスターはいずれもくせ者ぞろい。“火遁忍者”や“パコレプキン”には、いつもプレイするたびに苦しめられています。挙げたモンスターに限らず、一手間違えばどんな相手でも、たとえ低層階でもやられる可能性があるのが『風来のシレン』なのです。

　でも、それがいいんですよ！　何度もダンジョンに潜り、モンスターと戦っていくことで“この状況ならどう動くのが最適か”“どうすれば切り抜けられるのか”を自然と考えられるようになってきます。

　その結果、どんどん先の階層に進められるようになってくるんです。ダンジョン攻略の経験値がプレイヤーに直接たまっていく……そんな感覚を得られるのが『シレン』シリーズのよさ。

　さらに本作では“手帳”のおかげで道具やモンスターの特性が見やすくなっていますし、より遊びやすくなっているなと感じました。

どんな道具に出会えるかドキドキの探索が楽しい！【シレン6】

　ダンジョンでの楽しみといえば、用意された豊富な道具との出会いもそのひとつ。武器ひとつとっても、カタナやどうたぬき、一ツ目殺しなど多くのものが登場します。

　道具のうち草や巻物、壺は未識別の状態で拾うダンジョンもあり、何の効果がある道具なのか調べ予想する楽しみも。ダンジョン同様落ちている道具も毎回異なるため、次はどんな道具を拾えるだろう、この手持ちの道具でどう先に進むべきかと、常にワクワクできるようになっているんです。何度もプレイしているのに、毎度一喜一憂できちゃうのがすごいと思うんですよね。

　個人的には本作の醍醐味は道具が充実しているよりも、あまりないときだと思っています。手持ちの道具が少ないほど、使い方ひとつで危機を乗り越えられると「オレ、すげー！」って自画自賛しちゃうほどうれしい！　……なんてときに限って、次のフロアであっさりやられるんですけどね。

　道具は拾うだけでなく、ダンジョン内にたまに出現する“店”で購入も可能。不要な道具を売って、必要な道具があれば買うことでさらなる探索の準備ができます。探索中に赤い床がチラリと見えるとなぜかホッとする、筆者にとっては憩いの場所です。

　ちなみに、店ではどろぼう行為もできちゃいます。とはいえ、どろぼうをすると店主が黙ってはいません。商品を持って一歩店の外に出たが最後、次のフロアに移動するまでどこまでも追いかけてきます。よりスリルを味わいたい方は、試してみてもよいかと。筆者は憩いの場所といいながら、ついついやっちゃうタイプです。

“ドスコイ状態”や“デッ怪”などの新要素にも注目！【シレン6】

　もちろん本作ならではの新要素もあります。それが“ドスコイ状態”や“デッ怪”といったもの。

　ドスコイ状態は通常攻撃で壁掘りができる、罠を踏むだけで壊せるなど爽快感があるものの、この状態になるのは条件を満たす必要がありますし、なっても維持が難しいんです。なので一時期は、かなりの確率でドスコイ状態になれる“ドスコイダンジョン”ばかり潜っていました。

　一方デッ怪は、その名の通り超でっかいモンスターです。単純にでかいだけならまだいいのですが、周囲にバリアを張っていて攻撃が通用せず隣接すると高火力で攻撃してくるため逃げるのが吉。さらにはフロア内にランダムに移動を繰り返す“デッ怪ホール”から出現するため、ちゃんと考えて移動しないとデッ怪に囲まれて万事休すなんてこともあります。

　デッ怪が出現するフロアに入ったときは、緊張感が三段階くらい上がるんですよね。ただ逃げるだけの一手ではなく、しっかり撃破する術も用意されているのはバランスがとれているなと思います。

　いつもの『シレン』にプラスして入る、こうした新要素もシリーズ新作の醍醐味なんですよね。なかでも本作の新要素は全体とうまくマッチしていた印象です。

無料アップデート＆有料コンテンツでさらなるダンジョンに挑める！【シレン6】

　本作は発売してから無料アップデートが行われ、細かな修正のみならず新ダンジョンも追加。発売当初から比べて、現在ではさらに遊びやすくなっているのもポイントですね。

　特筆すべきは有料コンテンツとして発売された『不思議のダンジョン　風来のシレン６　とぐろ島探検録　plusパック（シレン6＋）』です。『シレン6＋』では、相棒の“コッパ”や“アスカ”がプレイアブルキャラとして操作できるように。なったのもうれしいですね。

　どのキャラクターも操作感が異なり、同じダンジョンでもシレンとはひと味違う探索を楽しめるようになっています。筆者のお気に入りはコッパ。通常攻撃でダメージを与えることができないため、いかにモンスターを回避して先に進むのかを考えなくてはいけません。別ゲームのような感覚でプレイできて、新鮮でした。

　一筋縄ではいかない、やり応えのある数々のダンジョンが用意されており「これが僕らの待ってた『シレン』！」というのが本作の印象です。

　ゲームの性質上、どんなタイミングで遊んでも遅いということはありません。12月12日にSteam版も発売されたばかりですし、まだ本作に触れていないという方は、ぜひ遊んでみてください！

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■Steam版 ゲーム本編
タイトル：不思議のダンジョン 風来のシレン６ とぐろ島探検録
発売日：2024年12月12日
価格：5,980円（税込）

■Steam版 有料追加コンテンツ
タイトル：不思議のダンジョン 風来のシレン６ とぐろ島探検録 plusパック
発売日：2024年12月12日
価格：1,980円（税込）

■Steam版 デジタルサウンドトラック
タイトル：不思議のダンジョン 風来のシレン６ とぐろ島探検録 劇伴音楽之巻
発売日：2024年12月12日
価格：3,600円（税込）
収録内容：全109曲（BGM99曲／ME10曲）

■Steam版 バンドル版①
タイトル：不思議のダンジョン 風来のシレン６ とぐろ島探検録 plusパックセット
発売日：2024年12月12日
価格：6,926円（税込） ※単品販売の総額7,960円から約13％OFF
収録内容：ゲーム本編＋有料追加コンテンツ『plusパック』

■Steam版 バンドル版②
タイトル：不思議のダンジョン 風来のシレン６ とぐろ島探検録 plusとサントラセット
発売日：2024年12月12日
価格：9,826円（税込） ※単品販売の総額11,560円から15％OFF
収録内容：ゲーム本編＋有料追加コンテンツ『plusパック』＋デジタルサウンドトラック『劇伴音楽之巻』

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