2024年もいよいよ終わり、2025年が間近に迫ってきています。いろいろな業界でさまざまな出来事があった本年ですが、本稿ではそのなかでもVTuberに焦点を当てています。
動画に配信とファンを楽しませるコンテンツを、いつも提供してくれるVTuberさんたち。そこで編集部・ライター陣に、2024年で印象に残った動画を聞いてみました。
候補は泣く泣く3つに絞ってもらい、そのなかでも「これは!」というものについては自身の思いも合わせて語ってもらっています。
うごが選ぶ2024年のベスト動画
Best:『ロールプレイングゲーム』 - Cover LVG
ゲームに本気で取り組むメンバーが集まってe-sportsの素晴らしさを広げていく、次世代Virtual e-sports Project“ぶいすぽっ!”。活動初期に、花芽すみれさん、花芽なずなさん、小雀ととさん、一ノ瀬うるはさんによるチーム“Lupinus Virtual Games”(LVG)が発足されました。
そして、2024年4月2日に実施された花芽すみれさんの生誕祭にて発表され、翌日4月3日にLVGメンバーによる初の歌ってみた動画が公開されました。
本楽曲は、歌い手のそらるさん、まふまふさん、うらたぬきさん、あほの坂田さんの4名によるオリジナル曲『ロールプレイングゲーム』。元動画の概要欄には「普段一緒にゲームをしてる4人でオリジナル曲を作ってみました」と記載されていて、普段から4人が集まるとわちゃわちゃと楽し気な配信になるLVGメンバーにもピッタリな曲となっています。
MVに使用されているイラストも、暴走しパーティーメンバーに混乱を起こさせそうな剣士(花芽なずなさん)、モンスターが目の前に来て動揺してそうな魔法使い(花芽すみれさん)、まったく言うことを聞かないメンバーに怒る僧侶(小雀ととさん)、後方支援が得意だけど気づいたらサボってそうな弓使い(一ノ瀬うるはさん)と筆者的には解釈一致。
セリフ部分やパート、歌詞分けに関しても、一ノ瀬うるはさんと小雀ととさんがメンバーに対して怒っていたり、花芽なずなさんが暴れていたり、花芽すみれさんが不幸な目にあっていたりと普段のコラボ配信の空気感が表現されています。
最後に、本動画の概要欄には4人の仲の良さが感じられる「この4人で歌えてよかったです。一生笑って過ごしてたいね。」(一部抜粋)とコメントされているのも感慨深いです。また、この4人の歌ってみた動画が投稿されるのか期待しながら、過去のアーカイブもあわせてチェックしてみてはいかがでしょう。
- No.2:「Ready Steady」 歌ってみた 胡桃のあ/橘ひなの/如月れん
- No.2:【歌ってみた】点描の唄-Mrs. GREEN APPLE / 空澄セナ×藍沢エマ【 ぶいすぽっ!/橘ひなの 】
- No.2:「瞬間センチメンタル」 Covered by 一ノ瀬うるは / 八雲べに / 橘ひなの / 神成きゅぴ / 如月れん
- No.3:【ぶいすぽっ!】Mr.Music【covered by 小雀とと / 兎咲ミミ / 橘ひなの / 如月れん / 神成きゅぴ / 八雲べに / 藍沢エマ 】
- No.3:【ぶいすぽっ!】Tell Your World【covered by 花芽すみれ / 空澄セナ / 英リサ / 紫宮るな / 小森めと / 夜乃くろむ】
- No.3:【ぶいすぽっ!】光るなら【covered by 花芽なずな / 一ノ瀬うるは / 胡桃のあ / 猫汰つな / 白波らむね / 夢野あかり】
カワチが選ぶ2024年のベスト動画
Best:ビビデバ / 星街すいせい(official)
星街すいせいの『ビビデバ』のMV。VTuberのMVは多彩なカルチャーと融合した斬新なものが多いですが、この『ビビデバ』のMVが発表されたときは度肝を抜かれました。MV制作の裏側を描くというコンセプトの映像は、二次元と三次元の曖昧な境い目をスタイリッシュに表現。360度カメラを使って鮮やかに描いていきます。
バーチャルと人間の壁はこれまで数多くのVTuberが挑戦したテーマですが、その到達点のような仕上がりです。『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズの工藤ディレクターでおなじみの大迫茂生さんを乱暴者のディレクターとして起用。
彼がリズムに合わせて首を振ったり、ブチ切れてケンカをはじめたり、ポップで笑える内容でありつつ、最終的にはガラスの靴を投げ捨てて、外で自由な姿で踊る星街すいせいさんの姿が批評的でもあります。
ここまでの“撮影のアクシデントに見せかけた完璧な映像”をかなぐり捨てて、“異質な姿で好きなようにやる映像”を見せつけた星街すいせいさん。こちらも勇気がもらえますし、彼女の次の挑戦も楽しみになりました。
No.2:CULUA 「ベビ・デビ」Official Music Video
No.3:【Vtuber80人合唱】Mind Craft【歌ってみた】
こひき庵が選ぶ2024年のベスト動画
Best:「カチカチ山」とかいう和製サウスパーク、いつからヌルくなったのか
正直、迷いました。
個人的には、ちょっとくだらない、クスッと笑えるようなショート動画とかが好きなんですが、そこから「ベスト」と言われると、なかなか難しいものです。
いくつか候補を浮かべつつ、まず歌に関しては「映像」を重視して考えました。
ホロライブ・星街すいせいさんの『ビビデバ』はいろいろな意味で最高峰だったと思っていますが、「VTuber動画」という枠で観ると、もっと別の尺度で評価されるべき映像という気もします。なので、この企画では除外しました。
その上で、もっとシンプルに「今年一番動画を楽しみにしていた人は誰かな?」と考えたとき、浮かんでた来たのは、“にじさんじ”月ノ美兎委員長でした。
ユニークな動画はたくさんありましたが、挑戦心とテンション、学究マインドのバランスが取れていて、しっかりエンタメ動画として完成されていた“「カチカチ山」とかいう和製サウスパーク、いつからヌルくなったのか”を推しておきます。
国立国会図書館と栞葉るりさんの有効活用を両立できるのは、日本広しといえど、委員長だけでしょう。
No.2:シュガーラッシュ / miComet(official)
No.3:異世界転生したらエロトラップダンジョン作ることになった奴
みぎはとが選ぶ2024年のベスト動画
Best:「カチカチ山」とかいう和製サウスパーク、いつからヌルくなったのか
『カチカチ山』はとても有名な読み聞かせ童話ですが、実は元々この作品、なんでもありの血みどろ昔ばなしなのです。
しかし、そんな残酷な原作であるにもかかわらず、私たちは幼少期にそこまで恐ろしい『カチカチ山』を読んだ記憶はありません。
それもそのはず、時代が進むにつれてこの作品はどんどんマイルドになっていったのです。特にたぬきがおばあさんを“ばばあ汁”にしておじいさんに振舞うという残虐極まる描写はいつの間にかすっかり消えていました。
では、果たしていつ『カチカチ山』はヌルくなったのか?
この作品を“童話”として出版する意義はなんなのか?
そのような疑問が頭をよぎった“にじさんじ”所属ライバーの月ノ美兎さんが、調査の限りを尽くして『カチカチ山』を研究しているのが本動画です。
彼女は100冊以上の『カチカチ山』を読み、国立国会図書館に赴いて『カチカチ山』の原点『むぢなのかたきうち』を発見するなど、自慢のバイタリティによって謎をどこまでも広く深く掘り下げていきます。
そのような膨大な研究の末に至った結論をコミカルにわかりやすく解説しているこの動画は、月ノ美兎さんと学術研究のおもしろさを両立した、非常に惹きつけられるものとなっています。
No.2:【#三菱電機】だいち4号打上直前!鎌倉製作所に突撃インタビュー!!【#宇推くりあ】
No.3:【朝→夜】ド田舎から路線バスに乗ってどこまでいけるのか?
めねらが選ぶ2024年のベスト動画
Best:にじさんじスポーツ王決定戦【【実況:古舘伊知郎】】
今年のベスト動画として、レオス・ヴィンセントさんのチャンネルに投稿された、“にじさんじスポーツ王決定戦”を挙げさせていただきました。
TBS系列で放送されていた“スポーツマンNo1決定戦”をオマージュした動画で、本家で実況を行っていた、古舘伊知郎さんによって実況が行われています。
オリバー・エバンスさんを「頭東大体日体大」と評したりする、“古舘節”と呼ばれるワードチョイスが、動画を非常に盛り上げています。
実況の依頼をした際に、あまり芳しくない返事を貰ったレオス・ヴィンセントさんが、古舘伊知郎さんに直接会って交渉したというエピソードがあり、レオス・ヴィンセントさんの熱意を感じる動画でもあります。
実況だけでなく内容も熱いものとなっており、“アースブロック”や“プッシュアップトライ”などの筋肉を競う競技で、8人のライバーによる、最後まで結果がわからない戦いが繰り広げられています。
コロッセオ風の会場であったり、競技前に選手のインタビューがあったり、本家に倣った演出が取り入れられているのも個人的に好きなポイントです。
にじさんじの3Dスタジオが広くなったということもありますし、いつか“モンスターボックス”が現れることを期待しちゃいますね。
No.2:【激似?】細かすぎて伝わらない?くろのわモノマネ王緊急開催! #くろなん
No.3:【歌ってみた】 テレキャスタービーボーイ (Cover. みたらし団 )【にじさんじ/ミラン・ケストレル×立伝都々×栞葉るり】
渡辺美咲が選ぶ2024年のベスト動画
Best:【前編】エジプト行ってきたんですよ!!!!!!!!!!
私にとってvlogは“キラキラしたもの”というイメージが強かったのですが(偏見)、月ノさんのvlogはキラキラ……というよりは、彼女の動画にもある“探究心”やエジプトのリアルをとことん追求しているような印象を受けました。
また「モウカッタ!」少年とのエピソードやラストのおもちゃ紹介など、一度見たら忘れられないシーンがかなり凝縮されていたように感じます。
“「カチカチ山」とかいう和製サウスパーク、いつからヌルくなったのか”、“配信中に名前が出た食べ物だけで生活しよう!!”など、月ノさんは今年もユーモア溢れる動画をたくさん投稿されていたのですが、本動画は私の中に少なからずあった「vlogの概念」を変えてくれたのではないかと思い、今回1位に推薦させていただきました。
動画内にも「バカンス的な旅行じゃなくて、マジで人生経験みたいな感じだな」というコメントがあるのですが、自身の経験をそのままリスナーに伝えてくれるのが月ノさんの動画の良さだと思っています。
No.2:【#ぽさんけ5thLIVE】ぽさんけ LIVE 5th AnnivErsaRy りーぷ&とらじぇくとりぃ!【3DLIVE/にじさんじ】
No.3:【達成ならず】さくゆいが1万円分食べる企画に挑戦した結果… #くろなん
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