電撃オンライン

『溶鉄のマルフーシャ』の続編『救国のスネジンカ』レビュー。超ブラック民間軍事企業で懐事情と相談しながら戦場を駆け抜ける防衛型シューター【電撃インディー#922】

文:GO

公開日時:

最終更新:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、2023年に登場し、人気となった『溶鉄のマルフーシャ』の続編で、2月13日にPS5/Nintendo Switch/Xbox Series X|S版が発売された『救国のスネジンカ』のレビューをお届けします。

[IMAGE]

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

『救国のスネジンカ』の魅力とは

近未来を舞台にしたタワーディフェンス型シューティング


 本作は、『溶鉄のマルフーシャ』でお馴染みのhinyari9氏による新作インディーゲームです。『溶鉄のマルフーシャ』と同様、過酷な環境で所属する企業のため、ひたすら戦っていく姿を描いたタワーディフェンス型のシューティングとなっています。

[IMAGE]

 主人公となるのは、前作の主人公であるマルフーシャの妹、スネジンカ。軍で働く姉を助けるため、民間軍事企業“ブルーピーコック”の社員として、傭兵となって戦地に赴くことになります。しかし、所属する“ブルーピーコック”は絵に書いたような超ブラック企業。

 給料から保険料が差し引かれ、さらに国からの税金によって収入のほとんどをもっていかれてしまうのです。

[IMAGE]

 そんな過酷な環境で馬車馬のごとく働く姿は、搾取する者とされる者、まさに現代社会の構図を見ているかのようで、なんとも言えない気持ちになります。

 クリアごとに提出される雀の涙ほどしかない成功報酬の収支報告に、涙が止まりません。

[IMAGE]

近未来の世界観は前作を引継ぎ!


 舞台となる世界は、前作と同様、荒廃した近未来。人類は機械との戦争を続けていますが、もはや敗戦濃厚。それでも戦争を継続するため、さまざまな理由をつけて資金調達を行っています。

 精鋭部隊“溶鉄”所属の姉を助けるために戦うのですが、この姉のお話については、前作『溶鉄のマルフーシャ』で語られています。

 本作だけでも楽しめますが、物語は地続きになっているので、先に『溶鉄のマルフーシャ』を遊んでいると、より深く世界観を楽しめるはず。

[IMAGE]

バトルはシンプルかつスピーディ!


 ゲームは、物語に沿ってさまざまなミッションをクリアしていくタワーディフェンス型シューティングとなっており、システム自体はそう難しくありません。

 画面右から次々に敵が現れるので、ライフルやマシンガンなど、さまざまな銃器を使って倒していくだけです。

[IMAGE]

 ただ、操作に関しては、左スティックで左右移動、右スティックで攻撃方向を選択、RTで攻撃と、ちょっとクセがあります。上からくる敵、地上を進む敵など、敵の高度に応じてしっかり右スティックで狙いを定めていく必要があるのです。

 自分は左右の動きしかできませんが、攻撃されても倒されることはないです。あくまでタワーディフェンスなので、防衛対象のHPが0になるとゲームオーバーです。

[IMAGE]

 最初のうちは敵が少なくそこまで難しくはありませんが、ステージが進むと大量の敵が出現しますし、容赦なく防衛対象を攻撃してくるので、かなり厳しい戦いになります。

 とはいえリトライは簡単ですし、ステージ中にガンガン自分を強化できるので、アクションが苦手でも気持ちよく戦えました。

自身をうまく強化するには


 主人公は、ステージクリアごとにランダムで選ばれる3つの効果から1つを選び、強化できます。

 強化は、武器の変更や攻撃力などのステータス強化、仲間を入れ替えたり、仲間をレベルアップさせたりと、かなりの種類を誇ります。

[IMAGE]

 ランダムで出現なので運も絡みますが、プレイごとにうまく成長させることがポイントになるので、ローグライト的な楽しみ方も可能といえますね。ただし、強化には先立つものが必要なわけで……。

世の中結局、お金なのです


 各ステージが終わると、収支報告が行われ、報酬(お給料)が手に入ります。先の強化は、その給料で賄うことになるのですが、保険、税金、厚生年金、さらにはなぜか国営放送の受信料まで天引きされ、手取りはほんのわずか。

[IMAGE]

 しかもゲーム中にはインボイス制度も導入され、さらに引かれるのですが、そもそもインボイスを理解していない筆者は、なんで引かれているのかわからない始末。

 結果としてなかなか溜まらない資金と、その範囲内で何を買って強化していくのか。これがゲーム攻略の肝になるのです。

 そもそも、装備の購入が経費で落ちないのは納得できないですが、近未来の超ブラック企業に常識は通用しません。

 こうして会社の文句を言いながら戦っていると、キャラクターとのシンクロ率が上がり、より世界観に没入できるはず(笑)。会社のブラックっぷりも含めての世界観&ゲームバランスなので、あえてそこは楽しんでいきましょう。

[IMAGE]

美少女だらけの仲間を集める楽しさも


 お金を使って買えるものに仲間がいます。仲間はさまざまな武器を持ち、プレイヤーと一緒に戦ってくれるようになります。お金でレベルアップも可能なので、彼女たちを育てるという楽しみもあります。

[IMAGE]

 仲間は複数登場します。それぞれで戦い方も異なっていますし、全員美少女というところもイイ! 経歴などの設定も細かく、かなり個性的です。メインモードでは各仲間ごとのエンディングもあるので、気に入ったキャラクターで何度もプレイしたくなりました。

テンポよく遊べるスピーディな展開が気持ちいい!


 総合的に、1つのステージが非常に短く、テンポよく展開するところが大きな魅力の1つです。とにかくスピーディに進むので、実に気持ちよくゲームをプレイすることができます。

[IMAGE]

 少ない報酬をどうやりくりして強化していくのかも考えるとかなり面白く、世界観やキャラクターも魅力的です。システム、キャラクターの両面でしっかりまとまっており、とてもクオリティの高い作品になっています。

 前作をプレイした人にはおなじみですが、仲間キャラクターの掘り下げもしっかりとあるので、画面を見て気になるキャラクターがいたなら、ぜひ遊んでみてください!

[IMAGE]

    本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります