待望の第1巻が発売となった『ELDEN RING 遠き狭間の物語 (原作:株式会社フロム・ソフトウェア、漫画:春壱先生)』のレビュー記事をお届けします。
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NPCたちにスポットを当てたほのぼの短編集!【エルデンリング遠き狭間の物語感想レビュー】
『遠き狭間の物語』は、『エルデンリング』に登場する多彩なNPCたちにスポットを当てたコミカライズ作品。原作ゲームのハードな世界観を大胆にアレンジしたほのぼのコメディ漫画となっています。
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あくまで原作ゲームをモチーフにした作品であって、語られなかった設定や外伝的なエピソードが描かれるわけではありませんが、『エルデンリング』のキャラクターたちの“あったかもしれない”幕間のストーリーが描かれているのが特徴。
1章ごと(※コミックスでは分割せずに1章1話構成)に別のキャラクターを描くオムニバス形式の作品ですが、基本的には1つの章で1つのエピソードが完結するスタイル。後味のいい話が多いので読みやすいです。
原作ゲームを知らなくてもほのぼのコメディ漫画として楽しめますが、知っているとよりグッとくるシーンが多い印象ですね。
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ならず者、ブライヴ、商人の3人が鍋を囲んでいるなど、原作ゲームではなかったキャラクターたちの絡みもあって、想像がふくらみます。
キャラクターによっては展開しだいで救いのない結末を迎えることも多い『エルデンリング』の世界観だけに、こういうホンワカした雰囲気の作品は貴重に感じますね。
各章の登場キャラクターや見どころを紹介!【エルデンリング遠き狭間の物語感想レビュー】
ここからは、第1巻に収録される第1章~第5章それぞれの登場キャラクターや見どころを、ネタバレにならない範囲で紹介していきます。
第1章:ローデリカの世界 ~円卓狂詩曲~
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第1章は、円卓にやってきたものの周囲に馴染めないローデリカの話。
原作ゲームでは調霊師として全プレイヤーがお世話になるであろうローデリカですが、円卓にとっては新参者。そんな彼女が、個性豊かな円卓メンバーにどう迎えられたのかを描きます。
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円卓メンバーとローデリカの交流以外にも、彼女の苦悩にスポットを当てたシリアスな展開にも注目です。
とくにローデリカが初期のころに付けていたフードを、調霊師になってから外していたという原作ゲームでもあった変化について、彼女自身の心境の変化と合わせて独自に解釈して落とし込んでいるのがすごい!
このあたりの心理描写も原作ゲームをプレイしていると、グッとくるシーンが満載ですね。
第2章:ならず者の世界 ~ビストロ・ビック・ボギー~
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第2章は、エビに飽きてグルメに目覚めた“ならず者”のストーリー。原作ゲームではボロ屋でひたすらエビを茹でていた彼が、エビにマンネリを感じた結果、狭間の地での食の可能性について探求し始めます。
とはいっても、そこは狭間の地。食糧調達一つとっても一筋縄でいくはずもなく……。
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紆余曲折ありながらも、調達した食料を使ってさまざまな料理を作っていくならず者。基本的に原作ゲームでも登場した食材を使っているだけに、その味に想像がふくらみます。
後編からはブライヴや商人も登場してともに食卓を囲むなど、IFストーリーとしても見どころが多い章となっています。
第3章:動物たちの世界 ~トビウサギ周遊記~
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第3章は、まさかのトビウサギにスポットを当てたストーリー。人間以外もアリなんだと、『遠き狭間の物語』の自由な世界観に衝撃を受けましたね。
ちなみにトビウサギは、狭間の地に生息する草食動物。序盤から出会うことが可能で、倒すと細い獣骨などの素材をドロップしますが、敵対しない動物です。原作ゲームでもほぼ最弱に近い生き物と言えるでしょう。
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そんな最弱動物が、狭間の地でどう生きているかを描くのが第3章。絵柄の可愛さに騙されがちですが、トビウサギ視点だと原作ゲーム以上に狭間の地は“死にゲー”な気がします(笑)。
一部人間のNPCも登場しますが、トビウサギ視点の章なので基本的にはセリフなしで進行。さらに後編に登場する、まさかの人物にも注目です。
第4章:コリンの世界 ~記録者コリンの金仮面卿観察日記~
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第4章はコリンが主役。金仮面卿を見守るコリンの姿が描かれます。
ほかの章と比べると全7Pと比較的短めですが、原作ゲームでも気になっていた、まったく動かない金仮面卿を相手に、コリンがどういう行動をとったかの“もしも”が描かれるのが興味深いです。
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探求のために不動を保つ金仮面卿と、その姿から何かを見出そうとするコリンの姿は、原作ゲームだと少々痛ましいものもありましたが、コメディタッチだとコリンを素直に応援したくなりますね。
羊に襲われそうになったり、鳥の止まり木になったりする金仮面卿のトラブルに奮闘するコリンの姿は必見です。
第5章:ラーヤの世界 ~火のもとで咲くは、招き手の花~
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第5章は、幼き日のラーヤと火山館の人々が主役となるストーリー。42ページとボリュームタップリで幼ラーヤの奮闘劇が描かれます。
原作ゲームでは恐ろしい印象もあったタニスが、忙しい身ながらいい母親であろうとする姿も共感度が高いです。
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とにかく幼いラーヤが表情豊かで可愛い! 子育てほのぼの漫画として楽しむことができますが……ところどころで火山館の秘密を匂わせたりして、少し不穏な空気を漂わせているあたり、『エルデンリング』らしい重厚さも感じられますね。
ちなみにこの話ではラーヤについての軽いネタバレもあるので、できれば原作ゲームをプレイして、火山館に関するイベントを進めてから読むことをオススメします。原作ゲームのプレイヤーにとっては、ラーヤの“あの姿”の幼いときが見られるのがうれしい!
新たな視点で届ける『エルデンリング』短編集【エルデンリング遠き狭間の物語感想レビュー】
『エルデンリング』の“もしも”を、ほんわかコメディとして描きつつ、ところどころに原作ゲームプレイヤーであればニヤリとできるネタを仕込んでいるのが『遠き狭間の物語』の魅力。
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第1巻に収録されているのは第5章までですが、すでに告知イラストなどにアレキサンダーやパッチなどの人気キャラクターも登場しており、今後の展開にも期待ですね。まずは発売中のコミックス1巻を呼んで、本作のホンワカ世界観に触れてみましょう!