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【Keyのファンでよかった】25周年記念ライブ“鍵音祭”後半のバトルメドレーでペンライト乱舞。前半のしっとり曲も含めて多幸感あるラストに

文:カワチ

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 ビジュアルアーツはコンテンツブランド・Keyの25周年を記念したライブ“鍵音祭 -Key Instrumental Live-”を3月1日にヒューリックホール東京で開催しました。ここではその現地レポートをお届けします。また、このライブのプロデュースを行った折戸伸治さんによる、鍵音祭を終えての感想コメントもいただきました。

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 会場のホワイエには巨大なプロジェクターに映し出されたまおうさんの描くキービジュアルが動き、これから始まるライブへの期待を高めてくれます。

 また、物販コーナーでは、そのキービジュアルをはじめとしたグッズが発売。

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 CDやステッカー、アクリルスタンドから、鍵音祭を盛り上げる鍵っ子のためのオリジナル法被(はっぴ)も発売されていました。

 意外なところでは折戸伸治さん考案のゆるキャラ“ハセガワ”のアクリルキーホルダーも。折戸伸治さんがサインをするときなどに描いているキャラクターですが、まさかのグッズ化に驚いたファンも多いでしょう。

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Keyの25年の歴史を辿っていくライブ【鍵音祭 -Key Instrumental Live-】


 Keyの25周年ライブということでファンの期待も最初から最高潮に高まっていた今回のライブ。後に判明しますが、作品の発売順に曲を演奏する流れとなっており、最初は『Kanon(カノン)』の曲からスタート。モニターに『Kanon』の映像が流れ、“約束”が演奏された時点ですでに涙腺が緩んでしまいます。

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 この『Kanon』はKeyの1作目となる作品。主人公の相沢祐一が両親の海外赴任をきっかけとして7年ぶりに雪の降る街へと帰り、その街で出会うヒロインたちとの絆を深めていくストーリーが描かれました。

 オリジナルのPC版が発売されたのは1999年。筆者が最初にプレイしたのは社会人になる前の専門学校生時代でしたが、ゲームの内容はもちろん、そのゲームをプレイしていたときの環境まで思い出してしまい、ノスタルジーな気持ちになりました。

 筆者のように多感な時期をKeyとともに過ごし、Keyの作り出す物語や音楽を浴びてきた人たちは、冒頭から泣きそうになったのではないでしょうか。

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 ライブのバンドはどなたの演奏もとても素晴らしいのですが、筆者が聴いていて楽しかったのは河原塚ユウジさんの奏でるサックスの音色。美しい音色と豊かな表現力で、もとの曲の魅力をライブならではの表現で広げていました。

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 最初が『Kanon』であれば続いての曲はもちろん、『AIR(エアー)』。2000年9月8日に発売された作品で、今年の2月22日と23日にはTVアニメの一挙放送がおこなわれたので記憶に新しい人も多いはず。

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 今回のライブはKeyの25周年を記念したもので、どの曲を演奏するのか選曲が大変だったそうですが、ライブならではのメドレーアレンジでたくさんの曲を披露してくれました。

 『AIR』に関しても、“野道”、“虹”、“てんとう虫”をメドレーで披露。思い出に浸っているところに、作品を代表する名曲の“夏影”を演奏。完全に昇天してしまいました……。

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 とくに今回は折戸伸治さんプロデュースのライブということで、自身の曲を多く披露すると予想していたので、麻枝 准さん作曲の”夏影”が流れたときはいろいろな意味で感動しました。

 その後も麻枝さん作曲の曲が多数披露され、まさにKey25周年の集大成にふさわしいライブになっていました。

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 続いては『CLANNAD(クラナド)』。『CLANNAD』は2004年に発売されたゲームで、ヒロインだけでなくその友人や家族との絆など街全体のストーリーを描く賑やかな作品となっており、今回のライブに関しても軽やかで楽しい雰囲気が伝わってきました。

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 前半パートが終わったあとはMCの折戸伸治さんとどんまるさんがステージに。Keyの設立メンバーでもあり、今回のライブをプロデューサーとして組み立てた折戸さんは十数年前から企画していた鍵音祭をついに開催できたことに感謝。

 さらにどんまるさんから思い入れのある曲を聞かれた折戸さんは『Kanon』のタイトル画面で流れる“朝影”をあげました。はじまりの曲を素晴らしいバンドアレンジで届けることができたことに満足していました。

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 MCの後半ではギターのしょうゆさんを呼び込み。しょうゆさんはキネティックノベル大賞2010 音楽部門にて準大賞を受賞した人物で、今ではKeyにはなくてはならない存在であることを紹介しました。

 しょうゆさんは今回のライブも初期段階から企画に関わっているそうで、曲をアレンジする際にはファンに楽しんでもらえるようなライブ映えするようなものを意識したそうです。折戸さんは『AIR』のメドレーはしょうゆさんのアレンジだと説明し、もともとの曲にギターが自然に入っているアレンジを絶賛しました。

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中盤からは盛り上がる曲も増え、会場の熱気が上昇!【鍵音祭 -Key Instrumental Live-】


 MCをはさんだあとは中盤のパートへ。しょうゆさんも演奏に加わり、『智代アフター ~It's a Wonderful Life~』『リトルバスターズ!』の曲を披露。。

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 『智代アフター』は2005年に発売されたゲームで、『CLANNAD』の外伝的な位置づけの作品。もしかしたら今回のライブでは取り上げられないかと思っていましたが、しっかり演奏してくれて最高でしたね。とくにタイトル曲でもあり、作中終盤の重要シーンで流れる“hope”が流れたときは涙腺が緩みました。

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 『リトルバスターズ!』は2007年に発売された作品。これまで人と人のつながりを描いてきたKeyですが、本作では友情がテーマに。正義の味方“リトルバスターズ”の日常を描くシーンはとても賑やかで楽しく、今回のライブも“RING RING RING!”や“BOYS DON'T CRY”、“Mission possible ~but difficult task~”といった人気曲でファンを盛り上げました。

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 その後のMCパートで折戸さんが前半はファンにじっくり聴いて欲しかったので落ち着いた曲が中心に、中盤以降は盛り上がる曲を多めに組み込んだことを打ち明けました。実際、中盤以降はオーディエンスのペンライト量も増えていき、後述する後半の熱いメドレー以降は総立ち&ペンライト乱舞で大きく盛り上がっていきました!

 さて、どんまるさんにライブの選曲について迷ったのかどうか聞かれた折戸さんは、25周年ということでいろいろな曲を網羅したいと思ったものの、曲は70曲以上あり、すべてを演奏すると4時間越えのライブになってしまうので絞りに絞って選曲し、一部はメドレーという形にしながらセットリストに落とし込んでいたことを明かしました。

 ライブの後半は『planetarian(プラネタリアン) ~ちいさなほしのゆめ~』と『Rewrite(リライト)』へ。『planetarian ~ちいさなほしのゆめ~』はキネティックノベルの第1弾で2004年に発売。廃墟のプラネタリウムに取り残された少女のロボットと一人の男の交流を描くSF作品でしたが、ライブでも“Gentle Jena”を演奏し、幻想的な雰囲気を演出しました。

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 『Rewrite』は2011年発売。田中ロミオさん、竜騎士07さん、都乃河勇人さんの3名がシナリオを手がけることで話題になった作品です。

 それぞれのシナリオライターさんの持つ個性が存分に出ており、多彩な魅力を持った作品でしたが、ライブでも切ない曲から激しい曲までいろいろな曲を披露。とくに最後に披露された此花ルチアのテーマ曲“サンブライト”はバンドアレンジによって迫力のサウンドになっていました。


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まさかのバトルメドレーでファンが歓喜!【鍵音祭 -Key Instrumental Live-】


 その後はMCをはさみ、折戸さんがファンのみんなと盛り上がりたいという思いからKey作品のバトル曲を集めたバトルメドレーを制作したことを発表。ここからはファンも全員が立ち上がってライブを楽しみました。

 Keyといえば泣きゲーというイメージもありますが、熱心なファンであればシリアスでアツいバトルシーンやコミカルなバトルシーンが多いのも周知の事実。そんな心が真っ赤に燃えるバトル曲の詰まったメドレーにファンは湧きました。

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 実際に披露された曲は、『リトルバスターズ!』の“勇壮なる闘い”、『planetarian』の“Human Warrior”、『CLANNAD』の“灰燼に帰す”、『リトルバスターズ!』の“死闘は凛然なりて”、『Rewrite』の“刈り”、“Fight for now here”で、どれもアツい曲ばかり。

 厳密にはバトルでないものもありますが、血沸き肉躍る曲であることには変わりません。実際、会場にいたファン全員が『AIR』で「イヤッッホォォォオオォオウ! 国崎最高!」と叫んでいたオーディエンスのようになっていました(幻覚?)。

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 バトルメドレーで盛り上がったあと、終盤は『Summer Pockets(サマーポケッツ)』のパートに。“Summer Pockets”からはじまり、“Anventure for Black”“宿題は8月32日に”“Golden Hours”のメドレー、“かの記憶、あの記憶(Blindspot)”、“アルカテイル - Acid Blue Remix -”を一挙に披露し、ライブは最高潮に。盛り上がりのまま、ライブは終了。

 アンコールは『Kanon』の“風の辿り着く場所”と『リトルバスターズ!EX』の“Alicemagic”を披露。バンドメンバーがステージから降りて演奏をしたりと、より会場との一体感の増したパフォーマンスをおこない、多幸感のあるラストに。Keyのファンでよかったと心から思えるようなライブになりました。

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 アンコールの曲は写真と動画の撮影がOKだったので、多くのファンがアンコールの様子をポストしています。ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか?

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折戸伸治さんからのコメント~鍵音祭を終えて


 鍵音祭を無事終えて、心境的にはほっとしてます。企画初期の頃は集客数等も未知数だし、手探りの状態からスタートし、制作会社さんと何度も打ち合わせしつつ、具体的な中身を固めていきました。

 一番大変だったのは、インストバンドで成立する様なアレンジを考えていくところでしょうか…ただただ楽器でつるっと演奏するだけではなく、その楽曲内で、ドラムだったりベースなど、各パートでの見せ場ポイントなども作りつつ、アレンジを調整していく…というのをかなりの曲数やったと思います。

 こういう要素は、歌手がいないインストバンドならではの演出ではないかと思います。

 お陰様で、ライブ自体はファンの皆さんもおおいに盛り上がって、予想以上の好評で幕を閉じることが出来て、企画者としては本当に感謝しかありません。

 今回の公演で「インストオンリーでも楽しめる」という新しい実績が出来たと思うので、何かしらの形で次に繋げて行ければ良いなと思ってます。


“鍵音祭 -Key Instrumental Live-”セットリスト


1.約束(Kanon)
2.朝影(Ma-Na)(Kanon)
3.pure snows(Kanon)
4.回想録(AIR)
5.野道~虹~てんとう虫(AIR)
6.夏影(AIR)
7.渚(CLANNAD)
8.町, 時の流れ, 人(CLANNAD)
MC1
9.hope(智代アフター)
10.morning glow(智代アフター)
11.love song(智代アフター)
12.Ring Ring Ring!(リトルバスターズ!)
13.BOYS DON'T CRY(リトルバスターズ!)
14.Mission possible 〜but difficult task〜(リトルバスターズ!)
MC2
15.Gentle Jena -Starlit Night-(planetarian)
16.Sorrowless(dye mixture Ver.)(Rewrite)
17.Radiance(dye mixture Ver.)(Rewrite)
18.サンブライト(Rewrite)
MC3
19.バトルメドレー
MC4
20.Summer Pockets(Summer Pockets)
21.Anventure for Black~宿題は8月32日に~Golden Hours(Summer Pockets)
22.かの記憶、あの記憶(Blindspot)(Summer Pockets)
23.アルカテイル - Acid Blue Remix -(Summer Pockets)
MC
Enc1.風の辿りつく場所(Kanon)
Enc2.Alicemagic Rockstar ver(リトルバスターズ!EX)

バトルメドレー
1.勇壮なる闘い(クドわふたー)
2.Human Warrior(planetarian)
3.灰燼に帰す(CLANNAD)
4.死闘は凛然なりて(リトルバスターズ!)
5.刈り(dye mixture Ver.)(Rewrite)
6.Fight for now here(dye mixture Ver.)(Rewrite)

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