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『薬屋のひとりごと』33話感想（2期9話）。先帝の死因と腐らない理由が切なくも残酷すぎる…ドロドロ話のあとの皇太后と壬氏の会話が癒し（ネタバレあり）

文：Ak

公開日時：

最終更新：

　現在放送中のTVアニメ『薬屋のひとりごと』の第33話（2期9話）“先帝”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『薬屋のひとりごと』第33話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。[IMAGE]
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先帝の死因と腐らない原因が切なすぎる……【薬屋のひとりごとアニメ2期感想】


　前回から続く「先帝の遺体が腐らない」というミステリー。その謎を解くカギが、まさか壬氏（じんし）の昔のオモチャ箱から見つかるとは意外な展開！　あの光る石、オープニングにも登場していましたね。

　雄黄（ゆうおう）という名称に聞き馴染みがなかったですが、こちらは石黄（せきおう）の別称ですね。毒性が強い鉱石として、別のミステリー作品で見た記憶があります。


　そして暴かれる真相。てっきり何かしらの形で皇太后が先帝の死に関わっていたと思いきや、まさか先帝自身の行動がすべての原因だったとは……。

　しかも、自分の好きな絵を描くことがその原因だったというのが、少し切ない話ですよね。器ではないのに帝に選ばれたことを母である女帝が分かっていて、その慰みのために絵を描く手伝いをして死因につながったというのが、なんとも残酷な話です。

　先帝の描いた絵に、母親である女帝と幼い娘たちが描かれていたという事実も切ない……。先帝が女性を恐れ、母親や無垢な少女のみにしか心を開かなったのも、無償の愛情を求めたゆえなのでしょう。後宮という欲望にまみれた場所で生きるには、感受性が豊かすぎたのかもしれません。

　壬氏は絵に描かれた人物が皇太后である可能性を示唆していましたが、正直その可能性は低いような気もします。まあ、壬氏自身もそれは承知の上で救いのある話を皇太后に聞かせたかっただけかもしれないですね。

皇太后の先帝に向ける感情は？【薬屋のひとりごとアニメ2期感想】


　もうひとつ、第33話では皇太后の過去の話も描かれました。

　先帝に向ける感情には、嫉妬や憎しみなど複雑なものがありそうですね。決して先帝に愛情を持っていたわけではなさそうですが、ただ憎しみだけでない感情もありそうです。

　先帝の元に送られたきっかけは親のエゴであるとはいえ、幼いながらも自身の野望を持っていた皇太后もすごい。そんな女性だからこそ、憎しみを持った相手にぞんざいに扱われる事実に耐えかねたのでしょう。


　それと気になるのは、元々皇太后が仕えていた妃との関係性。自分の侍女として後宮にやってきた少女が先帝の子を身ごもったことで、どんな反応をしたのか……何かひと悶着あったような気がします。

　そんな皇太后ですが、団らんの様子から上級妃たちの関係性は良好そうに見えます。ちょっと怖いような印象がある女性でしたが、今は後宮の事情にはそこまで直接関係していないのかもしれませんね。

ドロドロ話のあとの皇太后と壬氏の会話にホッコリ【薬屋のひとりごとアニメ2期感想】


　ものすごい高カロリーなドロドロとした話を叩きこまれたあとだけに、壬氏と皇太后の家族感のある会話には癒されました。この二人の関係性もたいがい複雑ですが、まあ本当のところが祖母であろうと母親であろうと、肉親であることに違いはありませんからね。


　「お気に入りは隠しておかないと」という、ハッキリと愛情を感じる皇太后の言葉。先帝に対する感情は憎しみの比重が大きそうですが、それでも壬氏に対しては愛情を向けてくれていそうで安心です。

　そういえば、水蓮の言う「壬氏様の母上の願い」というのは、誰のことなのでしょう？　彼女なら、本当の母親が誰なのか把握していてもおかしくないかも？


　超重いエピソードが続くなか、次回タイトルは“怪談”。素直に受け取るなら、侍女同士でひたすら怪談話をする閑話休題っぽい回ですが……『薬屋のひとりごと』では、こんな話から事件が発生することも多々あるので、油断はできないですね。

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    ©日向夏・イマジカインフォス／「薬屋のひとりごと」製作委員会

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