バンダイナムコエンターテインメントより発売中のSwitch/PC(Steam)向けソフト『Project:;COLD case.mirage(プロジェクト:;コールド ケースミラージュ)』。この記事では、その魅力を少しだけ紹介したいと思います。
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『Project:;COLD』シリーズは“代替現実ゲーム(Alternate Reality Game=ARG)”と呼ばれるジャンルの謎解きを提供し、多くの人に印象を残したコンテンツです。『Project:;COLD case.mirage』は、シリーズ初の家庭用ゲームとなっており、それと似たような感覚を疑似的に味わえる、“デスクトップ型ミステリーアドベンチャー”となっています。
そもそも『Project:;COLD』とは? ARGとは? という人もたくさんいるかと思います。そんな皆さんの疑問にお答えしつつ、独特なゲーム体験を味わえる本作を紹介していきます。
そもそも『Project:;COLD』とは? ARGとは? という人もたくさんいるかと思います。そんな皆さんの疑問にお答えしつつ、独特なゲーム体験を味わえる本作を紹介していきます。
『Project:;COLD』シリーズで楽しめた“代替現実ゲーム”とは?
前述した“代替現実ゲーム(Alternate Reality Game=ARG)”とは、現実世界と舞台世界が同じ世界で起きている出来事かのように、WebサイトやSNSなど、身近に存在するメディアから得られる情報を元に謎解きを行うゲームのことです。
事件が起こると企画のために用意されたSNSアカウントなどが動きはじめ、プレイヤーはそれらの投稿をチェックしながら事件の考察と真相究明を行います。プレイヤーと創作の世界とを、現代には欠かせないネットを介して繋げることにより、まるで作品の世界に入り込んだような強い没入感とともに謎解きを楽しめるのがARGの魅力です。
事件が起こると企画のために用意されたSNSアカウントなどが動きはじめ、プレイヤーはそれらの投稿をチェックしながら事件の考察と真相究明を行います。プレイヤーと創作の世界とを、現代には欠かせないネットを介して繋げることにより、まるで作品の世界に入り込んだような強い没入感とともに謎解きを楽しめるのがARGの魅力です。
『Project:;COLD』シリーズは、すでに数回の“ケース”が行われており、20万人以上のユーザーがリアルタイムで真相究明に挑戦しました。実は電撃オンラインでも3月の実施タイミングに合わせてモキュメンタリー記事を掲載して、あたかもその世界のメディアが事件記事を出しているような形で投稿を行っています。
『Project:;COLD case.mirage』は1人プレイでしっかりと楽しめるデスクトップ型ミステリーアドベンチャー
『Project:;COLD case.mirage』は、2024年に実施された『Project:;COLD 2.0 ALTAR CARNIVAL』のパラレルワールドが舞台となっており、作中に登場するガールズバンド”都まんじゅう”、通称“みやまん”も『Project:;COLD』シリーズに登場するバンドです。
本作でスポットが当たる“蜃気楼の森火災事故”とは、あるカフェで起きた火事のこと。このカフェを貸し切りで利用していた5人の少女が犠牲になりました。記憶喪失から目覚めた主人公は、イオリ・ハートフィールドという未来の人物からの依頼を受け、この事件の真相を探っていきます。
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ここで間違いのないよう改めてお伝えしておくと、この記事で紹介する『Project:;COLD case.mirage』は、ARG作品ではありません。先ほど説明した“インターネットの情報や提供されるデータを元に事件の真相に迫る”という行動をゲーム内で体験するゲームになっています。
リアルタイムの参加が求められるARGに対して、こちらはコンシューマータイトルとして完結しているので、時間を問わずいつでも謎解きが楽しめる点はメリットと言えるでしょう。
それでありながら、ゲーム画面はPC画面を再現しており実際にブラウジングをしているような感覚でプレイできるため、“実際に存在している謎を解くために推理をしている”という没入感は十分すぎるほど。
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ゲーム画面はPCのデスクトップを忠実に再現しているので、普段のPC扱いの癖がそのままゲームに現れるのもおもしろさの1つだと感じました。マウスカーソルの速度まで調整可能で、設定をしっかりすれば、普段のPCを操作している感覚そのままでプレイできます。
そのため、整理整頓が好きな人はブラウザを使い終わったら閉じるなどしっかりと管理するのに対して、ずぼらな人は散らかった画面になってしまうことも。……それにしても、このやり方はうまいですね。現実の自分とリンクする感覚がゲームを遊んでいる内により強くなっていくんです。
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手掛かりとなる“復元された少女たちの人格”
謎解きを行う際にはSNSを通じた現代的な情報収集方法に加え、ゲーム内で現代には無い未来のソフトウェアである“Wizard”が登場します。
これには3つの機能があり、1つは被害者たちの情報を元にPC内に疑似人格形成を行う“Wizard:Human Emulator(ウィザード ヒューマン エミュレーター)”。疑似人格の彼女らも本人と同じく事件当時の記憶をもっており、そこから事件解決のヒントを聞き出せます。
これには3つの機能があり、1つは被害者たちの情報を元にPC内に疑似人格形成を行う“Wizard:Human Emulator(ウィザード ヒューマン エミュレーター)”。疑似人格の彼女らも本人と同じく事件当時の記憶をもっており、そこから事件解決のヒントを聞き出せます。
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調査に行き詰った場合は、とりあえず彼女たちに事件について何でも聞いてみましょう。相手は疑似人格とはいえ人間らしい反応をしてくれるので、ちょっとした反応の差異から手がかりを得られるかもしれません。
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人には誰でも隠しごとや触れられたくないことがあるもの。彼女たちの隠していることが明らかになってくると疑似人格がヒートアップしていき、深層モードに突入。その状態で適切な証拠や会話を選べなければ、PCが負荷で壊れてゲームオーバーとなってしまいます。
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昨今はAI技術の進歩が話題に挙がることも多いですが、“Wizard:Human Emulator”は、その未来に待っているものを予感させるようなシステムです。
人格再現からの記憶再現まで行くとまだ遠い先のお話である感覚が強いですが、遠からず我々が生きる現実世界でAI技術がこのまま進んだら……と、作中で展開する謎とは別軸でさまざまな想像を掻き立てられました。
彼女たちのスマホには表には出せない秘密が
もう1つは対象者の情報を元にスマートフォンのデータに遠隔アクセスできる“Wizard:Smartphone Emulator(ウィザード スマートフォン エミュレーター)”。これで表に出ていない情報を集めて“Wizard:Human Emulator”と組み合わせて彼女たちの隠しごとを暴いていきます。
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他人のスマートフォンをのそき見る行為には、謎の真相に迫っていく気持ちよさとは異なる、ゲームとはいえ日常では中々味わえない背徳感を覚えてしまいました。そこで知ったことを彼女たちに伝え、のぞき見したことをドン引きされるまでがテンプレートの流れ。
スマートフォンにはパスコードが掛かっているので、それを解読するのも謎解きの1つ。ヒントは手に入りますが、相手によってはそこから4桁の番号まで紐づけるのが難しい場合もありました。
困った時はAIの“相棒”がプレイヤーを助けてくれる
本作では、謎解きの手助けをしてくれるプレイヤーの相棒となるAIが存在しています。それがWizAIこと“Wizard:AI(ウィザード エーアイ)”――3つある“Wizard”の機能の1つです。ゲーム内のツールという形を借りつつ、ゲームの操作方法を教えてくれるなど、プレイするうえで何かと便利な存在です。ちなみに本作の紹介PVでもWizAIがユーザーのナビゲートをしてくれています。
このWizAI、単なるプレイヤーのナビゲートというだけではありません。中にはプレイヤーが見逃している(かもしれない)部分のヒントをくれたり、思考の手助けもになってくれる、ちゃんとした相棒でもあります。
ゲームならではの味付けとして、キャラクターっぽさが付与されていますが、現実でも「●●についてどういうケースが考えられる?」など、思考の“壁打ち”にAIを使うといったシーンは増えてきているので、数年後の未来にはWizAIみたいなソフトが登場して、一緒にゲームをしていてもおかしくないな、という感じがしました。
人生一度きりのゲーム体験がありました
謎解きゲームと聞くと、キャラクターを動かしていろいろな場所を巡ってヒントを集めるパターンを想像する方が多いかもしれませんが、本作の主人公はPCの前から動くことなく謎を解いていきます。
一般的なキャラクターを自由に動かせる没入感に対して、こちらは“座ってゲームをプレイしている状況と主人公をリンクさせる”ことによって没入感を生み出しており、この新鮮な感覚のゲーム体験には驚き、感心してしまいました。さっきも触れましたけど、自分のクセに沿ってデスクトップが変化していくのって、ゲームに入り込むためのエッセンスとしては相当強力です。
お腹がすいたな……みたいな生理的欲求で「あ、これってゲームだったわ」と引き戻された時、その没入感にゾクッとしましたもん。
一般的なキャラクターを自由に動かせる没入感に対して、こちらは“座ってゲームをプレイしている状況と主人公をリンクさせる”ことによって没入感を生み出しており、この新鮮な感覚のゲーム体験には驚き、感心してしまいました。さっきも触れましたけど、自分のクセに沿ってデスクトップが変化していくのって、ゲームに入り込むためのエッセンスとしては相当強力です。
お腹がすいたな……みたいな生理的欲求で「あ、これってゲームだったわ」と引き戻された時、その没入感にゾクッとしましたもん。
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ゲームメディアである我々が言うとメタい話になってしまいますが、作品をオススメする際に「実際に遊んでほしい」という決まり文句がありますよね。普段から使うその言葉に嘘はないのですが、本作に関してはそれどころか「お願いだから自分でプレイして……頼むから」と懇願したいレベル。
謎解きである性質上、真実に自分の足で一歩ずつ近づいていく感覚は、自分自身による最初のプレイでしか味わえません。本作にはその感覚に加えて、自分=主人公がPC操作をしているという臨場感もあり、自分で手を動かしてプレイする価値が相乗的に上がっています。
物語の顛末も唸らされる内容で、最初に提示された情報同士が線で結ばれていきます。しかも、その点同士の意外性が凄まじく「まさかソコとソコが繋がるとは……」となる展開なのです。世の中には“記憶をなくしてまた遊びたい作品”と呼ばれるものがありますが、間違いなく本作もそのひとつと言えるでしょう。
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昨今はゲーム実況や配信を見る文化が根付いておりますが、そんな今だからこそ本作のようなプレイすることに価値がある作品として本作を推奨したいと思います。
『Project:;COLD』シリーズと世界観が繋がっていますが本作は単独のゲームとして確立しているので、事前知識がなくても問題なくプレイできます。むしろ、その遊びやすさゆえに本作から『Project:;COLD』シリーズの本流がどういうものなのか気になってしまうかもしれません。
謎解きが好きな方はもちろん、インターネットに触れたことがある人であれば間違いなく楽しめる本作。真実はぜひ、ご自身の目でお確かめください。