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懐かしさと新しさが共存する『Outrider Mako ~露払いマコの見習帖~』レビュー:軽快なアクションと古き良き探索が魅力の和風2Dアクション【電撃インディー#1034】

文:あまも

公開日時:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、個人開発者Asamado Gamesが手がけ、PLAYISMがパブリッシングを担当する、2Dアクションゲーム『Outrider Mako ~露払いマコの見習帖~』のレビューをお届けします。

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 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!


迷い込んだ異世界で神様たちに荷物をお届け!【Outrider Mako ~露払いマコの見習帖~】


 本作は、神々のいる異世界“マヨイ”に落ちてしまった主人公“マコ”が、元の世界へ戻るためにブモン便配送センターの運び屋として異世界を駆け回る、見下し視点の2Dアクションゲームです。

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 運び屋といっても、ただ荷物を運ぶだけではなく、届ける荷物を自分で集めて梱包するところから始まったり、道中ではモノノケが襲ってきたり、ときには配送先の神と戦うこともあるというなかなかハードな仕事。

 プレイヤーは主人公のマコを操作し、そういった困難を乗り越えて、神々の御朱印を集めることになります。

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 奥深く歯ごたえのある戦闘や、和風レトロな雰囲気のなかに少し不気味さを感じる独特の世界観が楽しめる作品です。

“赤蜜”を駆使する歯ごたえのある戦闘【Outrider Mako ~露払いマコの見習帖~】


 戦闘の基本は、通常攻撃・溜め攻撃、ジャンプ、飛びつきに加えて、サブ武器や回復薬といったアイテムが存在する程度のシンプルなもの。

 敵の攻撃もそれぞれに特徴的な動きで、見切ってしまえば対処は難しくないですが、多対一の状況が多く、避けるだけでも精一杯だったり、うまく倒していかないとアイテムがカツカツになってしまったりと、歯ごたえのある戦闘が楽しめます。

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▲ジャンプ中にもう一度ジャンプボタンを押すことで、狙った柱や敵に飛び乗ることができます。
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▲遠距離攻撃をしてくる敵は距離をとりながら攻撃してくるため、複数に囲まれるとかなり厄介でした。
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▲サブ武器を使うと通常攻撃よりも威力や範囲の優れた攻撃ができますが、消費型なため、乱用は禁物です。

 そこに本作ならではのテイストを加えるのが、「赤蜜」になります。

 赤蜜は霊的エネルギーの塊で、フィールドの箱や敵からドロップし、最大50個まで溜められる消費アイテムのようなものです。そしてこれを敵などの対象にかけることで、敵の動きを一時的に止めたり、硬い敵やものを柔らかくすることができ、戦闘を楽に進めることができます。

 多対一の状況でも素早く敵を減らしたり、硬い敵をさくっと倒したりと、赤蜜を駆使することで、爽快感のある戦いを味わうことができます。

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▲フィールドで手に入る、このピンク色のゼリーみたいなものが赤蜜です。
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▲赤蜜のかかった敵には“天誅”という攻撃ができ、周囲の敵にも赤蜜を伝播させることができます。
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▲赤蜜をかけることで特殊な攻撃を出せる柱なども存在し、敵にかけるだけではなく環境的な使い道もあります。

 ただし、赤蜜をかけないと倒せない敵がいたり、回復薬の調合や硬い箱に入ったアイテムの回収にも使ったりするため、がむしゃらに赤蜜をふりまいて敵を倒せばいいというわけではなく、必要な場面・敵を見極める戦略性も重要になってきます。

 貧乏性気味な筆者は、戦闘で赤蜜をかなり控え気味に使っていたのですが、敵に負けるたびに「赤蜜をもっと使えばよかったなぁ」と後悔していました。でも回復薬もいっぱい準備したいし……という思いもあり、赤蜜管理のバランスが絶妙だなと感じました。

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▲回復薬の調合レシピ。赤蜜以外にも必要なものはありますが、やはり赤蜜が足りなくなることが一番多かったです。
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▲こういった鉄製の硬い箱を開けるためにも赤蜜が必要になります。

 この赤蜜という1つの要素で複数のシステムを管理していくというのが、シンプルながらも奥深さを生み出しており、手軽に遊びつつ単調になりすぎない作りになっています。

懐かしさも新しさも感じる王道の探索型2Dアクション【Outrider Mako ~露払いマコの見習帖~】


 本作をプレイしていて自然に感じたのが懐かしさでした。

 シンプルな操作・動きながらも敵の攻撃は痛く、ザコ敵でも緊張感のある戦い。

 依頼された納品物や戦いを有利に進めるアイテムを集める探索要素や、それに関わる謎解きなどのギミック。

 これらは正に、筆者がゲームボーイ時代に遊んでいたゲームのそれでした。なんなら当時プレイしていたゲームを思い出したりするぐらいには、懐かしさのある面白みを感じていました。

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▲何やら仕掛けがある様子。周りをよく見ればヒントに気づくでしょう。
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▲シューティングステージなんかもありました。

 ただ、懐かしさだけではなく、ちゃんと今のゲームなんだなと感じられる要素もあります。

 例えば、戦闘のスピード感は昔のゲームよりも速いです。前述の通り、本作では柱や敵に飛びつくことができます。これを使いこなすと高速で移動することができ、次から次へと敵に攻撃を仕掛けられます。

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▲敵から敵へ飛び移ることもできます。

 また、“天恵札”というランダムに手に入る強化要素もあり、自身の戦い方やボスに合わせて天恵を付け替え、戦闘を有利に進めていくことができます。こういったある種のビルド要素は昔のゲームにはあまり見られないと思います。

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▲天恵札は、依頼達成時の報酬やステージ上で手に入れることができます。
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▲通常攻撃で敵の遠距離攻撃を消せるようになる天恵札。遠距離攻撃がメインのボスに合わせるとめっぽう強くなれます。

 このように懐かしさと新しさが融合し、シンプルながらも飽きの来ないゲーム性に仕上がっています。

 戦闘システムや世界観に惹かれた方はもちろん、単純にレトロゲームが好きな方など、気になった方はぜひ遊んでみてはいかがでしょうか。

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