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聞いただけで伝播する取扱い注意の幽霊話をなぜか話す先生……【怖いけど面白い、コラムこぼれ話】

文:電撃オンライン

公開日時:

 現在電撃オンラインでは、ゲーム開発会社社長のホラー体験コラム「怖い話してもいいですか?」を連載中です。

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 コラムの執筆者・仁平孝佳氏は、たくさんのホラー話やエピソードに精通しており、背筋がゾクッとするコラムを楽しむことができます。しかし当のご本人はとっても明るくトークが上手な方で、お話を聞いていると、ホラーだけど笑ってしまうエピソードもたくさんあって……。

 ここでは仁平氏に改めてお話を聞きにいき、ホラーあり、笑いもあり(?)な、コラムこぼれ話をお届けしていきます。

小学校時代に先生に聞いた“〇▼さん”の話編


――連載が、いよいよスタートになりました。今のお気持ちはどうですか?

仁平さん:企画のきっかけは、会食の席で電撃オンラインの編集の皆さんに怖い話をしたのが始まりだったんですよね。

 そのときに久しぶりにホラー話をして、すごく楽しいなと思って。同席していたスタッフにも、エンジンがかかっていたといわれました(笑)。

――確かに苦手な方も多いですし、昨今ホラー・オカルト系の番組も減って来ていて、話題になることも少なくなった気がします。今日も、存分に話してください!

仁平さん:それが、いざコラムを書こう、話をしようと思うと、思い出せないんですよ。あんなに、いっぱいホラー話を知っていたはずなのに。

――改めて書く、話すとなると、出てこないことってありますよね。

仁平さん:そうなんですよ。だからコラムとも重なりますが、まず最初ということで、自己紹介的なお話をさせてください。

 私の場合は身近にホラー・オカルトがあったと言うよりも、気がついたらあったというパターンです。小学校、中学校、高校、大学と友人に、(幽霊などが)視えると言っていた人間が1人はいたんです。

 今思い返してみると、1番最初に視える人と出会ったのは、小学校5年生のときの先生でした。

 24歳くらいの若い女性の先生だったんですが、初めての挨拶で壁を殴り始めたんです。それを見て、えぇー!って思って(笑)。

――まだ本筋の幽霊にたどり着く前なんですが、かなり強烈なエピソードが(笑)。

仁平さん:生徒は皆、唖然としていましたね。何をしているのかと思ったら、「私はこのように、皆を校長から守っていくんで」と。え、校長ってそんな危険な存在なのと思いましたね。

――なぜ校長に対してそう思ったのかも気になりますが、かなり個性的な先生だったんですね。

仁平さん:変わっていて、熱血な先生でした。

 先生の授業は早く終わることがあって、普段はバスケットボールをしたり、ドッチボールをしたりして遊んでいたんです。

 それが、ある日急に「怖い話をしてあげようか」と言い出して。私は小学校1年生くらいから、友達と心霊写真の本を見て盛り上がっていたタイプなので、めっちゃ好きと思いましたね。女子生徒のなかには怖がっている子もいましたが、皆興味を持って聞き始めました。

 そのとき聞いた話が、名前を出すのも怖いんですけど、“〇▼さん”という幽霊の話です。後々わかるのですが、どうも口伝で憑りついていく幽霊で……。

 最初に先生の友達が、“〇▼さん”が亡くなる場面に遭遇して、事情聴取などを受け、名前を知ったそうです。そこから、先生のお友だちは霊障(霊的な影響、障害)に合うようになって……。

 記憶が古すぎて話の細部までは思い出せないんですが、インパクトが残っている話はありますね。

 寝ていると布団の足元の辺りに人の気配がして、周囲を子どもが走っている声がして、目が覚めると足元に上半身しかない“〇▼さん”がいる。でも、それで消えちゃうみたいな。

――それは、怖いですね……。

仁平さん:先生の友達はそれが何日か続き、さらに足を掴まれて、引きずりこまれるような感覚を体験するようになったそうです。

 そんな体験をしているということを、先生は屋台か何かで友達から聞いたらしいんです。その友達はかなりやつれていて、先生は自分が聞いて大丈夫なのか聞いたそうです。そしたら、「もしかしたら、アナタのところにもいくかもしれないから、そのときはお祓いにいこう」という話になったらしいんです。

 それを聞いて、すげー怖いし、ヤバイと思いました。本などは読んでいましたが、心霊の実体験は初めて聞いたので。教室も大騒ぎになっていましたし、なかには泣いている子もいました。

――大人の私が聞いても怖いので、小学生で、さらにホラー耐性も低い子には刺激が強そうです。

仁平さん:それなのに、先生は話を止めないんですよ(笑)。

――教室の騒ぎに動じないなんて、先生のメンタル強いですね。

仁平さん:そこから「実は今、私に来ている」となって、さらに教室がキャーと大騒ぎになりました。

 今どんな状況なのか聞いたら、足に痣があると。「それを見せると皆のところに来ちゃうかもしれないから、痣は見せないね」と言ってくれました。

 1回足を掴まれたけど、引っ張ることまではされなかったらしいです。でも、特徴が友達から聞いた“〇▼さん”そのものだったと。

 その後も何度か霊障に遭遇して、1回足を引っ張られたらしいんです。先生は「ヤバい、来る」と思って、「帰れ!」って叫んだら、逆に強く引っ張られたらしくて。

――先生もお相手の幽霊の方も、どっちも気が強いですね。

仁平さん:そうですよね(笑)。そのまま部屋中を打ちのめされたらしくて、「ここに痣があるんだよね」なんて話もしていました。

 先生はそのあとも授業が早く終わると、怖い話をしてくれました。苦手な子たちはベランダに避難し、聞きたい人だけに向けて。あとの話は実体験ではなかったので、“〇▼さん”ほどの衝撃はなかったですね。

 それが、私とホラー話を繋ぐ発端になった話です。


――初回から、かなりインパクトの強い出会いをされたんですね。

仁平さん:のちに出会う陰陽師に、先生に自覚はなかっただろうけれど、彼女が話したことは霊を移す行為だったと言われました。

 詳細に話しをすることで、聞いた人がイメージしますよね。想像のなかに描くことが、移すことなんだそうです。それを聞いて、なにーと思って。あれから40年……は嘘で、30数年経ちますが衝撃ですね。

 ちなみに陰陽師は、明確な意志を持って移されたことがあるそうです。

――想像することで、伝播されていくとは……。取り扱い注意なお話も、世の中にはたくさんあるんでしょうね。先生以外の視える方との出会いについても、お話を聞かせてください。

仁平さん:中学時代の友人は、少年少女自然の家のような宿泊施設に行ったとき、高い杉の木の上に人が座っているのを見たと。友人が「あそこに人がいるよね」といっても、ほかの人は視えないのか「いねーよ」と返され、嘘つき扱いをされそうになるから言うのを止めたと言っていました。

 そいつが夏場に窓を開けて寝ていると、勝手に布団の中に入って来て寝てるやつがいたらしいです。

――布団入って寝てるって、よく考えると怖くはあるんですが、最初のエピソードと比べてかなり平和だなと思ってしまいました。

仁平さん:高校時代のときにも、視えると言っているヤツがいました。ちなみに、そいつのあだ名は栽培マンです(笑)。髪型がそっくりだったんですよね。

 大学時代は、3人いました。1人はお寺に名前をもらった子で、「この子は強すぎるから、連れていかれるかもしれない。守ってあげてください」と言われたそうです。

――民俗学ですが、“七つ前は神の内 (7歳未満の子どもは神に属する)”という言葉もありますからね。子どもが違う世界に近いというのは、出身地的(東北)にはなじみのある信仰・感覚です。魔除けに、男の子に女の子の着物を着せて育てるなんて話もありますね。

仁平さん:そうですね。でも今の世の中では、「守るってどうするの?」と。お寺には、外に出すなと言われたんだったかな。そいつは年々力が弱まっていって、安全になっていっていると言っていました。

 2人目は視え過ぎて、大学卒業のころには人と違う存在が見分けられなくなっていました。もともとCDショップでアルバイトし、新しいアーティストを教えてくれるような、おしゃれでカッコいい系のヤツでした。

 しかし、大学卒業のころにはお風呂も入れなくなって……。一緒に出掛けた際に、田舎の大きな駐車場で、「あそこに人いるじゃん、視える?」と聞かれたことを覚えています。

 3人目は、明るくて「俺、視えるんだよね」って言っていました(笑)。

――視える人にも、そんなにいろいろなタイプがいるとは……。

仁平さん:衝撃的なのが、大学時代の友人3人全員に「お前はめちゃめちゃ憑いている」と言われたこと(笑)。すごい憑いているから気をつけた方がいいと言われたんですが、そもそもどうやって気をつけるのか。

 そんなこともあって、いつか本物の幽霊に出会うだろうな思っていました。

――ある意味、お墨付きをもらっているような状態ですしね。

仁平さん:自己紹介としては、そんな感じですね。でも実はホラーというよりも、どちらかと言えばオカルトが大好きで、神話も大好きです。

 いつか、そういうゲームを作りたいなと思っていました。ゆくゆくは本物に会いたいなと思っていたら、恩師の紹介で、先ほども少しお話した陰陽師と知り合ったんです。

――そうだったんですね。ぜひ、次回はその陰陽師の方とのお話を教えてください。本日は、ありがとうございました。

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