電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、Surgent Studiosが手がけ、Pocketpair Publishingがパブリッシングを担当する、サイコロジカルホラーゲーム『Dead Take / デッドテイク』のレビューをお届けします。
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なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
連絡の途絶えた友人の身に果たして何が起こったのか?【Dead Take / デッドテイク】
本作は、映画製作にまつわる俳優の葛藤や業界の裏側に迫るサイコロジカルホラーで、俳優でSurgent StudiosのCEO、Abubakar Salim氏の経験なども反映させたリアルな描写が特徴の作品です。
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舞台はハリウッドのとある豪邸。そこは、評価の高い作品を生み出しながらも、製作現場や人間性においていい噂を聞かない映画プロデューサー、デュークの邸宅であり、前日に最新映画の制作を記念したパーティが開かれていました。
親友のヴィニーは、そのパーティに参加したことを最後に連絡が途絶えており、主人公のチェイスは親友を探すためにその豪邸へと向かいます。
チェイスが到着した頃には、昨夜の華やかなパーティとは打って変わり、静けさに包まれて異質な雰囲気が漂います。
プレイヤーは、主人公のチェイスとしてそんな豪邸を探索し、謎を解き、物語の真相を暴くことになります。
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探索を進めていくと、ヴィニーの身に何が起こったのかだけではなく、映画に出演する俳優達の苦悩や思惑、デュークが映画界でどのようにのし上がってきたのかなど、直接的な演出による恐怖だけではなく、自らの欲望の為に人はどこまで歪むのかという人間への恐怖も味わうことができます。
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平然と目にしていたものが、突如として別の意味を持ち始める恐怖
ホラーゲームの醍醐味といえば、やはりその“恐怖”。驚かしたり襲われたり、何かが起りそうな雰囲気を醸し出したり、恐ろしいことを想起させたりなど、恐怖にも種類があると思います。
本作にもジャンプスケアだったり、何かが襲って来たりという恐怖がありますが、一番感じるのは心理的な恐怖でしょう。
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その心理的恐怖を味わえる特徴的なシステムに、USBに保存された映像を集めてそれを編集し、新たな手掛かりを得るという謎解きがあります。
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映像の内容は、映画に出演している俳優達のオーディションやインタビュー風景で、それ単体では製作の裏側を覗くメイキングを見ているような感じです。
しかし、特定の組み合わせで映像を編集することにより、始めは再生されなかった部分が見れたり、映像がかけ合わさって新たな映像になったりと、それらは違った顔を見せます。
今まで普通に感じていたものが、角度が少し変わるだけで異質さを見せ始める。そんな背筋に悪寒が走るような恐怖が味わえます。
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実写映像や点在するテキストによって深まるリアリティ
本作のホラー要素を支える大事な部分として、そこかしこで感じるリアリティがあります。
前述したUSBに保存された映像もその1つで、それらはすべて実写で撮影されています。
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小道具はあまり存在せず、動きも少ないチェストアップがメインの映像なのですが、表情や声色、間の取り方といった演技が素晴らしく、登場人物の感情がひしひしと伝わってきます。
もちろん、テキストや音声、アニメーション、CGなどでもそういった要素を伝えることができますが、やはり生の人間から見て取れる情報量は一味違います。
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また、その他にも各所で見つかる手紙やメールのやり取り、雑誌の記事といった読み物も現実にありそう感が溢れています。中でも雑誌は、こういうことがあったという事実だけでなく、関係者へのインタビューや書き手の所感なども書かれていて、本物のゴシップ誌を読んでいるような感覚でした。
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細かいところではありますが、このような“現実味”があることで、より想像しやすく、よりリアルに出来事を感じられ、本作の恐怖が増しています。
細部まで作り込まれ、人の恐ろしさをリアルに感じられる本作。進むごとにより深部へと入り込んでいく逆脱出型の謎解き要素も、難し過ぎない難易度で楽しめます。
あなたも本作をプレイして、幽霊や化け物ではない、ただの人間が生み出す恐怖を感じてみませんか?
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