その発売を目前に控えた8月22日~24日に、吉祥寺の“GALLERY IRO”で“OU 原画展”が開催中です。そのフォトレポート+おまけ的な考察・解釈記事をお届けします。


※だいじなおはなしが、あります。この記事には『OU』のネタバレが含まれています。エンディングに関連した原画・イラストも掲載しておりますので、本編クリア後の閲覧をおすすめします。
索引
閉じるこれぞウクロニアの顕現。来場者の解釈と印象によって形を変える素晴らしき世界【OU 原画展】
絵本とも哲学とも称される『OU』。その世界を構築する大量の原画やラフスケッチ、開発資料が展示された“OU 原画展”は、当然ながらゲームのエンディングまでたどりつき、エンディング曲『おまじないのように』を聴いた方こそ、最大限楽しめるものと言えるでしょう。



本来的には記事ではなく、実際に会場に足を運んで自分の目で原画を楽しむことをおすすめしますが、まずはネタバレが少なめの展示物を中心にしたフォトレポートをお届けします。
フォトレポート1:額に飾られた原画の数々






創作物(物語)を読んだ受け取り手(個人)がどう感じるか~解釈と印象によって生まれる世界・ウクロニア
そもそも『OU』の世界である“ウクロニア”は、ゲーム終盤で非常に特殊な世界であることが明かされます。それは、創作物(物語)を読んだ受け取り手(個人)がどう感じるか=解釈と印象によって生まれる世界。以下、ゲーム内の用語集の一部をを転載します。
ひとつの創作物(物語)とそれを手にして読んだ個人の間に発生する「解釈」と「印象」の世界であり、本来は不可視で観測できない抽象的領域の世界である。
ウクロニアは創作物と受け取り手(個人)の組み合わせにより生まれるため無限に存在する。
ただし、それぞれのウクロニアはその個人が忘却したりこの世から去ると同時に消滅していく。
さらっと重大なネタバレではありますが、仮にこの情報を知ったうえで『OU』を遊んでも、そこで受ける感動を大きく損なうものではないと思っています。この世界観を把握したうえでどう物語を解釈していくかも、『OU』ならではの楽しさであり、深みですので。
そんな余談をはさみつつ、『OU』をクリア済で“OU 原画展”を訪れた方の多くは、原画を見ながら物語を思い出していく中で、個々人それぞれのウクロニアを発生させていくことになるのではないでしょうか。
少なくとも筆者は、とても心に残った泣き女やジェミニ、主人公の正体について想いをはせながら“OU 原画展”を楽しみ、自分なりのウクロニアが生まれていくことを感じました。これはゲームを遊んでいた時とは、また異なるウクロニア。エンディング曲『おまじないのように』を脳内でリフレインさせながら、原画やラフスケッチ、そしてそこに書かれた文字を楽しむことで、新たな発見や解釈が生まれていきます。
フォトレポート2:ファイリングされたラフスケッチや背景原画など



































『OU』を遊ぶと考察・妄想したくなる……そんな方は原画展にぜひ!
これは個人的な解釈で、ある意味では妄想でもあるものですが、主人公が水面に飛び込むことで別の場面へ移動することと、クツをはかずに裸足(はだし)で歩くことがゲーム序盤からずっと気になっていまして。
水面に飛び込む移動についてはゲーム中に冗談交じりで「場面転換しやすい」なんて理由も語られていましたが、ゲーム後半で明かされる主人公の正体を加味して考えると、ある意味で濡れてダメになる、もしくは濡れて乾くという死と再生的なプロセスも含まれているのではないかと思うようになりました。
サリーの尻尾の火なんかも、主人公の正体とあわせて考えると、なかなか危ういところがありそうだなあとか。
サリーから、「何でもない存在」=「OU(無)」という名前をつけられた主人公。OUは、ユートピアという言葉にも使われていますよね。OU(無い)+TOPIA(場所)で、転じて“理想郷とは、どこにもない場所である”みたいな(諸説ありますが)。
そんな主人公が物語中にクツを手に入れるという部分も、いろいろと解釈や考察が捗りますよね。作中では記憶のメタファー的な描写もありましたが、自分としてはもっとストレートに「裸足では行けない場所にも行けるようになる→自立して活動範囲・行動範囲が増えていく」というゴールというか、さらなる冒険へとつながっていくような気持ちで主人公がクツをはくことを願っていました。このあたり、必ずしも創作物で表現されていることがすべてではなく、時には作者の思惑を超えた(もしくは外れた)解釈をしていくことも、ウクロニアという世界らしいのではないかと開き直りつつ“OU 原画展”を楽しんだ次第です。
ここまで読み進めた方が『OU』をクリアしていないなんてことはないと思いますが、万が一『OU』をクリアしていない場合、急いでクリアしてから“OU 原画展”に行くことをあらためておすすめします。個人的には、脳内でエンディング曲『おまじないのように』が流れるほうが、“OU 原画展”を最大限楽しめると信じていますので!

もはやこの原画展自体が「おまじないなんだよ……」と、心の中で感謝をしながら楽しんできました。ウクロニアを生み出せる解釈力が高い『OU』ファンの方は、ぜひ現地で生原画のオーラを感じてきてくださいませ。8月24日(日)までの開催なので、悩まずどうぞ!
“OU 原画展”開催のおしらせ


ギャラリーでは原作者・幸田御魚(こうだおさかな)氏、直筆の原画を展示。幸田氏が描く、ボールペンによる繊細な筆致によって表現された豊かな感性が織りなす『OU』の世界は、観る人の心を優しく包み込みます。
ゲームとは違った原画ならではの迫力と温もりを、ぜひ会場にてご体感ください。初公開の原画も多数展示予定です。皆さまのご来場を心よりお待ちしております。
開催概要
【タイトル】
OU 原画展
【開催日時】
8月22日(金) 15:00~18:00
8月23日(土) 12:00~18:00
8月24日(日) 12:00~17:00 ※最終日は17時まで
【入場料】
無料 ※混雑時は入場制限を行う場合があります。
【会場】
GALLERY IRO(ギャラリーイロ)
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-37-7-101 JR/京王井の頭線 吉祥寺駅より徒歩約7分

GALLERY IRO(ギャラリーイロ)

「GALLERY IRO」は、複数の展示スペースがあるギャラリーで、週末を中心にアーティストの展示が行われている。開催されるイベントジャンルは、絵画、イラストレーション、陶器、ガラス、写真など幅広く様々。
●WEBサイト
●X(Twitter)
Nintendo Switchパッケージ版『OU』概要

パッケージ版『OU』には、「通常版」「愛蔵版」の2種類があります。初回限定生産となる『OU 愛蔵版』は、「通常版」パッケージに加え海外児童文学書のような特装箱に複数のオリジナル特典を同梱いたします。
<愛蔵版特典>
1.特装箱
2.オリジナルサウンドトラックCD
3.ピクチャーカードセット
4.漫画「OUオブシディアナ」
5.両面印刷ジャケットゲームソフト ※通常版特典
6.OUしおり ※通常版特典
7.G-MODEアーカイブス「セパスチャンネル」※通常版特典
【タイトル】OU(オーユー)
【発売日】パッケージ版:2025年8月28日(木)
【価格】通常版:4,200円(税込み)愛蔵版:9,480円(税込み)
『OU(オーユー)』とは?





「だいじなおはなしが、あります。」
どこか遠い日々に見た、おぼろげな景色のような世界・ウクロニア。
干上がった河原で、記憶を失くした状態で目覚めた少年「OU」。
尻尾に火をつけたオポッサム「サリー」に誘われ、自身の物語を追う旅に出かける。
彼を追う「サウダージゴースト」。
主人公と瓜二つの「ジェミニ」。
悲劇に誘う「泣き女」。
様々な存在と出会いながら、物語とその結末は変化していく。
懐かしい児童書の挿絵のような柔らかなペンで描かれた世界。
どこか郷愁感のある、ギターをはじめとした楽器の演奏による音楽。
そこで展開するのは「だれかのための物語」 現実との接点を持ち、アドベンチャーゲームの形をした「何か」。
「OU」はゲームに対する一つの挑戦でもあります。
【タイトル】OU(オーユー)
【発売日】ダウンロード版:2023年8月31日 配信開始
【価格】ダウンロード版:2,400円
【ジャンル】ピクチャレスク・アドベンチャー
【プレイ人数】1人
【対応機種】Nintendo Switch(TM) / Steam
【対応言語】日本語,英語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,中国語 (簡体字),スペイン語,ポルトガル語
【CERO】B