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【ほぼ週刊電撃スタッフコラム:オッシー】『リトルナイトメア3』クリア後感想ネタバレ注意。ラストが切な過ぎる。映画『俺ではない炎上』一番のミスリーディングは●●の幼少期を俺達が知りすぎていること

文:オッシー

公開日時:

※この記事には『リトルナイトメア3』『CARIMARA: Beneath the forlorn limbs』映画『俺ではない炎上』の重大なネタバレがありますので、ご注意ください。

 みなさんこんにちは。週末にコラム書き溜めようと思って気づいたら『ポケモンZA』面白すぎて一文字も紡げてない。

 こうやってクリアしたゲームが溜まっていって、コラムが進まないのよね。なんなら先週クリアしたゲームの内容を忘れているまである。おじいさん、それは先週クリアしたゲームですよ。

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 老化が止められないオッシーがスタッフコラム22回目をお送りします。すべて先々週~先週の話です。


 このコラムでは、狂ったようにプレイしている日々のゲーム体験や、ゲーム以外の趣味である映画鑑賞などで摂取したエンタメコンテンツを、短文レビュー形式でお送りしています。

 今回は配信でやったゲームと劇場映画一本。
すべてクリア後感想なのでネタバレ注意!

タイトル:『リトルナイトメア3』
プレイ状況:PS5版 クリア済み

 大好きな『リトルナイトメア』シリーズの最新作! 息子も好きなので、(インディーじゃないけど)親子インディー配信で無理やりプレイ。

 今回は開発会社が変わって俺達のスーパーマッシブゲームズ開発。筆者の大好きな『アンティルドーン惨劇の山荘』や『クアリー悪夢のサマーキャンプ』の開発で有名なスーパーでマッシブなゲーム会社。

 『リトルナイトメア』はスーパーでもマッシブでも無さそうだけどだいじょぶそ……?

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▲巨大赤さんがスーパーでマッシブと言えなくもない。

 大丈夫でした! こんなミニマムで繊細な世界観も表現できるんだなと感心。だってイケイケのチャンネーとマッチョな男がキャッキャウフフしながら殺人鬼に狙われるゲームばっかりのイメージだったからさ……。

 なんといっても、今作の特徴は二人プレイ。ロゥとアローンという二人が主人公。全然気づかなかったけど、スパナ使いのアローンが女の子、弓使いのロゥは男の子だって。

 いつものシリーズ通り、怪物や巨大な生物が跋扈する悪夢のような場所を、謎を解きながら進めていく。巨大な怪物の家に迷い込んだ気分で探索していくのはシリーズ恒例で楽しい。

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▲見つかったら終わりな怪物の後ろをそろりそろり。これがリトルナイトメアの醍醐味。

 主人公はそれぞれ特性があって、ロゥなら弓でロープを切ったりできるし、アローンはスパナで仕掛けを回したり、重いボタンを押したりできる。二人プレイなら協力しながら、一人プレイの時はAIが自動でもう一人を操作してくれるので安心。

 なんならAIの方が賢い場面もあった。ボス戦で先に安全地帯に行ってくれるので、追いかければOK、みたいなね。

 二人で力を合わせて重い扉(といっても怪物=住人的にはキャットドアくらい)を開ける場面がたくさん出てくるんだけど、先に入ったほうが手を伸ばして引っ張ってくれたり、細かい仕草がカワイイ。芸細よね。

 アクセシビリティがしっかりしていて、触ることのできるオブジェクトの強調表示とかも設定できる。これがかなり便利。『リトルナイトメア』は絵画みたいな美しいビジュアルな分、背景なのかオブジェクトなのか分からないことも多いので、これがあると助かるのよ。

 でも、強調表示は便利な反面、雰囲気を壊しちゃうこともあるので、普段はOFF(デフォルトもOFF設定になってる)で、どうしても詰まった時にONにするのがオススメ。

 それで、肝心のストーリーだけど……かなり切ない。

 今回は、冒険パートの幕間で、ロゥっぽい男の子が自室で軟禁(?)されているような場面が挿し込まれる。そこで、監視者の目をかい潜って、アローンっぽい人形と遊んでいる描写が……。シリーズ中でもかなり明確に「子供のみた悪夢」感が出ていたように思った。

 また、今回は先述の通り、二人が協力しながらの冒険なので、セリフは無いものの、仕草などで二人の絆が深まっていくのをちゃんと感じるのよ。

 時には意見の違いで喧嘩っぽくなったり。

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▲ふたりで協力しながら進むのは微笑ましい。

 そんなこんなで、様々な困難をくぐり抜けてたどり着いた結末は……。

 相変わらず最後までセリフは無いので、考察というか各人で感じるしかないんだけど……最後のロゥの、割れた鏡の欠片を戻そうとする仕草はちょっと目頭が熱くなった。

 追加DLCは予定されているみたいなので、何かしらその後の話があったらいいな!

■電撃インディー親子配信のアーカイブはコチラ

借りたものを返さないと収拾つかなくなるという教訓

タイトル:『CARIMARA: Beneath the forlorn limbs』
プレイ状況:Steam版 クリア済み

 インディーホラー配信でプレイ。1~2時間で終わる配信向きと聞いていたのに、クリアまで2時間オーバーで、えっ! 自分の謎解き力…低すぎ!?

 短編らしく、舞台は老婆の家と地下、周辺ぐらいと狭い。主人公はカリマラという、老婆に頼まれ地下に棲み着く幽霊を何とかする為にやってきた妖精みたいな存在。

 カリマラは喋れないので、会話やオブジェクトを調べてカードとして入手し、それを使ってコミュニケーションする。

 一見、『インスクリプション』みたいなゲームかと思ったが、別にカードゲームするわけではなく、どちらかというと昔の総当り式アドベンチャーみたいなゲーム性だった。

 カードは使ったら無くなるわけではなく、どんどん蓄積されていくので、最終的にはTCGのミニデッキくらいになる。それを老婆やフクロウなど、登場人物に投げかけて反応を得ていくので、最終的には膨大な数のカードチェックになったりする。(とはいえ、登場人物自体が少ないので、そんなに大変では無い。)

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▲間違いなく今作のMVPのフクロウ。口は悪い。

 ゲームの目的自体は、地下の幽霊との問答で、「幽霊(被害者)の正体」と「殺した方法(凶器)」と「殺した者(犯人)」の3枚をカードで示せればクリア。一枚だけ正解、とかは出ないので、3枚を完璧に当てなければならない。

 これが結構難しくて、解ける人はそれこそ1時間足らずでクリアできる可能性も十分にあるが、筆者はかなり時間がかかった。

 実況配信でやっていたので(恥ずかしくて)焦ったけど、こういう推理力を試されるゲームは楽しい!

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▲結構しっかりした推理ゲームで、ちゃんと演繹推理しないと正解は導けない。

 金額もかなりお安いので、知恵比べ感覚でプレイしてみて欲しい。世界観も独特だけど、色々と妄想が膨らむいい塩梅。

 老婆とラベンダーちゃんが最強の斧使いコンビだったとかね。

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▲老婆も最初は顔こえーな、とか思っていたけど、ラストを迎えると切なくなるよ。

 どうしても迷ったら実況配信に答えがあるので見て頂ければ。

 1時間くらい謎が解けなくてウロウロしているだけのダメダメ配信だけども。

■電撃インディー配信のアーカイブはこちら

 お次は劇場公開映画。
ネタバレしまくるスタイルなので注意!

あんたが諸悪の根源だからだろうがぁ! って言われるほどでは無くない?(涙目)

タイトル:映画『俺ではない炎上』

 劇場で度々予告編を目にして、芦田愛菜ちゃんの「あんたが諸悪の根源だからだろうがぁ!」のセリフが気になって鑑賞。絶対に炎上させるSNSの施策も面白かったしね。

 結果、大当たりだった!

 昨今のキャンセル・カルチャーの風刺映画的な内容かと思っていったら、まさかのガチンコのミステリ・サスペンスでびっくり。内容も滅茶苦茶面白い。

 主人公の阿部寛はハウスメーカーに勤める営業部長。都内に一軒家を構え、妻と娘がいる。まさに勝ち組。ネット関係は疎いものの、仕事はバリバリだし、部下からの信頼も厚く、家庭サービスにも余念がない(と本人は思っている)。

 そんな阿部寛のSNSアカウントが突如炎上する。アカウントが乗っ取られ、殺人を告白する投稿をしたからだ。アカウント自体は十数年前に作られたものなので、これは信頼できる投稿だと拡散され、順風満帆な人生を送っていた阿部寛は突如殺人容疑者として逃避行を繰り広げることになるのだった。

 そもそも、”阿部寛のホームページ”で有名な阿部寛がSNSで炎上する、という設定だけで面白い。こういう上司いそうだしね。中年~壮年にしてはガタイ良すぎるが、「普段からランニングしている」設定の阿部寛なのでOKとなるのも面白すぎ。

 物語は、複数の視点で語られる。

 まずはメインの阿部寛の逃避行。私人逮捕系Youtuberみたいな輩に襲われたり、場末のスナックで一夜を明かしたり、元部下に助けを求めたら無下に扱われたりとバラエティ豊かな展開。

 逃げ延びた先に、取引先のモデルハウスがあり、そこに辿り着くために阿部寛は半裸になったり崖から飛び降りたりする。多分、物語的には必要ないくだりだけど、阿部寛の肉体美を見せつける為だろうからしゃーない。最高に面白い。

 次は、被害者の親友を名乗る女子大生の芦田愛菜&投稿を最初に拡散した大学生コンビ。犯人だと目されている阿部寛を追いかける。投稿拡散大学生は巻き込まれた感じなのに、芦田愛菜ちゃんのアタリが強くて可哀想(理由は後で分かる)。

 3つ目の視点は、事件を追う刑事コンビと事情聴取される阿部寛の奥さん(とその母親)。炎上して阿部寛の家は特定されているので、娘ともども、奥さんの実家に避難していて、そこで事情聴取を受けている。

 最後は、阿部寛の娘視点。小学生くらい。父親の無実を晴らす為に、パソコンの大先生的な男の子の友達と一緒に事件を調べたりする。

 この4つが絶妙に交差して話は進むんだけど……いやー、見事に騙されたね。言ってしまえば叙述トリックなんだけど、原作の小説は文章での叙述トリックとして、映画だと構成の妙でミスリーディングさせるのが上手いのよ。

 最近は、『十角館の殺人』とか、“映像化不可能”みたいなミステリ小説を実写化するのが増えてきたけど、制作サイドが知恵を絞って視聴者を騙そう(いい意味で)としているのが伝わってきて感動すら覚える。こういうのって、ネタバレを知っている原作ファンも「どうやって実写化するんだ?」というもう一つの楽しみ方ができていいよね。

 話は戻って、筆者(原作小説未見)は見事に騙されたわけだけど、言い訳させてください。

 いやね、犯人は大体分かってたのよ。というか序盤で出てきた時点で怪しさ満点だったやん? だって芦田愛菜ちゃん怪しいじゃん。でも俺たちの芦田愛菜ちゃんがパパ活とかするわけないじゃん。だから被害者の女がパパ活やってたって時点で、「こんな事をやってるやつと芦田愛菜ちゃんが本当に親友なわけない」って思ってたわけ。

 ところが一方、犯人と、その幼少期はビジュアルが結構似てる。髪型とか。なので、薄々その仕掛けに気づき始めてたのよ。これ犯人の幼少期じゃね? って。

 でも、そこで思うわけ。「芦田愛菜ちゃんの幼少期はこんな感じじゃなかったよね?」って。だって筆者は芦田愛菜ガチ勢やから。マルモリ言ってた頃はもちろん、ファーストソロシングル『ステキな日曜日〜Gyu Gyu グッデイ!〜』も買ったからね。『パシフィック・リム』でハリウッドデビューした時も泣いて喜んだわけよ。

 そんな筆者が言うんだから間違いない。この子は芦田愛菜ちゃん(の幼少期)じゃない! つって。

 ……それが最大のミスリーディングだったなんてね! こりゃ一杯食わされましたわ。素晴らしいキャスティング。脱帽です。多分、そんなこと言っているの筆者だけだと思うけど……。

 そんなこんなで、阿部寛の肉体美や家族愛やSNS社会への風刺やらをいっぺんに味わえて、さらに上質なミステリも堪能できる素晴らしい映画だった。

 ちなみに、芦田プロの名台詞「あんたが諸悪の根源だからだろうがぁ!」は、てっきり●●に言っているのだと思ったら、別の人物へのセリフだったのよ。驚き。

 正直、そこまで言うほど悪いことをしてなくない? と思わなくもなかった。まあ自分が一番悪いと分かった上で責任転嫁してのセリフだから仕方ないね。

 そんな微妙な感情の機微も表現できる芦田愛菜ちゃんが最高ってこと。劇場公開から時間経ってるので、そろそろ終映の可能性高いが、ぜひ配信にきてからでもいいので見て欲しい。

 あと『ステキな日曜日〜Gyu Gyu グッデイ!〜』の芦田愛菜ちゃんが天使すぎるので全人類が見て欲しい。現場からは以上です。

■芦田愛菜 - ステキな日曜日~Gyu Gyu グッデイ!~

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