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『グローランサー』休暇中に知る新たな一面。あまり見ないシステムだけど仕事の後に休むのは当たり前では?【メモリの無駄づかい】

文:紅葉つかさ

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 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は本日26周年を迎えた『グローランサー』です。

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思い思いの休暇を過ごしてもっと仲良く


 大陸を股にかけた壮大な物語が描かれる長編RPG『グローランサー』は、ノンストップドラマチックRPGというジャンル通り、シナリオやイベントが発生し、最初から最後まで途切れないことが特徴のタイトルです。

 1999年11月25日にPSで発売後、2009年5月には新規キャラやルートを追加したPSP版が発売されました。筆者がプレイしたのはPSP版です。

 おもしろいシナリオや個性的なキャラなど本作の魅力はたくさんあるのですが、個人的に好きだったのは“休暇”というシステムです。

 主人公たちはシナリオの中で任務をこなすと1~3日の休暇がもらえます。この休暇は仲間との交流を通して好感度を上げられ、好感度によってエンディングが変わるようになっています。

 そもそも、ゲームをプレイしていると「キャラたちが全然休んでいなくない?」と思うことがあります。操作しているのは自分なので、操作していないときに休んでいると言えばそうなのですが、シナリオ的には全然休んでいません。週7日出勤しているようなものです。

 『グローランサー』の休暇は仕事の後には休日がある。5日出勤して2日休日みたいな感じですね。当時はシステムとしか認識していませんでしたが、休みがあるのはふつうですよね。妙に現実的でリアル。

 少し話がそれてしまいましたが、皆さんが休日に家でゴロゴロしたり、どこかに出かけたりするようなことをゲームの中でもできるというわけです。

 誰かと話せば、一緒に遊んだり、どこかに出かけたりして好感度が上がっていきます。シナリオ中には見られなかった一面もたくさん用意されているので、単なるボリュームの水増しとして用意されたものではありません。自分の好きな順番でキャラを深掘りできるんです!

 うるし原智志氏が描く個性的なキャラは見た目も素晴らしいですが、1人の人間として見たときにもキャラが立っています。シナリオでも見せ場がたくさんありますが、そこでは見られない一面が見れるとなったら、見たくなるのがゲーマーの性ではないでしょうか。

 女性キャラとは恋愛的な要素が絡んでくるのも見どころです。主人公の妹・ルイセは最初から最後までほとんどいっしょにいるのですが、シナリオで出生などが判明して、休暇で関係性が変わってきます。最終的には……。個人的にはそう着地するのかという驚きがありましたね。

 ただ、この休暇には問題もあります。キャラとのイベントが発生すると時間が進んで行くので、シナリオ後半の休暇ではすべてのキャラのイベントを発生させられないのです。その休暇中にしか発生しないイベントがあるので、計画を立てるのは必須。

 浅く広くイベントを発生させるか、深く狭くイベントを発生させるか。とても迷います。体はひとつしかないので、すべてできるわけがないのは当たり前といえば当たり前ですが、悩ましい問題を突き付けてきます。ちなみに筆者はこういったイベントはすべて見たい派なので、セーブ&ロードや周回を重ねて全部見ました。

 周回もしていると書きましたが、休暇でキャラのことを深く知ってから、シナリオを読むと違った見方ができるので、周回を重ねてもシナリオを違った楽しみ方ができます。PSP版では新しいシナリオが追加されて途中でルート分岐するようになったので、楽しさは倍増。すべて見るのはたいへんでしたが、それだけの価値はあったと断言できます。

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