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『神プロ』『あやらぶ』『れじぇくろ!』の推しキャラが勢揃い! テクロス4年ぶりの最新作『テクロノス』誕生秘話

文:しゃれこうべ村田

公開日時:

最終更新:

 DMM GAMESにて『神姫PROJECT』、『あやかしランブル!』、『れじぇくろ! ~レジェンド・クローバー~』(以下、『れじぇくろ!』)などを制作してきた株式会社テクロスから、2026年に約4年ぶりとなる待望の新作タイトル『テクロノス』がリリースされます。

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 DMM GAMESとの協業により生まれたこのプロジェクトの立ち上がりからリリース後の展望までを、テクロスの辻拓也氏とDMM GAMESのパブリッシングを担当する合同会社EXNOAの伊藤正和氏に伺いました。

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▲左:株式会社テクロス・辻拓也氏、右:合同会社EXNOA・伊藤正和氏。
※本記事はDMM GAMESの提供でお送りします。

危機的状況を乗り越えて生まれた約4年ぶりの新作


――まずは、テクロスさんとDMM GAMESさんの関係についてお話を伺えればと思います。

辻拓也(以下、辻)
テクロスの辻と申します。テクロスは2009年1月に設立し、現在創業17期目を迎えています。2012年ごろからDMM GAMESさんでゲームを展開しており、これまでの約14年間で30タイトル以上を供給させていただきました。

伊藤正和(以下、伊藤)
合同会社EXNOAでスタジオ長を務めております、伊藤と申します。テクロスさんが開発・運営されているタイトルのパブリッシングを担当しております。今回の『テクロノス』についても、テクロスさんと協業しておりまして、テクロスさんが開発を、私たちがパブリッシングを担当しています。

伊藤さんと僕の関係でいえば、10年くらい前の『マブラヴ オルタネイティヴ ストライク・フロンティア』(※)でご一緒させていただいてからのお付き合いになります。

※『マブラヴ オルタネイティヴ ストライク・フロンティア』:2016年から2018年にかけて展開していた、『マブラヴ オルタネイティヴ』シリーズなどのキャラクターが登場するブラウザゲーム。

――イメージとしてはデベロッパーとパブリッシャーのような関係になるかと思いますが、DMM GAMESさん側からゲーム内容に対して意見を出されるようなこともあるのでしょうか。

伊藤
弊社内でパブリッシングを行っているタイトルであれば、企画内容を弊社からご提案することも多いです。ただ、テクロスさんと一緒にやっているタイトルに関しては、より対等な立場で、共同開発に近いかたちになっています。弊社からご提案を出すことももちろんありますが、両社でしっかりと話し合ってお互いの意見をぶつけています。

かなり踏み込んだ提案も聞いてもらっています(笑)。僕らもずっと自分たちでモノづくりをしてきているので、いわゆる受託事業としてではなく、こちらの意見を素直に言わせてもらっていますね。ときには喧々諤々としつつ、向き合いながらモノづくりをしています。

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――現在も続いているテクロスさんのタイトルを見てみると、『神姫PROJECT』が2016年にサービス開始、『あやかしランブル!』は2019年、『れじぇくろ!』は2021年とコンスタントに新作がリリースされていました。今回の『テクロノス』は約4年ぶりの新作となりますが、新作の登場にここまで時間がかかったのには何か理由があるのでしょうか。

新作を作ろうという考え自体はずっとあったのですが、企画を出してみてもいまいち的を射ていないような、迷走状態が続いていたんです。

 そのうえで、社内でも事業の優先順位や体制をめぐって揺れた時期があり、ゲーム事業にしっかり向き合う体制を整え直す必要がありました。正直、その過程でDMM GAMESさんにもご心配をおかけした部分はあったと思います。

――かなりシビアな状況だったんですね。

その後、僕とその代表とで話し合って、ゲームと非ゲームで会社を切り分けることにしました。それが2023年のことですね。そのときに経営体系も一新し、僕がゲーム側の会社をすべて見ることになりました。

 2023年にゲーム事業とそれ以外の事業を切り分け、僕がゲーム側をまとめる体制に変えたことで、あらためて「ここからちゃんと新作をやっていこう」と腹を括れたんです。そこから伊藤さんたちとも密に相談させていただくようになり、『テクロノス』の企画も前に進み出しました。

伊藤
そのあと2024年にテクロスさんはオフィスを移されているんですよね。昔はオフィスが二つに分かれていたんですけど、いまは大きなワンフロアで繋がっていて、開発しやすい環境なんです。テクロスさんの16周年パーティーの際にお邪魔したのですが、すごく風通しがよくなっているなと思いました。

そうですね。ちょっと歩けば別のプロジェクトのデザイナーやエンジニアがいる、みたいなかたちになっていて、社員一丸となってゲームに向き合えるような体制を取っています。テクロスとしても約4年ぶりにお届けできるタイトルですので、これまでに出してきたタイトルが持つ魅力も活かせるよう、テクロス渾身の作品として制作を行っています。

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伊藤
テクロスさんの新作がなかなか出てこないな、というのはSNSなどでもお客様のなかで話題になっていたんです。『れじぇくろ!』から約4年ぶり、久しぶりの新作となるので、お客様にも期待していただけていると思いますし、私自身も期待しています。

――ある種の危機的な状況を乗り越えて作られている『テクロノス』ですが、今作はテクロスさんの手掛けた3タイトルが一挙に集うというのも特徴的ですよね。

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伊藤
テクロスさんのタイトルはどれもお客様からとても人気で、これまでに多くの魅力的なキャラクターが生まれてきましたし、各タイトルの世界に対してもご好評をいただいています。

 ただ、これはどのタイトルにも言えることですが、そのゲームをプレイしないことにはキャラクターたちの魅力にも触れられないじゃないですか。加えて、長く運用していくなかで新たなキャラクターを継続的に出す必要がありますが、その結果として過去のキャラクターにスポットが当たりにくくなる側面もあると思うんです。

 そこで、これまでのタイトルで登場してきたキャラクターに新たなスポットを当てる場を生み出せば、そのキャラクターに魅力を感じていたお客様にも楽しんでいただけますし、同時に新たなお客様にとってもそういった魅力的なキャラクターを知る入り口にもなると思ったんです。そういった発想から生まれてきたのが『テクロノス』ですね。

――新たな企画が立ち上がっても迷走していた時期があった、とのことでしたが、『テクロノス』にゴーサインが出ることとなった決め手は何だったのでしょうか。

伊藤
やはり、それぞれのタイトルを繋ぐ作品である、ということが大きいかなと思います。先ほどもお話ししたように、どれだけキャラクターが魅力的でも、ゲームを知らないとその魅力に触れられないじゃないですか。

 そのキャラクターを知らなかったお客様にとっては魅力に触れる新たなきっかけに、そして元のタイトルを知っているお客様にとってはそれまでとはまた違う一面を見られる場になれるんですよね。そういった場を作ることで、これまでに紡いできたよい作品を、より長く楽しむことができるんじゃないか、と。そこがひとつの決め手でしたね。

ヒット作3本が集まるお祭りタイトルながら、単体でも楽しめる作品に


――『テクロノス』がどういったタイトルになるのかについても伺いたいのですが、テクロスさんのタイトルが集まるということで、やはり賑やかな雰囲気になるのでしょうか。

これまでにテクロスが出してきたヒット作の人気キャラクターが一挙に集まる、まさにお祭り的なタイトルです。もちろん『テクロノス』オリジナルの新キャラクターも出てくるので、既存タイトルをご存じの方だけでなく、新規のお客様にも楽しんでいただけますし、昔遊んでいたという方にも懐かしいと思ってもらえるようなものになっています。

 本作はより広いユーザー層に届けていくことをコンセプトにしていますし、DMM GAMESさんのプラットフォームとしてもシリアス寄りなものよりはワイワイしたもののほうが受け入れられやすいかなと思っておりますので、お祭りらしく楽しめるタイトルとなっています。

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――完全新規のユーザーもそうですが、たとえば『れじぇくろ!』ユーザーが『テクロノス』をきっかけに『神姫PROJECT』や『あやかしランブル!』にも興味を持つ、といった流れも期待できそうですよね。

そうですね。各キャラクターの自己紹介や各タイトルの世界観説明みたいなものも『テクロノス』内で行われるので、まったく知らない方でも楽しんでいただけると思います。弊社のタイトルのコアなファンの方はもちろん、タイトルの名前だけは知っている、昔ちょっと触っていた、くらいのライトな方にも遊んでいただけるようなものに、と考えております。

――ちなみに、『テクロノス』のチームを立ち上げるにあたって、『神姫PROJECT』などのチームからもメンバーを入れられているのですか?

タイトルごとに監修できるメンバーが必要なので、各タイトルの中身を知っているメンバーは『テクロノス』チームに入れています。ここもメンバー選びなどは苦労しました。

――本作はオートバトルとなっていますが、こちらは『神姫PROJECT』などのタイトルと並行して遊びやすいように、といった狙いがあるのでしょうか。

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とくに並行プレイありきで考えているわけではありません。基本的には一作で完結するように、『テクロノス』をメインゲームとして遊んでいただけるぐらいのボリューム感で作っています。もちろん、『テクロノス』で知ったキャラクターなどをきっかけに、ほかのタイトルも遊んでみたいと思っていただけたら、それはすごくいいことだと思います。

 DMM GAMESさんのプラットフォームには、iOSやAndroidで遊ぶ、いわゆるスマートフォンゲームとはまた異なるユーザーさんの層が一定数いらっしゃるんですよ。ここは日本独自の文化かなと思います。そういったコアなユーザーさんの期待に応えられるものを作っていく、満足していただけるクオリティの作品を提供していく、というのが大前提になりますね。

――ちなみに、『テクロノス』というゲームタイトルはテクロスさんの社名と非常に似ていますよね。ゲームタイトルはどのように決まったのですか?

伊藤
『テクロノス』というのは、プロジェクト名だったんです。それはまさにテクロスさんの社名から付けさせていただいたのですが、そのまま使う予定はなかったんです。後から新たな名前を考えようとなったときに、この名前がいちばんゲームを体現しているんじゃないか、となって。

 プロジェクト内でアンケートも取ったんですけど、最終的に『テクロノス』を超える名前が出てこなかったんです。テクロスさんのタイトルがクロスしているという意味でも、やっぱりこの名前がいいんじゃないか、と。それで正式にタイトルとして採用されました。

最初は本当に、これがタイトルになるとは思わなかったですよね(笑)。伊藤さんも最初は「さすがにないですよね」みたいな反応だったんですけど、途中からみんな、むしろこれがいいんじゃないか、って。実際テクロスとしても、社名を掲げるのにふさわしいくらい力を入れているタイトルなので、いい名前だと思います。

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――両社で喧々諤々なやり取りをされることもあるとのことでしたが、今回とくに協議されたのはどんな部分ですか?

弊社側で体制などの変化が落ち着いてから、伊藤さんたちと改めてチーム編成をしていくなかで、α版の途中くらいまではキャラクターや世界観の方向性を含め、いろいろと協議していました。

伊藤
既存タイトルを繋ぐという新しいコンセプトを持ちつつ、単体でも楽しんでいただけるものを目指すのが『テクロノス』という作品です。そのなかで、作品同士をどう繋げていくか、『テクロノス』自体の世界観はどう見せていくか、といった部分はそれぞれの考え方があるので、話し合いを重ねることは多かったですね。

 キャラクターの見せかたやシナリオの内容はもちろん、音楽的な部分でもひとつひとつ方向性を合わせていったので、前向きな協議はたくさんあったかなという印象です。

――音楽的な部分、というのはどういった話し合いが行われたのでしょうか。

たとえば楽曲のPVをどんな方向性にするか、という部分ですね。お祭り的なタイトルではあるんですけど、じゃあどれくらいはっちゃけていいのか、これはちょっとふざけすぎじゃないか、みたいなところの塩梅は協議しつつ探っていった部分です。

伊藤
辻さんとだけでなく、現場の方々ともよくお話をさせていただいて、けっこう細かい部分まで話し合いを重ねました。そういったすり合わせ、意見のぶつけ合いのうえにできあがったのがいまの『テクロノス』です。

作っていくうえで、何も議論が起きないタイトルって、なかなかヒットしないと思うんですよ。妥協せず議論を重ねられたのは良かったんじゃないかなと思います。

タイトル間のコラボは距離感を保ちつつ積極的に


――本作のリリース後に、『神姫PROJECT』や『あやかしランブル!』、『れじぇくろ!』といったタイトルとの相互展開は予定されていますか?

もちろんです。テクロスのブランドやキャラクター、世界観を好きでいてくださるユーザーさんにもっと楽しんでいただくことが重要だと思っているので、そこはしっかりとやっていきたいです。

 今年の夏にも、その3タイトルのコラボイベントとして“テクロスサマーカーニバル”というものを開催させていただきました。このイベントは来年にも実施する予定ですし、同一ブランドのタイトルという強みを活かして、タイミングを見てコラボは行っていきたいと考えています。

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▲2025年に行われた“テクロスサマーカーニバル”。各タイトルで新たにプレイを始めた人へのプレゼントや、コラボイベントなどが開催された。

――コラボなどの盛り上がりが楽しみな一方で、『テクロノス』にキャラクターが集まることで、ほかのタイトルの更新頻度が下がるのではないかなど、不安を覚えるユーザーもいるかと思います。このあたりはいかがでしょうか。

それは当然懸念すべきことだと思いますし、社内でもケアしています。ただ、各タイトルはそれぞれ別のプロジェクトとして立っていますので、そこはご安心ください。協力関係は取りつつ、それぞれの舵取りは個別でしっかりと行い、ユーザーさんに楽しんでいただくことを重視しています。

 新しいタイトルが生まれたからといって、既存タイトルからユーザーを流そう、みたいなことはまったく考えていません。そういう意味では、コラボをどれくらいの頻度で行うか、というのは意外とむずかしい話なんですよね。同一ブランドのタイトルという強みは活かしつつ、一定の距離感を持ちながらの運営にはなると思います。

 たとえば、『神姫PROJECT』でこのキャラクターが出る月には『テクロノス』で同じキャラクターを出さないようにする、などですね。そこは各タイトルと連携しながら調整していきます。

――タイトル間の連携について、DMM GAMESさん側から要望を出されるようなことはあるのでしょうか。

伊藤
『テクロノス』はやはり、各タイトルを知っていただく機会を増やすための、まさに繋ぐ作品だと思っているので、『テクロノス』を始めたらほかのゲームを辞めてしまう、みたいなことはないようにしたいと考えています。

 もちろん弊社から合同キャンペーンなどの提案をすることはありますけど、単に私から何かをリクエストするというよりは、やっぱりテクロスさんと相談を重ねたうえで、『テクロノス』を通じてほかのタイトルを遊んでいただくための最善策は何か、という点を意識して施策を考えていければなと思っています。

 重要なのは、各タイトルが過去の作品になるのではなく、むしろ、各タイトルの新しい未来に繋げていくことですね。そういった作品になれるよう、一緒に考えながら運営をしていければなと思います。

――過去にテクロスさんが運営されていた『ユニティア 神託の使徒×終焉の女神』のようなタイトルと、今後なにかしらの形での展開を検討されていたりはしますか?

現時点で具体的にお伝えできることはないのですが、『ユニティア 神託の使徒×終焉の女神』は社内でも思い入れの強いタイトルです。

 テクロノスの中で、そういった過去作品のファンの方にも喜んでいただけるような“何か”はお見せしたいと思っていますので、ぜひ期待してお待ちいただければと思います。

――最後に、『テクロノス』のリリースを楽しみにしているユーザーへのメッセージをお願いします。

伊藤
テクロスさんのタイトルが集合する『テクロノス』は、テクロスさんのタイトルが長く愛され、皆さんに支えてもらったからこそ生まれた作品だと思っています。そういう意味で、『テクロノス』はそういったお客様への感謝を表す作品でありたいと思いますし、皆さんに好きになっていただいたキャラクターたちが新たな物語を紡ぎ、作品やキャラクターを未来に繋いでいく作品になってほしいと思います。

 これまでのテクロスさんのタイトルを応援してくださっている皆様にも喜んでいただけるような作品になるように、そして『テクロノス』の盛り上がりをほかのタイトルにも還元できるようなものにしていけたらと思っております。

 現在は事前登録を受付中ですので、ぜひ特設サイトもチェックしていただき、一緒にリリースを待ち構えてもらえたらうれしいです。

約4年ぶりの新作ということもあり、開発チーム一同、すごく気合いを入れて取り組んでいますし、ご期待くださっているユーザーの方もきっとたくさんいらっしゃるのではないかと思っています。その期待に応えられるよう、いまできることを詰め込んだ作品となっていますので、キャラクターのリブランディング的な⾯も含め、ぜひお楽しみいただければと思います。

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▲かわいいひつじクッションのプレゼント企画もDiscordで開催中とのこと。

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