“PlayStation Partner Awards 2025 Japan Asia”で“GRAND AWARD(グランドアワード)“を受賞した『eFootball』。この記事では、統括プロデューサーの田谷淳一氏のインタビューをお届けします!
【インタビュイー】
『eFootball』
株式会社コナミデジタルエンタテインメント 統括プロデューサー 田谷淳一氏
――グランドアワード受賞についてひと言お願いします。
田谷:この度は、グランドアワードという大変名誉ある賞をいただき、本当に嬉しく思っております。今回の賞は、30年間支えてくださったユーザーの皆様のおかげでいただけたものだと感じていますし、「これからも『eFootball』をもっともっと面白くしてほしい」というご期待の表れでもあると受け止めています。
その声にお応えできるよう、チーム一同これからも頑張っていきたいと思います。
――1995年の『ウイニングイレブン』発売から、今年で30周年を迎えました。30年を振り返っての総評をお聞かせください。
田谷:まずは、30年にわたって遊び続けていただいた皆様に心から感謝を申し上げたいです。
『ウイニングイレブン』としては初代PlayStationで発売しましたので、PlayStationに育てていただいたシリーズでもあります。アクションサッカーゲームならではの直感的な操作感と、「サッカーというスポーツをどうゲームに落とし込んでいくか」ということを追い続けた30年間でした。
世代や地域を超えて遊んでいただけるタイトルに育ったことも、とても嬉しく思っております。
――サービス継続型ゲームとして展開されているタイトルかと思いますが、今年グランアワードを受賞されたということで、力を入れた取り組みなどはございましたか?
田谷:世界中の方に継続的に遊び続けていただくことに力を入れてきました。
グローバルでの大型アップデートを、特にPlayStationユーザーの皆様に最適化するとともに、各国のお祭りにちなんだイベントや、その国ゆかりのレジェンド選手の登場、そしてeスポーツ大会の開催などを通じて、「以前遊んでいたユーザーの方がまた戻ってきたくなる」ような施策をさまざまに展開した1年だったと思っています。
――直近のシーズンアップデートへのこちらの反響はいかがでしたでしょうか?
田谷:シリーズ30周年のマイルストーン(指標)となるアップデートとして、全体的に非常にポジティブな評価をいただけていると感じています。
新要素の「リンクアップ」や「ライディングタックル」を含む改善によって、「1対1の駆け引きがより面白くなった」という声も多く頂きました。
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また、スタジアムをユーザーの好みにカスタマイズできる「カスタムスタジアム」機能や、対戦時にユーザープロフィールが相手に見えるようになる機能など、“ユーザーのカスタマイズ性”にも力を入れました。その結果として、「遊ぶ目的や目標がより明確になった」というご意見もいただいています。
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――『遊戯王カードゲーム』とのコラボレーションとして、ネイマール選手を起用したプロモーションが展開されましたが、反響はいかがでしたでしょうか?田谷:反響は非常に手応えのあるものでした。
弊社のカードゲームである『遊戯王カードゲーム』と、『eFootball』の選手という異色の組み合わせでしたので、正直、賛否両論あるだろうと想定していましたが、インパクトの強さもあって、PlayStation関連のタイムラインに『eFootball』の話題が非常に多く流れていましたし、「久しぶりに起動した」という声も多くいただきました。
ゲーム内ではコラボカードを配信しましたが、それをきっかけに復帰された方や、もともと『遊戯王』ユーザーだった方が『eFootball』を手に取ってくださるきっかけにもなったことを確認しています。
SNS上でもポジティブな反応が多く見られ、シリーズ30周年のタイミングで“ゲームの枠を超えたお祭り感”を演出できた、非常に象徴的なキャンペーンになったと感じています。
弊社のカードゲームである『遊戯王カードゲーム』と、『eFootball』の選手という異色の組み合わせでしたので、正直、賛否両論あるだろうと想定していましたが、インパクトの強さもあって、PlayStation関連のタイムラインに『eFootball』の話題が非常に多く流れていましたし、「久しぶりに起動した」という声も多くいただきました。
ゲーム内ではコラボカードを配信しましたが、それをきっかけに復帰された方や、もともと『遊戯王』ユーザーだった方が『eFootball』を手に取ってくださるきっかけにもなったことを確認しています。
SNS上でもポジティブな反応が多く見られ、シリーズ30周年のタイミングで“ゲームの枠を超えたお祭り感”を演出できた、非常に象徴的なキャンペーンになったと感じています。
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――長年にわたり、世界のサッカーのリアルな動向をゲームに反映されてきたと思います。どのように情報を集め、どんな基準でゲームに落とし込んでいるのか教えてください。田谷:各国リーグの試合データやスタッツ(チームや個人の成績、パフォーマンスを数値で記録・評価したデータ)をベースに、弊社がパートナー契約を結んでいる複数の大型クラブ、メッシやネイマールといったアンバサダー選手とのコミュニケーション、さらにサッカーの専門家の方々からの助言など、情報源は多岐にわたります。
そのうえで、「ゲームとして面白くなるか」「プレイアビリティを損なわないか」という視点を大切にしながら、選手能力のパラメータや戦術の設定、モーションなどへ反映してゲームを制作しています。
――本作は特にどの地域でヒットしていますか? また、これからよりヒットさせるために重視していきたい地域はありますか?田谷:これまでは、ヨーロッパや南米、そしてアジア、とくに日本を含む東アジア地域のPlayStationユーザーの皆様に強く支持していただいているタイトルでした。
今後は、成長著しいインドや中東、サッカーが盛んで強豪クラブも多い北アフリカの地域など、サッカー人気の高いアフリカ全般も含めて、よりローカルなキャンペーンや各国リーグとの連携を行い、重点的にアプローチしていきたいと考えています。
――本作は基本プレイ無料というサービスモデルが採用されています。従来のパッケージ販売モデルと比べて、開発や運営面でどのような挑戦やメリットがありましたか? また、このモデルがコミュニティ拡大にどのように貢献しているとお考えでしょうか?
田谷:運営型タイトルでは、常にサービスを改善し続けるための体制づくりが必要になりますので、開発や運営のリズムは、パッケージ販売のみだった頃と比べて大きく変化しました。
その一方で、ユーザーの皆さんからのご要望や、最新のサッカー事情をゲームに反映するスピード感は格段に上がったと思います。
また、基本プレイ無料というモデルにしたことで、より気軽に手に取っていただけるようになりました。新規ユーザーが大きく増えただけでなく、友達同士で誘い合うハードルも下がり、その結果としてコミュニティが拡大したことが、今回のグランドアワード受賞にも繋がったのではないかと考えています。
オンライン対戦も非常に多くの方に楽しんでいただいており、サーバーの増設や、オンライン対戦中の通信アルゴリズムの改善など、目に見えない部分も常に改善を行っています。マッチングやレーティングの精度向上といった環境づくりにも注意を払っています。
ランキングや報酬設計についても継続的に見直しを行い、「勝っても負けても、またもう1試合挑戦したくなる」構造を意識して改善を進めています。
さらに、FCバルセロナやマンチェスター・ユナイテッドFCといったパートナークラブのeスポーツ大会を開催したり、国を代表して戦う「FIFAインタラクティブワールドカップ」といった、FIFAと共同で開催しているグローバル大会の開催・配信も行っています。そうした大会でトップレベルの選手のプレーを見ていただき、「自分もあんなプレーをしてみたい」とモチベーションを高めてもらうことで、オンライン対戦をより楽しんでいただければと考えています。
――2021年にシリーズタイトル名を変更するなど、時代の変化に対して大胆な対応を行っていますが、なぜ本シリーズはこのようなドラスティックな対応が実現できているのでしょうか? その考え方や秘訣、あわせて今後のビジョンについてお聞かせください。もう1点、マスターリーグについては開発中であることが明かされていますが、楽しみにしているユーザーも多いと思います。
田谷:『ウイニングイレブン』としてスタートしたタイトルですが、30年続いてきたシリーズ名を変えることは、正直とても大きな決断でした。
ただ、「これからサッカーゲームをどうしていきたいか」ということを最優先に考えた結果、リブランディングを行い『eFootball』という名前に変更する決断に至りました。パッケージ中心からサービス型へ、オフラインからオンライン中心へと、サッカーゲームの遊び方は大きく変化しています。
現実のサッカーとデジタルをつなぐプラットフォームであること『eFootball』の目指す姿であり、その姿に進化していくためにタイトル名を含めゼロベースで考え直す必要があると判断したんです。
そのうえで、「ゲームとして面白くなるか」「プレイアビリティを損なわないか」という視点を大切にしながら、選手能力のパラメータや戦術の設定、モーションなどへ反映してゲームを制作しています。
――本作は特にどの地域でヒットしていますか? また、これからよりヒットさせるために重視していきたい地域はありますか?田谷:これまでは、ヨーロッパや南米、そしてアジア、とくに日本を含む東アジア地域のPlayStationユーザーの皆様に強く支持していただいているタイトルでした。
今後は、成長著しいインドや中東、サッカーが盛んで強豪クラブも多い北アフリカの地域など、サッカー人気の高いアフリカ全般も含めて、よりローカルなキャンペーンや各国リーグとの連携を行い、重点的にアプローチしていきたいと考えています。
――本作は基本プレイ無料というサービスモデルが採用されています。従来のパッケージ販売モデルと比べて、開発や運営面でどのような挑戦やメリットがありましたか? また、このモデルがコミュニティ拡大にどのように貢献しているとお考えでしょうか?
田谷:運営型タイトルでは、常にサービスを改善し続けるための体制づくりが必要になりますので、開発や運営のリズムは、パッケージ販売のみだった頃と比べて大きく変化しました。
その一方で、ユーザーの皆さんからのご要望や、最新のサッカー事情をゲームに反映するスピード感は格段に上がったと思います。
また、基本プレイ無料というモデルにしたことで、より気軽に手に取っていただけるようになりました。新規ユーザーが大きく増えただけでなく、友達同士で誘い合うハードルも下がり、その結果としてコミュニティが拡大したことが、今回のグランドアワード受賞にも繋がったのではないかと考えています。
オンライン対戦も非常に多くの方に楽しんでいただいており、サーバーの増設や、オンライン対戦中の通信アルゴリズムの改善など、目に見えない部分も常に改善を行っています。マッチングやレーティングの精度向上といった環境づくりにも注意を払っています。
ランキングや報酬設計についても継続的に見直しを行い、「勝っても負けても、またもう1試合挑戦したくなる」構造を意識して改善を進めています。
さらに、FCバルセロナやマンチェスター・ユナイテッドFCといったパートナークラブのeスポーツ大会を開催したり、国を代表して戦う「FIFAインタラクティブワールドカップ」といった、FIFAと共同で開催しているグローバル大会の開催・配信も行っています。そうした大会でトップレベルの選手のプレーを見ていただき、「自分もあんなプレーをしてみたい」とモチベーションを高めてもらうことで、オンライン対戦をより楽しんでいただければと考えています。
――2021年にシリーズタイトル名を変更するなど、時代の変化に対して大胆な対応を行っていますが、なぜ本シリーズはこのようなドラスティックな対応が実現できているのでしょうか? その考え方や秘訣、あわせて今後のビジョンについてお聞かせください。もう1点、マスターリーグについては開発中であることが明かされていますが、楽しみにしているユーザーも多いと思います。
田谷:『ウイニングイレブン』としてスタートしたタイトルですが、30年続いてきたシリーズ名を変えることは、正直とても大きな決断でした。
ただ、「これからサッカーゲームをどうしていきたいか」ということを最優先に考えた結果、リブランディングを行い『eFootball』という名前に変更する決断に至りました。パッケージ中心からサービス型へ、オフラインからオンライン中心へと、サッカーゲームの遊び方は大きく変化しています。
現実のサッカーとデジタルをつなぐプラットフォームであること『eFootball』の目指す姿であり、その姿に進化していくためにタイトル名を含めゼロベースで考え直す必要があると判断したんです。
その変化を支えているのは「過去の成功に甘えないこと」そして「お客様と一緒にゲームを育てていこう」という姿勢です。チャレンジは常に成功するわけではなく、3~4年前にリブランディングした当初は、正直「失敗してしまった」と感じていましたし、ユーザーさんからも非常に厳しいお声をいただいた時期がありました。
タイトルが本当にこのまま継続できるのか、不安に思われた方も多かったと思います。それでも、お客様の声に真摯に耳を傾け、地道にアップデートを続けてきたことが『eFootball』というシリーズの“らしさ”なのかなと考えています。
サッカーそのものも、新しい選手が次々と登場し、スタイルも進化し続けています。今後もリアルなサッカーシーンとの連動や、世界中のお客様が楽しんでくださっている地域ごとの文化やコミュニケーションとのコラボレーションをさらに強化し、『eFootball』を通じて世界中のサッカーファンがつながる未来を目指していきたいと思います。
マスターリーグについては、多くのお客様から期待の声をいただいていることは、もちろん我々も認識しています。ただ、現時点では新たにお伝えできる情報がなく、申し訳ないのですが、続報をお待ちいただければと思います。