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舞台『幻想水滸伝』神シーン3選。フリックの青マント、ぼっちゃんの成長、あと1つは…

文:そみん

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 どうも、電撃オンライン編集長のそみんです。編集者として取材同行やゲームプレイにいそしむなかで、いろいろと面白いことや語りたいことにも出会うことも。

 そんな心に移りゆくよしなし事を不定期に徒然なるままに書き綴ります。趣味案件的な取材やゲームプレイも多々ありますが、これも編集長のお仕事なんです!?

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 この記事では、舞台「幻想水滸伝-門の紋章戦争篇-」について語ります!

 なお、電撃オンラインでは『幻想水滸伝 I&II HDリマスター門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』のキャラクター人気投票を開催中。それぞれの作品について、好きなキャラクターは3人まで投票可能です。(各作品内で同一キャラクターへの複数投票は無効とします)


【投票締切】
2026年1月8日23:59まで

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独断と偏見も含む、オレ的舞台『幻想水滸伝』神シーン3選


 KONAMIの名作RPG『幻想水滸伝』初の舞台化作品「幻想水滸伝-門の紋章戦争篇-」が、12月6日~14日まで東京都のシアターH、12月18日~21日まで京都劇場で上演されます。

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 リアン・マクドール(ぼっちゃん)役の岡村直樹さん、グレミオ役の和田琢磨さん、テッド役の長江崚行さん、フリック役の山田ジェームス武さん、ビクトール役の磯貝龍乎さんをはじめとした、ほんとゲームのキャラが現実にやってきたと熱弁せざるを得ないキャストの方々の熱演が光る舞台でした。

 レポート記事は別途掲載済ですが、『幻想水滸伝』ファンの自分も何か書かざるを得ないほど素晴らしい舞台でした! ちょっと独断と偏見を含みますが、あえて3つの神シーンについて語ります!
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神シーン1:とにかくフリック(山田ジェームス武)の本物感がヤバい。特に青マントがなびくバトルシーンに見とれちゃう!


 大前提となりますが、キャスト全員の原作再現度はものすごいものがあります。衣装も演技もすべてひっくるめて、ほんと“本物感”がすごい!

 そのうえで、自分が最も感動したのが、フリック役の山田ジェームス武さん。この方はSNSでも昔から『幻想水滸伝』ファンを公言しており、以前のインタビューでもものすごい熱量を感じた方なのですが……そういう背景を全部無視したとしても、とにかく今回のフリックの演技は鬼気迫るものがありました。現実世界のフリック、ここにいたよ……。

 とりわけ筆者が目を奪われたのは、その青いマント。なんつーかもう、普通に歩きながらしゃべるだけでも、青マントから伝わる色気がすごい。色気? まあいいや、なんといいますか、“存在感”の上位概念みたいなものだと思ってもらえれば。

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 そんな青マントのすごさをとことん感じられるのが、殺陣、いわゆるバトルシーン。あんなにキレイに美しくマントをなびかせながら、なんであんなに激しく美しい剣戟をかわせるのか……。

 現実じゃなくて夢とかVFXを見ているような感覚で、青マントとフリックの動きに見とれちゃいました。これ、自分だけですかね? ほんとすごかったと思うんですけど!

 あと、“フリック本人”らしさが感じられる場面は多々あると思うんですが、個人的にはオデッサ関連のあのシーンで、もう、ダメでした。降参でした。

 今さらながら、『幻想水滸伝』って発売から数十年たっても“声”が原則的になかったわけで、個々人の脳内解釈にゆだねられてきて、公式な正解はなかったと思うんですよね。それが今回、舞台という形で“声(と演技)”がついたわけで、古のおっさんオタクとしては「オレのフリックの解釈パワーと勝負だ!」みたいな、ちょっと好戦的で上から目線の見方がゼロだったとは言い切れないんですけど……もう、降参でした。

 『2』と比べて『1』のフリックって、やっぱり若いだけあって“青さ”や“未熟”な部分があって未完成(でも、だからこそ予期せぬ爆発力もある)という解釈なんですけど、そのあたりの塩梅がとてもよかった。えがった……。このへんの解釈は人それぞれではあると思いますが、総じて山田ジェームス武さんの解釈力(と演技力)の高さはすごい(語彙力)と思うので、ぜひフリックの一挙手一投足に注目すると、舞台『幻想水滸伝』はより楽しめるんじゃないかと思っております。

神シーン2:いろいろな意味でぼっちゃん(岡村直樹)の成長がすごくて、見守ってるつもりが頼りにしたくなっちゃう逆転感がメロい…


 今回が初舞台・初主演というスター新人的な岡村直樹さん……いや、気持ち的にはあえて岡村直樹くんと呼びたくなっちゃう若さと初々しさがたまりません。

 余談ですが、ゲネプロ直前の囲み取材で、「まずは名前と役柄を」と振られて、めっちゃくちゃ大声で「リアン・マクドール役の岡村直樹です! 本日はよろしくお願いいたします!!」的な元気挨拶をかまして、周りのキャスト陣がほほえましくフォローしていたところとか、もう、ほんとニヤニヤがとまりませんでした。

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 さておき、そんな岡村直樹さんですが……ういういしさはありながら、演技力が高い逸材でした。約3時間の舞台のなかでも、最初のいかにも“おぼっちゃま”な甘さや弱さが感じられる演技から始まり、どんどんと成長していく姿(演技)を堪能できます。

 この短い時間での演じ分けがすごく、なんと言いますか、舞台開始直後は「(弱弱しくて)守ってあげたい」なんて応援スタンスで見始めたのに、ぼっちゃん(岡村直樹さん)の成長が著しくて、後半には「なんて頼りになる……リーダーについていきます!」みたいな心の逆転現象がナチュラルに起こってしまって、ほんとメロい気持ちにならざるを得ません。ぼっちゃんは尊い……グレミオの気持ち、よくわかりますぞ!

 そんなぼっちゃんの成長劇とシンクロして気になるのが、俳優としての岡村直樹さんの成長劇。初舞台ということで、おそらく、今回の公演中にもがんがんレベルアップすると思うんですよね、岡村直樹さんは。

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 自分が観たのは本公演前のゲネプロですが、おそらく東京公演が終わるころには、そして京都公演が終わるまでには、今よりもなおすごい演技を見せてくれるのではないかと。自分は後日、あらためて東京公演を観に行く予定ですが、ゲネプロからの成長度合いを見るのも本当に楽しみです!

 これもちょっと余談ですが、ゲーム中ではプレイヤー=主人公という部分もあって、『幻想水滸伝』のぼっちゃんは、いろいろな意味で“正解が存在しない”という、おそろしく難しい役だったんじゃないかと思います。そんななか、自分が感じた限りでは、岡村直樹さんは“成長”というワードを軸にした“演じ分け”を行うことで、観た人・感じた人それぞれでさまざまな解釈をできるような形でのぼっちゃん像を示したような気がしました。

 弱くもあり、強くもあり、かわいくもあり、かっこよくもあり、優しくもあり、シビアでもあり……本来は相反する複雑な要素も、立場や状況によってしっかりと演じ分けがされていて、そこが個人的に非常に感じ入った部分となります。今回のキャストの中では小柄なはずの岡村直樹さんですが、特に後半はなんだかひとまわり大きく見えるという錯覚というかオーラというか、そういうところも素敵でした!


神シーン3:選びきれないけど……たぶん、『幻想水滸伝』を知らなくても楽しめる物語というのは大きな強みじゃないかと


 さて、神シーン3つと言いながら、3つに絞り切れるわけもなく、グレミオの母性(?)がすごいとか、紋章の演出がすごいとか、テッドのやんちゃ感がすごいとか、音楽がすごいとか、いろいろ候補はあるわけですが……個人的に今回の舞台を観て、声を大にして言いたいのが、「これ、ゲームの『幻想水滸伝』を知らなくても楽しめますよ!」ということ。

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 もちろん、ゲームで物語やキャラを知っているほど楽しめるのは当然なんですが、物語の展開やキャラクターの背景解説がいい意味でシンプルかつハイテンポに描かれているので、こういった原作ものにありがちな「誰が何をやっているのかわかりにくい」ということがほぼありませんでした。

 序盤を例にとれば、主人公は偉い将軍の息子で、グレミオという子守役にちょっと甘やかされながら育って、テッドという親友がいて、軍の命令で向かった先で解放軍と出会って……と、人間関係や物語展開がわかりやすいんですよね。

 後日、『幻想水滸伝』を知らない小1の娘とも観に行く予定ですが、たぶん、わりとキャラクターを理解できる気がしてます。まあ、うちの娘はまだまだ物語理解能力が低くて教育中ではありますが、たぶんグレミオが好きになると思うし、グレミオがぼっちゃんを大事にし過ぎて主人であるテオをふっとばすところとか、グレミオがシチューを作っているときにぼっちゃんにイタズラされるところとか、たぶん笑って、グレミオを好きになると思います(大事なので、二度言いました)。

 何が言いたいかというと、『幻想水滸伝』を周囲に布教する大チャンスだと思うので、もしタイミングが合えば、『幻想水滸伝』を知らない知人・友人・家族を誘って観劇するのがよいんじゃないかなと。3時間という短時間で『幻想水滸伝』の魅力を伝えるチャンスって、かなり貴重だと思いますので!

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▲『幻想水滸伝3』も好きな自分としては、もう、元気で生意気なルックくんに会えることも生きる栄養になるわけですが、長くなるので割愛。

おまけのオフィシャル写真レポート

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公演概要(敬称略)

あらすじ(公式サイトより)


生と死を司る紋章“ソウルイーター”を巡る運命の戦い。
後世において、人はこの物語を“門の紋章戦争”と呼ぶ…。
太陽暦 446 年。トラン湖周辺を支配する大国「赤月帝国」で内乱 “継承戦争” が勃発。
内乱は当初、正統な帝位維承者であるバルバロッサ・ルーグナーが劣勢だったが、
テオ・マクドールら帝国六将軍と軍師レオン・シルバーバーグの活躍で逆転勝利。
帝位の座を取り戻すことに成功する。
さらにその翌年には、北方の外敵であった都市同盟勢力を撃退。
バルバロッサは人々に“黄金皇帝”と崇められ、称えられた。
だがそれから数年後…。
皇帝バルバロッサは宮廷魔術師ウィンディに魅了され、政治を顧みなくなってしまう。
その結果、軍部や宮廷内で汚職が氾濫し、赤月帝国は急激に崩壊の一途をたどっていた。
そんなある日、ひとりの少年が皇帝との初めての謁見を迎えていた。
かの大将軍テオ・マクドールの息子である。
その瞳は未来への希望に満ち溢れていたのだが…。
彼がこの時代を変える礎になることを、まだ誰も知らない…。

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◆公演タイトル:舞台「幻想水滸伝-門の紋章戦争篇-」
◆公演日程:
[東京公演] 12月6日(土)~12月14日(日)
      シアターH(東京都品川区勝島1-6-29)
[京都公演] 12月18日(木)~12月21日(日)
      京都劇場(京都市下京区烏丸通塩小路下ル 京都駅ビル内)
◆原作:「幻想水滸伝」(KONAMI)
◆脚本・演出:中屋敷法仁
◆キャスト
リアン・マクドール(ぼっちゃん)役:岡村直樹
グレミオ役:和田琢磨
テッド役:長江崚行
フリック役:山田ジェームス武
ビクトール役:磯貝龍乎
パーン役:山沖勇輝
クレオ役:桜樹楓
オデッサ・シルバーバーグ役:桜井しおり
マッシュ役:伊勢大貴
カスミ役:山内優花
ルック役:日暮誠志朗
テオ・マクドール役:高木トモユキ
ウィンディ役:大湖せしる
バルバロッサ・ルーグナー役:鍛治直人

アンサンブル:加藤ひろたか、とよだ恭兵、蓮井佑麻、白崎誠也、結木 雅

◆制作:ゴーチ・ブラザーズ
◆協力:株式会社コナミデジタルエンタテインメント
◆企画制作・プロデュース:4cu(Frontier Works Inc.)
◆主催:舞台「幻想水滸伝」製作委員会

配信情報


 一部公演が、シアターコンプレックスTOWNで独占ライブ配信されています。気になる方は、ぜひサイトをチェックしてみてください。



■配信プラットフォーム:シアターコンプレックスTOWN

配信公演
12月13日(土)17:00<東京公演>
12月14日(日)12:00<東京千秋楽公演>
12月21日(日)12:00<京都公演>
12月21日(日)17:00<京都千秋楽公演>

ライブ配信チケット詳細
《12月13日(土)17:00<東京公演> ※全景配信》
・配信チケット価格:3,000円/税込 (アプリ購入価格:3,700円/税込)
・購入特典:デジタルブロマイド
※キャラクター:リアン・マクドール(ぼっちゃん)/グレミオ/テッド
【チケット販売期限】12月27日(土)21:00まで
【見逃し配信視聴期限】12月27日(土)23:59まで
《12月14日(日)12:00<東京千秋楽公演> ※スイッチング配信》
・配信チケット価格:3,800円/税込 (アプリ購入価格:5,480円/税込)
・購入特典:デジタルブロマイド
※キャラクター:フリック/ビクトール/パーン/クレオ
【チケット販売期限】12月28日(日)21:00まで
【見逃し配信視聴期限】12月28日(日)23:59まで
《12月21日(日)12:00<京都公演> ※全景配信》
・配信チケット価格:3,000円/税込 (アプリ購入価格:3,700円/税込)
・購入特典:デジタルブロマイド
※キャラクター:オデッサ・シルバーバーグ/マッシュ/カスミ/ルック
【チケット販売期限】2026年1月4日(日)21:00まで
【見逃し配信視聴期限】2026年1月4日(日)23:59まで
《12月21日(日)17:00<京都千秋楽公演> ※スイッチング配信》
・配信チケット価格:3,800円/税込 (アプリ購入価格:5,480円/税込)
・購入特典:デジタルブロマイド
 ※キャラクター:テオ・マクドール/ウィンディ/バルバロッサ・ルーグナー
【チケット販売期限】2026年1月4日(日)21:00まで
【見逃し配信視聴期限】2026年1月4日(日)23:59まで

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