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名作『サイバーパンク2077』は長期休暇に最適な超ボリュームのアクションRPG。Switch 2版の遊び心地を確認してみたら…

文:hororo

公開日時:


※『サイバーパンク2077 アルティメットエディション』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。


 年末年始に遊ぶソフトを探している方、大勢いると思います。そんな皆さんにオススメのソフトがあります。そう、『サイバーパンク2077 アルティメットエディション』です。

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 『ウィッチャー3 ワイルドハント』で有名なポーランドのスタジオ、CD PROJEKT REDが開発したオープンワールド・アクションアドベンチャーRPG『サイバーパンク2077』。2025年6月にSwitch 2版が本体と同時発売され、驚いた人も多かったのではないでしょうか。
※本記事はスパイク・チュンソフトの提供でお送りします。

『サイバーパンク2077』という作品について

 本作をよく知らない人のためにまずは作品の概要を簡単に紹介します。詳細は後ほど改めて。

 本作の世界は、科学が格段に発達し、肉体を機械的に強化することが一般的となっている――そんな世界。主人公“V(ヴィー)”=プレイヤーは、巨大都市ナイトシティで生きる1人として、伝説(レジェンド)と呼ばれる存在を目指すオープンワールド・アクションアドベンチャーRPGです。

 元をたどれば、本作は『サイバーパンク2.0.2.0.』というTRPGが原作。その体験を重視しているため、取れる行動や、それに伴う結果の分岐はかなり多く、自由度の高さに納得しかありません。

 行動と選択の積み重ねが自分だけの物語となり、サイバーパンク(※主人公のような存在を作中で“サイバーパンク”と呼びます)としての生きざまとなっていく……。まさに“自分の伝説は自分で作る”という言葉にピッタリなプレイ体験を味わるのが、『サイバーパンク2077』というゲームなのです。



 この記事でスポットを当てているSwitch 2版は、本編に加えてDLC“仮初めの自由”が同梱された『アルティメットエディション』となっています。ただでさえ多いボリュームがさらに増した、年末年始にじっくりと遊ぶにふさわしいタイトルとなっています。

 本作と世界観を共有している、NETFLIXで配信中のアニメ『サイバーパンク エッジランナーズ』も大ヒット。日本の大手アニメ会社であるTRIGGERが手がけており、続編も制作中です。実際、アニメで『サイバーパンク2077』を知り、興味を持っている人もいると思います。

 私も発売当時ぶりに久しぶりにプレイしましたが、発売以降に度重なるアップデートを経てきただけあって、いろいろな点がさま変わりしており、新鮮な気持ちで遊べるようになっているのも、既プレイヤーにとって嬉しいところ。

 Switch 2版が出たことで、今までとは異なる層の手にも届くようになった本作。その特徴と魅力を改めて紹介していきます。

まずは結論から。気になるSwitch 2版『サイバーパンク2077 アルティメットエディション』の遊び心地は?

 『サイバーパンク2077』といえば、ハイスペックゲームの代名詞として名前が挙げられるほどのタイトルですが、実際のところSwitch 2版はどうなのか……?

 今回の記事を書くにあたって、Switch 2版をプレイしてみましたので、まずはその感想を述べたいと思います。あくまでも私個人の感想なので、個人差はあるものとしてお考えください。

 まず画質ですが、クオリティモードで起動した場合は思ったより気になりません。正直なところ、ちょっと荒いかもな……と覚悟してプレイを開始したのですが、パッと見はまったく違和感なく楽しめました。パフォーマンスモードにした場合、遠距離の風景が微妙にぼやけているように感じるのと、行き交う人や車の数が減少しているように思えます。

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▲クオリティモード(上)とパフォーマンスモード(下)。

 パフォーマンスモードについては、個人的には特に大きな不満もなく遊べる感じでした。私の場合、もともと外に携帯機を持っていくことが少ないため、せいぜいベッドに寝ころびながら遊ぶ、といった使い方が主になります。FPSのような視点移動が多いタイトルの場合、あまりリラックスした状態でプレイできないのと、Switch 2がそこそこ重いこともあって、あまり活用はしませんでした。

 その一方で非常に「いいな」と感じた部分は、Joy-Con 2のジャイロセンサーを生かした操作や、マウス操作。これらは照準の微調整がしやすく、恩恵は大きいと感じます。マウスとして使うにはJoy-Con 2は小ぶりなので、馴染むまで慣れが必要そうでしたが、それでも視点操作は各段にラク。

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 数通りの操作方法が用意されているだけに、Switch 2版は操作面としては問題なく本作を楽しめると思います。グラフィックについても、最高級の品質を求めるのでなければ、十分なほど綺麗だと感じました。コストパフォーマンスで考えれば、相当優れているのではないかと。

 何より、クロスプログレッションに対応しているため、家庭用機内でセーブデータの互換性があるのは嬉しいですね! 試しにPS5版とセーブデータを行き来させて遊んでみましたが、とくに問題なく進めることができました。

『サイバーパンク2077』は自分だけの生きざまを体験できるゲーム

 さてここからは、『サイバーパンク2077』という作品を、ゲーム体験とあわせて紹介していきたいと思います。

 本作は近未来の都市“ナイトシティ”を舞台にしたオープンワールド・アクションアドベンチャーRPG。オープンワールドと銘打たれた作品の多くは、無数の大陸など世界中を渡り歩くものが多いですが、本作はそれとは逆で、密度を極限まで高めたひとつの街(と周辺の郊外)がフィールドとなっています。

 そう書くと面積が狭そうに感じるかもしれませんが、実際に遊んでみるとそんな印象はまったく受けません。縮尺が割と現実に近いことと、近未来だけあって上方面に伸びた多層構造になっているため、マップ画面で見えるよりも広く感じるでしょう。

 このように隅々まで作り込まれた箱庭で、自分だけの“サイバーパンク”としての人生を全(まっと)うすることが目的となっています。

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 そもそもサイバーパンクとしての生き方とは何を指すのかというと、巨大企業による支配的圧力が強いこの世界において、反骨精神を持ちながらも理想を抱き、それに準じるような生きかたのこと。死をいとわず、栄光を求めて危険に飛び込む、さながら火に吸い寄せられる蛾のような人生を謳歌している存在です。

 主人公であるV(ヴィ―)もそんな一人であり、名声を得るためにさまざまな依頼をこなして暮らしています。Vはプレイヤーの分身として、陰謀渦巻くナイトシティで生活していくことになるのです。

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 本作最大の特徴は、非常に自由度の高い物語分岐と成長要素でしょう。もちろん、ストーリーの大筋こそありますが、エンディングは複数用意されていますし、そこに至るまでの過程も無数に存在しています。前段でも触れたように、プレイヤーの選択・行動が物語を作っていくと言っても過言ではありません。

 当然、Vの容姿もカスタマイズ可能。ゲームを開始したあとでも自由に変更できます。何と言っても体の機械化が一般的になっている世界ですから、男性のボディで声を女性にしたり、ハート型の瞳を持つ義眼に入れ替えたりと、思いのまま。むしろちょっとくらい奇抜な恰好のほうが世界に馴染むとさえ言えます。

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 一方でVの中身……つまりゲーム中で何ができるかということですが、こちらも多彩。基本的には育成する能力値とパーク(※特殊能力)しだいで大きく変わっていくことになります。

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 ロックされた扉を腕力でこじ開け、銃弾にひるむことなく突っ込んで敵を粉砕するパワープレイも、音もなく敵陣に潜入し、誰にも気づかれないようなステルスプレイもでき、装備が充実してくれば壁越しの相手を透視して撃ち抜いたり、銃弾の軌道を曲げることもできるように……!

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 特に電子機器のハッキングは種類が豊富に用意されているため、オブジェクトを誤作動させて敵の注意を引くような囮の使い方もできれば、敵を直接ハッキングしてショートさせたり、周囲の電子機器を爆破させたりと、直接手を下さずに依頼をやり遂げることも可能です。

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 こういった無限の攻略法の土台となるのが、能力値とパーク、スキル、装備といったもの。これらの組み合わせがプレイヤー独自のスタイルを磨き上げていくのです。

 また本作の特徴的な要素といえば、サイバーウェアでしょう。この世界では、体を機械化することはごく当たり前に行われています。ファッションとして行われる機械化もありますが、サイバーパンクであるVが選ぶのは戦闘用のそれ。

 金属製の皮膚をまとって防弾性能を上げたり、ブレードを腕に仕込んだりと、さまざまな改造を行えます。

 ただし過度の機械化は人間性を失わせるサイバーサイコとなる可能性があり、ゲーム的には無制限で行えるというわけではありません。

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 能力値やサイバーウェアによっては、会話で新たな選択肢が提示されたり、通常とは別の進入経路を利用できたりするようになるため、Vの育成しだいで攻略法がまったく変わるのがおもしろいところ。

 実際、友人と同じミッションの話をすると、「攻略法がまったく違う!」となることも珍しくありません。

 なお、レベルアップによって手に入る能力値&パークポイントにも上限があります。すべての能力値を最高にしたパーフェクトなソルジャーは作れないのです。

 しかし、育成方針はもちろん、ストーリー中も何度となく取捨選択を迫られるのが『サイバーパンク2077』というゲーム。何を失い、何を得るのか。報酬の喜びと犠牲の苦みこそ、本作最大の魅力なのです。

長編ドラマを観ているかのような重厚なストーリーと豊富なミッションでボリュームもたっぷり!

 ゲーム性の自由度の高さに触れましたが、物語も非常に魅力的なので、少し紹介しておきましょう。

 本作のストーリーの軸となるのは“Relic”と呼ばれる、不老不死を実現すると謳われたチップ。Vはとある依頼を受けたことで、Relicを巡る騒動に巻き込まれることになるのですが、それがどう転ぶかはプレイヤーの選択しだいです。

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 さまざまな個性的なキャラクターや勢力が登場するなか、誰に味方するのかで自分の立場も変化します。それによって、これまで敵だった人物が味方になることもありますし、逆もしかり。

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 また、本作にはしっかりとキャラクターの死が導入されています。一部の特例を除けば、登場人物は死ぬ可能性があり、敵対してしまった相手を殺すか生かすかというのも選択のひとつとなってきます。

 基本的にはシリアスなミッションが多いですが、なかには一風変わったものも。ナイトシティの市民の生活や価値観が垣間見えるものなどもあって、戦いに疲れた際の味変として楽しめるでしょう。

 加えて、全編日本語音声で楽しめるのが素晴らしい! 本作は翻訳の質の高さでも有名な作品で、会話や言い回しなどは日本人に馴染みやすいように調整されているのも特徴です。

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 進むルートによっては聞かない音声が山ほどあるというのに、そのすべてを日本語で届けてくれるなんて、ローカライズへの情熱も並大抵のものではありません。

 ドラマのようなストーリー、声優による大ボリュームの吹き替え、そしてプレイヤーの選択……これらが合わさった極上の体験が待っています。

古式ゆかしい“勘違い日本”をふんだんに盛り込んだ世界がクセになる!

 サイバーパンクという言葉自体は、ひとつのジャンルを指す単語で、本作以外にもさまざまな作品が生み出されています。その中にはいくつかの共通認識がありますが、日本の要素が強いというのもそのひとつ。

 いわゆる“勘違い日本”と言われるような、よくわからない日本語だったり、製品に和名(ハヤテとか、オロチとか)が多用されたり、実際の日本とはかけ離れたイメージで作られるものが多いです。

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▲こちらの銃の名前は“シグレ”。漢字を当てると“時雨”となるのでしょうか。
 これはサイバーパンクというジャンルが確立され始めた当時、経済成長の真っただ中だった日本の企業が、いずれ支配的な位置を占めるかもしれないという想像が生んだもの、という見方が一般的。これが定着したために、サイバーパンク=強力な日本企業が力を持っている世界というイメージが根強いです。

 今ほど自国以外の情報を知ることが簡単でなかった時代なので、日本のイメージがかなり偏っているのも当然。むしろ今となっては、このよくわからない日本語が盛りだくさんというのがサイバーパンクの味であり、期待されている部分ではないでしょうか。

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 一方で本作の舞台となるナイトシティはアメリカの都市をモデルとした街なので、価値観は海外寄り。また、現実よりも相当治安が悪くなっている世界ということもあり、かなりアナーキーな印象です。

 そこかしこで起きる銃撃戦、路上生活者と富裕層のコントラスト、そしてたくさんの日本語。これらがない交ぜになった異世界感がたまらなくクセになります。

 もし本作をプレイするなら、ミッションを進める傍ら、ぜひ散歩をしてみてください。ナイトシティはいくつかの区画に分かれており、それぞれでまったく様相が異なることがわかるはず。

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 また、待ちゆく人にも注目してみてください。機械とパンクファッションが融合した個性的なスタイルは、もし現実にいたら浮いて見えるでしょうが、この街であれば最高に“イカして”見える……かもしれません。

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 幸運なことに、本作にはフォトモード機能が実装されています。どこを撮っても誰を撮っても絵になるため、発売当時はミッションそっちのけで写真を撮っていたことを覚えています。それくらい写真を撮って歩くのが楽しい……!

 ちなみに、今では自由にNPCを配置して、架空のシーンを撮ることもできるようになっていました。すごい!

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この年末年始はSwitch 2版『サイバーパンク2077』で伝説を目指してみて!

 最後になりますが、発売から多くのアップデートを重ね、大ボリュームのDLCまで発売し、まさに成熟したと言っていい本作は、未プレイの人には本当にオススメの作品です。

 年末年始でプレイ時間を多く確保できるようなタイミングにはうってつけですし、帰省など移動の機会が多くなる時期だからこそ、持ち運び可能なSwitch 2という選択肢は非常に魅力的です。この記事を読んでくださったあなたもぜひ、ナイトシティで伝説になってみてください。

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