株式会社KADOKAWAがマーケティングとして参加する、VIC GAME STUDIOSが開発中の新作アニメーションアクションRPG『リミットゼロ ブレイカーズ』(PC / iOS / Android)。
2025年10月~12月までの3か月間、N高グループの課題解決型学習プログラム「プロジェクトN」にて、『リミットゼロ ブレイカーズ』とのコラボレーション授業を実施され、「【プロジェクトN α】イラストコンテスト」 、「【プロジェクトN β】マーケティングコンテスト」という2つのコンテストが行われました。
2025年10月~12月までの3か月間、N高グループの課題解決型学習プログラム「プロジェクトN」にて、『リミットゼロ ブレイカーズ』とのコラボレーション授業を実施され、「【プロジェクトN α】イラストコンテスト」 、「【プロジェクトN β】マーケティングコンテスト」という2つのコンテストが行われました。
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2025年12月12日に実施された「【プロジェクトN β】マーケティングコンテスト」の優秀チーム6組のゲスト講評に、株式会社KADOKAWA取締役・代表執行役社長兼CEOの夏野剛氏が登壇。ゲスト講評終了後、プレゼンの感想や若い世代への想い、『リミットゼロ ブレイカーズ』の魅力などをうかがいました。
高校生、恐るべし! 自分たちに刺さる視点を高評価
――よろしくお願いします。まずは高校生の皆さんのプレゼンを受けて、ご感想を教えてください。
最近の高校生は、恐るべしですね。何がすごいかと言うと、今はインターネットの時代なので、情報量がすごい。マーケティングの知識、プライシング、例えば駅広告を出すのにいくらかかるかなど、データを高校生でも全部手に入るようになっている。
その前提に基づくと、ありきたりな提案を作るのは誰でもできるんですが、基礎データを得た上で「どういうことをやれば、自分(高校生世代)たちに刺さるか」という、自分に刺さる提案をそれぞれのチームが作ってくれている。そこが、プロフェッショナルな広告代理店とはちょっと違う観点でした。
今回プレゼンをした6チームはそれぞれ評価すべきところがあって、そのなかから最優秀賞を選びました。これは現段階の『リミットゼロ ブレイカーズ』という作品にとっていい提案だったからで、優劣があるというものではないと思います。
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――どのチームもとてもいいプレゼンだっただけに、最優秀賞を選ぶのは大変だったのではないでしょうか?
これは簡単で、今までにないゲームを世に出すわけですから、現段階ではスケーラビリティが重要なんです。一度作品が広まったあと、違うユーザーを獲得するマーケティングをやるというのであれば、他の案だったかもしれません。各チームに光る部分がありました。ただ、現段階において1番いいのが今回の最優秀賞だったということです。
こういうものに何が正解か、というのはないんですね。ゲームや商品の特性に応じて1番いいものが選ばれるわけで、今回の6チームの作品もそれぞれ評価すべきところがありました。たまたま最優秀賞を1つ選びましたけど、実は優劣があるものではないと思っています。
――タイミングによっては、評価が変わっていた可能性もあったんですね。
僕らみたいなビジネスマンから見ると、タイミングやスケーラビリティが大事になります。ただコンテスト参加者はプロフェッショナルな広告代理店ではなく高校生なので、タイミングよりもオリジナリティを出し、「自分たちに刺さるのはこうだ」と提案してもらえたのが逆によかったと思います。
――高校生らしさを感じた視点はありましたか?
プロは受注を狙っちゃうから、「ここの段階ではやっぱりスケーラブルだよな」とか考え、ありきたりになっちゃうじゃないですか。
でも最優秀賞のアイデアは、「自分だったら」と自分事として捉えているから提案できるんだと思うんです。自分には刺さるだろうなと思っている人じゃないと出てこないですよね。
――発表後の質疑応答では、各チームに鋭い質問を投げかけていらっしゃいました。どのような点を重視して質問されたのでしょうか?
効果とやっていることが完全に噛み合っていないかもしれないポイントを中心に、「そこはどう思っていますか」と聞きました。聞いた結果、嚙み合っていることもあれば、そこはあまり考えていなかったんだなということもあって、その確認ですね。
――高校生相手ということで、伝え方で意識されたことはありますか?
あんまり、ダメ出ししないようにしています。皆将来もありますから、なるべくいいところを汲み取ろうとしました。
――ダメだしされないようにしたとのことですが、今回のように若い世代の方にアドバイスをされる時に大事にされていることがあれば教えてください。
これは、受け取り方次第のところもあるので、ちょっと保証できない部分もあるんですが。
大事だなと思っているのは、僕が指摘したことで「こうすれば、もっとよくなるかも」「もしかしたら、ここが抜けていたかもしれない」と次に繋がる気づきになってほしいなと思っています。「全然ダメだよ」と言われたら、もうどうしようもないじゃないですか。
――今回の質疑応答時では、高校生の皆さんの対応がしっかりされていて、経験として生かしていくんだろうなという雰囲気を感じました。
1つのチャンスなんですよね。今日の6つのアイデアは、それぞれが突き詰めていったら、どこかのステージで必ず合う提案だったと思います。逆に1年後に採用される可能性があるような提案でもあるので、ぜひ詰めていってほしいなと思います。
――今回の授業を通じて、生徒の皆さんにはどのようなことを大事にしてほしいと思われますか。
生徒さんにも言ったんですけど、自分でゼロから考えてアイデアを作るっていう体験が、日本の教育現場って少なすぎるんですよ。これから大学に進学する人も多いと思いますが、日本の大学が特に苦手な分野なんですよね。
社会に出るとこういう体験ばかり、ありきたりなアイデアをまとめるだけじゃダメだし、ワンウェイの会議なんてないからね。だから社会に出るまでの間、この体験を忘れないで欲しいなと思っています。
中学、高校、大学で頑張ったことは、大切な経験になる
――今日の素晴らしいプレゼンを聞いた印象ですが、N高に通っている生徒さんは視野も広いので、いろいろな道を考えていそうです。
中学、高校、大学は一番多感で、体力的にも無理がきく時期です。ここで熱中したものがあるか、本当に頑張ったことがあるというのは、すごく大切な経験だと思います。だから大学生活も大事で、N高で経験したことを活かす進路に進んでほしいです。
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ぜひ、海外の学校も考えてほしいですね、アメリカやカナダの大学だと「チャットGPTを使ってこのことについて調べた上で、その回答に対して自分がどう思うかをまとめなさい」っていう授業をもうやっているんです。うちの娘が1年間行ってたんで、すごいなと思いました。
AIも指定なんですよ。みんな同じ前提条件じゃないといけないから、ジェミニじゃなくてチャットGPTを使って。今の時代になると、そこまでしないとついていけないです。
僕も大学教員をしているので、やっていかなければいけないと思います。とにかく、ワンウェイの授業はやらないです。
『リミットゼロ ブレイカーズ』のキーワードは協業
――今回、教材となった新作ゲーム『リミットゼロ ブレイカーズ』には、どのような印象をお持ちですか。
日本のスマホゲームって、若干ガラパゴス化しているところがあると感じています。グローバルマーケットと比べて、キャラクター設定がそんなに違うわけでも、動きに遅れがあるだけでもないのに、全体的な作りが違うんですよね。
今回は韓国のVIC GAME STUDIOSに作ってもらっていますが、我々にとってもいい勉強になるなと思っています。日本はコンシューマゲームで世界中にゲームを輩出しているのに、スマホゲームになるとそこまでの勢いにはなっていない。この壁を少し破りたい、という思いがこの『ブレイカーズ』にはあります。
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――独自の世界観も魅力的ですよね。
アニメーションスタジオ「MAPPA」によるアニメーションも、絵柄やキャラクターが日本風アニメとは少し違う雰囲気がありますよね。かといって、すごく離れているかと言えばそうでもない。韓国や中国の作品よりは日本寄りだけど、でも日本のRPGよりはグローバル寄り。ここに、新しいチャンスがあるんじゃないかという風に思っています。
――ブレイクスルーのキーポイントは、何だとお考えですか。
協業だと思います。今回は日本のアニメスタジオと、日本の制作会社である我々、そして韓国のスタジオが組み、配給は韓国のNCSOFTという日韓協業プロジェクトになっています。ゲームに国籍なんか関係ないですが、みんな同じ方向を向いてすごくいいコラボレーションができているので、協業が鍵だと思っています。
――最後にマーケティングやゲーム業界に興味を持って、夢を追いかけている高校生の皆さんにメッセージをお願いします。
ビジネスの現場の都合や事情、慣習といったものから離れて、「自分がユーザーだったらこれが刺さるな」というアイデアを、どうやったら現実に合わせられるか。そこから始めてもらうのがいいんじゃないかと思います。
大人から「そんなのできない」とかいろいろ言われると思うんですけど、諦めずに掘っていくと、何かチャンスがあるというのを感じ取っていただけたらいいなと思っています。高校生のうちだからこそ、そういう発想ができるはずなので、どんどんチャレンジしてもらいたいです。
――今回の授業、コンテストを活かすことにも繋がる考え、行動ですね。
こういうコンテストじゃなくても、今実際にマーケティングがされているものに対して、「自分だったらこの商品はこういう風に宣伝しないのにな」とか、「自分だったらどうする」というのをちょっとシミュレーションしてもらうのはいいんじゃないかなと。
僕も中学・高校時代に、「僕だったらこういう設計にしないのにな」っていつも思っていました。「あれ?」と思ったら、これを直すんだったら何ができるんだろう、どういう技術があるんだろうと調べてみる。今は調べれば何でも出てくるし、コストがどれくらいかかるかもわかると思います。
「自分だったら」と置き換えてやるのがいいですよ。これは、若い社員にも言っているんです。「自分が部長だったら稟議を出すかな」「自分が社長だったら今社長がやっていることをやるかな」って常に考えてシミュレーションしていれば、それが勉強になる。
僕は今もそう思ってやっていて、新入社員を全員希望配属にしました。やる気満々で入ってくるのに、違う部署に回すなんて嫌がらせですよね。
自分ごととして捉えるというのが、大事なのかなって思っています。
――ありがとうございました。