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『Fate/strange Fake』1話感想。とあるキャラにそっくりな主人公・アヤカは何者なのか。開幕から情報量が多すぎる…!

文:米澤崇史

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 1月3日より放送がスタートしたアニメ『Fate/strange Fake』第1話“英霊事件”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『Fate/strange Fake』1話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]
 『デュラララ!!』や『バッカーノ!』で知られる、成田良悟先生が手掛ける『Fate/strange Fake』。異端の聖杯戦争を描く『Fate』シリーズの作品として、原作小説及びコミカライズが刊行中の作品ですが、放送を今かと待っていたファンはかなり多かったと思います。そんな本作の放送が、ついにスタートしました。

 筆者は昔からの『Fate』シリーズのファンなので、2008年のエイプリルフール企画として、本作のプロトタイプにあたる『Fake/states night』が、成田先生の個人サイトに公開されたときから知ってはいたのですが、その後に正式な小説シリーズとして刊行された後、ずっと読もう読もうと思ったまま機会を逃してしまっていたんですね。

 なので、『Fate』シリーズの基礎知識は持っていますが、『strange Fake』に関してはアニメ版が初見となるので、ズレた考察をする場合があることをご了承いただければ幸いです。

2023年のTVSPのラストシーンがようやく理解できた【Fate/strange Fake】

 1月3日に第1話が放送されたのですが、2023年の夏にTVSP『Fate/strange Fake -Whispers of Dawn-』が放送されていました。こちらが第0話にあたるエピソードとなっており、第1話はその続きとなります。

 TVSPから期間が空いてだいぶ内容を忘れてしまっていたので、今回TVでは1時間半の拡大枠で連続放送してくれてありがたかったです。これから配信で見るという方は、『Whispers of Dawn』も忘れずにチェックしておきましょう(ABEMAで1週間限定で無料視聴も可能です)。

 『Whispers of Dawn』では、アメリカ・スノーフィールドで“偽りの聖杯戦争”が開催されるに至るまでのエピソードが描かれ、参加者となる6人のマスターとサーヴァントたちが登場し、『Fate』シリーズの中でも共に最強格のサーヴァントとされるギルガメッシュとエルキドゥが互いの宝具をぶつけ合うという、いきなり最終決戦のようなスケールの戦いが勃発していました。

 とくにギルガメッシュがいきなり奥の手である“乖離剣エア”を抜いたのは驚きで、基本的に英雄王としてのギルガメッシュって、自分が最強の英霊だという慢心が常にあるので、いきなりエアを使うなんてまずなかったんですよね(実際今回も召喚されたときはいつもの慢心モードでした)。


 そこから生前のギルガメッシュ唯一無二の友であり、ギルガメッシュと互角の強さをもつエルキドゥが召喚されたことで、本気になったギルガメッシュが見られたのはテンションが上がりました。

 『Whispers of Dawn』は、7騎目のサーヴァントであるセイバーが、アヤカ・サジョウの元に召喚されたシーンで話は終わるのですが、アヤカ側がなぜ偽りの聖杯戦争に参加し、セイバーの召喚に至ったのかという経緯はまったく分からないままでした。今回の1話でアヤカの視点での話が描かれたので、「あのシーンってそういうことだったのか」とTVSPから1年半越しにようやく理解できてスッキリしましたね。

 ただ、主人公のアヤカはまだかなり謎だらけの存在です。わかっていることは日本から来たことと、何者かに命じられてスノーフィールドにやってきたことくらいでしょうか。

 映像から察するにアヤカに命令したのは、聖杯戦争の仕組みを作った御三家の一角であるアインツベルンだと思われますが、アインツベルンがなぜアヤカをスノーフィールドに行かせたのかは不明なまま。

 アインツベルンが聖杯戦争のために魔術師を雇うことがあるのは『Fate/Zero』で分かっていますが、アヤカは魔術師ではないと自分で言っていたので、その線もない気がします。


 アヤカの手には令呪のような模様が浮かび上がっていたのも気になるところ。

 最初はスノーフィールドに来て、マスターに選ばれたから令呪が浮かび上がったのかと思ったのですが、本来のセイバーのマスターはアルトリアを召喚しようとしていた男の方のようなので、アヤカの手の甲にあるのは通常の令呪ではなさそう。アヤカの手の甲を見たファルデウスが「令呪?」と疑問っぽく口にしていたのは、だからだったのかと納得しました。

 あと何より、アヤカが『Fate/Prototype』の主人公の沙条綾香に瓜二つなのは見過ごせないですよね。髪の色こそ違うものの、見た目がそっくりで名前は同じ、しかも声が共に花澤香菜さんというのは、さすがに偶然の一致ということはないだろうなと。

 並行世界の存在なのか、もしアインツベルンが関わっているとすれば、聖杯戦争でアーサーを召喚するために縁のあるアヤカを参考に作られたホムンクルスなのかとか(結果アーサーは来ていませんが)、いろいろ想像が膨らんでいます。記憶が曖昧になってるあたり、アヤカが何者なのか、という部分も今後の鍵になりそうですね。

成田先生らしさに溢れた群像劇。ウェイバーの怒りは『Fate/Zero』ファンとして嬉しかった【Fate/strange Fake】


 『Whispers of Dawn』を見たときから思っていましたが、とにかく登場人物が多いですよね。聖杯戦争なので7組のマスターとサーヴァントが登場するのは『Fate』シリーズで共通していますが、主人公組をメインの視点にせず、複数の勢力の話が同時に進んでいて、シリーズの中でも群像劇の要素がとくに強いと感じました。

 このあたりは群像劇を得意とする成田先生ならではで、どの組もアクが強い分、1話終了時点でも各勢力ごとのキャラの配置をしっかりと認識できるようになっている構成がすごく巧みだなと。

 とくに1話は、監督役のような役割をしているファルデウスの視点を多めにすることで、改めて各勢力を紹介するような話の構成になっていたのも、視聴者の理解を深める助けになっていました。

 当のファルデウス本人も、ずっと黒幕っぽい立ち回りをしているのに、割と思惑通りにいかずに引っ掻き回されていて、ミステリアスでありながらどこか親しみも持てる、見ていて面白いキャラクターとして印象的です。

 また個人的に好きだったのが、エルメロイ二世(ウェイバー・ベルベット)が、偽りの聖杯戦争を実行しようとしている黒幕たちに対する怒りを覗かせたシーン。

 第4次聖杯戦争を実際に経験した当事者として、聖杯戦争を見世物のショーとして楽しもうとしている存在がいることが許せないというのは至極真っ当で、エルメロイ二世はやっぱりあのウェイバーなんだなと改めて感じられたのは、『Fate/Zero』でライダー陣営が好きだった身として嬉しかったです。


 エルメロイ二世が言及したのは、キャスターのマスターであるオーランドと何らかの関係性にある少女・フランチェスカのことだと思われますが、彼女に関しては全くと言っていいほど情報がなく、どんな立場で今回の聖杯戦争に関わっているのかも分かっていません。

 絡みの多いオーランドとの関係性も良好ではなさそうで、『Whispers of Dawn』ではオーランドから「老害」呼びされていた一幕もありました。外見年齢は10代ですが、間桐臓硯のように本来の寿命を超えて生き長らえてきた存在である可能性が非常に高そう。

 アヤカがセイバーを召喚したハプニングにも一切動揺することなく、その展開をむしろ歓迎していた節があったくらいなので、エルメロイ二世の推理通り、聖杯戦争をただのショーとして楽しんでいるだけなのか、それともまた裏に何か別の思惑があるのか、そもそも何者なのかなども気になるところです。


 『Fate』シリーズ恒例のセイバーを初召喚したときの「問おう~」のくだりが見覚えのある構図で再現されるのは、何度見てもニヤリとしますね。

 本作のセイバーは、明らかにアルトリア(『Fate/stay night』のセイバー)ともアーサー(『Fate/Prototype』のセイバー)とも別人なのに、エクスカリバーを使ったのに驚いた……と言いたいところだったのですが、自分は『FGO』はプレイしていて、すでに『strange Fake』のセイバーも実装されているので、このあたりの設定や大まかなキャラクター性については理解していました(自分と同じ人は多いと思いますが)。

 しかし、なぜアルトリアではなくこちらのセイバーが召喚されたのかとか、アヤカにマスターじゃないと拒否されていたけど今後どう動くつもりなのかとか、謎はたくさん残っているので、そのあたりを今後の楽しみにしようかなと。ファルデウスも言っていましたが、いきなりサーヴァントが警察に逮捕されるというのも、『Fate』シリーズではまず見ない展開で、セイバーが連行されていく姿はなかなかシュールな光景でした。


 撤退したアサシンとアヤカの間に何か関係性があるような仄めかしもあったり、1話から今後の伏線につぐ伏線が貼られていて、キャラクターの多さも含めて、開幕から怒涛の情報量に圧倒されたというのが最初の感触。映像も待った甲斐はあったと思えるクオリティで、あっという間に時間が過ぎていきましたね。

 『FGO』の第2部終章もプレイし終えて、個人的にも今『Fate』熱が高まっている状態でもあるので、シリーズファンの一人として、これから毎週の放送が楽しみです。

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