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「へぇ、あんたもジミーっていうんだ」ドキッ! ジミーだらけの『28年後... 白骨の神殿』ネタバレ感想【ほぼ週刊電撃スタッフコラム:オッシー】

文:オッシー

公開日時:

※この記事には『28年後... 白骨の神殿』の重大なネタバレがありますので、ご注意ください。

 みなさんこんにちは。そしてあけましておめでとうございます。もう1月も22日なんだが? 時が加速しすぎやろがい。プッチ神父おるな。年末年始に遊びたいゲームと観たい映画がありすぎて、コラム書くのが億劫になって今に至る。にんげんだもの。そんなみつをっしーが新年一発目のコラム34回目をお送りします。

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 このコラムでは、狂ったようにプレイしている日々のゲーム体験や、ゲーム以外の趣味である映画鑑賞などで摂取したエンタメコンテンツを、短文レビュー形式でお送りしています。今までは複数タイトル紹介していましたが、毎回短文じゃないので今後は1タイトル1記事にします。だから今回は映画だけだぜ。今までは映画だけだとアレかなと思って、ゲームを無理やり足してたけど、これからはそんなの関係無しにやっていくぜ。

それにしてもこのジジイ、ノリノリである


タイトル:映画『28年後... 白骨の神殿』

 『28日後...』、『28週後...』ときて、前作でいきなり飛んで『28年後...』になった人気ゾンビシリーズ最新作。
てっきり次は『28世紀後...』の近未来SF作品になると思ってたけど、まさかの地続き続編でビビる。

 いやまあ、前作『28年後...』のラストが続編匂わせだったから、無くは無いんだけどね。そういうアメドラみたいなことやる監督じゃ無いと思っていたので、ちょっとびっくり。

 思い返すと前作の感想コラムで「最後の方のテイストでやってほしかったわ。」みたいなこと書いてたわ。


 じゃあそんなリクエストに応えてくれたわけで、観に行かざるを得ないわな。

 本作は『28年後...』の正統続編。主人公⋯はジミーなのかスパイクなのか不明だが、ひとまず前作主人公のスパイクがジミー率いるジミーズに拉致された前作ラストから始まる。この時点でジミーって名前が多すぎるので、今後はジミー(オリジナル)や、ジミー(スパイク)などで呼ぶことにする。

 このジミー(オリジナル)も、それこそ前作の冒頭で出てきた少年なのよ。親が神父なんだけど、ゾンビに襲われて殺されちゃうの。で、それを一人隠れて目撃していた少年がジミー(オリジナル)。ただ、前作ではそのシークエンスは導入だけで、その後はタイトルにもなっている28年後に舞台が移るので、前作の主人公はジミー(オリジナル)じゃない。

 ところが、なんやかんやあって、前作主人公スパイクが一人旅立ったところで出てくるヒャッハー集団が“ジミーズ”で、その頭領がジミー(オリジナル)28年後のすがた、なのよね。そこまでは一応、前作ラストで明かされていたのよ。

 そんで今作は、スパイクがジミーズに拉致されて、入団テストを受けさせられるところから始まる。なんとこのジミーズという集団は全員が名前を“ジミー”にするという決まりがあるのだ。なので前作主人公のスパイクも、入団テストに受かって晴れてジミー(スパイク)になることに。
ジミー多すぎて、あんたも『NANA』って言うんだどころの話ではない。

 この集団は、戦闘力は高いものの、頭のネジが外れている悪魔崇拝プッツン集団で、生き残っている集落を襲っては、住民を“慈悲”という名目で拷問して殺して回っている。頭領であるジミー(オリジナル)が、悪魔の父をでっち上げてメンバーに信仰させているのよ。その悪魔の父のことを“覇王”とか呼ぶもんだから、映画観ながら世紀末覇王しか頭に浮かんでこなくて困った。

 そんな悪逆集団の仲間入り(本人は望んでいないが)したジミー(スパイク)は、“慈悲”に参加するのを嫌がり、粛清されそうになる。でも一人の女ジミー(本名はケリー)に助けられて、何とかギリギリのところで許される。でも逃げられない。

 一方、前作でも重要な役どころだった医者のケルソンも出てくる。前作では動機がイマイチ見えづらかったけど、今作は分かりやすい。進化した感染者のアルファを麻酔で弱らせて人体実験をしているのだが、実は感染者が人間に戻る方法を研究していたのだ。そしてその研究が実を結びそうになり、アルファ(サムソンと名付けた)と意思疎通が図れるところまでくる。

 そんなジミーズとケルソンがひょんなことから接触し⋯物語は驚愕の結末へ向かうのであった。

 いやー、正直前作『28年後...』は、そこまでだったのよ、個人的に。なんか各人の動機が見えづらくてさ、スパイクの母親のくだりも冗長だったな~って思ってちょっと眠かった。ところが今回はめちゃくちゃ面白いのよ。

 ジミーズサイドは胸糞は悪いけど、善良な集落を襲うところとか『ファニーゲーム』みたいな嫌~な感じのやり取りが緊張するし、その後の拷問シーンも決して一方的じゃなくて色々起こって退屈させない。ジミーズの中にも派閥とかあって、
ジミー(スパイク)を助けてくれるジミー(ケリー)が、ジミー(オリジナル)に疑念を抱いていたりとかもある。さらに、ジミー(オリジナル)が他メンバーを従えるために設定した“覇王”っぽい人がジミーズの前に現れるのも面白い。そしてその勝手に覇王にされているのがケルソン博士なの最高すぎんだろ。いや確かにほぼ素手でアルファと対峙してるの覇王っぽいけども。

 そしてケルソンサイドも面白い。このシリーズの設定の根幹に触れるような事実が判明したりするんだけど、ゾンビになる感染症が“精神病”だったというのがよかった。そういえば、本作の序盤や、過去作でも一部あったけど、ゾンビ(=感染者)の視点からだと、健常者(=人間)が怪物に見えるのよね。それと凶暴化(レイジウイルス)も相まって、感染者は人間を襲ってたわけ。

 こういう視点が逆転する展開は、ゾンビものだとたまにある設定ではあるけど、結構好きなのよね。ゲームだと『SIREN』も、実は屍人はすっごい幸せで、人間(主人公たち)も幸せな仲間にしたくて襲っている、という設定を読んで感心してたし。

 さらに、ケルソンとアルファ(サムソン)のコミュニケーションもエモくて良い。一緒にレコードかけてダンスするところも良かったし、星を見ながら一緒に寝るのも良かった。この一緒に寝る場面、サムソンの麻酔が切れかけていて、起きたら殺されてもしゃーなし、と思いながら隣で寝るのよ。でも結局殺されずに目が覚めて、サムソンとの意思疎通というか、友情の萌芽を感じる描写、良かったわ。

 そんでケルソンとジミー(オリジナル)が直接出会うんだけど、ケルソンが覇王じゃないことに気づいたジミー(オリジナル)がケルソンに「覇王になりすましてほしい(仲間に示しがつかないから)。」とお願いするわけ。こんな世紀末で殺るか殺られるかみたいな世界観なのに、
「田舎からお父さんが出てくるから今日だけ恋人のフリしてほしい。」みたいなラブコメ展開が始まって面白かった。

 その方法も最高で、ケルソンがノリノリで覇王役やる。具体的には、表題にもなっている“白骨の神殿”をステージに見立てて、アイアンメイデンの『The Number of the Beast』を歌い狂うのだ。めっちゃガリガリのおじいちゃんがデーモン小暮閣下みたいなメイクしてアイアンメイデンを歌うわけ。このシーン最高だった。もはや『The Number of the Beast』のMV。しかもその舞台演出とか全部ケルソンおじいちゃんが一人でやってるのよ。発電機になけなしの燃料入れたりとかね。
みんなの笑顔が見たいからって、おじいちゃんハッスルしすぎ。絶対に若い頃はブイブイ言わせてたに違いない。

 ステージ終了後、あまりの迫力に、ジミーズもすっかりケルソンを覇王だと勘違い。そりゃそうだ。こんな世紀末でアイアンメイデンになりきって「666!」とか歌えるのは覇王さんしかいないわな。

 その後も色々とあるものの、さらに続編に繋がりそうなシーンで締め。人間性を取り戻したサムソンや、ジミーズを捨てて本来の名前に戻ったスパイクとケリーはどうなるのか。そして最後だけ出てきた新キャラも気になる。いいぞもっとやれ。

 前作がちょっと冗長で好かん、という人にも、今作はとにかくエンタメに振り切っていて最高に面白いのでマジオススメ。新年一発目の劇場鑑賞映画が大当たりだったので、今年は良い映画に沢山出会える予感がする!

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