スクウェア・エニックスが運営するオンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV(以下、FF14)』。本企画では、ヒカセン兼ライターが膨大なプレイ時間をかけて旅する中で出会った、『FF14』の“好きなクエスト”や“好きな台詞”を振り返りつつ紹介していきます。

第2回の『FF14』振り返り記事では、暗黒騎士のジョブクエスト“歩み続ける孤高の騎士へ”より、フレイの台詞をお届けします。
まったく……君って人は!(フレイ)
●暗黒騎士ジョブクエスト Lv80“歩み続ける孤高の騎士へ”(パッチ5.0『漆黒のヴィランズ』)
『FF14』には数多くのジョブ(戦闘職)がありますが、私が最も思い入れが強いのが暗黒騎士です。
特に、Lv30~50のジョブクエストのキーキャラクター“フレイ”が『FF14』全体を通して5本の指に入るぐらい好きでして、彼(便宜上「彼」と呼びます)と、ある種の“和解”を果たせた今回の名言は忘れられないものです。

フレイはなかなか複雑なキャラです。最初は一介の暗黒騎士として、同じ道に足を踏み入れた光の戦士のメンターとなり、彼/彼女を導いてくれました。

その正体は、一介の冒険者であった主人公が英雄、光の戦士になる過程で抱いてきた負の感情そのものです。
エオルゼアの英雄として人助けをくり返す日々の中で、光の戦士は恐怖や憎しみといった悲痛な本音から無意識に目を逸らし続けていました。本音には「誰が自分を護ってくれるの?」という切実な願いも込められています。
英雄だって人間で、傷つけば痛いし悲しい。そんな“光の戦士の悲鳴”たるフレイは自分を――光の戦士自身がしまってきた心の痛みを見てくれと、訴えました。

私は「大衆に祀り上げられた英雄が、自分の“人間”としての本音と向き合う」展開が大好きなのですが、フレイの物語はそのテーマを見事に描いており、暗黒騎士への思い入れを確かなものにしてくれました。
英雄は、他人のために自分を犠牲にするしかないのでしょうか? 『FF14』を通して重くのしかかる命題だと思います。

さて、フレイと一つに戻ってからも旅を続ける光の戦士は、『漆黒のヴィランズ』でも光の戦士(闇の戦士)として死闘をくり広げ、第一世界の救済を果たしました。エオルゼアに帰還した彼/彼女はイシュガルドにて、自分への感謝の気持ちが綴られた差出人不明の手紙を受け取ります。
どうにも気になった光の戦士は、わずかな手がかりをもとに差出人を探す旅に出ます。


ささやかな旅の中で、光の戦士はかつて手を差し伸べた人々と再会します。彼らは一様に感謝を語ってくれました。
かつてのフレイならば、他人がそうして光の戦士を英雄に祀り上げている、と言ったかもしれません。

差出人の正体は、ジョブクエスト“世界は仇なす”に登場した商人“ゴードハード”でした。蛮族に奪われた商品を光の戦士に取り返してもらったにも関わらず、お礼を言うどころかボロボロになった商品の代わりを用意しろと要求した男です。
その後、商売に失敗したことをきっかけに改心したようで、自分に会いに来た光の戦士への感謝を改めて語ります。

「光の戦士は都合の良い英雄なのか?」そんな疑問を抱かせる憎まれキャラがゴードハードで、光の戦士をいいように使おうとする態度はかつてフレイを激怒させました。
暗黒騎士のジョブクエストでもかなり印象的な彼が、時を経て改心した事実は感慨深いものです。

今は農場で働くゴードハードは、失敗した自分に唯一残された花の球根――かつて光の戦士が取り戻した傷物の商品を咲かせようと奮闘し、先日ようやく1つ咲かせることに成功したそう。
その1本を譲り受けた光の戦士は、再びイシュガルドに向かいます。花を渡すべき相手と再会するために。


向かった先は、イシュガルドの“大審門”。かつてフレイから「英雄を捨てて自分とエオルゼアから出よう」と提案され、その待ち合わせに指定された約束の場所です。
当時の光の戦士は一度ここへ向かいましたが、イシュガルドの騎士を助けるためにその場を離れ、約束を果たせませんでした。
この出来事がフレイを決定的に失望させ、後に自分同士で殺し合う展開へと繋がっていきます。


クルザス大審門に花を供え、静かに待ち続ける光の戦士。
やがて気まぐれな風が花を舞い上げ、イシュガルドの雄大な雪山へ持ち去っていった頃……

フレイ、いや、かつてフレイを名乗った“英雄の影身”が現れました。
影は、相変わらず自分を省みず無茶ばかりする光の戦士に軽く小言を言います。特に『漆黒のヴィランズ』での決戦で本当に死にかけた一幕については「我ながら馬鹿かと」と心底呆れている様子です。


ですが、光の戦士と共に第一世界を戦った影は、本当に死にかけた光の戦士が無事生き残った理由も知っています。その顛末の全てをここで語るのは難しいですが、光の戦士が昔手を差し伸べた“誰か”の願いが巡り巡って命を救ってくれた、といったところです。
影にとって、第一世界での顛末はさぞ衝撃的だったでしょう。かつての彼の考えでは、他人のために戦い続ける行為は果てしない自己犠牲と同義です。しかし、第一世界で光の戦士は英雄として世界を護り、その行いによって自分自身も護りました。
「生きて」というあの日の彼の願いは、確かに叶えられたのです。
そして満ち足りた表情で、影は今回の“名言”を口にします。
「まったく……君って人は!」

このセリフを読んで、ようやくあの日のフレイと本当に和解できたのだと感じました。
心の悲鳴から目を背ける光の戦士の生き方を許せず、英雄を捨ててくれと願ったフレイ。そんな彼に、英雄だからこそ自分を救えた姿を見せられたのは感無量です。『漆黒のヴィランズ』5.0の最終戦(ハーデス討滅戦)を暗黒騎士で挑んで本当に良かったなぁ……と、しみじみ思いました。

ちなみに“歩み続ける孤高の騎士へ”をクリアすると、自分と共に戦う“英雄の影身”を具現化するスキル“影身具現”を修得します。
個人的にかなりのお気に入り技で、使うたびにこんなことを考えたりします。他人を護る戦いでこのスキルを使ったら、フレイは“まったく……君って人は!”ってぼやくのかな、と。
電撃オンラインでは、好きなクエストや名言などにフォーカスした『FF14』に関する企画記事をこれからも不定期で展開していく予定です。次回もお楽しみに!