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『ピクミン2』水中の城のアメボウズ。あのローラー音とトラウマ【メモリの無駄づかい】

文:保坂柊

公開日時:

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 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は2004年にニンテンドーゲームキューブで発売された『ピクミン2』から、多くのプレイヤーにトラウマを植え付けた「ある敵」について語ります。

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ほのぼのゲーを一変させる地下洞窟の異物


 『ピクミン』シリーズは、可愛らしいキャラクターと自然の中を探索する癒やしの側面を持っています。しかし、『2』から本格的に導入された”地下洞窟”は別物です。薄暗く、陰湿で、殺意の高い生物たちがひしめく閉鎖空間。

 その中でも、最凶のトラウマスポットとして名高いのが”水中の城”です。

 ここは青ピクミンしか連れて行けないという厳しい縛りがあるダンジョン。水場や電気の罠が多く、ただでさえ慎重な操作が求められるのですが、この場所にはもう一つ、恐ろしい”隠しルール”が存在します。

 フロアである程度の時間が経過するとヤツがくる……そう、みんなのトラウマ、アメボウズの登場です。

平和な探索を切り裂く”ヒュー”という落下音


 お宝を回収し、壁を壊し、原生生物を倒す。そんなダンジョン探索の作業に没頭して、5分ほど経過した頃でしょうか。

 突然、上空から”ヒュー”という落下音。そしてBGMがゆがみ、不気味な曲へと切り替わります。

 初めてその音を聞いたとき、「なんだ? 何が来るんだ?」とコントローラーを握る手に嫌な汗をかきました。

 降りてきたのは、二つのローラーで移動する半透明の巨人。その姿を見た瞬間、「なんだこれは」という困惑と、「近づいてはいけない」という本能的な拒絶が、同時に来ました。敵味方関係なく踏み潰していく姿はまさに災害。

攻撃が通じない! 一方的な大虐殺がはじまる

 このアメボウズ、普通の攻撃は一切通用しません。青ピクミンしか連れていけないこのダンジョンでは逃げるしかありません。

 恐怖で足(指)が動かず、パニックになっている間にも、巨大なローラーは無慈悲に迫ります。お宝を運ばなきゃいけないのにヤツが迫ってくる、狭い通路に逃げ込んでも整列しきれずに踏みつぶされる。そんな瞬間を何度も体験しました。

 一瞬前まで100匹いた頼もしい隊列が、ローラーが一往復しただけで50匹、30匹と消し飛んでいく。この時の絶望感といったらありません。

 大切な相棒たちが、ただの道路のシミのように処理されていく。反撃手段はなく、ただ逃げるしかない。けれどフロアは狭く、行き止まりもある。理不尽な暴力(ローラー)に蹂躙される恐怖は、もはやホラーゲームのそれでした。

“早く逃げなきゃ”という焦りが生む二次災害

 アメボウズが現れたら、お宝なんて捨てて次のフロアへ逃げるのが正解です。しかし、人間の心理として「あとちょっとでお宝が運べるのに!」と欲をかいてしまうもの。

 あの不気味なBGMと迫りくるローラー音に精神を削られ、焦って運搬ルートを間違える。しかもいやらしいことにこのダンジョンには青ピクミンはダメージを受けてしまう電撃を放つ原生生物も。

 「GAME OVER」の文字を眺め、そっとゲームキューブの電源を落とした日もありました。

最下層での逆襲、そして……

 そんな恐怖のどん底を味わった末に辿り着く最下層。ここでようやく、紫ピクミンを作り出せる「ポンガシグサ」が登場します。

 紫ピクミンのドスンという衝撃波を食らわせると、アメボウズは実体化し、紫色に変色。今まで無敵だった怪物が、途端に弱々しく頭を抱えながら動かなくなります。

 「よくも! よくも俺の青ピクミンたちを!」

 紫ピクミンを叩きつけながら、心の中で叫んでいました。恐怖が怒りに変わり、そして一方的にボコボコにする快感へ。犠牲になっていった青ピクミンたちの想いも背負って戦う、あの瞬間のカタルシスは格別でした。

 『ピクミン4』など近年の作品でも彼は登場しますが、やはり初遭遇時の『ピクミン2』での絶望感は別格です。現実世界のロードローラーさえアメボウズに見えてくる。そんな「メモリの無駄づかい」をしているのは、きっと私だけではないはずです。

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担当者プロフィール

  • 保坂柊

    保坂柊

    世界2位まで突き詰める探求心でゲームの物語の深みを言語化します。 ライター歴5年。eスポーツ大会レポートから最新ゲームの紹介まで幅広く執筆。『Battlefield 6』にてスナイパーキル数世界2位を達成。好きなものを突き詰める探求心をいかして、読者が求める攻略情報、考察記事を提供します。 『ゼンレスゾーンゼロ』『崩壊:スターレイル』などのHoYoverse作品や『ペルソナシリーズ』、Battlefield 6などを中心にプレイ。ゲーム歴:10年。知識:キャラクターのステータス最適化や世界観の深掘りなどを得意としています。

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