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『エトランジュ オーヴァーロード』クリア後レビュー。痛快無比な悪役令嬢物語を余すところなくゲーム化。原作の続きの展開も読めてしまう!?【ストーリー&世界観編】

文:アツゴロウ

公開日時:

最終更新:

 3月26日にブロッコリーより発売されるNintendo Switch/PS4/PS5/PC(Steamほか)用新作アクションアドベンチャー『エトランジュ オーヴァーロード』。そのキャラクターや世界観についてのレビューをお届けします。


 元日本一ソフトウェア社長の新川宗平氏がプロデュースする『エトランジュ オーヴァーロード』。新川氏がいわゆる“悪役令嬢もの”をモチーフにした原作を執筆していることや、ゲーム化と並行してコミカライズや楽曲作成などのメディアミックス展開がなされていることでも話題になっています。

 そんな『エトランジュ オーヴァーロード』がついに発売! 本記事では、ゲームクリアまでプレイした担当ライターが、本作のストーリーやキャラクター、世界観についての注目点について語っていきます。

 なお、
ストーリー関連の致命的なネタバレはありませんのでご安心を。また、システム関連のレビューは個別の記事がありますのでそちらをご覧ください。

全3部の原作ストーリーを網羅。未発表部分の内容も白日の下にさらされる


 まず、本作の大まかなストーリーについてざっとおさらいしておきましょう。主人公はエーデルシュタイン王国でも高い地位にあるローゼンブルク公爵家の令嬢エトランジュ。彼女は王家の第一王子の婚約者でしたが、王族暗殺未遂という身に覚えのない罪で処刑され、地獄に堕とされていました。


 ですが、そんな逆境もまったく意に介さないエトランジュ。なぜなら彼女は、どんな状況にあっても自分を曲げない芯の強さと、恐るべき闇魔法を操る才能を合わせ持つ“最凶の悪女”だったからです。


 圧倒的な力で襲い来る悪魔たちを返り討ちにしたエトランジュは、処刑の真相について考えるよりも、地獄で幕を開けた第二の人生をよりハッピーに生きようと決意。そんな彼女の強さやカリスマ性に惹かれて、地獄の住人や生前に縁のあった者たちが集まってくるのでした。


 こうして始まったエトランジュの物語。いわゆる“悪役令嬢もの”のセオリーを踏襲しながらも、一片の反省も後悔もなく、夢のハッピーライフを満喫するべくひたすら突き進むという、新機軸の悪役令嬢の活躍が描かれていきます。

 なお、原作小説はキマイラ文庫などのwebサイトで第1部(全94話)が無料公開中。以下のインタビュー記事によると全3部作で、新川氏はすでに全章を執筆済みとのことですが、そちらはまだ公開されていません。

キマイラ文庫で小説版を読む(無料)

 ですが、ゲームではなんと第3部までのストーリーを網羅。未発表の第2&3部の内容を、ゲーム中で体験できるのです! 原作既読勢なら、やらない手はないですね。

原作のドラマをゲーム上で見事に再現。膨大なシナリオをフルボイスで楽しめる


 自分は第1部までを読了し、大いにハマったうえでプレイを開始。早く第2部以降の展開が知りたくてガンガンプレイしていったのですが、その最中にふと気づきました。「あれ? これ原作再現すごくね?」と。それもそのはず、自分が最近読んだばかりの原作の内容が、ゲーム内に大量に盛り込まれていたからです。


 もちろんすべての文章というわけではありませんが、エトランジュが地獄で無双して恐れられるシーンや、次々に仲間が増えていく展開はもちろん、キャラクターたちのかけ合いなども原作のまま。それらが迫力のイベントシーンやミュージカルとともに、しかもフルボイスで語られていくというのは、いちファンとして感涙ものでした!


 食事メニューの食レポや、重火器についてのうんちくが語られるのも原作の魅力なのですが、そちらもバッチリ再現。グルメシナリオやサイドシナリオ、さらにはバトル中に流れる会話などにも、原作のエピソードがこれでもかと詰め込まれていました。


 原作を読んでいない人は、ゲームをプレイしていくことで小説の内容を漏らさず楽しむことが可能。読了済みの人には、ボイスなどの演出付きで小説の内容をより深く味わえる。どちらのケースでも十分なメリットが得られるのではないかと思います!

 個人的には、フルボイス化が魅力アップに大きく貢献していると感じました。エトランジュ役の水橋かおりさんをはじめ、どのCVもキャラクターのイメージとピッタリ合致。自分はVtuberやホロライブ界隈に全然詳しくないのですが、スイーティア役の角巻わためさん、アリア役の白上フブキさんの演技も、違和感なく受け入れられました。CVが合っていることで、キャラクターへの感情移入もより深まるというものです。

エトランジュをはじめ主要人物のインパクトは満点。関係性の変化にも尊みを感じる


 キャラクターについては、やはり主役のエトランジュのインパクトがぶっちぎり。“最凶の悪女”と呼ばれるにふさわしい強さと破天荒さはあるものの、基本的には理知的で、貴族の令嬢らしい気高さもあり。間違っていると思えることにははっきりと“ノー”を突きつけられる、芯の強さも魅力的でした。


 エトランジュは意外に感情表現が豊かなのも印象的。悪役っぽさがにじみ出るときの悪辣な表情や、スイーツが欠乏したときに見せるげっそり顔、初めての友人ができたときのキョトン顔など、多彩な顔芸を見せてくれました。


 その圧倒的な実力と指導者にふさわしいカリスマ性に加えて、顔芸などのある種の親しみやすさもあり。そんなキャラクター性だからこそ、エトランジュの周囲にたくさんの仲間が増えていったのでしょうね。

 仲間のなかでは、初期に加わるヒッヒ、クック、ヒャッハーの3人が印象深いところ。もとは名無しの悪魔で、普段の口グセから名前を付けられてしまったのは悲しい出来事でしたが、3人ともキャッチーなビジュアルに生まれ変われたのでプラスマイナス0かと。


 彼らは初期メンバーということで出番が多く、エトランジュの活躍を最も長く見てきた者たちでもあります。だからこそ、その忠誠心に偽りがないことも納得できますし、途中からはエトランジュに軽口をたたくような場面も。徐々につむがれていった深い信頼関係が目に見えて、じつにいい心地でした。


 そのうち、ヒッヒが地獄の番犬三人娘のベロと恋仲になるなど、仲間内のカップリングも成立。人間(悪魔?)関係の変化がしっかり描かれているのも好印象です。

 仲間にはほかにも、対等の友人になってくれるアリアや弟的存在のイグナシオなどが登場。家族同然の大切な仲間たちに囲まれ、エトランジュのハッピーライフはさらに充実していきます。そうなっていく過程も丁寧に描かれていくので必見ですよ!

地獄にスイーツがある理由は? 独自性あふれる世界観にも注目


 あとは世界観について少し。基本は“悪役令嬢もの”によくある、人と魔物が存在する西洋風ファンタジーの世界と思ってもらって差し支えありませんが、地獄の設定など細かな部分で本作の独自性が見られました。

 たとえば地獄は、命を落とした罪人が堕とされる世界ですが、じつはエトランジュが暮らしていた現世以外からも罪人が漂着するという設定。イグナシオなどは現代の地球から来たとのことです。そのため地獄は、さまざまな世界の文化や物品が入り混じるカオスな場所に。


 現代風の料理やスイーツ、重火器が出てくるのもこの地獄ならでは、というわけです。エトランジュが拠点として使う移動要塞マカロンがバージョンアップされていくのも、高度な科学技術によるものですし。細かい補足ですが、ストーリーで疑問に感じた部分に、何かしらのアンサーがちゃんと用意されているのは安心感がありますね。


 ほかにも、地獄を統べる魔王や天国の存在についても示唆され、世界観の広がりが感じられるように。エトランジュの戦いも、より壮大なものになっていきます。仲間と一緒のハッピーライフを目指すエトランジュの物語がどのような終着点へ向かうのか? ぜひプレイして見届けてもらいたいところです。

まとめ:原作の魅力的なドラマをゲームで表現。原作の続きが気になる人もプレイすべき


 といった感じの、ストーリー関連についてのレビューでした。要約すると、原作の内容を最大限網羅しながら、そのドラマの魅力をしっかり味わえる内容に仕上がっています。

 エトランジュをはじめとするキャラクターたちも個性的で、会話劇を見ているだけでも楽しいものです。彼らとともに地獄から天国まで股にかけた、広大な世界での戦いも見どころ満載。正直、ストーリー目当てでプレイしても十分な満足感が得られるかと思います。

 何より、第2部以降の未非公開部分の展開を知るチャンスなのは間違いありません。ゲームはもちろん、小説やコミカライズなどから『エトランジュ オーヴァーロード』に興味を持った人も、プレイして損はないですよ!


 ちなみに現在、各プラットフォームにて体験版が配信されています。少しでも気になった方はダウンロードして遊んでみてください。なおデータは製品版にも引き継ぎができます。

 また今週末3月28日(土)29日(日)に東京・ベルサール秋葉原で開催されるイベント
「ハピネットゲームフェス! 2026」でも体験版の試遊が可能。試遊した人にはノベルティもプレゼントされるようなので、気になる方は遊びに行ってみてはいかがでしょうか。

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