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【ゼンレスゾーンゼロ名言集:ヒューゴ・ヴラド】俺には、深淵に足を踏み外すことを許さぬ親友がいる。涙を流してくれる相棒がいる。手を差し伸べてくれる「伝説」がいる・・・(ネタバレあり)

文:電撃オンライン

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 HoYoverseが贈る都市ファンタジーアクションRPG『ゼンレスゾーンゼロ(ゼンゼロ)』。登場するキャラクターたちは誰もが、拭いきれない過去や譲れない矜持を抱えています。極限状態で彼らが見せる”言葉”は、時に私たちの心に深く突き刺さり離れません。


 今回は、シーズン1・アウトロ『涙と過去を埋めて(下)』の物語において、圧倒的な存在感を放った男、ヒューゴ・ヴラドの名言をピックアップします。

 かつて”兄弟”と呼び合ったフォン・ライカンとの訣別、そして自らの命さえも復讐の火種に変えようとした凄絶な生き様。孤独な復讐者として死を覚悟していた彼が、物語の終局でなぜ”救い”に辿り着けたのか。

 彼を繋ぎ止めた三つの絆――親友、相棒、そして伝説の介入――が織りなす再生の物語を読み解いていきましょう。

※本記事にはネタバレが含まれます。

俺には、深淵に足を踏み外すことを許さぬ親友がいる。


■シーズン1・アウトロ『涙と過去を埋めて(下)』

 ヒューゴ・ヴラドという男を語る上で、ヴィクトリア家政のフォン・ライカンとの関係は、この物語の最も太い背骨です。

 二人はかつて”ジャック”という師のもとで行動を共にした、かつては背中を預けあう相棒でした。しかし、師の死をきっかけに二人の道は決定的に分かたれることになります。


 ライカンは”命だけには手を出さない、この世に二つとないものを、奪う権利のあるものなどいないという師の教えを守り、誇り高き騎士道を貫く道を選びました。

 一方でヒューゴは”公平を与えるためには時には死もついてくる”というより苛烈で現実的な信念に身を投じたのです。

 ストーリー中、再会したライカンに対し、ヒューゴは挑発を止めません。”お前の綺麗事では世界は変えられない”と。自らの手を汚し、サクリファイスという禁忌の力に触れてまでも目的を遂げようとするヒューゴは、ライカンに自分を断罪させることで、自らの人生に幕を引こうとしていた節さえあります。

 しかし、ライカンは違いました。彼はヒューゴを敵として排除するのではなく、その歪みを正すために、友として全力の拳を振るいました。それは冷徹な執行ではなく、親友の顔を殴り飛ばしてでも目を覚まさせようとする”執拗なまでのお節介”でした。

 物語の終盤、ついに本音をぶつけ合った二人の間に流れる空気は、かつての”兄弟”のものに戻っていました。

 
「だから、貴様が正しいと思う道を進むことについては・・・許してやろう、ライカン」

 このセリフは、ヒューゴが初めて自分の非を(彼なりの不器用な言葉で)認め、ライカンの歩んできた道を肯定した瞬間です。


 自ら深淵へと足を踏み外し、闇に消えようとした男を、力ずくで地上へ繋ぎ止めたのは、他ならぬ親友の”折れない信念”だったのです。


 ヒューゴが”悪役”としての孤独を貫けなかったもう一つの大きな要因は、モッキンバードの現メンバーであり、彼の右腕とも言えるビビアンの存在。

 ビビアンは、他者の不幸や死を突発的に予兆し、その際に強制的に涙が流れてしまうという過酷な能力の持ち主です。彼女はその力ゆえに”不吉な存在”として忌み嫌われてきました。彼女にとって”涙を流す”ことは、孤独と拒絶を象徴する苦痛でしかなかったのです。

 ヒューゴは強敵ハルトマンを欺くために、”自らの死を偽装する”という命がけの計画を立てていました。

 ライカンに殺される悪役を演じ、そのまま表舞台から消える――。その計画の最中、ビビアンはヒューゴが死ぬ瞬間を目の当たりにし、涙を流します。「恐怖、苦痛、絶望・・・そして・・・破滅」これがビビアンが見た未来でした。

 当初、ヒューゴは彼女を欺き、一人で全てを背負うつもりでした。

 しかし、彼女の涙はヒューゴの計算を狂わせます。彼女が流した涙は、裏切りに対する怒りではありませんでした。”ヒューゴが自分一人で犠牲を背負い、破滅しようとしている未来”に対する、痛切なまでの悲しみだったのです。


 
「涙を流してくれる相棒がいる」。ここには、ビビアンの涙を”不吉な呪い”としてではなく、自分の消えゆく命を惜しみ、苦痛を自分のことのように追体験してくれる”慈愛”として受け取ったヒューゴの心の変化があります。

 ビビアンにとっても、自分の涙が初めて”誰かを繋ぎ止めるための力”として肯定された瞬間だったのではないでしょうか。

 公平を期すためには命すら天秤にかける冷徹な彼にとって、ビビアンの涙は、自分がただの”復讐の道具”ではなく、生きていなければならない、誰かにとって大切な人間”であることを突きつける、重く、そして温かい楔(くさび)となったのです。

 そして、ヒューゴが最後に”伝説”と称した存在――。それは、新エリー都のビデオ屋を拠点に活動するプロキシ、リンとアキラの二人です。

 ヒューゴは当初、伝説のプロキシである彼らを、自分の死の偽装を完璧な事実に仕立て上げるための最高の証言者として利用しようとしました。すべてはハルトマンを欺くための、冷徹な計算に基づくもの。

 しかし、リンとアキラは、単なる人質や証言者に留まるような存在ではありませんでした。彼らはヒューゴの強引な振る舞いの裏にある違和感を感じ取り、混乱を極めるホロウの中でも、プロキシとしての冷静な判断力を失いませんでした。

 
「手を差し伸べてくれる「伝説」がいる」。このフレーズには、ヒューゴの深い畏怖と、それ以上の安堵が滲んでいます。自分のような、冷酷な悪人を演じ、多くの人々を欺いてきた男に対し、伝説の名を冠する者がその手を汚すことを厭わず、泥沼から引き上げようとしてくれた。その”お節介”は、ライカンのそれと同じくらい情熱的で、それでいてプロキシとしての冷徹な確実性を持っていました。

 この名言は、過去の罪に囚われ、未来を捨てようとしていた男が、三方向からの救い(厳格な光、寄り添う影、そして運命を変える伝説)によって、再び一人の人間に戻ることができた瞬間の産物です。

 過去を埋めるとは、ただ忘れることではありません。

 自分に向けられた涙と、差し伸べられた手の温もりを糧に、泥の中でも前を向いて歩き出すこと。

 『ゼンレスゾーンゼロ』という作品が描く”人との繋がり”の深さを、これほどまでに見事に凝縮した一言が他にあるでしょうか。

●ヒューゴEP「My Curse, My Fate『Destin et malédiction』」

 電撃オンラインでは不定期で『ゼンレスゾーンゼロ』の名言記事を展開していきます。次回もお楽しみに!

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