スクウェア・エニックスが運営するオンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV(以下、FF14)』。本企画では、ヒカセン兼ライターが膨大なプレイ時間をかけて旅する中で出会った、『FF14』の“好きなクエスト”や“好きな台詞”を振り返りつつ紹介していきます。

第4回の『FF14』振り返り記事では、パッチ3.3『蒼天のイシュガルド』のメインクエストより、フレースヴェルグの台詞をお届けします。
我が「力」は希望とともに、すでに託された……。(フレースヴェルグ)
●メインクエストLv60“ただ盟友とともに”(パッチ3.3『蒼天のイシュガルド』)

『蒼天のイシュガルド』のメインクエストといえば、都市国家“イシュガルド”とドラゴン族の間で1000年以上続く“竜詩戦争”を巡るストーリーが印象的ですよね。
当初は邪竜“ニーズヘッグ”が人を襲ったことがきっかけと思われていた竜詩戦争でしたが、メインクエストを進めるにつれて、残酷な真実が明かされます。
長い時の中で忘れられた真実を光の戦士たち人間に教えたのが、今回の名言の主、聖竜“フレースヴェルグ”でした。


フレースヴェルグは・ドラゴン族の始祖“ミドガルズオルム”が生み出せし、七頭の竜王“七大天竜”の一翼であり、かつて人の聖女“シヴァ”と種族を超えた愛を誓い合った竜です。
聖竜の呼び名にふさわしい思慮深さを持ち、竜詩戦争終結の助力を得るために“白亜の宮殿”を訪れた光の戦士たちの前に姿を現します。
ですが、フレースヴェルグはこの要請を拒絶。さらに、竜詩戦争の起源は、ドラゴン族の力の源“竜の眼”を求めた人が、七大天竜を謀殺したことが始まりという真実を語りだします。
今回の名言に深く繋がるできごとですので、少し詳しく振り返ってみましょう。

現代から1000年前、フレースヴェルグとシヴァが「人と竜の融和」を唱え、両種が共存する時代がありました。
ですが、のちのイシュガルド建国の英雄“トールダン”の裏切りで詩竜“ラタトスク”が目を奪われ、命を落とします。この所業に怒り狂ったのが、邪竜ニーズヘッグです。
彼はトールダンとその騎士たちを襲撃し、自身の竜の眼と引き換えに、トールダンを含む何人かを討ち取りました。
これで双方痛み分けのめでたし――とは、もちろんなりません。

フレースヴェルグの元に、眼を失ったニーズヘッグが現れます。
彼はラタトスクの死を……ニーズヘッグにとってもフレースヴェルグにとっても“妹”だった詩竜が人間に殺されたのだと訴えます。

シヴァと同じはずの人間のおぞましさを嘆くフレースヴェルグを、失った両眼で睨みつけるニーズヘッグ。
ラタトスクの死は人を信じたフレースヴェルグのせいだと責めるニーズヘッグは、その償いとして竜の眼を渡せと要求します。
片眼だけでもあればトールダンの子孫、のちのイシュガルドの人々を永遠に苦しめる復讐を実行できる、と。

終わりなき竜詩戦争を始めてしまう要求に、フレースヴェルグは無言で従いました。
力を欲して竜を裏切った人間の欲深さ、血を分けた妹の死、そして愛するシヴァの願いだった融和の崩壊……ニーズヘッグのように復讐に狂いはしなかったものの、彼も深く絶望したからです。
以降、フレースヴェルグは竜詩戦争に干渉しようとせず、主人公たちの協力要請にも頑なな態度を貫きます。こうして経緯を考えると当然でしょう。
このあたりを遊んでいた頃は「竜との融和なんて無理じゃないか?」と不安になったのをよく覚えています。
今思うと、こうしてプレイヤーをも巻き込んで異種族間の融和の難しさを説き、それでも理想を目指すのが『蒼天のイシュガルド』のテーマだった気がしますね。

さて、融和の難しさを誰よりも深く知るフレースヴェルグですが、シヴァの魂を降ろした氷の巫女・イゼルや光の戦士たちを通して、人間に新たな可能性を見出すようになります。
パッチ3.3“聖竜の試練”では、助力を乞いに来た光の戦士たちを最初は嫌悪しますが、より良い未来を目指し、邪竜の影に呑み込まれた竜騎士エスティニアンの命を救おうとする彼らの姿勢に態度を軟化させる一幕も。
ついには光の戦士たちの力を見極めるべく、彼らに聖竜の試練に挑む権利を与えます。
光の戦士たちの力と覚悟を認めたフレースヴェルグは、来るニーズヘッグとの決戦への助太刀を決意します。
フレースヴェルグが本当に人間に絶望していたのなら、何をされても心が動くことはなかったはず。彼の心にはほんの一欠けらだけ、もう一度だけ人間に期待したい、希望の心が残っていたのです。
フレースヴェルグのような長命の竜にとって1000年前の裏切りは“過去”ではなく、ついこの前起きたと言ってもいい“今”のできごとといえます。
妹を殺され、愛するシヴァの想いを踏みにじられた痛みを忘れていない彼が、それでも人間を信じると決断する。その重みは、人間の私たちには到底推し量れないでしょう。

そして、クエスト“ただ盟友とともに”で、ついにニーズヘッグとの決戦の時が訪れます。
光の戦士たちを背に乗せてイシュガルドに降り立ったフレースヴェルグは、復讐に狂うニーズヘッグとの一騎打ちへ。

「まさか、貴様も裏切るつもりではなかろうな!」
フレースヴェルグの登場に激怒するニーズヘッグ。

「これ以上、無益な戦いを続けてどうなるというのだ」
1000年前に祖先が犯した罪を知り、それでも竜との融和を目指す人々の存在を語り、これ以上憎しみを広げるなと諭すフレースヴェルグ。

人間への憎悪を燃やし続ける邪竜と、人間への希望を再燃させた聖竜。二翼の主張は決して交わることなく、天を揺るがす一大決戦が幕を開けました。
「七大天竜」同士の激突は光の戦士すら手を出せないほど激しく、戦いの余波で空には光の渦が発生し、争う二翼は渦の中心へと消えていきます。

再び二翼が姿を現すと、フレースヴェルグの翼がニーズヘッグの牙にもぎとられていました。
「無様だな、フレースヴェルグ。所詮は、ヒトに媚を売った軟弱者よ」
勝ち誇るニーズヘッグに対するフレースヴェルグの返答が、今回の名言です。
「戦いは終わってはおらぬ……」
「我が「力」は希望とともに、すでに託された……」
倒れ伏すフレースヴェルグの眼孔にあるはずの眼がなく、その在り処は光の戦士のすぐ近くに。フレースヴェルグは、ニーズヘッグとの決着を人間の手に委ねるため、自身の力を光の戦士に渡したのです。
かつて人間は策謀によって竜の眼を奪い、竜詩戦争の引き金を引きました。その竜詩戦争の最後の戦いで、フレースヴェルグが自らの意思で竜の眼を人間に託す、という対比構造がとても美しく感じられます。
フレースヴェルグが「希望とともに」と言っているのもぐっときます。
フレースヴェルグが光の戦士に力を渡し、光の戦士はフレースヴェルグの願いを受け取って戦う……互いの意思を尊重する一連のやりとりこそ、かつてシヴァが願った“融和”であり、フレースヴェルグがシヴァとともに夢見た希望の体現といえるのではないでしょうか。
1000年争ってきた、人と竜の和解の始まり。それを力強く象徴する名言として、私の胸に残っています。
倒れ伏すフレースヴェルグの眼孔にあるはずの眼がなく、その在り処は光の戦士のすぐ近くに。フレースヴェルグは、ニーズヘッグとの決着を人間の手に委ねるため、自身の力を光の戦士に渡したのです。
かつて人間は策謀によって竜の眼を奪い、竜詩戦争の引き金を引きました。その竜詩戦争の最後の戦いで、フレースヴェルグが自らの意思で竜の眼を人間に託す、という対比構造がとても美しく感じられます。
フレースヴェルグが「希望とともに」と言っているのもぐっときます。
フレースヴェルグが光の戦士に力を渡し、光の戦士はフレースヴェルグの願いを受け取って戦う……互いの意思を尊重する一連のやりとりこそ、かつてシヴァが願った“融和”であり、フレースヴェルグがシヴァとともに夢見た希望の体現といえるのではないでしょうか。
1000年争ってきた、人と竜の和解の始まり。それを力強く象徴する名言として、私の胸に残っています。

この後、フレースヴェルグの力を受け取った光の戦士とニーズヘッグは“ニーズヘッグ征竜戦”にて雌雄を決しますが、それはまた別のお話ですね。
この後の展開も『蒼天のイシュガルド』を彩る忘れられないシーンが続くので、機会があればまた語りたいものです。
電撃オンラインでは、好きなクエストや名言などにフォーカスした『FF14』に関する企画記事をこれからも不定期で展開していく予定です。次回もお楽しみに!


