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「維持正常化機構は、必ずしも正義ではない」 金子一馬氏が明かす『ツクヨミ』の世界観と、AIカネコとの“手作り”な神魔デザイン秘話

文:電撃オンライン

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 2026年4月23日にコロプラ初のコンシューマタイトル、Nintendo Switch用ソフト『KAZUMA KANEKO’S ツクヨミ』が発売されます。


 本作はゲームクリエイター・金子一馬氏がコンセプトプランナーおよびメインキャラクターデザインを務める先行作品『神魔狩りのツクヨミ(神ツク)』(iOS/Android/Steam)の世界観を共有しつつ、新作として作り上げられたタイトルです。

▲写真左から田岡次郎氏、金子一馬氏。

 金子一馬氏と、開発ディレクターである田岡次郎氏のインタビューを前後編でお届け。後編は本作の世界観がどのように生まれたかや、キャラクター、神魔の魅力を改めて語っていただきました。

ツクヨミたちが所属する維持正常化機構は、必ずしも正義ではない【KAZUMA KANEKO’S ツクヨミインタビュー】


――改めて、本作の世界観はどのようなところから着想を得たのか教えていただけますか?

金子氏:コロプラはソーシャルメディアに優れた会社なので、それに合わせた企画として『神ツク』を制作しましたが、もともと温めていたのはロールプレイング的な世界観でした。

 僕は現代劇が得意といいますか、現代劇じゃないと考えづらいところがあります。物語は問題が起きて、それを解決するという構成で作るのですが、中世を舞台にするとインフラなどの設定がお留守になってしまうこともあって……。現代は出来上がっていてイメージがしやすい世界なので、問題を提案しやすいというのがあります。

――メインストーリーはもちろん、サブイベントも世相や現代的な都市伝説が反映されているのが面白いですよね。

金子氏:住人が暴れたり、自治会が自警団になったり、その辺りも重厚に描きたかったですね(笑)。

――物語の序盤から事件の首謀者である登美のりこの会社・津軽物流のエピソードが増えて、より怪しさが増している感じがしました。

金子氏:マンションの外でいろいろな怪事件が起こっていて、それが舞台であるTHE HASHIRAに集約するオープニングにしたかったんです。しかし、すぐにゲームを遊びたいという方も多いので少しボリュームを減らしたんですが、そう感じてもらえたなら嬉しいですね。

――ツクヨミが所属する超国家的組織・維持正常化機構の設定は、どのようなところから浮かんだのでしょうか?

金子氏:「世界を実は支配しているのは、大統領より上のグループ」がおり、その人たちが暗躍しているという設定になっています。

 ただし、維持正常化機構は必ずしも正義ではありません。機構にとって、都合がいい“正常”を保っているんですよね。そのため彼らにとってノイズとなる存在は、倫理道徳的に正しいことをしていても、たぶん倒されてしまうのでしょう。

――金子さんの作る世界観を聞いて、田岡さんはどのように感じましたか?

田岡氏:この手の話になると、金子はいつも止まらないなと思って聞いています(笑)。

 昨今はさまざまな作品がありますが、独自の世界観を持つものが愛される傾向にあるなと感じていて。金子のように独自で、しかも破綻がなく、面白くて続きが気になる世界観や物語を作れるのはすごい才能だなと純粋に思います。

――ちなみに田岡さんは、本作のようにオカルト、都市伝説的なお話はお好きですか?

田岡氏:人並には(笑)。本作で言いますと、イベントで神魔と人間の会話にクセがあって、勧善懲悪じゃないのがいいなと思いました。神魔・サブナックのイベントは、中間管理職の悲哀みたいな会話があって、すごく面白くて金子節を感じて好きです。

金子氏:全部を僕が書いているわけではありませんが、ライターさんにどんな神魔なのかちゃんと伝えています。するとノリのいい楽しいイベントを書いてくれて、皆で世界を作っていきました。

新キャラのデザインにも隠された意図が!【KAZUMA KANEKO’S ツクヨミインタビュー】


――ツクヨミと相棒の金鵄(きんし)の会話も楽しいです。設定は、スムーズに出来上がったのでしょうか?

金子氏:4人のツクヨミは、秩序や混沌など、物語の分岐を最初からイメージしていました。月には満月や新月などの月相があるから、それで表現したら面白いかな、特撮の戦隊モノにもいろいろ出てくるからそれも取り入れようということで作っていった感じです。


 金鵄は、物語としてバディがいた方がいいかなという感じで作りました。システム的にも、ゲームは主人公視点で進めますが「この先、何かあるよ」と独り言を言わせるより、バディがサポートしてくれる方が自然なので、ナビゲーター役も担っています。

 設定としては、金鵄が神魔札を管理しています。実は、ツクヨミたちが暴れたり、勝手に力を行使したりしないように見張っているんですよね。ツクヨミごとに金鵄との関係が違いますが、担当ライターが上手く描いてくれました。

――スタッフやファンから人気だったキャラや、コンビは?

金子氏:SNSで見た範囲では、新月のツクヨミコンビが人気でしたね。あと満月のツクヨミが悪そうに見えて、犬好きなところに好感を持ってもらっていたのも面白かったです。

――新たに追加された、登美のりこ編についてもお話いただける範囲で教えていただけたら。

金子氏:事件の首謀者と言われている人物で、プレイすることで物語をより深く楽しむことが出来ると思います。

 ツクヨミたちの前にボスとして登場した神魔を、自身の神魔札として使用して戦うことができ、コストは高いですが高火力を出せるのが楽しいポイントです。

▲登美のりこ
――新キャラの番 伴治とデビッドについて、一言ずつお願いします。

金子氏:番 伴治は、ロールプレイング用のアイデアの段階で、コメディーリリーフとして考えていたキャラクターです。その時点では天使のエージェントだったのですが、今回はストレートに公安の人間にしました。見た目はちょっとクセがありますが、カッコいいヤツとして描いています。

▲番 伴治

 デビッドは、キーキャラです。物語を進めるなかで正体が少しずつ分かっていき、最終的にはとんでもないことになります。僕の作品には謎めいた意味深なキャラが登場しますが、彼もその1人です。

 デザインとしては、特徴づけとして杖を持たせました。ダンテの「神曲」をギュスターヴ・ドレという画家が描いているのですが、そのあるシーンと同じポーズになっています。それにも意図があって、続編が出たらその理由がわかるかもしれません。

▲デビッド
――キャラクターと言えば、画家Kの存在感が増しているように感じました。

金子氏:画家Kが何者かわかる物語になっています。

――金子さんは初期から画家Kの姿でメディアに登場されていますが、そうする想定でデザインされたのでしょうか?

金子氏:ほかの作品で、自分を悪魔絵師として描いたカードを作ったことがあるんですよ。社内の大神(偉い方)から、同じようなことをしてほしいと言われて、新たな姿として神魔絵師をデザインしたんです。デザインをしながら、コスチュームやウィッグを発注しました(笑)。ただ靴だけが手に入らなくて、残念です。

▲画家K

神魔のデザインに込められた、次世代へのメッセージ【KAZUMA KANEKO’S ツクヨミインタビュー】


――新規のボスは第六天魔王・信長など、物語とより深く紐づき、世界観の重厚さを深めている印象があります。新規ボスは、どのように決めていかれたのでしょうか?

金子氏:まつろわぬ神(服従しない、支配に屈しない存在)から、創作においてメジャーな存在やあまり登場しない存在など、いろいろ考えて選びました。

――描いていて面白かった、登場させられてよかった神魔は?

金子氏:第六天魔王・信長は、出せて良かったですね。ロールプレイング用の企画を考えているときに、キャッチーさも必要だろうと、信長が引っ張るシナリオでした。デザイン的には、第六天魔王は大自在天(だいじざいてん)とも呼ばれ、破壊神・シヴァとも縁があるのでその特徴も入れています。


 あと今は言えませんが、後々に出てくるすごい神魔が、今までの僕の描いたものを継承したポーズをしているので楽しみにしてほしいです。

 監修した神魔のなかでは、ソロモン72柱の悪魔・バエルが気に入っています。日本の神々が多かったので、物語にソロモンの指輪が出ることもあり、そこに封印された西洋悪魔も登場させました。自分でも過去に何回も描いている悪魔ですが、今回は違うシルエットが出せました。


 メフィストフェレスは個人的にダブルのジャケットが欲しかったので、着せてみました(笑)。


 イメージのアイデアを出す際は、そんな感じですよ。デザインするときのポイントとして、次の世代に「こういう風にやっているよ」と伝えられたらうれしいですね。

――金子さんと言えば、早い段階から都市伝説も作品に取り入れられています。新しい神魔としても追加されているのでしょうか?

金子氏:都市伝説系はザコに見えてしまうものが多いので、ボス級の神魔を増やした今回は、特に増やしていません。

 ただ疱瘡神(ほうそうしん)など、デザインをひねったものもいます。名前の通り疱瘡を神格化したものなのですが、思いっきりウイルスの形にしました。ウイルスも独自の遺伝子をもっていますし、ほかの神魔のモチーフと同じように生き物と言えば生き物ですよね。

――ボスの戦闘アクションを決めたのは、田岡さんですか?

田岡氏:そうですね。名前を聞いて開発を進め、デザインが上がって来たときに「こんな神魔なんだ」と思うこともありました。

 先ほど話に出た疱瘡神なら病や状態異常を使ってくるなど、ボスごとの歴史や神話に合わせたアクションをさせています。

 『神ツク』では、どのキャラでプレイをしても基本的に戦うボスはほぼ同一でしたが、本作ではツクヨミごとに対峙するボスが違います。それぞれのデッキ編成が活きるバトルが楽しめるように、ボスも調整しました。

金子氏:すごく、手作り感ありますよね。

田岡氏:めちゃくちゃ手作りなので、ボス戦はかなり楽しいです。


――新規の神魔は、何体くらい追加されているのでしょうか?

田岡氏:金子さんが描いたもの、監修したものを合わせて、25体以上です。

金子氏:本当はもっと描きたかったんですが、時間の関係もあって皆で協力して仕上げました。

――オオカミことAIカネコのデザインを監修するのと、実際のデザイナーさんの作品を監修するのでは大きな違いはありますか?

金子氏:基本的には同じですが、予想外のことをしてくるのはAIカネコですね。

 『神ツク』では、AIカネコによって創成札が作られます。その創成札のなかから、ユーザーの投票で支持を集めたものを、僕が選んでレタッチするイベント「盈月奉納の儀」を行っていましたが、なかには意図がわからないところに蜂や魚がいるデザインもあって(笑)。

――人間なら聞けますが、相手はAIですからね(笑)。でもそれを金子さんの知識と解釈力で、AIと戦っているのが面白かったです。

金子氏:そう言っていただけるとよかったです。

最後は人力! 3600点の創成札選定の苦労エピソード【KAZUMA KANEKO’S ツクヨミインタビュー】


――本作には、たくさんの創成札も登場します。選定で印象に残っていることはありますか?

田岡氏:『神ツク』でユーザーの皆さんが200万近い創成札を作ってくださいました。特定の期間で区切ったものですが、そのなかからユーザー投票の上位数千点分をピックアップし、そのなかから1つの神魔ごとに、30ずつ選んでいった形です。

 本作に出てくる創成札の神魔の数だけ、人力で、ひたすらカッコいいものを選んでいきました。途中で、本当に終わるのかと思いましたね(笑)。

 各30点が決まったら、そこからカード入手時の儀式で登場する選択肢のキーワードづけをしていきました。強い神魔札が欲しいときは、“虹色の羽根”“神々しい”などを選ぶと、レアリティが高いものが出やすいかもしれません。

――『神ツク』では全面金色のデザインも登場しましたが、本作での登場は?

田岡氏:今回は入れていないです。登場すると嬉しいですが、色や造形が分からないのが残念なので。

――たくさんの創成札が登場するので、神魔札図鑑を埋めるのが楽しそうですね。

田岡氏:楽しいと思います。ただ3600もあるので、同じものは出ないように設定していますが、それでもコンプリートするには何100時間もかかるでしょうね。

 コンプリート報酬は、特に用意していません。ただ同じ神魔の創成札を一定数集めると、装飾を華やかにできるという楽しみがあります。

――最後に、発売を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。

金子氏:通勤通学時に、手持ちのスマホで遊んでもらえるタイトルとして『神ツク』を作りました。今回Switchで発売され、各ご家庭で腰を据えて遊べるようになりました。もともとコンシューマ畑の人間ということもあり、自分でも作っていて落ち着くなと思いましたね。

 じっくりと遊べるように、ストーリーも厚めに作っていますので、世界観に浸っていただけたら嬉しいです。

田岡氏:コロプラ初のコンシューマタイトル、『ツクヨミ』という新しいIPです。今後も広げていきたいと思っておりますので、1作目からしっかり楽しんでいただけると嬉しいです。

 ゲームとしても、時間泥棒になるような中毒性のあるタイトルになっていますので、じっくりと遊んでいただけたらと思います。

――ありがとうございました。

限定特装版/ダウンロード版 予約受付中!

<1>限定特装版 


※パッケージ版の販売は特装版への同梱のみとなります。

①豪華アイテムを同梱した「月神BOX」 19,800円(税込)

 限定特装版「月神BOX」は専用の特製BOX入り。ゲーム本体に加えて、5大アイテムが同梱されます。

【限定特装版「月神BOX」 内容】
・『KAZUMA KANEKO’S ツクヨミ』ゲームソフト(パッケージ版)
・限定リアルグッズセット
 - 特製アートブック
 - オリジナルサウンドトラック
 - 特製アクリルパネル
 - リアル「神魔札・第六天魔王」
 - リアル「大神賽銭」セット(特製収納箱入り)
 - 特製化粧箱

②金子一馬直筆サイン入りグッズを同梱した100セット限定「神魔画家BOX」 98,800円(税込)

 限定特装版「神魔画家BOX」では、「月神BOX」の内容に加えて、3大アイテムをお届けいたします。限定100セットのみの販売となっております。

【 限定特装版「神魔画家BOX」 内容】

・『KAZUMA KANEKO’S ツクヨミ』ゲームソフト(パッケージ版)
・限定リアルグッズセット
 - 「月神BOX」グッズセット一式
 - 金子一馬 直筆サイン入り“幻の神魔”プリモアート(シリアルナンバー入り)
 - リアル「ソロモンの指輪」(特製ケース入り)
 - 特製 ピンバッジセット

※完全数量限定商品となります。
※『KAZUMA KANEKO’S ツクヨミ』ダウンロード版の発売日は2026年4月を予定しておりますが、本商品のお届けは2026年6月を予定しております。
※通常版パッケージソフト単体での販売は行っておりません。
※画像はイメージです。
※内容・仕様は予告なく変更になる可能性があります。

限定版を購入する(マジゲット)

<2>ダウンロード専売


①通常版「KAZUMA KANEKO’S ツクヨミ」(ダウンロード専用) 3,960円(税込)

※本作の通常版はダウンロード版のみとなります。パッケージ版単体の発売はありません。

②デジタルデラックスエディション(ダウンロード専用) 4,960円(税込)

 通常版に「画家Kの神筆:真実の顕現セット ~壱~」が付属しております。

DL版を購入する(My Nintendo Store)

『KAZUMA KANEKO'S ツクヨミ』 製品概要

商品名:KAZUMA KANEKO'S ツクヨミ
対応機種:Nintendo Switch
発売日:2026年4月23日(木)予定
対応言語:日本語、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語(※後日対応)
価格:通常版(ダウンロード専用)3,960円(税込)
ジャンル:デッキ構築タワーダンジョン
プレイ人数:1人
発売・販売:株式会社コロプラ
CERO表記:C区分(15歳以上対象)


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