『ファイナルファンタジーXIV』(以下、FF14)ファンの祭典“FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2026”(ファンフェスティバル 2026)が2026年4月25日(現地時間4月24日)から、アメリカ・カリフォルニア州アナハイムで開催。

初日となる4月25日の基調講演では、新拡張パッケージ『ファイナルファンタジーXIV: 白銀のワンダラー』が2027年1月にリリースされることをはじめ、『エヴァンゲリオン』とのクロスオーバーコンテンツ、新たなジョブアクションシステムとなる“リボーン&エヴォルヴ”モード、Nintendo Switch 2への対応など、さまざまな新情報が発表された。

本記事では、初日のステージイベント終了後にメディア合同で実施された、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏へのインタビューをお届け。
つぎの絶レイドでケフカが選ばれた理由、Switch 2版でのJoy-Con 2を使ったマウス操作、エヴォルヴモードを制作した経緯など、全世界のメディアから集まった質問に吉田氏が回答している。
ぜひ、基調講演や開発パネルと合わせてチェックしてほしい。
吉田直樹(よしだ なおき):スクウェア・エニックス執行役員 クリエイティブスタジオ3 スタジオヘッド。2010年12月に『ファイナルファンタジーXIV』のプロデューサー兼ディレクターに就任。『ファイナルファンタジーXVI』のプロデューサーも兼任している。文中は吉田。
Switch 2のパフォーマンスはまったく問題なし
――『エヴァンゲリオン』とのクロスオーバーコンテンツが決まった経緯と、どのくらい前から企画が進められていたかを教えてください。
吉田
今日の時点では、スタジオカラーさんとも協議したうえで、壇上で発表した内容までとさせてください。
スタジオカラーさんといっしょに急ピッチで準備を進めてきたのですが、今日なんとか発表できて本当にホッとしています。SNSなどで皆さんの反応も拝見させていただきましたが、非常に大きな盛り上がりも見られました。
スタジオカラーさんといっしょに急ピッチで準備を進めてきたのですが、今日なんとか発表できて本当にホッとしています。SNSなどで皆さんの反応も拝見させていただきましたが、非常に大きな盛り上がりも見られました。

壇上でもお話しした通り、新しいデザインをはじめ、いろいろなものが、いままさに進行していて、それらは欧州、日本のファンフェスティバルで順次発表していく予定です。
その過程の中で、このご質問にもお答えしていけると思いますので、そちらの発表をお待ちいただけるとうれしいです。
――Switch 2版の『FF14』において、ゲーム内のすべてのコンテンツでJoy-Con 2のマウス操作は利用可能なのでしょうか? また、吉田さんはその操作で零式難度のレイドコンテンツに挑戦したことはありますか?
吉田
Joy-Con 2のマウス操作は利用できます。ただ僕自身は、まだマウス操作での零式にはチャレンジしていません……(苦笑)。QA(Quality Assurance。品質管理)チームは、もちろんマウス操作をチェックしてくれると思いますが、Switch 2版はコントローラーでもプレイできるので、僕はそちらで遊ぶと思います。
皆さんもご存じのとおり、Switch 2はすばらしいハードで、ドックに置くとテレビモードで遊べますし、携帯モードを利用して持ち運んで気軽に遊ぶこともできます。
たとえば、高難度のレイドに挑むときは、マウスやキーボードをつないでテレビでプレイしたり、クラフターやギャザラーなどをプレイされるときは携帯モードにしたりと、Switch 2らしい遊びを可能にしてくれると思っています。
基調講演での発表後には、SNS上で「スペック的に大丈夫?」という声も拝見しましたが、最適化は徹底して行っています。コンテンツ中のパフォーマンスはまったく問題ありません。
キャラクターが多い街の中のほうがたいへんで、そちらも30フレームくらいで安定して動くとは思いますが、むしろコンテンツ中のほうがパフォーマンスは上がりますので、その心配はなさらずとも大丈夫です。
またPS4のサービスの今後に関しては、ちょっと僕の説明の仕方も悪かったかもしれませんが、PS4の(描画などの)スペックが理由ではありません。ハードウェアの設計上、“扱えるデータのリミット”があるためです。
現時点でも規定のストレージの限界を超えて何とかサポートしていただいている状況ですが、これが新たな拡張パッケージ後の容量増加(※基調講演ではおおよそパッチ8.3で限界がくると発表)に伴い、そのままサービスを継続するのがきびしくなる、というのが正直なところです。
とは言え、いますぐにサポートを止めるというわけではなく、ゆっくりとPS5への移行を進めてくださいという話なので、ぜひPS4版をプレイされている方々は、いまから準備を進めていただけるとたいへんうれしく思います。
改めて、限界を超えて長い期間、プレイヤーの皆さんのためにPS4版をサポートしてくださったSIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)の方々には本当に感謝しています。
――新たな“絶”コンテンツとなる“絶妖星乱舞”が発表されましたが、なぜケフカが選ばれたのでしょうか?
皆さんもご存じのとおり、Switch 2はすばらしいハードで、ドックに置くとテレビモードで遊べますし、携帯モードを利用して持ち運んで気軽に遊ぶこともできます。
たとえば、高難度のレイドに挑むときは、マウスやキーボードをつないでテレビでプレイしたり、クラフターやギャザラーなどをプレイされるときは携帯モードにしたりと、Switch 2らしい遊びを可能にしてくれると思っています。
基調講演での発表後には、SNS上で「スペック的に大丈夫?」という声も拝見しましたが、最適化は徹底して行っています。コンテンツ中のパフォーマンスはまったく問題ありません。
キャラクターが多い街の中のほうがたいへんで、そちらも30フレームくらいで安定して動くとは思いますが、むしろコンテンツ中のほうがパフォーマンスは上がりますので、その心配はなさらずとも大丈夫です。
またPS4のサービスの今後に関しては、ちょっと僕の説明の仕方も悪かったかもしれませんが、PS4の(描画などの)スペックが理由ではありません。ハードウェアの設計上、“扱えるデータのリミット”があるためです。
現時点でも規定のストレージの限界を超えて何とかサポートしていただいている状況ですが、これが新たな拡張パッケージ後の容量増加(※基調講演ではおおよそパッチ8.3で限界がくると発表)に伴い、そのままサービスを継続するのがきびしくなる、というのが正直なところです。
とは言え、いますぐにサポートを止めるというわけではなく、ゆっくりとPS5への移行を進めてくださいという話なので、ぜひPS4版をプレイされている方々は、いまから準備を進めていただけるとたいへんうれしく思います。
改めて、限界を超えて長い期間、プレイヤーの皆さんのためにPS4版をサポートしてくださったSIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)の方々には本当に感謝しています。
――新たな“絶”コンテンツとなる“絶妖星乱舞”が発表されましたが、なぜケフカが選ばれたのでしょうか?
吉田
まず前提として、“絶”を担当できるバトルコンテンツデザイナーは、本当にひと握りしかいません。たいていの場合は、「つぎは僕がやります」と手を挙げてくれて、やりたいテーマを考えてくれます。
今回の絶で、なぜケフカが選ばれたかというと、担当になったスタッフから提案があったからです。
今回の絶で、なぜケフカが選ばれたかというと、担当になったスタッフから提案があったからです。

もともと彼は、『FF6』の大ファンでもありつつ、“次元の狭間オメガ:シグマ編4”でケフカを作ったスタッフ(※)で、「もっとすごいものが作れるから、もう一度ケフカをテーマにしたコンテンツを作りたい」と言ってくれたのです。
その彼の“ケフカ愛”が、“絶妖星乱舞”を作る経緯になっています。

※“次元の狭間オメガ:シグマ編4”を担当したのは、バトルコンテンツデザイナーの中川大輔氏。――これまでの絶では、複数のボスと戦う形式でしたが、どのように同様の「おもしろさ」や「物語のあるバトル」に仕上げるのかも知りたいです。
吉田
これまでの絶レイドをご覧になっている方や、プレイされている方であればわかると思いますが、『FF14』の絶レイドは、単純にバトルをこなせばいいわけではありません。
バトルコンテンツの内部に謎解きのような仕掛けが施されていて、それらを解明して、ようやくクリアーに近づけるという共通点があります。今回は、そういった謎解きのようなものと、ケフカというキャラクター、バトルコンテンツの仕組みそのものが密接に絡んでいます。
プロデューサーとしては「しっかり宣伝しろ」と言われるかもしれませんが、やはりプレイされた皆さんの驚きや興奮を優先させていただきたいという思いがあります。ですので、ぜひクリアーしたチームが出てから、もう一度この質問聞いていただけるとうれしいです(笑)。
――『白銀のワンダラー』で追加される新ジョブは、どちらも過去の『FF』タイトルに登場していないオリジナルのジョブとのことですが、オリジナルジョブを選んだ理由をお聞かせください。また、オリジナルのジョブを選出されたのは、これからの『FF14』を進化させていく方針とは関係ありますか?
バトルコンテンツの内部に謎解きのような仕掛けが施されていて、それらを解明して、ようやくクリアーに近づけるという共通点があります。今回は、そういった謎解きのようなものと、ケフカというキャラクター、バトルコンテンツの仕組みそのものが密接に絡んでいます。
プロデューサーとしては「しっかり宣伝しろ」と言われるかもしれませんが、やはりプレイされた皆さんの驚きや興奮を優先させていただきたいという思いがあります。ですので、ぜひクリアーしたチームが出てから、もう一度この質問聞いていただけるとうれしいです(笑)。
――『白銀のワンダラー』で追加される新ジョブは、どちらも過去の『FF』タイトルに登場していないオリジナルのジョブとのことですが、オリジナルジョブを選んだ理由をお聞かせください。また、オリジナルのジョブを選出されたのは、これからの『FF14』を進化させていく方針とは関係ありますか?
吉田
まず、後半の質問に回答させていただきますが、それは関係がありません。これまでに何度かお話ししていますが、新たな拡張パッケージを作るにあたり、新ジョブを開発するというのは、かなり前の段階から決まっています。
続いて、そのジョブがどのように選ばれているのかも説明させていただきます。
単純にプレイヤー人口の観点で言えば、タンクやヒーラーに比べて、DPSを好む人が多いのは事実です。そのデータから見ても、拡張のたびに必ずDPSロールのジョブをひとつ入れるということは決めていました。
前回の拡張パッケージ『黄金のレガシー』では、近接物理DPSのヴァイパー、遠隔魔法DPSのピクトマンサーの2ジョブを追加したので、今回は遠隔物理DPSということで、ロールはすんなりと決まりました。
続いて、そのジョブがどのように選ばれているのかも説明させていただきます。
単純にプレイヤー人口の観点で言えば、タンクやヒーラーに比べて、DPSを好む人が多いのは事実です。そのデータから見ても、拡張のたびに必ずDPSロールのジョブをひとつ入れるということは決めていました。
前回の拡張パッケージ『黄金のレガシー』では、近接物理DPSのヴァイパー、遠隔魔法DPSのピクトマンサーの2ジョブを追加したので、今回は遠隔物理DPSということで、ロールはすんなりと決まりました。

そのうえで、残りの1ジョブをタンクかヒーラーというのは、最近だと順番になってきていて、今回のタイミングではタンクだったので、素直にタンクに決めました。
――なるほど。
吉田
そこまで決めたうえで、今日の開発パネルのステージにも登場したMr.プライムこと玉置(玉置輝氏)も所属しているバトルシステムチームの中で、コンペが開催されます。
どんな武器を使い、それによってどのようなプレイ体験をプレイヤーの皆さんにお届けできるのかということを考えていくわけです。
今回もタンクだけで5案くらい出て、その中でももっともプレイヤー体験としてもおもしろそうで、かつこれまでのジョブと似ていないものをピックアップしていきました。もちろん、これと同じ流れを遠隔物理DPSでもやっています。
そこからそのジョブのメカニクスを先に決めて、ジョブの名前を考えていくのですが、過去の『FF』シリーズからインスピレーションを受けて企画されたものであれば、過去の『FF』シリーズに存在するジョブになることもあります。
一方で今回のように、おもしろさを最優先にして、いままでの『FF』にはないジョブであれば、オリジナルのジョブになるというわけです。
――そういった流れでジョブが決められていくのですね。
どんな武器を使い、それによってどのようなプレイ体験をプレイヤーの皆さんにお届けできるのかということを考えていくわけです。
今回もタンクだけで5案くらい出て、その中でももっともプレイヤー体験としてもおもしろそうで、かつこれまでのジョブと似ていないものをピックアップしていきました。もちろん、これと同じ流れを遠隔物理DPSでもやっています。
そこからそのジョブのメカニクスを先に決めて、ジョブの名前を考えていくのですが、過去の『FF』シリーズからインスピレーションを受けて企画されたものであれば、過去の『FF』シリーズに存在するジョブになることもあります。
一方で今回のように、おもしろさを最優先にして、いままでの『FF』にはないジョブであれば、オリジナルのジョブになるというわけです。
――そういった流れでジョブが決められていくのですね。
吉田
新しいジョブを決める・考えるためのフローは、拡張パッケージが発売されるたび、何年にもわたって積み上げてきたものです。
今回の基調講演や開発パネルでは、『FF14』が進化するポイントをいくつか発表させていただきましたが、それとは別に、このジョブを決めるフローは毎回、「それをプレイヤーにどうやって楽しんでいただくか」を考えています。
ですので、『白銀のワンダラー』だから「特別にこうしよう」となったわけではありません。
――エヴォルヴモードは、かなり大規模な改修に見受けられますが、開発にはいつごろから着手されていたのでしょうか? また、開発における最大の課題は何でしたか?
今回の基調講演や開発パネルでは、『FF14』が進化するポイントをいくつか発表させていただきましたが、それとは別に、このジョブを決めるフローは毎回、「それをプレイヤーにどうやって楽しんでいただくか」を考えています。
ですので、『白銀のワンダラー』だから「特別にこうしよう」となったわけではありません。
――エヴォルヴモードは、かなり大規模な改修に見受けられますが、開発にはいつごろから着手されていたのでしょうか? また、開発における最大の課題は何でしたか?
吉田
エヴォルヴモードを検討したいという話は、1年半以上も前くらいに、アシスタントディレクターの横澤(剛志氏)、バトルディレクターの佐藤(圭氏)にしました。
そこでふたりからも「それをやれるとしたら玉置だけだね」と言われたのです。今日の開発パネルでお話しした通り、そこから「よし、焼肉を食べに行こう」と玉置を誘い、そこで彼にその話をしてみたところ、「がんばります。ぜひやりたいです」と答えてくれました。そうして実際に玉置が作業をし始めてからは、1年4ヵ月ほど経っていますね。
ひとつひとつを丁寧に作っていくとなると、質の高いバトルシステムデザイナーが必要なのですが、そこは玉置が本当によく応えてくれました。
ただ、やはり課題となったのは時間です。正直にお話ししすると、『黄金のレガシー』をリリースして、そんなに日が経っていないうちから、つぎに向けての企画を進めていきました。
玉置はエヴォルヴモードの各ジョブの設計をやっているだけではなく、ほかにもバトルコンテンツのバランス・難易度チェック、フィードバック、ギミックの確認など、フル稼働していました。さらに、玉置はPvPのメイン担当でもあるので、PvPアクションの調整も彼が中心になって行っています。
それらを並行しながらエヴォルヴモードを作り上げていったので、やはり時間が最大のポイントだったかなと思います。
そこでふたりからも「それをやれるとしたら玉置だけだね」と言われたのです。今日の開発パネルでお話しした通り、そこから「よし、焼肉を食べに行こう」と玉置を誘い、そこで彼にその話をしてみたところ、「がんばります。ぜひやりたいです」と答えてくれました。そうして実際に玉置が作業をし始めてからは、1年4ヵ月ほど経っていますね。
ひとつひとつを丁寧に作っていくとなると、質の高いバトルシステムデザイナーが必要なのですが、そこは玉置が本当によく応えてくれました。
ただ、やはり課題となったのは時間です。正直にお話ししすると、『黄金のレガシー』をリリースして、そんなに日が経っていないうちから、つぎに向けての企画を進めていきました。
玉置はエヴォルヴモードの各ジョブの設計をやっているだけではなく、ほかにもバトルコンテンツのバランス・難易度チェック、フィードバック、ギミックの確認など、フル稼働していました。さらに、玉置はPvPのメイン担当でもあるので、PvPアクションの調整も彼が中心になって行っています。
それらを並行しながらエヴォルヴモードを作り上げていったので、やはり時間が最大のポイントだったかなと思います。


――玉置さんはエヴォルヴモードに専念されていたわけではなく、別の業務も並行して行っていたのですね。
吉田
そんな中で、開発パネルでの実機プレイではナイト、竜騎士、白魔道士、吟遊詩人の4ジョブを紹介させていただきましたが、今年2月の時点ですでに、21ジョブぶんのエヴォルヴモードが、テストプレイできる状態に組み上がっていました。
メカニクスでまだ迷っているところがあったり、アクションを入れ替えるなど、各ジョブの調整は『白銀のワンダラー』リリースのギリギリのタイミングまで続くとは思いますが、間違いなくリリースと同時に実装できる状態にはなるかと思います。
――新たなジョブ設計となるエヴォルヴモードに完全に切り替えるのではなく、従来のシステムと両立させる方針を決めたのは、どの段階だったのでしょうか?
メカニクスでまだ迷っているところがあったり、アクションを入れ替えるなど、各ジョブの調整は『白銀のワンダラー』リリースのギリギリのタイミングまで続くとは思いますが、間違いなくリリースと同時に実装できる状態にはなるかと思います。
――新たなジョブ設計となるエヴォルヴモードに完全に切り替えるのではなく、従来のシステムと両立させる方針を決めたのは、どの段階だったのでしょうか?
吉田
メディアの皆さんの中には、古くからのMMOプレイヤーという人も多いと思いますが、『Star Wars Galaxies』(スター・ウォーズ ギャラクシーズ)というゲームをご存じでしょうか?
僕もすごく好きなゲームデザインだったのですが、ある日、プレイヤーのためにと、すべてのバトルメカニクスを大幅に変更した結果、「そんなものは望んでいない」という声が多く挙がり、いまも悲劇と語り継がれていることがありました。
『FF14』は、『旧FF14』から数えたら15年以上、新生してからも13年と、非常に長い時間、プレイヤーの皆さんといっしょに作り上げ、ともに歩んできました。
そこでプレイヤーの皆さんがずっと慣れ親しんできたものを、いきなり「進化だから」と言ってなくすという選択肢は、最初から取るべきではないというのが僕の考えでした。
ですので、開発チームや先ほど名前を挙げたメンバー(横澤氏と佐藤氏)にも「(既存のアクションシステムは)リボーンモードとして絶対に残す」と伝えていました。
そのうえで「8.0に向けて調整もするし、アップデートもして届けるうえで、新たにエヴォルヴモードを作るけど、やってくれる?」という話をして、みんなからも「それでいきましょう」と返答をもらって企画がスタートしているので、最初の段階からそれを決めて制作に取り掛かっている状態です。
僕もすごく好きなゲームデザインだったのですが、ある日、プレイヤーのためにと、すべてのバトルメカニクスを大幅に変更した結果、「そんなものは望んでいない」という声が多く挙がり、いまも悲劇と語り継がれていることがありました。
『FF14』は、『旧FF14』から数えたら15年以上、新生してからも13年と、非常に長い時間、プレイヤーの皆さんといっしょに作り上げ、ともに歩んできました。
そこでプレイヤーの皆さんがずっと慣れ親しんできたものを、いきなり「進化だから」と言ってなくすという選択肢は、最初から取るべきではないというのが僕の考えでした。
ですので、開発チームや先ほど名前を挙げたメンバー(横澤氏と佐藤氏)にも「(既存のアクションシステムは)リボーンモードとして絶対に残す」と伝えていました。
そのうえで「8.0に向けて調整もするし、アップデートもして届けるうえで、新たにエヴォルヴモードを作るけど、やってくれる?」という話をして、みんなからも「それでいきましょう」と返答をもらって企画がスタートしているので、最初の段階からそれを決めて制作に取り掛かっている状態です。

――同一リージョン内でのプレイヤーマッチングは、『FF14』にとって非常に大きなアップデートだと思います。今回、この変更が実現可能になった背景には、どのような要因があったのでしょうか?
吉田
実現可能になった背景は、どこから話せばいいんだろうという感じですね……(笑)。『新生エオルゼア』リリース当時は、パーティ募集機能もありませんでした。そこからパーティ募集機能、ワールド間テレポ、データセンタートラベルと、何年にもわたってひとつずつトンネルを作るような感覚で機能を実装していきました。
そうやって作ってきたトンネルについて、ようやく皆さんのプレイが安定したまま、すべての壁をなくすことができるという確信を得られたのが、ちょうど2年前くらいです。この開発と運営の挑戦の積み重ねの結果が、最大級のサービスを届けられるようになった理由です。
そうやって作ってきたトンネルについて、ようやく皆さんのプレイが安定したまま、すべての壁をなくすことができるという確信を得られたのが、ちょうど2年前くらいです。この開発と運営の挑戦の積み重ねの結果が、最大級のサービスを届けられるようになった理由です。

サーバーには、プレイヤーの皆さんのキャラクターを管理するサーバーと、ワールド内で起きていることを高い位置から管理するフロンティアサーバーというものがあります。
これらのグループ全体を監視する新たな仕組みを作りながら安定させて、古いものと差し替えて……と、最初に設計したのが2年くらい前で、それを実際にコーディングしていったのが1年4〜5カ月くらい前からです。
これはすごくたいへんな作業だったと思います。サーバーチーム、インフラチームには本当に「ありがとう」と伝えたいです。
それと同時に、プレイヤーの皆さんを長くお待たせすることになってしまいました。『新生エオルゼア』のときに、最終的に実現したいと思っていたリージョン内マッチングが、13年もかかりましたが、ついに実現できました。ぜひ期待してお待ちください。

すべての物語は光の戦士が通った道の先にしか存在しない
――拡張パッケージのタイトル『白銀のワンダラー』(英題:『EVERCOLD』)には、どのような構想やコンセプトが込められているのでしょうか? また、その名称が正式に決定し、開発工程に組み込まれたのは、いつごろになりますか? 開発の途中で名前が決まったのか、名前を決めてから開発に組み込んだのでしょうか?
吉田
まず、今回の『EVERCOLD』(英題)というタイトルは、じつはほかのものにするつもりでした。
こうした変遷は、これまでの拡張パッケージでも何度かありました。古くは『STORMBLOOD』(『紅蓮のリベレーター』の英題)のときに『REBELLION』というタイトルにしようとしたのですが、諸事情で叶いませんでした。
『SHADOWBRINGERS』(『漆黒のヴィランズ』の英題)もじつは『DARKBRINGERS』にしようとしたのですが、これもダメだと言われてしまって……。
『ENDWALKER』(『暁月のフィナーレ』の英題)のときは『WORLDS END』にしようとしたのですが、これもダメで。そそいて今回は『ABSOLUTE ZERO』というタイトルにするぞと言って、ロゴのイメージまで作ってあったのですが、これもまたダメだということになりました。
こうした変遷は、これまでの拡張パッケージでも何度かありました。古くは『STORMBLOOD』(『紅蓮のリベレーター』の英題)のときに『REBELLION』というタイトルにしようとしたのですが、諸事情で叶いませんでした。
『SHADOWBRINGERS』(『漆黒のヴィランズ』の英題)もじつは『DARKBRINGERS』にしようとしたのですが、これもダメだと言われてしまって……。
『ENDWALKER』(『暁月のフィナーレ』の英題)のときは『WORLDS END』にしようとしたのですが、これもダメで。そそいて今回は『ABSOLUTE ZERO』というタイトルにするぞと言って、ロゴのイメージまで作ってあったのですが、これもまたダメだということになりました。


“ABSOLUTE ZERO”というのは調べていただければわかりますが、“絶対零度”、つまりすべてが凍りつくという意味です。地球もかつてすべてが凍りついていた時代があるというのも、最近科学的根拠をもって語られていて、そういった世界、および世界観で物語を作っていきたいというところがありました。
凍りつくというのは、物理的に凍るというのもありますが、人の心が凍りついて何にも感動しなくなるという表現として“Icy”が使われたりもします。いろいろな“凍る”のパターンがあると思ったのです。
今回、主人公である光の戦士の皆さんが、そういったあらゆるものが凍りついたという世界で何を見て、その氷を溶かし、時には破壊してどう進み、どう探求していくのか、ぜひご期待ください。

ちなみに、『白銀のワンダラー』のコンセプトを打ち出したのは『黄金のレガシー』のリリースから2ヵ月後くらいです。 実際はもっと先々の流れまで考えてはいるのですが、テーマをしっかり定め、“つぎはこうする”というのを決めたのが、そのくらいの時期になります。
――基調講演で公開された舞台では、建築デザインに北欧神話の強い影響が見られましたが、物語面にも同様の要素が感じられます。例の隻眼の人物も、かなり意味深に思えるのですが……? また、『蒼天のイシュガルド』でも北欧神話的なモチーフが多く用いられていましたが、こうした共通点には何か意図や法則のようなものがあるのでしょうか?
吉田
この質問をされた方はどなたですか? 鋭いですね。北欧の雰囲気があまりわからないようにしようと少し隠したつもりだったのですが……。
今回の基調講演で一切固有名詞を出していない理由は、おそらく後々わかると思います。ぜひ、北欧周辺の文化や神話など、いろいろなものを情報として見ておいていただけると、より楽しめるのではないかと思います。
今回の基調講演で一切固有名詞を出していない理由は、おそらく後々わかると思います。ぜひ、北欧周辺の文化や神話など、いろいろなものを情報として見ておいていただけると、より楽しめるのではないかと思います。


正直、この質問を見た時「ノーコメント」と言おうと思ったのですが、その洞察力をリスペクトさせていただいて。でも、ここまでにさせてください(笑)。
――バランスを損なうことなく、ジョブごとの個性をより強く打ち出すために、どのような方針や工夫を考えていますか?
吉田
“バランス”というひと言では、質問が漠然としているかもしれません。プレイヤーの皆さんのあいだでも語られるバランスの定義というのはけっこう難しいのです。
同一ロール内での単純なDPS(火力)、単位時間あたりのDPSの値だけを見てバランスと言う方もいます。はたまた、そもそもDPSは全員同じであるべきで、その状態こそがバランスが取れていると言う方もいらっしゃいます。
実際、メレー、レンジ、キャスターでそれぞれ役割が違いますし、僕らはロール内でバランスを取っていますが、コンテンツによる有利不利といったところはいつも考えています。
たとえばですが、今日の開発パネルではメレーの竜騎士を実機でお見せしました。その中に“スカイハイ”という、高くジャンプして3秒間滞空状態になる代わりに被ダメージを90%カットするという、かなりユニークなアクションがあったと思います。
僕らは、「竜騎士はやはりジャンプしてなんぼだろう」と思っていて、エヴォルヴモードではとにかくその特徴を竜騎士に持たせたいのです。それと同じように、エヴォルヴモードの侍にもエヴォルヴモードにしかない大技、アクションを作っています。順番としては、それぞれのジョブのメカニクスとして特徴が出ているものをまず作りましょう、というのが最初の段階です。
その時点ではバランスがどうこうではなく、それぞれのジョブをどうおもしろくできるかということを第一に考えます。
それで、先ほど例に出した竜騎士のスカイハイは、バランスの観点ではジャンプしてから3秒間、DPSが下がることを意味します。GCDで言えばアクションが2回打てるほどの時間なので、当然ほかのジョブに比べた場合に2倍以上のダメージをつけておかないとバランスが取れなくなります。それはメカニクスに応じて数字的にバランスを取っていくという形です。
ひと通り要素が出揃ったら、あとはひたすらプレイフィールがよくなるように、開発メンバーみんなの意見を寄せ合ったうえで決めていきます。これはある意味、いつものジョブ開発とあまり変わらないかなと思います。
――これまでに『FF14』のスピンオフ作品を制作することを検討されたことはありますか? たとえば、異なる時代を舞台にしたシングルプレイ重視の作品や、サブキャラクターに焦点を当てたゲームなどについて、構想されたことはあるのでしょうか?
同一ロール内での単純なDPS(火力)、単位時間あたりのDPSの値だけを見てバランスと言う方もいます。はたまた、そもそもDPSは全員同じであるべきで、その状態こそがバランスが取れていると言う方もいらっしゃいます。
実際、メレー、レンジ、キャスターでそれぞれ役割が違いますし、僕らはロール内でバランスを取っていますが、コンテンツによる有利不利といったところはいつも考えています。
たとえばですが、今日の開発パネルではメレーの竜騎士を実機でお見せしました。その中に“スカイハイ”という、高くジャンプして3秒間滞空状態になる代わりに被ダメージを90%カットするという、かなりユニークなアクションがあったと思います。
僕らは、「竜騎士はやはりジャンプしてなんぼだろう」と思っていて、エヴォルヴモードではとにかくその特徴を竜騎士に持たせたいのです。それと同じように、エヴォルヴモードの侍にもエヴォルヴモードにしかない大技、アクションを作っています。順番としては、それぞれのジョブのメカニクスとして特徴が出ているものをまず作りましょう、というのが最初の段階です。
その時点ではバランスがどうこうではなく、それぞれのジョブをどうおもしろくできるかということを第一に考えます。
それで、先ほど例に出した竜騎士のスカイハイは、バランスの観点ではジャンプしてから3秒間、DPSが下がることを意味します。GCDで言えばアクションが2回打てるほどの時間なので、当然ほかのジョブに比べた場合に2倍以上のダメージをつけておかないとバランスが取れなくなります。それはメカニクスに応じて数字的にバランスを取っていくという形です。
ひと通り要素が出揃ったら、あとはひたすらプレイフィールがよくなるように、開発メンバーみんなの意見を寄せ合ったうえで決めていきます。これはある意味、いつものジョブ開発とあまり変わらないかなと思います。
――これまでに『FF14』のスピンオフ作品を制作することを検討されたことはありますか? たとえば、異なる時代を舞台にしたシングルプレイ重視の作品や、サブキャラクターに焦点を当てたゲームなどについて、構想されたことはあるのでしょうか?
吉田
もちろん、あります。いつも言っているのですが、これだけ長い年月にわたって一生懸命作ってきているゲームですから、僕は世界中のひとりでも多くの人に『FF14』とそのストーリーを体験してもらいたいと思っています。
でも世の中には「オンラインの『FF』はやりたくない」、「オンラインの『FF』は『FF』じゃない」という方もまだまだいらっしゃいます。そうした人のためにも、スタンドアローンの『FF14』を作れればと思うのですが、残念ながらスタンドアローンの『FF14』を最高のものにできるチームは、『FF14』チームしかいないのです。
ですから、僕らみんなが引退した後、余生でスタンドアローンの『FF14』を作る、くらいしか可能性が残っていないのですが……。
もし、メディアの皆さんのお知り合いの中に「いやいや吉P、俺たちに任せてくれれば最高のスタンドアローン版『FF14』を作ってやるよ」という会社があるようなら、ぜひご連絡をください。
これは半分冗談、半分本気です。本当に情熱を持ってチャレンジしたいという会社があるのなら、僕らはけっこう前向きにお話は聞いてみたいと思っています。
先ほどの質問にあった、リージョン内同一マッチングシステムもそうですが、我々『FF14』チームの標語は「ネバーギブアップ」です。どんなに高い壁でも、どんなに難しいチャレンジでも、一歩目をスタートして着実に進めていかない限り、ゴールには到達しないといつも思っています。そこをいっしょにチャレンジしてくれる方、会社があればもちろん前向きにお話は聞いてみたいです。
正直なところ、スピンオフに関しては我々クリエイティブスタジオ3の少人数でちょっとチャレンジしてみたいなと思わなくもないのですが……。
でも、もしやったとしたら『FF14』プレイヤーは「吉P、そんなことしてないで『FF14』本体のほうをもっとやってくれよ」と言うでしょう。それはそれで辛いなと(苦笑)。
――『暁月のフィナーレ』から『黄金のレガシー』に移行するタイミングで、これから新たな10年の旅が始まる、という話をされていましたが、10年後の『FF14』をどのような姿にしていきたいとお考えでしょうか。またその10年の中で、最終的に達成したい目標(ゴール)があれば教えてください。
でも世の中には「オンラインの『FF』はやりたくない」、「オンラインの『FF』は『FF』じゃない」という方もまだまだいらっしゃいます。そうした人のためにも、スタンドアローンの『FF14』を作れればと思うのですが、残念ながらスタンドアローンの『FF14』を最高のものにできるチームは、『FF14』チームしかいないのです。
ですから、僕らみんなが引退した後、余生でスタンドアローンの『FF14』を作る、くらいしか可能性が残っていないのですが……。
もし、メディアの皆さんのお知り合いの中に「いやいや吉P、俺たちに任せてくれれば最高のスタンドアローン版『FF14』を作ってやるよ」という会社があるようなら、ぜひご連絡をください。
これは半分冗談、半分本気です。本当に情熱を持ってチャレンジしたいという会社があるのなら、僕らはけっこう前向きにお話は聞いてみたいと思っています。
先ほどの質問にあった、リージョン内同一マッチングシステムもそうですが、我々『FF14』チームの標語は「ネバーギブアップ」です。どんなに高い壁でも、どんなに難しいチャレンジでも、一歩目をスタートして着実に進めていかない限り、ゴールには到達しないといつも思っています。そこをいっしょにチャレンジしてくれる方、会社があればもちろん前向きにお話は聞いてみたいです。
正直なところ、スピンオフに関しては我々クリエイティブスタジオ3の少人数でちょっとチャレンジしてみたいなと思わなくもないのですが……。
でも、もしやったとしたら『FF14』プレイヤーは「吉P、そんなことしてないで『FF14』本体のほうをもっとやってくれよ」と言うでしょう。それはそれで辛いなと(苦笑)。
――『暁月のフィナーレ』から『黄金のレガシー』に移行するタイミングで、これから新たな10年の旅が始まる、という話をされていましたが、10年後の『FF14』をどのような姿にしていきたいとお考えでしょうか。またその10年の中で、最終的に達成したい目標(ゴール)があれば教えてください。
吉田
“ゴール”というのは“どう終わるか”ということでしょうか。そうした意味では、終わりの想像はしていないです。
仮に僕が死んでしまったり、仕事をリタイアしたりしても『FF14』は続いていく……そんな状態を作ることが僕のゴールだと思っています。10年という数字は、その途中にあるものと言えます。
『漆黒のヴィランズ』、そして『暁月のフィナーレ』で劇的なクライマックスをお見せできたと思いますが、あれに匹敵する、あるいはあれを超えるほどのクライマックスをつぎの10年で味わってもらいたいと思っています。いまはそこに向かって着実にストーリーを積み上げている途中です。
仮に僕が死んでしまったり、仕事をリタイアしたりしても『FF14』は続いていく……そんな状態を作ることが僕のゴールだと思っています。10年という数字は、その途中にあるものと言えます。
『漆黒のヴィランズ』、そして『暁月のフィナーレ』で劇的なクライマックスをお見せできたと思いますが、あれに匹敵する、あるいはあれを超えるほどのクライマックスをつぎの10年で味わってもらいたいと思っています。いまはそこに向かって着実にストーリーを積み上げている途中です。



『白銀のワンダラー』自体もそうですが、すべての物語は光の戦士が通った道の先にしか存在しません。
この意味はプレイを続けていただければ絶対にわかっていただけるはずなので、ぜひ引き続きともに歩んでいただけるとたいへんうれしく思います。