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『三国志大戦』の西山泰弘氏が贈るカードゲーム×ローグライト×オートバトル『三国志BOND』CBTレビュー。システムは盤石、演出に課題ありだけど期待大!【おすすめ度:7点】

文:あんまさ

公開日時:

 ゲラッパより開発中のSteam向けタイトル『三国志BOND』のクローズドβテスト(CBT)が5月初旬に開催されました。本記事では、本作のゲーム内容の紹介および、プレイレビューをお届けします。


 『三国志BOND』は、1対1のオンライン対戦型オートバトラーで、Steam向け作品として2026年にリリース予定です。

 『三国志』に登場する有名な武将や軍師がカードとなり、対戦前にあらかじめデッキを作成。そのデッキを元に、【登用フェーズ(武将登用)】→【配置フェーズ(武将配置)】→【戦闘フェーズ(オート戦闘)】という一連の流れを3回繰り返して勝敗を決める、 “ローグライトな登用システム”を採用しています。

 ちなみに本作は、SEGAのアーケードゲーム『三国志大戦』や『魁 三国志大戦』を手掛けた西山泰弘氏が手掛けています。これら作品をプレイしたことがある方であれば、そのエッセンスを随所に感じ、すぐにシステムを理解できるはずです。

※本記事の内容はクローズドテスト版のものであり、正式版のものとは異なる場合があります。

シンプルで簡単、だけど配置に“正解”がない。軍師の知略を試される対戦型オートバトラー【おすすめ度:7点】


 ここでは本作の一連の流れとなる【デッキ構築】【登用フェーズ】【配置フェーズ】【戦闘フェーズ】といった要素を個別に紹介していきます。

【デッキ構築】編成の軸となるカードを選択


 本作では『三国志』の英雄たちがカードとして再現されており、プレイヤーは軍師の立場でこれら武将を登用し、自軍を編成していきます。

 ゲーム開始前には、まず手持ちの武将から“合計4コスト分”の初期デッキを構築します。カードにはそれぞれコストが設定されており、“2.5+1.5”や“2+1+1”など、コスト配分を考えるところから戦略が始まります。


 初期デッキ編成で特に重要となるのが“計略”です。各武将には“自身や味方の強化”“敵軍の弱体化”“範囲ダメージ”など、戦況を劇的に変える特殊効果が備わっています。

 ただし、強力な計略を発動するには、特定の勢力(魏・蜀・呉など)や兵種(騎兵・槍兵・弓兵・歩兵・攻城兵)を持つユニットを多く揃える必要があります。後の“登用フェーズ”で狙うべき武将の指針がデッキ構築時点で明確になるため、初心者でも取っつきやすいシステムと言えるでしょう。

■デッキに合わせた“軍師”の選択


 デッキとは別に“軍師”を指定するのもポイントです。軍師は“軍師天令”と呼ばれる、特定のタイミングで強力な効果を発揮するスキルを持っており、デッキのコンセプトと軍師の戦略を噛み合わせることが重要になりそうです。

【対戦準備・登用フェーズ】州とマスの選択が運命を左右する


 デッキが完成したらいよいよ対戦相手とのマッチングです。本作は非同期型のシステムを採用しており、対戦相手には他のプレイヤーが実際に使用したデッキや配置データが登場します。


 マッチング後、まずは武将登用を行う“州”を選択します。州ごとに登場するマスのラインナップが異なるため、特定の勢力を狙い撃ちにするなど、デッキに応じた州選びが肝心です。マップ構造やマスの内容も試合ごとにランダムで変化するため、毎回異なる戦略を強いられる点がローグライトらしい面白さと言えるでしょう。


 登用はすごろくのようなマップで行われ、毎フェーズごとに6マス進むことができます。マスに描かれた“勢力”や“兵種”に応じて武将がランダムに抽選され、そこから“合計3コスト分”の武将を自軍に加えます。


 ここで興味深いのが、コストの引き継ぎです。例えば3コスト使える場面で2.5コストの武将のみを選んだ場合、余った0.5コストは次局に繰り越せます。“今は温存して、後の局で高コスト武将を狙う”といった、状況に応じたリソース管理が勝利のカギを握ります。

【配置フェーズ】敵の動きを読み、相性をぶつける本作最大の醍醐味


 登用したユニットをグリッド状の盤面に配置するフェーズです。相手の編成や配置は事前に開示されているため、それを見て“自軍のどのユニットをどこに置くか”を徹底的に考え抜きます。


 戦闘はオートで進行しますが、各ユニットに進軍ルートを指示することも可能です。ここで重要になるのが兵種の三すくみ(騎兵は弓に強く、弓は槍に強く、槍は騎兵に強い)です。いかにして有利な相性の相手に自軍のユニットをぶつけるか、その読み合いに本作の面白さが凝縮されています。

 “槍兵を最前線に置き、その背後に騎兵を忍ばせて突撃を狙う”“知力の高い武将を先行させて敵の伏兵を探す”といった、『大戦』シリーズ経験者にはおなじみのセオリーもしっかり生きてきます。

【戦闘フェーズ】配置をしたらあとは眺めるだけ!


 配置を終えたらいざ開戦! 武将たちはオートで動き出すか、設定した進軍ルート通りに動き、敵城を目指して進軍します。各武将は基本的に“最も近い敵を狙う”か“城を攻める”かのパターンで動きます。弓兵であれば射程内に入り次第射撃を開始します。


 敵を殲滅、あるいは周囲に敵軍がいないユニットはそのまま前進し、敵城に到達したら攻城を開始。攻城ゲージが溜まると敵軍の城ゲージを削れますが、同時に攻城したユニット自体の兵力も減っていきます。


 兵力が0になったユニットは撤退し、次局まで復活しません。制限時間が0になるか、どちらかの城ゲージが尽きるまで、手に汗握るオートバトルが繰り広げられます。最終的に3回のフェーズ(序局・中局・終局)を経て、敵城を落とすか、より多くの耐久値を残したプレイヤーの勝利となります。

感想:根幹のシステムは盤石だが、CBTゆえの課題も


 実際にプレイした感触として、ゲームシステム自体は『魁 三国志大戦』の良さを継承しつつ、非同期型対戦や軍師システムの導入など、独自のスパイスが効果的に機能していると感じました。

 一方で、CBT版ということもあり、粗削りな部分も見受けられました。特に戦闘フェーズにおいては効果音やエフェクトが未実装の箇所が多く、ユニットが密集する終局では“何が起きて勝った(負けた)のか”が視認しにくい場面がありました。


 また、局が進むほど計略が乱発するのですが、演出の入り方によってはテンポが削がれ、知略がハマった際の“気持ちよさ”が戦場の煩雑さに埋もれてしまっている印象も受けました。視覚的な楽しさは戦闘フェーズに詰まっているので、ここが未完成である点を踏まえると、現時点での筆者の評価は10点中7点といったところです。

 しかし、これらは演出面やUIのブラッシュアップで劇的に改善されるポイントでもあります。公式Discord等で積極的にフィードバックを求めている開発陣の姿勢を見るに、製品版での進化には大いに期待が持てます。

 1試合7分程度の気軽さから、じっくり考えれば30分は没頭できる奥深さまで。オートバトラーというジャンルに“三国志の知略”を融合させた一作として、今後の動向から目が離せません。


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