ネットマーブルが開発中の“ヴァンパイアたちの”MMORPG『ヴァンピール』(本作の開発をおこなうのは『リネージュ2 レボリューション』を手がけたNetmarble Neoの主要開発陣))。本作の先行プレイをする機会が得られたので、その感想をお届けします。

“ヴァンパイアたちの”という冠詞が付いているほど、本作はヴァンパイア……いわゆる吸血鬼にフォーカスされた作品。
従来のMMORPGの多くがファンタジーをテーマとしたものであることに対し、より独創的で異なるビジュアルに挑戦するという意識が込められているそうです。
今回は開発中の作品の先行プレイということで、すべてが体験できたわけではなく、また今後変わる要素もあるかと思いますので、その点はご了承ください。
吸血鬼や悪魔といった存在を主としたダークで美しい世界観が魅力
先にも述べたように、本作の主役はヴァンパイアたちであり、従来のMMORPGのような明るい色調のファンタジー世界ではなく、闇の世界のようなより暗く凄惨なアートデザインで構成されているのが特徴です。
この世界ではヴァンパイアと人間たちが生存をかけて争っており、プレイヤーは冒頭で新たなヴァンパイアとして目覚めるところから始まります。

プレイヤーは目の前に現れ、自分をヴァンパイアにした“預言者”に導かれ、ヴァンパイアとしての生き方を覚えていきます。
そして、その過程で最初のヴァンパイア・カインの血を継ぐ継承者と認識されたことで、人間との戦いに大きく関わっていくことに……。
周りに横たわる死体の山や、すぐさま生贄の血を啜ってしまう主人公、そして簡単に失われていく命の数々と、従来のMMORPGではあまり見られない世界観に衝撃を受けます。

当然ながら、主人公の外見は最初に作成することが可能。5つのクラスと合わせて、好きなようにカスタマイズできます。
選べるクラスは、アカシャ、カーネイジ、ブラッドステイン、ヴァイパー、グリムリーパーとなります。
各クラスについて公式の動画が公開されているのですが、紹介ムービーがめちゃくちゃ格好いいので、ぜひ一度見てほしい……! 個人的にはブラッドステインのお姉さんがお気に入りです。

アカシャは血の力で自らの肉体を強化して戦う、肉弾戦を得意とするクラス。刃の付いたトンファーを振り回し、圧倒的な力と速度で敵を粉砕していきます。
カーネイジは、純粋なヴァンパイアの力ではなく、血の力を宿した二丁の拳銃で敵を撃ち抜くクラス。
長い射程距離と素早い連続攻撃が持ち味で、多数の敵相手でも引けを取りません。
ブラッドステインは自らの血を剣に変えて戦う、耐久力と攻撃力を兼ね備えたハイブリッドクラスです。
その姿はさながら吸血鬼の騎士であり、王道の近接スタイルで人間を追い立てます。
ヴァイパーは古代の呪術を利用して戦う魔法使いのクラス。血の力を使った直接的な戦い方はせず、闇の力によって毒や呪いを振りまきながら戦います。
グリムリーパーは闇を具現化した大鎌で敵を薙ぎ払うクラス。隠密やテレポートといったテクニカルな技を習得しており、影から敵を葬る暗殺者のような戦い方が特徴です。
お気づきになった方もいるかもしれませんが、本作にはなんとヒーラー(回復職)に相当するクラスがありません……! 敵を倒す爽快感に欠けるヒーラーは、MMORPGでは不人気なクラスになりがち。
そのため本作では、すべてのクラスが攻撃役であり、後述する“吸血”システムやポーションなどのアイテムによって、自己回復が可能となっています。
もちろんクラスのほかに、キャラクターの容姿の変更も可能。性別とフェイスタイプ、髪型や装飾、体のバランスなどをカスタマイズし、自分だけのキャラクターを作り出すことができます。

顔のビジュアルは韓国産MMORPG系統の美しい男女のものが多いため、日本人でも受け入れやすいと思います。
髭は生やせるものの、老練なキャラクターは作れなかったのは少し残念ですね。
個人的にちょっとメロいヴァンパイアが作りたい気分だったのですが、その要求にはめちゃくちゃ応えてくれました(笑)。

なお、ゲーム中はストーリーの要所で美麗なムービーが挿入されます。さすがにプレイヤーキャラクターが映ることはありませんが、魅力的な登場人物たちが格好良く立ち回る姿は否応なくテンションが上がりますし、そのキャラクターがどれくらいの力を持っているのかが視覚化されて良かったです。

オート操作を積極的に取り入れた手軽さが特徴的なゲームプレイ
続いて、ゲームプレイについての感想を。本作は近年のモバイルでの操作を前提としたゲームとなっており、クエストの目的地までの移動や、周囲の敵との戦闘などを自動で行えるようになっています。

もちろん手動操作も可能で、クォータービュー(斜め上からの見下ろし形式)でプレイすることになります。ハックアンドスラッシュ系のゲームでよく見るスタイルですね。
操作系はオーソドックスで、移動とオートの通常攻撃をしつつ、キーを押して割り当てたスキルを適宜使用する形。スキルは派手なエフェクトとともに爽快感を味わえますし、戦闘のテンポもスピーディーです。

敵はフィールド上に無数に存在するのですが、ダンジョンなどの特殊な空間を除き、基本的にこちらが近くを通っても襲ってくることはありませんでした。
また、敵と戦い始めても周囲の敵が参戦してくることもなく、狙った敵だけを安全に倒しやすくなっており逆に不自然に見えたのですが、これに関しては正式サービス後に多数のプレイヤーが参加する環境になると感じ方が変わるかもしれません。

また本作ならではの特徴として、敵を“吸血”することで体力の回復と同時に、一時的に能力をブーストする要素があります。
プレイヤーがヴァンパイアであることの表現としても良いですし、敵を魔法陣のようなもので拘束して血を吸いだすという演出が、ダークな世界観と相まって独自の魅力となっていました。

クールタイムはありますが、けっこう頻繁に血を吸うことができるため、出し惜しみしなくてもいいのが嬉しいです。
ちなみに、オート進行はかなり優秀で、少なくとも今回プレイした範囲はオートでも割となんとかなってしまったほど。
しかしゲームをプレイしている感覚が薄くなってしまうので、私はあえて手動操作することも多かったです。
がっつりプレイしたいときや、強力な範囲攻撃を行ってくるボス戦などは自分で操作し、ながら作業など気楽に遊びたいときはオート進行というような使い分けをしてもいいですね。

このあたりのバランスは今どきの(モバイル展開を意識した)ゲームだなあという印象で、好みは分かれるかもしれません。
一方でMMORPGとしての作りはクラシックさを感じました。物語を進めるクエストの合間には、特定の敵を10~20体倒すという過程を伴うものが多く、いわゆる昔のMMORPGのように“MOB狩り”を行うことになります。
ストーリーを進めていれば勝手にレベルが上がっていくという昨今のスタイルと、あえて逆を行くような作りにはすごくノスタルジーを刺激されたのですが、ここも好みは分かれそうというのが正直なところです。
かつての“敵を狩ることで、キャラクターを成長させる装備やアイテムを入手する”という遊び方が好きだった人におすすめです。

遊んだ時間に見合ったぶんだけ見返りがある潤沢な報酬システム
キャラクターの育成や装備の仕組み、スキンといった課金要素は、韓国製RPGによくある形式。手に入るアイテムには等級が設定されており、当然ながらレアリティの高いものほど性能が高くなります。

加えて装備の強化要素もあり、強化用のアイテムとお金を消費することで、性能を強化することが可能です。使う装備だけ強化すればいいかというと、そんなこともありません。
本作には装備やアイテムのコレクション要素があり、指定されたアイテムを登録(消費)することで、永続的なステータスアップを行えるというもの。この登録するアイテムに、一定の強化値が必要になるものもあるため、コモン装備や強化用アイテム、お金はいくらあっても無駄にならないという仕組みです。

強化用アイテムなどはひたすら敵を倒し続ける簡易的なダンジョンのようなところでも手に入るため、前述のオート機能を使えば、手が離せないときに素材集めを自動でしておく、といったプレイもできそうでした。
また、このようなコレクション要素はアイテムだけではありません。ストーリーを進めることでキャラクター辞典のようなものも充実していき、物語を把握しながら報酬を得ることができるようになっています。

ログインや特定のお題を達成することでも報酬がもらえるなど、さまざまな要素でキャラクターを成長させていくことができるのですが、要素が多すぎて慣れるまでは雑然としたように感じるかもしれません。
といっても、これは本作独自のものというよりも、韓国製RPGの伝統的な作りなので、慣れている人には気にならないかも。


なおキャラクターの外見に関しては、装備を変えても変化しません。外見はスキンで変化する仕組みとなっており、ガチャ形式となっています。
またゲームを進めるともらえる騎乗生物も通常は狼ですが、こちらもスキンでさまざまな外見の動物へと変更できるようになっていました。
当然ながらレアリティが高いスキンほど装備の見た目やエフェクトが豪華になっています。


こういったアイテムの購入に必要なダイヤは、ゲームをプレイすることでも獲得可能。直接課金して素早く手に入れる従来の方法のほかに、時間をかけてプレイすることでも購入可能にするデザインを意識しているとのことです。
最後にPvPに関してですが、こちらは今回のテスト版で触れることはできませんでした。
しかしいくらかの情報は明らかになっており、まずPvP可能なエリアが分けられていることで、一方的なPK(プレイヤーキル)は行えなくなっているとのこと。
また2つのチームが特定のエリアで陣地を取りあう、MOBAのようなルールの“争奪戦”や、詳細は不明ですが大規模PvPが行われる戦闘特化エリアなども用意されているようです。

また、特定の勢力によるサーバー支配が固定化されないように、定期的にサーバーをシャッフルしたり、敗者側のプレイヤーにも貢献度に応じた報酬が支給されたりと、全プレイヤーのモチベーションを保つ仕組みも導入予定とのことなので、大規模な対人戦が好きなプレイヤーは要注目です。
今回紹介した『ヴァンピール』ですが、現在事前登録を受付中で7月に正式サービス予定となっています。ヴァンパイアが主役のダークな世界観を楽しみたい方や、昔ながらのMMORPG的な味わいが好きな方は、ぜひチェックしてみてください。